コイン相場を運営する 株式会社コイン神社 Co-Founder / COO 沼崎さんへインタビュー

コイン相場を運営する 株式会社コイン神社 Co-Founder / COO 沼崎さんへインタビュー

今回は、仮想通貨投資を行っている人なら殆どの人が知っているであろうアプリ「コイン相場」を運営する株式会社コイン神社のCOOである沼崎さんへインタビューを実施しました。

コイン相場の新機能、この先の狙い、そして、今回発表された独自トークン構想などについて、たくさん語っていただいております。彼の人となりも見えるインタビューになっております。

「コイン相場」について

1700銘柄以上に対応したチャート、取引所やコインの時価総額ランキングを確認出来るマーケットウオッチ、国内外60主要媒体のニュースキュレーション、APIによる自動連携のポートフォリオ管理など仮想通貨取引に必要な機能を網羅したオールインワンな仮想通貨アプリ。

上記に加えて、2200以上のICO情報を検索出来る「COIN JINJA」やクイズに答えると仮想通貨が無料で貰える「エアドロップQ」、取引マイニング対応自動取引機能「ハミングバード」など、他では見られない独特な機能も備えている。

株式会社コイン神社 Co-Founder / COO 沼崎氏へインタビュー

dAppsブラウザ機能とdAppsプラットフォーム構想

— コイン相場のアプリが今回、大型アップデートを行うと聞いてインタビューをさせてもらいたく思います。今更な気もしますが、知らない方もいると思うので、まずは自己紹介をお願いします。

沼崎 : コイン相場の沼崎です。エンジニアでは無いので、それ以外業務全般の担当をしています。

— 前回、アップデートされた内容であるウォレット機能に関して、簡単に紹介してもらえますか?

沼崎 : まず、前回のアップデートでは、従来のコイン相場にウォレットの機能を追加しました。これは、BTCやBCH,ETHなどの主要通貨をカバーしております。勿論、ERC-20のトークンもすべて対応しています。

また、コイン相場ウォレット間であれば、送金時間もかなり速いですし、更にユーザーは手数料無しで送金が可能です。AirDropとか決済での煩わしい手数料の問題も解決できると思っています。

— コイン相場アプリといえば、トレードに役立つ情報だったり、AirDropQだったり、ハミングバードだったりと、トレーダー向けな機能が多い中、何故、このタイミングでウォレット機能を実装しようと思ったのでしょう。

沼崎 : まず、前提条件として日本国内と海外に対する戦略の意味合いが全然違うと考えています。例えば、日本国内に限って言うと投資ユーザーとかトレーダーには多少はリーチ出来たという手応えがあります。国内で次に、我々が狙うところとしては、トークンエコノミーだったりとか、DAppsサービスを利用する人を取りに行きたいと考えています。その第一歩がウォレットですね。

— 事前に聞いている話だと、今回のウォレット機能の実装というのは第一歩に過ぎなくて、もっと重要なアップデートが行われていくと伺っていますが(笑)

沼崎 : そうですね(笑) 今回、さらなる機能実装として、TrustのようなdAppsブラウザ機能も追加します。コイン相場のアプリからdAppsの利用を可能にしていきたいと思っています。そのためにも、まずは、国内外の人気dApssとの提携を行いたいと思っています。そして、今後はdAppsプラットフォームとしての狙いもあって、開発者向けにコイン相場のAPIを提供して行く予定です。

— dAppsブラウザだけではなくて、dAppsプラットフォームも提供するんですね!国内でそういうサービスを提供しているところって、現状だと殆どありませんが、コイン相場独自の特徴ってあるのでしょうか。

沼崎 : このプラットフォームの特徴として、GASとしての手数料がかからないのが肝となっています。日本も勿論ターゲットではありますが、特に海外をターゲットにしています。海外に関しては、今後は決済狙いをターゲットとして考えています。

主に、新興国としてインドネシア、トルコ、南米とかで、店舗側が使うことを想定してます。その為のdAppsプラットフォームであり、必要な機能をどんどん乗せていくイメージですね。

— 一般ユーザーだけじゃなくて、それ以外の店舗側の導入とかも狙っていると。そこは結構意外でした。

沼崎 : だって、毎回送金するたびに手数料がかかるって意味がわからなくないですか?そういうのをなくせるようにしていきたいです。後は、dAppsプラットフォームとして提供するので、決済周りに関してのdAppsもでてきてくれたらいいなと考えています。

— 因みに手数料無料というのは、これはコイン相場側が手数料を負担するから、開発者側はいくらでもやってくれよってことですか?

沼崎 : 今回、dAppsプラットフォーム戦略として、手数料が無料にできるのは、Mixinのチェーンに乗っているからなんです。コイン相場自体がMixinのパブリックチェーンに載っかっている、そこからAPIやその他の開発に必要な諸々を提供する。

Mixin上のチェーンで完結することに限っては、一切手数料とかはかからないという仕組みです。因みにMixinのパブリックチェーンはかなり速いですよ。

— なるほど、因みにコイン相場のdAppsプラットフォーム上でどういうようなアプリが出てきてほしいとかありますか?

沼崎 : 今、超簡単に考えているのは、コイン相場のdAppsの中でQRコードを作れるようなものとか、そういうのは出していく予定です。後は、API提供するから面白いことをそれぞれが作ってくれたらいいかなーとか思ってます。

トークン発行だったり、チャット機能をつけたりとかそういうのも考えていて、簡単にトークンエコノミーが作れるようにしたりとかも考えてます。これらは、オフチェーンじゃなくて、全部パブリックチェーンに乗っける想定でいます。

投機からトークンエコノミーへ

— ウォレット機能に、dAppsブラウザ、dAppsプラットフォームと、今までの機能追加と比べるとだいぶ毛色が違いますね。

沼崎 : 因みに、ICOプラットフォームの提供とか、DEXとかの構想もあるんですが、ここらへんはまぁ、法規制をにらみながらって感じですね(笑) 最近は日本だけでみても、だいぶブロックチェーン関連のサービスとかプロダクトってでてきましたよね。 で、それらを利用するユーザーも徐々に増えてきていると思ってます。

例えば、ALISで記事を書いていて、ALISのトークンを細々ともらったとき、このALISの利用方法ってどうしたいって普通は考えると思いますか?

— 多分ですが、このALISトークンを利用できる形に換金したいとか考えるんじゃないでしょうか

沼崎 : そうですよね。まぁ、換金まで行かずとも利用しやすくなるETHとかに簡単に変えたいってほとんどのユーザーは思うと考えています。大体のユーザーって、細々とウォレットに色々なトークンとかも入っていると思うんですよ。で、それを瞬時にETHとかに変えることができることがまず大事だよねと。

そういうことを簡単にできるようになってから、トークンエコノミーはようやく機能していくんじゃないかなとと考えています。

— 現状だと、何かで得たトークンってどっかの取引所に送るっていうのが殆どで、面倒というか煩わしいと言うか…

沼崎 : そう。これだと、新しいユーザーもなかなか入ってこないんじゃないかなと思っています。例えば、ALISとかで書いた記事で得たトークン。ここで手に入れたトークンは自分のお金で買ったわけじゃなく、あくまでも記事を書いた上で得たトークンです。

こういう新しい稼ぎ方として手に入れたトークンをETHとかに瞬時に変えて、自分の好きなdAppsとかで利用する。こういうことがトークンエコノミーの第一歩なんじゃないかなと思っています。

国内のdAppsと提携することでウォレットとも統合できるはずなので、KyberNetworkのようなDEXをうちにも統合して、簡単にETHに変える。ここで、投資だけじゃないユーザーも捕まえていく戦略です。なので、今回行うカンファレンスに来るユーザー層も今までとは若干変わっていくようになればなと考えています。 ※インタビューはNextEconomyConference2018の前に実施しています。

— カンファレンスのメンツを見ても、なかなか面白いメンツが集まってますよね。はじめの企画段階で相談されたとき、それって普通だよねってダメ出しした記憶ありますが(笑)

沼崎 : あのダメ出しで、一回全部白紙に戻したくらいですから(笑) ただ、先述したとおり、投資ユーザーも勿論ですが、今後はトークンエコノミーとかそういうユーザーも取っていきたいと考えています。

そうなったときに、コイン相場のアプリとしても、今回のイベントとしても、もっとそういう方向にシフトさせていきたいですよね。現状、国内でやっているようなイベントって結構似ているイベントばかりでつまらないですから。今後はもっと、ITとか技術とかにも興味のあるイノベーターやアーリーアダプターだったり、新しい稼ぎ方というような方面に特化して、我々も移り変わっていけたらと考えています。

— 今回、アプリ周りだけじゃなくて、株式会社コイン神社に関しても色々と聞いて行けたらと思っているのですが、そもそも、どういうスタンスで開発とか動いてるんでしょう。

沼崎 : ぶっちゃけ、適当ですよね。結構ノリでやってます(笑) まぁ、常に意識しているところしては、新しいものを開発、グローバル、エンジニア。この3点だけしかうちは本当に考えていないです。

それ以外の細かいことに関しては、何か必要になればやるっていう感じでやってます。で、これが色々と効いてるんじゃないかなと思ってます。例えば、日本国内だけに絞っちゃうと、色々と法令に従って作らなければいけませんよね。しかも、複数の言語や国に対応していくと、UI/UXも何が正しいかとかわからないわけです。

ただ、機能を盛り込みまくって、それをグローバル展開にしてしまえば、法規制なんか関係ないんですよね。どっかで当たったらそれが勝ちですし、規制でNGになったり注意されたらその機能を取り下げればいいだけなんで。そういう意味で、我々がやっていることはロスが少ないです。

— 例えば、全世界向けに展開してる機能で、日本では反応はあんまりだけど、海外では当たったみたいな機能とかもあるんでしょうか?

沼崎 : 顕著に海外でバズったなーっていうのが、マイニングボット機能であるハミングバードとかがいい例ですね。日本でのFCoinとかBigOneとかの取引所マイニングって一時期流行ったけれど、速攻廃れてしまったじゃないですか。

コイン相場の機能『ハミングバード』

でも、この機能をリリースして一番使われた地域って中国なんですね。BigOneの取引所マイニングとかは特に利用されていますね。後は、韓国だとチャートとかキャンドルとかの設定をかなり細かく設定したりもしてる傾向がありますし、プレミアムって項目があると思うんですが、これなんかは韓国で特に使われています。他の国からしたら、何だこれって感じでしょうね(笑)

— 国ごとのカルチャーとかがかなりでてきてそうですね。日本とかだとどういう機能が最も使われるんですか?

沼崎 : 本当に国民性みたいなのが全然違うので、新しい発見も多いですね。因みに日本なんかはTwitterとか見ててもよくありますが、アラート機能みたいなのが特に使われてますね。やっぱりトレーダーとか投資家が多いからそういう傾向があるのかもしれません

コイン神社の独自トークンを発行

— 色々と一通り聞いてきたところで、今後のブロックチェーンとか仮想通貨ってどうなっていくって考えますか?

沼崎 : 去年までは、投機として、ビットコインとかの価格が高騰して、盛り上がっていたけれどもそのニーズはもう終わりかなと思っています。勿論、そこら辺のユーザー見ていたりすると面白いし、一定数の需要はあるけれども、最近のコミュニティの盛り上がりや技術者が徐々に出てきていることを見ても、今後はそっちが重要になっていくのかなと。

我々も、色々と次のステップに向けての挑戦とかを常にし続けていかないといけないと思っています。で、クリプトスタートアップとしてのコイン神社を名乗るなら、やっぱり独自のトークンって必要だよねって思っているので、独自トークンを発行します。

— とうとう、独自トークンの話がでてくるわけですね(笑) その話聞いたのは去年の冬だった記憶あるので、1年越しで公になったわけですが、何故このタイミングで出そうと考えたのでしょうか。

沼崎 : 正直なこと言うと、海外展開やマーケティングの意味合いを考えていく上でも、やっていけないなと思ったんですよ。プロダクトにトークンが組み込まれていて、ようやく認知されるところも海外にあって。実際問題、CMCを見ていても、トークンの価値が高いもののほうが強いですよね。

シンガポールにFoundationも作ったので、我々のトークンをリリースします。現状用途も完全に決めきっていないですが。

— 用途とかは全く考えてなくて、後付であると。でも出すことに意味があると。因みに違法性とかは大丈夫なのでしょうか。

沼崎 : まぁ、用途はないとはいいましたが、今後課金のコンテンツとかも作って、その部分をトークンで賄っていく事は考えています。どちらかというと、複数機能アプリなので、使える部分は考えればかなり出てきますが、まだ決めていないという言い方が正しいですね。

単純にアプリ内で利用できるトークンにはなっていきますし、楽しみにしててください。これは日本向けにも展開していきますよ。

DEXにも最初は流通予定ですが、そもそもプライベートセールはファンドとプロジェクトに絞っており、一般投資家には全く販売してないですし、オンラインに情報ゼロ、ホワイトペーパーも日本語無し、と国内には渡らないように万全を尽くしたので、違法性は全くありません

— ウォレット、dAppsプラットフォーム、そして、独自トークンと、コイン相場のトークンエコノミー的な部分とますます、目が離せませんが最後にコメントをお願いします。

沼崎 : 昨年までのコイン相場というのも大事ですが、ここからはステップ的な意味でまた貯金0からスタートしていきます。なので、これからは新しい挑戦です。一応、現状だと仮想通貨界隈のコイン相場というアプリの位置づけですが、グローバル・トークンエコノミーとしてのコイン相場になっていきたいと考えています。

我々の直近の目標で言うと、国内におけるすべての仮想通貨アプリの中で一番になることを目指してます。勿論、海外にも負けるつもりはありませんが。今後、もっと進化していくコイン相場を楽しみにしていてください。

インタビューを終えて、編集後記

今回、株式会社コイン神社のCOOである沼崎さんへインタビューを実施させていただいたわけだが、彼との出会いはかれこれ1年前である。お互い、そこそこ有名な企業のいちサラリーマンとして出会った。

彼の第一印象としてはかなり変なやつだなぁという印象しかなかったのが、正直な感想である。今では仮想通貨に携わる人なら誰でも知っているであろうコイン相場のアプリをリリースし、アップデートを重ねていく。

彼自身は、様々なイベントにも登壇、アプリにおけるいろいろな戦略を次々と考えて実施していくのを肌で感じながら見ていて、自分自身も負けないようにしようと何度も思ったものである。そんな彼らの次の目指すところは世界であると語る。

自分たちが信じる分野に対する投資の姿勢、開発力とスピード、そして計算され尽くした行動力をもとに国外へのチャレンジを行うのは非常に勇気のいる行動だと個人的には思う。現状に満足せずに挑戦し続けるコイン神社をこれからも友人として応援するとともに、ライバルとして我々も負けないようにしていきたいと思う。

1周年おめでとうございます。今後とも、どうぞよろしくおねがいします。

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