本記事では、4NEWと呼ばれるイギリスのプロジェクトを紹介します。

4NEWは廃棄物発電により、指数関数的に増え続けるマイニングに消費電力の問題を解決するプロジェクトです。

電力をトークン化する類似のプロジェクトとしてElectrify Asiaなどが挙げられますが、4NEWは自社の発電所などトークン化以上に、問題解決的なアプローチをとっていることが特徴です。

4NEWの概要

4NEWの概要

通貨名/ティッカー KWATT
創業者(CEO) Sandeep Golechha
主な提携先 非公開
特徴 廃棄物発電により生み出された電力のトークン化
公式リンク Webサイト
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github(ソースコード)

ICO情報とトークンメトリクス

4NEWのICO情報

WhiteList ?
規格 ERC20
支払い ?
発行枚数 300,000,000 KWATT
調達額 総額 75,000,000 USD
PrivateSale 41,000,000 USD
ICO 34,000,000 USD
ICOレート 1 KWATT = 1 USD

KWATTはICO段階ではKWATTトークンとしてERC20が採用されますが、ロードマップでは2018年Q2の4NEWのブロックチェーンが完成次第KWATTコインに移行すると記載されています。

ICO段階で発行されるトークン(コイン)は300,000,000枚となっていますが、将来的に追加発行は行われません。

またセール期間中に売れ残ってしまったトークンはすべて焼却(バーン)されます。

以下はトークン利用や将来の収益の用途の詳細になります。

チームでは25%のトークンを保有しておくことで、ビジネスモデルにおける収益源の一部としてこれを利用し、内35%を再投資していくようです。

4NEWの特徴やビジネスモデル

本項では4NEWの特徴やビジネスモデルに関して紹介していきたいと思います。

4NEWのバックグラウンド

上述の通り、4NEWはマイニングに伴う消費電力とその将来的な増加を問題視しています。

現在でも、マイニングのために消費されている電力量は電力消費が世界43位であるシンガポールと同等の数値となっています。

このテーブルはビットコインとイーサリアムの電力消費を示したもので、年間の電力消費は現在でもそれぞれ、60.66TWh、17.26TWhと、国家でいうとコロンビアやキューバと並ぶほど大きなものとなっています。

更に、これは今後も指数関数的に増加しており、来年までに世界20位の国家と同等レベルまで到達するであろうと予測がされています。

4NEWがこの問題に対して提案するソリューションは廃棄物発電による持続可能なエネルギーの生成です。

廃棄物発電では、廃棄物からきれいな水や有機物質を生成しますが、そのプロセスで生成されるエネルギーを活用していきます。

4NEWの特徴① 世界初-ハッシュ計算能力とのペッグ通貨

4NEWのコイン(現在はトークン)であるKWATTは、世界初のハッシュ計算能力とペッグされたコインで、1コインが一定のハッシュ計算能力を表します。

コイン保有者は、コインを保有しているだけで年間を通して、時間当たり1キロワット分の電力をマイニングに利用し続ける権利を得ることができます

しかし、このモデルだと例えばビットコインの難易度調整の度にコインとハッシュパワーの相関を維持させることが難しくなってしまいます。

そのため、コインとハッシュパワーは独自の分数化したアルゴリズムが用いられており、コイン保有者が難易度調整の度に不利益を被る可能性を削減しています。

4NEWの特徴② 竣工済みの発電所

後述するロードマップにもある通り、4NEWは既に竣工済みの発電所を2箇所に持ちます

各発電所では、1時間当たり10メガワット(10,000キロワット)の電力を生成することが可能です。

更に、ホワイトペーパーには第三の発電所が竣工すると年間で生み出すことの電力は10億キロワットに到達すると記載されています。

4NEWのビジネスモデル

4NEWでは上述の通り、コイン保有者に対して永続的にキロワット当たりのマイニングの配当を付与すると記述されています。

このモデルが持続可能である理由は、4NEWが持つ複数の収入源にあります。

第一に、廃棄物発電においては、廃棄物の回収のプロセスにおいて収益が発生します。

廃棄物発電のエネルギー源となる廃棄物を回収するサービスを行うことで、そこから収益を得ることができます。

第二に、廃棄物発電の副産物として生成されるきれいな水や有機物質の販売です。

4NEWでは廃棄物発電のプロセスで生成されるエネルギーをマイニングの電力として利用しますが、最終的にきれいな水や有機物質が生み出されます。

第三に、生成した電力の活用もまた収入源となります。

生成した電力は、イギリスのNational Gridと呼ばれる電力会社に売却されるか、自社のマイニングファームの維持に利用されます。

4NEWの仕組みや将来性 / ユースケースの解説

4NEWのブロックチェーンの用途

ブロックチェーンの出現により、電気などの形を持たない土着の商品や価値を世界規模にスケールさせることが可能となりました

4NEWでは、ブロックチェーン技術を利用することで、自社の発電所で生成したエネルギーをトークン(コイン)化して発電所の電力を分割、さらに世界中どこでも移動させることができるようになります。

また、これまで電力が少数のプレイヤーによって寡占されていた状況から、トークン(コイン)と電力をペッグすることにより、消費者自身に対し価格の決定力を持たせることにも成功しています。

分散型台帳の利用により、ブロックチェーン上のすべてのサービスや商品の売り上げや、改竄不可能で監査可能なすべてのトランザクションの記録を行うことができます。

【ユーザー】ポートフォリオのカスタマイズ

KWATTコインを保有することによって、ユーザーは紐づけられたハッシュ計算能力分のマイニング収益を受け取る権利が発生することを説明しました。

4NEWではユーザーは、ハッシュパワーを利用する権利をどのコインのマイニングに充てるかを選択することができます

また、マイニングが可能なコインの中からトップ20とマイニングに必要なハッシュレートが自動的にはじき出されポートフォリオの選択画面に表示されます。

このマイニングのプロセスによって生み出された収益も自動的に4NEWのウォレットに転送されます。

4NEWの将来性

ASICやGPUを利用したマイニングは主にPoWの合意形成アルゴリズムに対応しているコインの採掘のことを示します。

イーサリアムなどはPoSのアルゴリズムへと切り替えを行っていくようですが、上述の電力消費の予想と同様に、これからもマイニングに費やされるリソースは増加していくと予測されています。

ホワイトペーパーに記載されていますが、これらの理由から今後数十年の間はASICやGPUなどを利用したマイニングが完全になくなることは考えにくいです。

もし、現在主流であるマイニングのモデルがしばらくの間は継続していくのであればこのモデルは寿命が比較的長いと判断することができます。

また新たに、より高性能のASICが市場に出回った場合ですが、これも4NEWは収益の35%を再投資に回すと明示されている点から、性能面での遅れをとることは考えにくいです。

4NEWの問題点や懸念

プロジェクトの良し悪しを判断するためには、問題点や懸念もしっかり知っておくことが大事です。

コインの用途が限定的

4NEWではKWATTと呼ばれるコインがハッシュ計算能力(≒電力)とペッグされており、これを保有することで時間当たり1キロワットの電力でマイニングの報酬を得ることができました。

しかし、利益を求めているユーザー側からすれば、コインを保有しておく目的は年間を通して得ることのできるマイニング報酬のみです。

企業のミッションとしては、トークン化された電力を利用した持続可能なエネルギーの生産によるマイニングの電力消費の健全化ですが、これが必ずしもユーザー側のモチベーションと一致しない可能性があります

これの何が問題であるかというと、結果としてユーザーが獲得できるものがクラウドマイニングなどのモデルと酷似していることから、今後4NEWの収益性、ROIを上回るステーク型のプロダクトが出てきてしまった際にトークンの流動性が下がってしまう懸念が挙げられます。

チームメンバーの紹介

続いて4NEWの主なチームメンバーを紹介していきたいと思います。

【CEO】Sandeep Golenchha

事業の成長戦略を数値的な観点から考察し利点を導き出すことが得意。
King’s College London卒
Jainex 9年11ヵ月
SolusNET 13年
Kudos 2年6ヵ月

【創設者・会長】Varun Datta

亜州・欧州・北米の3大陸のそれぞれで会長を務めた経験を持つ。
カリフォルニア州立大学バークレー校卒
Four Seasons Capital 4年
Gordium Healthcare 2年
4NEW 10か月

【COO】Peter Teasdale

エネルギーや環境のセクターにおける35年以上のキャリアを持つ。
Harper Adams Agricultural College卒
Land Energy 9年
Catfoss Group 1年11か月
RYEPOWER 2年3ヵ月

【CMO】Charlie Terry

デジタルマーケティングのスペシャリスト。
Sussex Downs College卒
Bond Group Investment 6か月
Four Seasons Capital 11か月
CEEK Marketing 3年2か月

【テックリード】Stephen Fiser

ウェブデザインにおける豊富な経験を持ち現在はブロックチェーンエンジニアとして活躍する。
アーカンソー大学卒
Devjuic 9か月
Alumnifire 10か月
Blue Bear Digital 4年8か月

ロードマップ

4NEWのロードマップ

時期 内容
2017年 3月 発電所① 竣工
2017年 10月 発電所② 竣工
プレセール第一弾開始
2017年 11月 プレセール第一弾終了
2018年 Q2 新規発電所の計画
現場への最初のマイニングリグ導入
マイニングリグ一体型の発電所ローンチ
KYC完了
4NEWのブロックチェーン開発 / 統合
2018年 Q3 発電の機能を備えたリグ
2018年 Q4 現場でのパフォーマンス向上
2019年 Q1 新規発電所 着工
世界規模での拡大計画

2017年 10月

ロードマップでも確認していただける通り、この時点で2つの発電所が既に竣工しています。

また、ICOの最初のプレセールが開始されました。

2018年 Q2

4NEWの独自のブロックチェーンの開発が完了し、ERC20トークンであったKWATTトークンはKWATTコインへと移行していきます。

また、上述のビジネスモデルを実現していくために、新規発電所の着工計画やマイニングリグの導入による持続可能なモデルの構築にフォーカスしています。

2018年 Q3~

新規発電所の着工や世界への拡大を計画としています。

第三の発電所が竣工することにより、4NEWで生み出すことのできる電力は年間10億キロワットを上回ることになります。

競合・類似プロジェクトとの比較

電力のトークン化を行う4NEWにはElectrify AsiaやWePower、Power Ledgerなどのいくつかの競合プロジェクトが存在します。

これらの競合との違いを抑えておくことで、4NEWのプロジェクトについても理解が深まると思いますので、ぜひ目を通しておいておくといいでしょう。

Electrify Asiaとの違い

Electrify Asiaは4NEWと同様にエネルギーをトークン化して売買できる形にします。

しかし、Electrify Asiaは、従来の電力が取引されていたプロセスに対して問題を提起し、新たにP2Pの小売り市場を構築しようとしています。

4NEWは、P2Pでの電力の売買ではなく、持続可能なマイニングのための発電を行うため、目指しているものが少し別のベクトルにあるのかな、という印象です。

また、それぞれは電力をトークン化していることに変わりはないのですが、Electrify AsiaではP2P間で自由に値段を決めて電力の取引ができる一方で、4NEWでは、自社のマイニングファームのハッシュ計算能力に紐づけられたトークン(コイン)の価値になりますので、トークン(コイン)の仕組みにも違いが大きな違いがあると考えられます。

これらの点を考慮すると、それぞれが狙っている市場が異なるためにElectrify Asiaは4NEWの競合とは考えにくいことがわかります。

詳しくはこちら:Electrify Asia公式サイト

WePowerとの違い

WePowerはエネルギー生産に関してという点に関しては類似プロジェクトと考えることができますが、これも競合と呼ぶにはベクトルが大きく違います。

WePowerは、再生可能なグリーンエネルギーをトークン化して、これらを発電する業者が容易に自身のエネルギーをスマートコントラクトを利用して取引できるように、考えられたプラットフォームです。

これまで、再生可能エネルギーの発電を行う企業は、標準化された価格やフレームワークが存在せず、さらにその買い手に地理的な制約などがあったため、発電したエネルギーの売買を自由に行うことが難しい状況でした。

しかし、WePowerが提供するプラットフォームで発電したエネルギーをトークン化し、スマートコントラクトを利用することで、自身のエネルギーを容易に世界中の人々と取引することができます。

詳しくはこちら:WePower公式サイト

Power Ledgerとの違い

Power Ledgerも、上の2つのプロジェクト同様に4NEWの競合とは考えにくいですが、エネルギーのトークン化とその取引に関係していることから類似プロジェクトであると判断しました。

Power Ledgerは、再生可能エネルギーのP2Pでの売買を分散型のプラットフォームを介して仲介人なしで実現することを目指しているプロジェクトになります。

詳しくはこちら:Power Ledger公式サイト

4NEWまとめ

本記事では、ハッシュ計算能力(≒電力)をトークン(コイン)化する4NEWというプロジェクトを徹底的に解説・比較させていただきました。

既に自社の発電所が完成している点などからも、今後に注目できると思います。

より詳しく4NEWを知りたいと思った方は、ホワイトペーパーや公式サイトなどをチェックしてみるといいかもしれません!