2018年の仮想通貨暴落は実はそれほどでもなかった

2018年の仮想通貨暴落は実はそれほどでもなかった

ビットコインは約一年前に$20,000(約220万円)のピークに達したのち、下降傾向が続いてきました。そして一年のうちに全ての仮想通貨アセットの価値の合計は$800billion(約88兆円)から$100billion(約11兆円)まで下落しました。

このようなデータを見ると2018年はとてもひどい年だったように感じますが、市場の原理を考慮するとそれほど悪くないようです

今回の記事では過去のビットコインの価格推移、ダウ・ジョーンズ米国金融指標、ナスダック総合指数と比較して行きたいと思います。

各市場との比較

2017年と2013・2011年のビットコインの価格推移

下の図は2017年から2018年のビットコインの価格の推移を青線で示し、2013年と2011年の推移を、ピークが一致するように調整して重ねて価格の変化をわかりやすくしたものです。

2017年の価格上昇は過去の年よりも小さく緩やかでした。また、2013年の価格低下がゆっくりしているのに対し、2011年は急激に低下しています。

その後、2017年は年内に底に達してから2年弱の上昇期間に突入しました。

2013年はと言うと、価格が好転するまでにほぼ2年間かかり、次のピークに達するまでに4年間かかりました。

ビットコインとダウ・ジョーンズ米国金融指標

また、2018年の仮想通貨の価格暴落を2017年のダウ・ジョーンズ米国金融指標と比べると、ピークの前後1年間は似たような変動をしています。

このまま同じような動きを続ければ、仮想通貨危機が回復するまでには3年以上かかるかもしれません。

ビットコインとナスダック総合指数

2000年のナスダック総合指数の景気の推移は緩やかで回復に15年を要しました。

仮想通貨は、低価格のまま長い時間停滞するかもしれないし、セロまで落ちてずっとそのままになってしまうかもしれません。

それでも、暴落から回復するとすれば、ナスダック総合指数と同じような形をたどるでしょう。

2018年を振り返ってみて

2018年では仮想通貨のユーザー数が1700万人から3000万人と2倍になりました。また仮想通貨業界で働いている人数は、実に2.6倍まで増えました。

安定通貨は挫折や進歩がありながら、分散型や二層構造の安定通貨は期待を上回る成長を見せています。不完全な部分は多いものの、規制が整備され始め、たくさんの技術的な問題も解決されました。

失敗してしまった仮想通貨ビジネスは以下の3つのグループに分類されます。

  1. たくさんのお金が詐欺師や楽観主義者に渡ってしまった
  2. 規制や技術革新についての予想を誤ってしまった
  3. 事業を起こすために資金調達したはいいものの、それを仮想通貨に投資してしまし使い果たしてしまった

また、仮想通貨に限ってはハッキングなどの問題も深刻なものとなっています。

そしてもちろん、全ての仮想通貨の価値が将来上がるという保証もないし、仮想通貨が他の投資に比べて特段ハイリスクやハイリターンであるという事でもありません。

そうだとしても、仮想通貨に関するブロックチェーンの技術はまだまだ有用で、仮想通貨をより発展しようとする動きもあります。今後は仮想通貨はただ単に売買されるだけではなく、開発者や企業にとって良い経済的効果をもたらす可能性を持っていると言えます。

また、こういったことを総合的に考えると、2018年は悲劇の年というより、仮想通貨にとっては悪くない年だったと言えます。

記事参照:Bloomberg Opinion https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2018-12-20/bitcoin-s-crash-looks-about-average

 

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