【バックアップ不要】最先端ウォレット「Argent」の特徴や使い方を徹底解説!
airutosena
スマートコントラクトウォレットの1つである「Argent」。
Argentはリカバリー・シードフレーズが不要など魅力的なポイントも見られますが「使い方・仕組みがよくわからない!」と感じている方も多いかと思います。
本記事では、Argentの概要から特徴、利用方法について詳しく解説していきます。
Argentの仕組みから使い方まで把握して、Argentをストレス無く利用できる状態にしていきましょう。
目次
Argentはリカバリーフレーズが不要なウォレット
Argentは、仮想通貨やNFTの管理ができるスマホ向けのウォレットです。
Argentではウォレットを同期したりリカバリーする際に、通常必要になる秘密鍵やリカバリーフレーズ・シードフレーズが必要ありません。
その代わりに、ユニークな方法でリカバリーして、ウォレットのセキュリティを守ることができます。
これは、Argentがイーサリアムのスマートコントラクトを利用した「スマートコントラクトウォレット」のため可能になっています。
Argentは、通常のウォレットと異なる仕様・概念が多いため、少し複雑に感じられるかもしれません。
しかし、利便性やセキュリティは高いため、特徴や使い方を覚えておいて損はないと言えるでしょう。
Argentの4つの特徴
これから、Argentの以下のような4つの特徴についてご紹介していきます。
・承認の権限を分散できる
・リカバリー方法がユニーク
・セキュリティの安全性が高い
1つ1つチェックして、Argentのメリットを把握していきましょう。
取引・ステークなどが気軽にできる
Argentでは、ウォレット内で仮想通貨取引・ステークができます。
Paraswapを利用した仮想通貨 to 仮想通貨の取引に対応しており、手数料は0.5%が設定されています。(別途、変動するガス代が必要)
また、ウォレット内から、Uniswap・AAVE・Compoundといった著名なDeFiにアクセスして、ステーク・レンディングなどが可能です
承認の権限を分散できる
Argentにはガーディアンズという仕組みがあります。
ガーディアンズを活用すると、Argentを導入したデバイス以外に、ウォレットに関する以下のような承認の権限を渡すことが可能です。
- ウォレットロックの承認
- ウォレットのリカバリーの承認
- 信頼されていないトランザクションの承認
ガーディアンズには、以下のようなものを用いることができ、複数のガーディアンズを登録することもできます。
- ハードウェアウォレットや別のスマホなど
- 友人や家族といった信頼できる人物
- Argentのガーディアンズなどサードパーティのサービス
上記のようなガーディアンズが各事項へ承認を行うことで、Argentを導入したデバイスが無くとも、ウォレットのリカバリー・ウォレットのロックなどが可能です。
また、各承認事項によって承認に必要な割合が異なっており、例えばリカバリーでは登録されているガーディアンズのうち50%の承認が必要です。
承認に必要な割合の詳細などについてはコチラをご確認ください。
リカバリーの利便性が高い
通常、ウォレットを別の端末に同期させたり、紛失したりして復元させる際には、秘密鍵やフレーズ(シークレット・シードフレーズなど)が必要です。
一方で、Argentではリカバリーの方法として、これまで一般的に使用されてきた秘密鍵やフレーズを必要としません。
その代わりに、Argentでは前述したガーディアンズ(guardians)や、オフチェーンでのリカバリーキーなどを利用してリカバリーします。
特に、オフチェーンでのリカバリーキーを利用するものであれば、ネットワークを利用しないためガス代も不要です。
セキュリティが高い
ガーディアンズに承認の権限が渡るということで、セキュリティについて懸念されるかもしれませんが、その心配もありません
Argentでは、Argentを導入したデバイスに秘密鍵が保存されます。
この秘密鍵にガーディアンズなどがアクセスすることはできません。
また、ガーディアンズが、資金にアクセスといったことも不可能です。
あくまで、ガーディアンズができるのは、信頼されていないトランザクションやリカバリーの承認などです。
逆に、秘密鍵・何らかのフレーズが露出する・紛失するといったセキュリティ上のリスクを抑えることができます。
Argent「zkSync」「Vault」「X」の3種類が展開
Argentでは以下の3つのウォレットが展開されており、各ウォレットによって若干仕様が異なってきます。
・Argent Vault(イーサリアム)
・Argent X
Argent zkSyncとVaultは、アプリ内で切り替えが可能で、Argent Xはウェブブラウザ用のウォレットとなります。
それでは、各ウォレットの概要や特徴についてチェックしていきましょう。
【ガス代が安い】Argent「zkSync」の概要と特徴
ネットワーク | zkSync(L2) |
Argentの利用に伴うガス代 | 安い |
Argentの機能へのアクセス | ガーディアンズなどセキュリティ関連に制限あり |
Argent zkSyncは、L2のzkSyncを利用できるウォレットです。
zkSyncがL2ということもあって、リーズナブルなガス代でトランザクションを通すことができます。
一方で、Argentのウォレット内でアクセスできる機能には制限がかかっています。(主にスマートコントラクトを利用するもの)
制限がかかっている機能には、一例として以下のようなものが挙げられます。
- ガーディアンズ
- 信頼されているリスト
(リストに加わっていると承認が不要) - エマージェンシーキット
(何かあったときの緊急用のツール)
しかし、zkSyncネットワークを利用するだけなら、特に問題となるような制限ではありません。
【機能が多い】Argent「Vault」の概要と特徴
ネットワーク | イーサリアム |
Argentの利用に伴うガス代 | 高い |
Argentの機能へのアクセス | ほぼ全ての機能へアクセス可能 |
Argent Vaultのウォレットは、Argentのほぼ全ての機能へアクセスできます。
ガーディアンズ関連の機能はもちろん、その他のスマートコントラクトを利用したセキュリティ関連の機能へアクセス可能です。
一方で、Argent Vaultはウォレットの機能利用しているだけで、ガス代がかかってくることもあるため注意が必要です。(タイミングによっては高額になる可能性も)
【StarkNetが利用可能】Argent「X」の概要と特徴
ネットワーク | StarkNet(L2) |
Argentの利用に伴うガス代 | 安い |
Argentの機能へのアクセス | 少ない、zkSyc・Vaultとは大きく異なる |
Argent Xは、現在主に開発者向けに展開されているウォレットです。
前述したVault・zkSyncと違ってスマホにアプリが提供されていません。
リカバリーにもシードフレーズが利用されています。
また、ウォレットの各機能についても制限されているため、Vault・zkSyncと仕様が大きく異なります。
記事執筆時点では、スマホアプリに展開されているものと全く異なる製品であるというポイントを押さえておきましょう。
Argentのはじめ方(ウォレット作成方法)
これから、スマホのArgentのはじめ方(ウォレットの作成方法)についてご紹介していきます。
以下の手順で、Argentを利用できる状態にしていきましょう。
- Argentへアクセスしてアプリをダウンロード
- 「Create new wallet」へ
- ユーザーネームを入力
- 電話番号を入力
- メールアドレスを入力
- パスワードなどを決定
他のウォレットと比較してシードフレーズを保管は不要ですが、電話番号・メールアドレスなどが必要です。
Argentの使い方(zkSync・Vault)
つぎに、Argentでよく使う以下のような機能の使い方をご紹介していきます。
・入金や送金のやり方
・取引
・ガーディアンズの管理
Argentの使い方をマスターして、使いこなせるようになっていきましょう。
zkSyncとVaultの切り替え
Argentをダウンロードして、ウォレットの作成を済ませると「zksync」がデフォルトで設定されているはずです。
以下の手順で、イーサリアムネットワークが利用できるVaultと切り替えて、各機能へアクセスできるようにしていきましょう。
- 画面上部へ
- イーサリアムへ切り替える
(初めての場合はプラスマークが表示される)
- 表示がイーサリアムへ変わればOK
zkSyncとVaultは、上記の手順で簡単に切り替えることができます。
入金・出金の手順
はじめて、イーサリアムのウォレットを利用する場合は、アクティベーション(有効化)が必要です
また、アクティベーションするには、ガス代を一定金額を支払う必要があります。(タイミングによって変動)
以下の手順でArgentのイーサリアムに入金し、アクティベーションしていきましょう。
アクティブ化と入金の手順
- Argent Vaultの「Assets」の「Receive」へ
- 警告が表示される「Deposit」へ
(ガス代が表示されるまで少々時間が必要)
- 「View your Wallet address」へ
- アドレスを確認し入金
Depositをタップした時点で、表示された料金に同意したことになり、アクティベーションに必要な金額が入金され次第、自動的にアクティベーションされます。
アクティベーションが終了した後も同じような手順で、入金を行うことができます。(アクティベーションに伴うDepositは最初の一度のみ)
また、以下のような手順で、Argentから出金することも可能です。
出金の手順
- 「Assets」へ
- 送信したいトークンをタップ
- 予め登録したcontactか、新しいaddressを入力
- 金額を入力
- 「Review」へ
よく使う送金先は、アプリ下部の「Send」から登録しておくこともできます。
取引
以下の手順で、Argentのウォレットから仮想通貨を取引できます。
- 「Assets」の「Trade」へ
- 取引したい通貨を選択
- 支払うトークンと金額を入力
- 手数料や条件などを確認
- 「Buy」へ
また、Vaultの「Invest」からは取引機能に加えて、さまざまなDeFiのステーク・レンディングにアクセスできます。
ただし、Uniswap V3など一部のものについては外部サイトへ飛ばされるものもあります。(通常の利用と同じ様にWEBからウォレットへの接続が必要)
ガーディアンズ(Guardians)の追加
Argentのウォレットを利用する際は、ガーディアンズを登録しておく方が利便性が高くなり、何かあったときも安心です。
以下の手順で、Metamaskをガーディアンズに追加していきましょう。(ガーディアンズ機能を利用できるのはVaultのみです)
Metamask側
- セキュリティページへアクセス
- 「Add a guardian」へ
- 「MetaMask」へ
- 「Connect」へ
- メタマスク側の認証を済ませる
- QRコードが表示される
ArgentのWallet側(Vault)
- 「Security」へ
- 「Guardians」へ
- 「Add guardian」へ
- 「More options」へ
- 「Scan QR code」へ
- 先程のQRコードをスキャン
「Assets」からでもコードはスキャンできますが、こちらは入金用のためガーディアンズの追加には使用できません。
zkSync・Vault共通のリカバリー方法
これから、zkSync・Vault共通で利用できて、オフチェーンのリカバリーキー(KEK)を用いた方法のリカバリー方法を解説していきます。
こちらの方法ではガス代が掛からないため、ガーディアンズを利用したリカバリー方法よりもおすすめです。
リカバリーキーの取得
- 画面上部のアイコンへ
- 「Settings」へ
- 「Wallet Recovery」へ
- iosならiCloud、AndroidならGoogleドライブが表示される
- 「Enable」へ
リカバリーキーを用いたリカバリー方法
- 次のデバイスへArgentをダウンロードして開く
- 「I have an Argent wallet」 へ
- メールアドレスを入力
(作成の際に利用したメールアドレス) - 新しいパスワードを入力
- AndroidならGoogleDrive、iosなら「Start Recovery」へ
- 電話番号の確認
- 48時間後に利用可能
ガス代が掛からず利便性も高いですが、こちらの方法はあくまで「リカバリーキーが予め用意されていること」が必要です。
何らかの理由で用意できなかったときは、ガーディアンズを利用したリカバリーを行いましょう。
Argentの注意点
これから、Argentを利用する上で、注意したいポイントをいくつかご紹介していきます。
Argentで仮想通貨を失ったり、予期せぬ出費を発生させないためにチェックしていきましょう。
意外なところでガス代が発生
Argentは、スマートコントラクトウォレットのため、Metamaskなど通常のウォレットでは発生しないようなガス代が発生することがあります。
一例になりますが、例えば以下のような機能の利用に伴い、ガス代が発生してきます。
- ウォレットの作成とそれに伴うアクティベーション
- ガーディアンズを利用したウォレットのリカバリー
- ガーディアンズの追加や削除
- 信頼できるリストの有効、無効
(上記以外でも、ガス代は発生してきます。)
基本的に、スマートコントラクト・ブロックチェーンが利用されている機能には、ガス代が必要です。
ガーディアンズの登録・削除の最小化やオフチェーンでのリカバリーを行うなど、工夫して無駄なガス代を発生させないようにするのがおすすめです。
複数のチェーンが扱えるため送金などに注意が必要
Argentでは、複数のチェーンを扱うことができますが、送金には注意が必要です。
Argentが対応しているのは「Vaultではイーサリアム」、「zkSync」「XではStarkNet」のみです。
各ウォレットに対応していないチェーンから、仮想通貨やNFTを送信しないように注意しましょう。
OptimismやArbitrumなどは、zkSyncと同じくL2ソリューションですが送信することはできません。
送受信の設定・調整で誤ると、仮想通貨やNFTが失われます。
まとめ
この記事では、スマートコントラクトウォレットであるArgentについて解説しました。
Metamaskなどのウォレットと比較すると、根本的な仕組みが異なるため、少々複雑な部分が多いです。
しかし、秘密鍵の管理やリカバリー方法は魅力的なので、興味のある方は一度利用してみるのがおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。