インタビュー
2018/08/25仮想通貨決済アプリ CanPayment 開発者きゃんた君にインタビュー!
CanPaymentはMONACOINとXRPに対応した仮想通貨決済アプリです。 QRコードによって1タップで仮想通貨を決済することができ、QRコード読み取りから決済まで、たったの3秒しかかからないのが特徴です。シンプルで誰にでも使いやすいデザインであるのも特徴です。 今回は、開発者であるきゃんたさん @cancan___can へインタビューを実施しました。 仮想通貨決済アプリ「CanPayment」リリース - CRYPTO TIMES 仮想通貨決済アプリ CanPayment 開発者きゃんたさんへインタビュー -- 自己紹介をお願いいたします。 きゃんた : きゃんたと申します。実は「山本敢太」という本名があったのですが、最近では使う機会がなくなってしまいました...。 -- 実はCRYPTO TIMESのライターでもあるよね?w最近は、更新してないようですが...w きゃんた :はい!!!!すいません!!!忙しくて書けていませんでした!!! ようやく落ち着いてきたのでこれから書いていきます -- (笑)今回、CanPaymentを何で開発してみようと思ったんでしょうか? きゃんた : クラウドファンディングを始めたのが今年1月のことで、それより前から軽く「作ってみたいな」とは思っていました。それをツイートしてみたら、思いのほか「やってみよう!」みたいな感じで応援してくれる人が沢山いたのでとりあえず、クラウドファンディングからやってみました。 -- クラウドファンディングたしかにやってましたね。いくら集まったんですか? きゃんた : 結果として85万円もクラウドファンドで集めることに成功し、クラファンだけでなく出資者にも恵まれて資金調達を行うことができました。 -- ICOとかでも資金調達している事例というのが昨今ではかなり多いけど、やはりお金を出資してくれたら責任感とかって大きかったですか? きゃんた : そうですね。もちろん支援者様からお金を頂いているので責任感は凄く大きく感じます。 今後もしっかり運営していきたいです。 -- とはいえ、ちゃんとプロダクトを出したのはすごいですね。苦労した事例とかありますか? きゃんた : 実は、クラウドファンディングを公開する1日前とかに、coincheckのハッキング事件が起こり、クラファンの支援額が最初の方全然伸びなくて泣きそうになってたのを覚えています...。 -- なるほど。結果的には85万集まったけど裏側はそういうこともあったんですね。開発面とかはいかがでしょうか きゃんた : リリースする際のことなんですが、AppleのAppStoreのガイドライン的に、仮想通貨ウォレットをリリースするには法人が必要という点を知らなくて。いざリリースするぞってとき、そこに悩まされました。 運営メンバーのリサーチ不足ではありました。リリース当初は個人で運営していく予定でしたが、法人が必須だったということCanPaymentの権利を譲渡するなどの作業もしたりして大変でしたね...。 -- でも、無事出せたと!!良かった!!CanPaymentのここに注目してほしいみたいなところはどうでしょうか? きゃんた : 誰にでも操作が分かるようなデザイン設計と、決済完了までにかかる時間が約3秒という速さが特徴です。仮想通貨について、あまり詳しくない一般の方などでも使いやすいアプリとなっています。ビットポイントの本田圭佑さんのCMなどでこういった方は増えると予想しているので、そちらへのプロモーションも頑張りたいと思っています。 -- 因みに今回、用賀サマーフェスティバルにも出店とのことですが、CanPaymentとの関わりというのは? きゃんた : 開発する前のクラウドファンディング時点で、お祭りの代表の方から声をかけていただいており、「CanPayment」が東京のお祭りに使われるという事は5月くらいから決定していました。 用賀駅の近くで8月25.26日に開催されるお祭りです。そこでしか売ってない仮想通貨のグッズとかもあるので良ければ来てください😊 https://twitter.com/kamatsukachan/status/1033167797705043968 -- 最後に今後に関して、コメントください! きゃんた : 対応通貨の追加や、機能追加等は随時行っていく予定です。「こうなればいいのにな」のような要望でも良いので、ご意見があれば是非きゃんたのDMで教えてください!! AppStoreからダウンロード GooglePlayからダウンロード
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2018/08/21Uniqys Networkを発表したモバイルファクトリー CEO 宮嶌さんへインタビュー
最近では、日本国内においてもブロックチェーンプロダクトをリリースする企業が増えてきました。 今回は、先日、Uniqys Networkと新会社ビットファクトリー設立を発表したモバイルファクトリーのCEOである宮嶌さんへインタビューを実施いたしました。 【プレスリリース】ブロックチェーン関連事業本格化にあたり 新会社ビットファクトリーを設立 プロジェクト第一弾となる新サービス「Quragé」をリリース Uniqys Networkとは? 分散型アプリケーション(DApps:Decentralized Applications)の普及を目指し、手軽にDAppsで遊べるモバイルユーザー向けサービス「Quragé」と、手軽にDApps開発が可能となるデベロッパー向けサービス「Uniqys Kit」を包括する「Uniqys Network(ユニキス ネットワーク)」を構想中です。 Uniqys公式サイト:https://uniqys.net 2018年7月25日(水)にモバイルユーザー向けサービス「Quragé」Android版をリリースし、その後、デベロッパー向けサービス「Uniqys Kit」のリリースを目指しております。 ビットファクトリーが提供する「Uniqys Network」を通じて、多くのユーザー、デベロッパーにDAppsが普及することを願っております。 モバイルファクトリーCEO 宮嶌さんへインタビュー -- 自己紹介をお願いします。 宮嶌 : モバイルファクトリーの宮嶌といいます。私は、新卒でソフトバンクに入社し、その後、当時未上場だったサイバーエージェントを経て、独立。2001年にモバイルファクトリー創業を行いました。 -- 今回発表したUniqys NetworkとQuragéの特徴を教えてください。 宮嶌 : 簡単に言うと、Uniqys NetworkはDAppsを遊びやすくする仕組みのことです。より技術的に言うと、従来のEthereumだとSolidityで書かないといけなかったところを、開発者が好きな言語で書くことができるEasy Frameworkと、Ethereumのサイドチェーンとしての機能を持つChain Coreの2つをUniqys Kitで提供しています。 Uniqys Kitでは開発者がDAppsで利用されるガスの有無を設定するので、DAppsを提供する際にトランザクション手数料を無しにすることが可能です。現在では、β版公開に向けて、GitHubにてプレビュー版がアップされています。 Quragéに関しては、TrustのようなDAppsウォレットです。従来のDAppsはMetaMaskなどPCでやるものが多く、モバイルフレンドリーとは言えない状況です。今後、DAppsが流行っていくにあたっては、モバイルでのアクセスが必須になります。そこで、我々のQuragéではモバイル環境でアクセスできるようなDAppsウォレットを開発しました。 -- ありがとうございます。Uniqys Kitでは、手数料としてのトランザクション手数料の設定も有無が選べるんですね。 宮嶌 : 実はUniqys Projectをスタートする前はDAppsゲームを作っていたんです。しかも一つじゃなく、複数個。その過程で、ガスの手数料が懸念点として上がりました。これは一般人の普及には相当ハードルが高いと。 そこで、我々がUniqys Kitを提供して、開発者が簡単にDAppsが作れて、トランザクション手数料も無料でできるものを提供できたらと考えました。 -- 現状のDAppsは確かに一回の動作にも手数料がかかるものも多く、一般ユーザーが触れるにはなかなかハードルが高い印象がありますね。 宮嶌 : 今後、分散型の世界が普及し、DAppsが新しいインターネットになっていくのであれば、そこに関してのつるはしを提供できたら?と考えたわけです。 そこで、我々は今回Uniqys Networkの自社開発をはじめました。世の中にはプラットフォームもたくさん出ているので、プラットフォームを作る選択肢もありました。しかし、現実的に考えて、Ethereumが次世代のOSではないかと我々は判断したので、Uniqys Networkの開発に舵を切りました。 -- サイドチェーンかつDAppsを簡単に作れるとなるとLOOM NETWORKでも同じようなコンセプトのものを出してますが違いはありますか? 宮嶌 : 現状、我々の提供するUniqys Networkに関しては独自トークンなどは組み込まれていません。あえて言えばそこが違いと言えます。ただ、日本では独自トークンは発行しないですが、資料にも書いている通り、規制当局との相談を綿密に行いつつ、海外向けに独自トークンを流通させる方向で現在進めています。 現在の予定だと、Q4までに英語圏でも展開を進めていく予定でいます。 -- なるほど。日本だけでなく、海外での展開も進めていくということですね。ただ、開発者もユーザーも増やしていかないといけないのでは無いでしょうか。 宮嶌 : そうですね。今後は、Uniqys Networkを利用していただけるように開発者やユーザーに向けたミートアップなどは実施していく予定です。 また、企業がDAppsを作りたいと思う際に、我々がサポートしていくことも考えています。更に、最初はUniqys Kitを使って開発したDAppsも投入していく予定です。 -- DAppsが増えていってもユーザーが増えていかないと市場は成り立たないと思うのですが、ここでQuragéがでてくるという認識ですね。 宮嶌 : そうです。先にも話している通り、従来のDAppsはMetaMaskとの連携のものが多く、モバイルフレンドリーではありませんでした。 これだと、一般への普及はまだまだかかるなと思っています。最近だと国外だとTrust、国内でもDAppsブラウザのプレイヤーも増えてきていますが、Quragéを利用して、Uniqys Kitで開発者が作ったDAppsを利用してもらうというようなことを現在では考えています。 -- Quragéに関しての、他社との差別化という意味でいうとどこになるのでしょうか? 宮嶌 : QuragéとUniqysとの連携を強めていくことが最も重要だと思っています。エコシステムの一つとして考えてもらえると。 現実的には、Uniqysとの連携をおこなうことで、最も使いやすいブラウザがQuragéとして、マーケティングを実施していきます。今後、DAppsがより増えてきたときにQuragéがあったほうが良いというふうにしていきたいと考えています。 -- 因みに今回、モバイルファクトリー社がUniqys NetworkやQuragéを出そうと思ったのはどういうところがキッカケだったのでしょうか 宮嶌 : 育休を取ったときにふと、子どもたちが大人になるときに別の選択肢を準備したいと考えたことがキッカケです。色々なサービスが有る中で、メジャーなものばかりではなく、別の選択肢があっても良いんじゃないかなと考える様になりました。 最近ではモバイルファクトリーではネイティブアプリをずっと作ってきていたが、将来に対して、別の世界があるほうが良いかなと思い、Uniqys NetworkやQuragéを作ろうと思いました。正直な話、最初は儲からないだろうなと考えています。 -- 実際、Uniqys NetworkやQuragéではマージンをもらったりするわけでも無いと思うのですが、今後どこで収益化していく予定なのでしょうか? 宮嶌 : 今後、ブロックチェーンを利用したDAppsや独自のトークンを発行したいという企業が増えていくと考えています。 そのとき、Uniqys Kitを利用してDAppsを作っていく際に、我々の知見を元にしたサポート込みで売っていくことができると考えています。後はもっと作りやすいツールを提供していくとかそういう構想もあります。 また、現状のGoogleが過去にそうであったように、広告とか検索のビジネスモデルが成り立つと思っています。DAppsが増えてきたときに、Quragéを利用したユーザーや、開発者のタッチポイントを持てば、いくらでもマネタイズが可能であると考えています。 -- 今後、DAppsが流行っていくにあたってのキラーコンテンツは何になると思いますか? 宮嶌 : 個人的には、今使っているようなアプリとかのトークンを組み込んだ版が流行るのでは?と思っています。ユーザーは、今まで使っていたサービスも勿論利用すると思っていますが、それとは別にトークンを稼げるようなアプリやメディアが流行っていくかなと思います。 多くの人から称賛を得たようなコンテンツを作った人が、トークンを稼げるメディアっていうんですかね。そのときに、色々な人がガスとか手数料が無料のほうが良いんじゃないか?って気づくと思っています。 -- 実際問題、ユーザーは裏側とか興味ないですし、良いものを利用したいはずですからね。その際、ガスなんかあると煩わしいと。 宮嶌 : そうですね。ユーザーは意識はしないまでも、Webの別形態みたいな感じで捉えていくと考えています。 そうなったときに、ガス無しというのは当たり前になると思っていますし、もっと面白い仕組みを作るためにはトークンは必要不可欠になっていくかなと思います。 完全にDAppsだけになるとは思っておらず、ネイティブアプリと併用する世界になるんじゃないですかね。そのためにも、我々はユーザーも開発者も増やしていかなければいけないです。 -- 今日はありがとうございました。僕個人としても、日本発でこういうサービスがようやくでてきたかと思っていて、これからもとても期待していますし、非常に注目しています。最後にコメントをいただけたらと思います。 宮嶌 : こちらこそありがとうございました。今後、ユーザーは特にDAppsを意識するときが来ると思います。この先、そういう時代が必ずやってくると考えています。先程も述べましたがユーザーは裏側の意識なんてしません。 それが3年後なのか5年後になるのかはわからないですが、Uniqys NetworkとQuragéを提供することで、 簡単に開発でき、トランザクション手数料を必要としないDAppsの開発、そして簡単にモバイルでアクセスできる環境を提供することで、一般ユーザーの敷居も下がると考えています。 DAppsがいっときの流行りではなく、今のWEBと同等にならないと本当に意味がないと思っています。今後、そういう未来が来ると良いなと考えています!
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2018/08/08Platinum CEO Anton Dzyatkovskiy氏へのインタビュー -第2回 ICO支援事業に関して-
CRYPTO TIMESで掲載中のPlatinumのCEOであるAnton Dzyatkovskiy氏にインタビューに関してです。 MicroMoneyを立ち上げるキッカケに関して話してもらいましたが、今回はICOの支援事業を始めるにあたったキッカケに関してです。 現在は、Platinumという会社でICO支援事業をおこなっていますので、こちらもご確認ください。 第1回の記事も下記より参照ください。 Platinum CEO Anton Dzyatkovskiy氏へのインタビュー -第1回 MicroMoneyを立ち上げるキッカケ- - CRYPTO TIMES Anton氏へのインタビュー -ICO支援事業に関して- ICOを通して、ICOの支援事業を始めたキッカケ -- ICOを実施した後に、ICOのサポートを事業を始めたとのことですが、それはなぜでしょうか? Anton : ICOを実施した後に、ICOというのはICOの実施方法もですが、サポートがかなり重要であると気づきました。 その時から、会社にICO支援の部署としてPlatinumを作りました。 ICOサポートの事業を行おうとしたときに特に気付いた点としては、プロジェクトがプロダクトをローンチしても、それにトークンの価格というのが全く関連していないことに気づいたんですね。 さらに、自分たちのICOが終わったとき、トークンを取引所へリスティングさせようとしたんですが、これもかなり厳しかったです。 -- 取引所への上場はトークンを購入する側からすると、やはりかなり気になるところですからね。 Anton : そうなんです。色々な方面からのプッシュがあったので、最終的にOKExなどの取引所を含めて、8,9社くらいのリスティングを行うことができました。 取引所へのリスティングは本当に色々と苦労したのですが、8,9社にリスティングできたおかげで、色々な方面から手伝ってほしいと声をもらうようになりました。 -- やはり、どこも取引所への上場を課題にしているということですね。実際問題、上場できないトークンも多くあるとよくニュースにもなってますね。 Anton : その通りです。私達もそれは問題だと思っています。Platinumでは現在、400社以上お客さんがいます。お客さんの種類としては、設立者が機関投資家の人がほとんどです。 実際問題、彼らの周りではIPOを実施したかったけれども、代わりにICOをやろう!という人が多かったです。 そして、ICOに対して知見のある我々に対して、ICOに関しての手伝いを求められることになりました。PlatinumとしてICOの支援事業をやってみて思ったのは、ICOで実際に使われるお金は半分くらいは節約できるものだとわかりました。 -- 半分も節約できるんですね。つまり、何も知らないでやっていると結構無駄な費用を使っているってことなんですね。 Anton : まぁ、こればかりは知見がないとわからないものですからね。笑 既存のICOプラットフォームとの違い -- 因みにICOといえば、既存でもICOBOXだったり、日本だとCOMSAみたいなものがあると思うのですがどう違うんでしょうか? Anton : これはよく聞かれます。そもそも、私達は、既に30社以上に我々の持っている既存のプラットフォームを提供しました。 私達は、今ある既存のプラットフォームよりも良いものを作ったと自負しています。例として一つの事例をあげますが、ICOを実施する際、0ベースでスマコンを作ろうとすると、時間もお金もすごいかかります。 -- オープンソースとはいえ、やはりスマコンは時間がかかると。 Anton : そうですね。それに比べて、私達の提供するプラットフォームでは、無料のテンプレートを利用することでスマートコントラクトを簡単に作ることができます。 とてもユーザーフレンドリーな環境を準備していて、誰もが簡単にトークンを作れるような環境を準備しています。 -- 因みにこのスマコンは無料で作れるといいましたが、プロダクトの方ですか?それともクラウドセールの方ですか? Anton : 両方とも可能です。我々はウィザードというプログラムを利用して、スマコンのテンプレートを準備しています。 例えば、不動産の契約管理とかそういう難しいものだと、多少の改善は必要になります。 ただ、ウィザードで作れるようなテンプレートであれば、全て無料で配布しています。 一つの例として、ムエタイの世界チャンピオンだった人に対して、トークンを作ってみれば?とアドバイスをしたことがありました。 その人のファンに対して、トークンを安いお金で買ってもらう。彼はそのお金をもとに、機材を買ったりトレーニングをして、強くなって、世界で活躍する。 そのトークンを欲しがる人が出てくると、トークンエコノミーが回り始めるということです。 -- プロダクトを作りたいという企業だけではなく、インフルエンサーや個人もターゲットになっているということですか? Anton : そのイメージです。特にアスリートの選手はあまり複雑に考えないでやってみようという人も多いです。 僕らはそういうようなユーザーに対して、気づきを与えることも大事だと思っています。 "トークンエコノミーを入れたらどう?"というアドバイスをしたり、コミュニティを作ったりできるような人ももちろんターゲットにしています。 また、既存のプラットフォームとの違いで、2つ目の特徴ですが、セキュリティ面やお金の送金面は全てオープンソースで提供しています。 これは、誰でも確認できるようになってますし、誰でもが改善ができるようになっています。 お金も私達の提供するプラットフォームに保管するわけではなく、会社がコールドウォレットに直接的に送金するようにしてもらっています。 後は、リファラルシステムも提供していますが、これはよくできていると思っています。 -- プラットフォームにリファラルがあるんですか? Anton : そうですね。これは、すべての参加者にWin-Win-Winです。 単純に言うと、ユーザーは好きなプロダクトを支援しました、友達がプロダクトを使いました、というようにUberみたいな感じのリファラルがあります。 最近ですと、GoogleやFacebookはICOの広告をブロックしていると思いますが、彼らは自分たちでICOをやろうとしているのかなとも考えています。 なので、このリファラルプログラムというのは、マスの顧客にアプローチするには最適なやり方であると考えています。 プロダクトが良ければ、すべてのマーケティング費用は無料になる可能性も秘めていますからね。 分析をした上でのマーケティングの実施 -- なるほど。他にもPlatinumとしてICO支援で変わったことを提供しているとかってありますか? Anton : 先程、予算の半分を削減できると言いましたが、これに関して広告やマーケティングの分析なども行っています。 私達のプラットフォームではトラフィックの分析を行い、優先度が低いところへの広告を停止していくようにしています。 また、EtherScanなどでスキャンを行い、ウォレットのターゲティングを行い、マーケティング用のエアドロップを実施したりします。 ユーザーのウォレットの傾向を分析して、投資に成功している人をターゲットにして、フィルタリングをした後、エアドロップを実施します。 このようなユーザーは、自分のウォレットにはいっているトークンを見た後、実際にホームページに行くユーザーが7-10%くらいいます。 だいたいそれらのユーザーというのは、3から5ETHくらいの投資をしているというデータがでています。 -- おおお!すごいですね!これぞ、ユーザーの情報を分析してのマーケティングを行っているんですね。 Anton : ユーザーの情報だけでなく、ウォレットの情報を見ることもかなり重要だなと思いました。これにより無駄な広告コストも減らすことが可能です。 -- 因みに提供しているサイトにはマーケットメイクというものも提供していると書いておりますがこちらは、どういう内容でしょうか? Anton : これに関しては、我々は大半の取引所とのコネクションがあることで、相談を受けました。 現状、暗号通貨に投資を行っている人というのは実はギーク寄りな人が多いんです。 取引所毎に最適なキャンペーンを提供することでそれは、マーケットメイクに繋がります。 -- ICOのツールを提供して終わりというわけではないということですね。 Anton : 因みにですが、実はICOは実施するときよりも終了後のほうが3倍位の努力が必要になります。 そのうちの一つとして、無事に上場できても、マーケットメイキングの悩みを抱えるプロジェクトも少なくありません。 Platinumではプログラミングを利用して、24時間、取引所で売買を行います。マーケットメイカーというのは必要で、私たちは5000人がアルゴリズムを作っている体制を持っています。 更に、プロジェクトがブロックチェーン技術に更に関わりたいと思う際は、アウトソーシングでプロジェクトの技術を助けたりもします。 私達は、キャンペーンだけ考えるのではありません。Platinumが提供するプラットフォームは、すべてを手助けします。 Platinum CEOであるAnton氏がブロックチェーンに関するオンライン大学を始めようとしたキッカケに関しては次回公開予定です!
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2018/08/07国内最初の仮想通貨取引所BTCBOXの三宅さんにインタビュー!
日本国内には金融庁から認可を受けている取引所が多数ありますが、日本国内において最も古い取引所であるBTCBOXに今回はインタビューを行ってきました。 今回は、担当者であるBTCBOXの三宅さんにBTCBOXの成り立ちや売りに関して、赤裸々に語っていただきました。 BTCBOXに関して BTCBOXは2014年に日本国内で初めてビットコインを取り扱った取引所です。 現在、取り扱う仮想通貨はビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコインの4種になります。 2017年9月には、金融庁への仮想通貨交換業者の登録を完了しています。(関東財務局長 第00008号) BTCBOX Website BTCBOX 三宅さんへのインタビュー -- 今回は取材ありがとうございます。自己紹介をお願いします。 三宅 : 三宅俊也です。現在31歳です。過去に3回起業をしていて、思い立ったらやるタイプです。 3回起業したうち、1回は売却、1回は失敗して、1回は取締役でJOINしました。 その後はフリーランスや、スタートアップの外部顧問で入ったりしていて。その後、たまたまBTCBOXに流れ着いたというところです。 -- 元々、仮想通貨とかビットコインとかブロックチェーンの分野には興味あったんでしょうか? 三宅 : 僕は結構前から、仮想通貨は好きで、実はMt.GOX事件でゴックスされた1人のユーザーです。笑 また、お金、通貨、価値に対して昔から疑問を投げかけていました。 -- ということは結構昔から、ビットコインも持っているんですね。 三宅 : はい。僕個人が理想としているのは、Vitalikの思想とか本当に素晴らしいと思っています。 彼自身の思想や生活、そもそも本人自体がDecentralizeじゃないですか?すごいですよね。 実際問題、今でも面倒くさい紙書類を書いたりする文化があるのは本当に面倒なので、 例えば会社の登記とかも今後ブロックチェーンでできたら良いのになとは思います。 BTCBOXの成り立ちと売りに関して -- 住所が変わったときに住民票うつしたりするのって面倒ですもんね...。続いて、BTCBOXに関して、教えてください。 三宅 : BTCBOXは現在、北京と日本に拠点を持つ仮想通貨の取引所です。北京と日本を合わせて30名程が現在在籍しています。 中国人の割合がかなり多いんですが、最近は日本人も結構増えてきました。 当局対応などもあるので、日本人が当局対応に関してはちゃんと対応しているというところですね。 -- BTCBOXといえば、結構昔からある取引所ってイメージがありますね。そもそも、なぜ、日本で立ち上げようとなったんでしょうか? 三宅 : そうですね。いわゆる御三家(Coincheck,bitFlyerzaif)などの取引所よりも古くからあるんですよ。 当時あったMt.GOXの取引所が非常に使いづらかったんです。そこで、私達は2013年末から取引所開設に向けて準備していました。 その後にMt.GOXの事件が起こりました。日本でMt.GOX事件があったときに、信頼における取引所というのが当時はなかったんです。 これを見た創業者が、使いやすくより信頼性のある取引所を日本にとのことでBTCBOXは立ち上がりました。 -- 最も古い取引所であると。因みにBTCBOXの売りってなんでしょうか? 三宅 : Mt.GOXの後からやっていて、先程も言ったように信頼性を持ってやっている取引所です。 当たり前ですが、過去に一度も大きな事故は起こしていません。更に、古くから運営をしているので知見もあります。 後は、中国人が多いので中国語のサポートもかなり充実していますし、英語での対応も可能。日本語の対応も勿論です。 -- なるほど。日本で最も古いにも関わらず、どうしても知名度が有名所の取引所と比べると負けてしまっているような気もしていますが、今後は露出も増えていきますか? 三宅 : 今は業務改善命令もあるので、単純にそこに関してしっかり対応をしています。 今後、業務改善命令に対しての対応が終わり次第、リアルタイムのイベントとか、メディアの露出も増えていく予定です。 CRYPTO TIMESさんともぜひ何かできたら嬉しいですね。 今後の日本への取り組みに関して -- 是非、よろしくおねがいします。実際問題、日本のマーケットって結構特殊だと思っていて。それに対してのBTCBOXとして、何か日本への特別な取り組みとかって考えてますか? 三宅 : 現状最も考えているのはUI/UXは特に優先的に取り組みを行わなければいけないかなと思っています。 どうしても、現在のUI/UXは日本人には使いづらい感じがあるので、そこを優先して改善して行きたいと思っています。 また、現在セキュリティにも力を入れているが、今後は更に力を入れようと考えています。ホワイトハッカーなどを入れて、セキュリティ強化を進めていく体制も考えています。 -- BTCBOXの取引所もこれから進化していくってことですね。期待しています。因みにですが三宅さんは仮想通貨市場において、日本が世界に勝っていくにはどうしたら良いかと思いますか?あくまでも個人の考えとしてお聞かせください。 三宅 : そもそも、日本ではBINANCEのような海外の取引所やDEXモデルの取引所というのは難しいのかなと考えています。そのため、当局とうまくやりながらやっていくのが現状はベストな選択なのかなと考えています。 消費者保護とかに関して、ネガティブな意見もありますが、そこに関しては日本は特に考えられているかなと思っています。 今後は一過性のユーザー数は狙わずに、セキュリティとかも強化しながらやっていくことが日本の後々にもつながっていくんじゃないかなと。 -- 結局は投資家を守っていくことが重要であると。 三宅 : そうですね。だって、ユーザー数が増えたからと言って、サーバーが落ちていたり、セキュリティに穴があったりしたら全く意味ないですよね? セキュリティであったり、エンジニアリングの部分というのは最も大事かなと考えているし、そこを強くしていけば良いのかなと。日本という市場はかなり大事だと思っています。 -- 日本に期待してる部分とかもありますか? 三宅 : 欲を言うなら、マルタみたいにしてほしいですよね。一時期は仮想通貨先進国だったのに、現在、その影は無くなってしまいました。 今後、もし日本で発展していくのであれば、振り切らないと、仮想通貨大国にはなれないかなと。 海外の情報も流れてこないです。後は、一過性の部分ではなくて、仮想通貨やブロックチェーンのカルチャーにしていけたらというところですね。 Fintechというくらいなので、Financialに強い日本の金融関係者とかが仮想通貨業とかを立ち上げてほしいですし、我々のような取引所にも積極的にJoinしてほしいです。若いレイヤーはまだまだ入ってきてないので、仮想通貨業界にも積極的に入ってきてほしいです。 -- 今って、注目している分野はありますか?? 三宅 : Coinbaseには注目していて、Coinbaseの動きはかなり正しいと思ってます。 カストディーサービスや証券サービスだったりとかすごいと思っています。 既存のサービスに仮想通貨を組み込むのは大事ですよね。日本でも将来的にはそういうサービスできることを期待しています。 -- 日本がこれからそういうのがもっとでてきてほしいですね。他に注目している分野とかありますか? 三宅 : DAppsゲームとかも流行ってほしいですね。個々の分野での開発や起業したいような人ももっとたくさん出てきてほしいです。 DAppsゲームの問題点はマネタイズではないかなと思っています。来年くらいにロールモデルとかがでてきそうですよね。 日本はゲームやオタクカルチャーは最先端なので頑張って言ってほしいです。BTCBOXとして手助けできるなら、手助けしていきたいです。 -- 今日は本当にいろいろとお話ありがとうございます。最後に一言お願いします。 三宅 : 今は、業務改善命令を真摯に受け止めて、改善後にもっと面白いことをできたらと思っていますし、そのために沢山の面白い事を考えております。 その中でCRYPTO TIMESさんとも一緒にできたらと思っています。 現在Pマーク、ISOなどの取得も進めていたり、ハッカー対策など強化をはかっております。その他にも安心安全ができる取引所を目指ています。 宣伝力も大事ですが、技術力を磨くことで、安心安全に取引出来る取引所を目指していますので、ご期待していてほしいです!!
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2018/07/23ハードウェアの導入でスケーラビリティ問題の解決に取り組むブロックチェーンプラットフォーム・HPBにインタビュー!
Crypto Timesは、7月2・3日にヒルトン成田にて行われたDAIBC Asia Digital Asset & Blockchain Congressにメディアパートナーとして参加しました。 今回は、同カンファレンスに参加したプロジェクトのひとつであるHPBのCMOへのインタビュー記事です。 High Performance Blockchain、通称HPBは、ノードの運営にハードウェアを導入することで、分散型ネットワークのスケーラビリティを改善するプロジェクトです。 HPB最高マーケティング責任者・Emma Zhu氏にインタビュー! [caption id="" align="aligncenter" width="266"] Emma Zhu氏 | 米コロンビア大学で国際情勢学の修士を取得後、中国に戻りブロックチェーンビジネスに携わる。[/caption] ーー 本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まずは、HPBの概要と特徴について教えてください。 Zhu氏: HPBはハイパフォーマンス・ブロックチェーンの略称で、既存のブロックチェーンが直面しているスケーラビリティ問題を解決するプラットフォームです。 このプロジェクトの特徴は、ノードの運営(ネットワークの維持)に専用のハードウェアを導入しているという点です。このハードウェアはネットワーク維持専用のサーバーに接続する機器となっており、言い換えればノード運営にはこのハードウェアが必須ということになります。 今月1日に最初のハードウェア配布を行いました。次回のハードウェア配布も既に募集しており、現段階で240人以上から応募が集まっています。 ーー ネットワーク維持にハードウェアを必須化するというのは斬新ですね。コンセンサスメカニズムはどのような仕組みになっているのでしょうか? Zhu氏: Proof of Authorisationに、独自のノード選挙システムを付け加えたものになっています。このノード選出システムは二段階に別れています。 まずは、HPBを保有する申請者の中から、性能の高いサーバーを持つ200名を選出します。この200名がノードのハードウェアを獲得することができます。そして、この200名の名から更に投票で105名が最終的なノードとして選ばれます。 そして、この選ばれたノードの中から、HPノード(マスターノード)の選出を投票で行います。第一段階で選ばれたノードの20%(+1名)だけがこの第二段階のノードになることができ、ネットワークのトラフィックやバンド、過去にノードに選ばれた回数や、悪意のある承認作業を行なっていないかなどといった事柄が選出の基準になります。 第一段階のノード選出は3ヶ月ごと、第二段階のノード(HPノード)選出は10分ごとに行われるように決められています。 ーー ハードウェアの獲得や二段階の投票システムを設けることで、悪意のあるノードが登場しにくいようになっているわけですね。現在、HPBのプラットフォームの開発やコミュニティの発展はどのような状況なのでしょうか? Zhu氏: HPBでは、今年8月にメインネットローンチを予定しています。また、ブロックチェーン技術の研究のために大学などの教育機関にHPBのハードウェアを配布したりしています。 日本でのコミュニティ開発も計画を進めており、技術の研究に興味のある教育機関や、プロジェクトのアンバサダーなどを募集しています。 まとめ HPBは、ハードウェアの導入という新たな切り口からブロックチェーンのスケーラビリティ問題解決に取り組むプロジェクトということでした。 上記の通り、同プロジェクトは日本への進出にも大きく力を入れているプロジェクトですので、気になった方はぜひ公式ウェブサイトをチェックしてみてください。
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2018/07/19IOST CTO Terrence Wang氏へインタビュー!コンセンサスやシャーディングなど技術的な仕組みを徹底究明!
時価総額59位に位置するIOST(アイオーエスティー)は、スケーラビリティとネットワークの非集権化に力を入れたプラットフォーム系プロジェクトです。 以前は、IOSTのCMOであるサマンサ氏にインタビューを実施させていただきました。 そして、今回は、IOSTの最高技術責任者(CTO)であるTerrence Wang氏にインタビューをさせていただくことができました。 エンジニアの方に直接お話しできる機会を活かし、IOSTのシャーディングや独自のコンセンサスメカニズムについて深く質問しました。 ブロックチェーン技術の認知に力を入れるスケーラブルプラットフォーム・IOSTにプロジェクトインタビュー!| Crypto Times IOST(アイオーエスティー)プロジェクトとは? IOSTとは、スケーラビリティとネットワークの非集権化に力を入れたプラットフォーム系のプロジェクトです。 同プロジェクトでは、ネットワーク維持作業を分担して行えるシャーディングといった技術を導入することで処理速度を改善し、スケーラビリティ問題の解決に取り組んでいます。 また、IOSTはProof of Believability (PoB)と呼ばれる独自のコンセンサスメカニズムを使用しています。 このPoBとは、ノードのネットワーク貢献度に応じてブロック承認権が与えられるという段階型のプロトコルで、ネットワークの維持力が資金や設備の整った一部の人々に偏らない仕組みになっています。 Terrence Wang氏にインタビュー! 今回インタビューに応じていただいたのは、IOSTで最高技術責任者を務められているTerrence Wang氏です。 Terrence Wang氏は米ミネソタ大学で分散型システムについて学び、その後プリンストン大学でビットコインのコーディングについて学び修士号を獲得しています。 2013年から仮想通貨・ブロックチェーンに興味を抱いていたというTerrence Wang氏は修士獲得後、米マイクロソフトやUberを経て、昨年の9月にIOSTのチームに加わりました。 コンセンサスプロトコルについて -- 本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。今回は、IOSTの技術面について詳しく質問させてください。まずは、IOSTの目玉であるProof of Believability (PoB)について教えてください。 Terrence Wang氏(以下:テリー): 今メジャーなProof of Work (PoW)やProof of Stake (PoS)というのは、マイニング設備やトークンをたくさん持っている人が積極的にブロック承認を行えるプロトコルとなっており、ネットワークの集権化が懸念されています。 私たちのPoBは、ネットワークの非集権化にフォーカスしたプロトコルです。IOSTのノード(ネットワーク参加者)は、トランザクションの承認を行うノーマルリーグと、ブロックの生成を行うビリーバブルリーグという2つのグループに分けられます。 ノーマルリーグには、一定以上のトークンやトランザクションがあれば誰でも参加することができます。ここに属するノードは、トランザクションの承認を通してネットワークへの貢献度(SERVIと呼ばれる)を積み上げていきます。トランザクションの承認にはIOSTトークンで報酬が支払われます。 このネットワークへの貢献度(SERVI)が高ければ高いほど、ビリーバブルリーグのノードとして選出される確率が高くなります。ビリーバブルリーグでは、ブロックの生成を行うことができます。この際の報酬は、ノーマルリーグより大きいものになります。ブロックを生成したノードはSERVIを全て失い、ノーマルリーグに戻ります。このシステムを設けることで、特定のノードがブロックを生成し続けるのではなく、全員が入れ替わるようになっています。 シャーディングについて -- IOSTといえば、非集権性、それからスケーラビリティ問題の解決ですね。この問題への取り組みとして導入しているEfficient Distributed Sharding (効率分散型シャーディング / EDS)の仕組みやメリットについて教えてください。 テリー : シャーディングというのは、分散型ネットワークのノード(参加者)をシャードと呼ばれるグループに分けて、それぞれのシャードに別々の作業をさせるというシステムです。ひとつひとつのシャードが別々のブロックチェーンになっている、と考えるとわかりやすいでしょう。 こうすると、ネットワーク全体でひとつのブロックを生成するのではなく、それぞれのシャードがひとつずつブロックを生成できるため、ネットワーク全体の作業速度が飛躍的に上昇するわけです。 -- なるほど。誰がどこのシャードに行く、というのはどのように決められているのですか? ノードは無作為に割り振られるようになっています。また、ノードはだいたい1時間を目安に別のシャードに移る仕組みになっています。 分散型ランダムネスについて -- ホワイトペーパーを読んでいると、IOSTでは「ランダムな値」を出す特別なプロトコルがあるとされていますね。なぜこのようなプロトコルが必要なのでしょうか?仕組みや使用用途なども教えてください。 テリー : ランダムな数字を生み出すというのは、実は分散型システム上ではとても難しいことなんです。先ほどEDSについて解説している時にも触れましたが、ノードをシャードに移す時に、行き先をランダムに選ばなければいけません。ここで、悪意のあるノードがランダムを装って特定のシャードに移ったりできないように、ネットワーク参加者全員が「この数字はランダムだ」と確認できなければいけないのです。ここで私たちがOmnichainを基に開発したのがDistributed Randomness Protocol (分散型ランダムネスプロトコル / DRP)です。 DRPは、次のように例えるとわかりやすいです。ネットワークのノード(参加者)ひとつひとつがコイントスをしたとしましょう。それぞれのノードのコイントスの結果(表・裏)を組み合わせてひとつの大きな数字を作ります。一人一人がコイントスをした値を並べたわけですから、このひとつの数字はランダムになります。これの何が良いかというと、それぞれのノードがこの値と自分のコイントスの結果を照らし合わせることができる、ということです。誰かが一見無作為に見える数字を生成したとしても、それぞれのノードのコイントスの結果と一致しないわけです。 TransEpochとAtomixについて -- IOSTではひとつのネットワークをシャードに分割して、なおかつノードが所属するシャードを無作為に入れ替えることで公平性を保っているわけですね。「それぞれのシャードがブロックチェーン」とのことですが、シャード間での情報のやりとりというのはどのように行われているのでしょうか? テリー: IOSTでは、一定の大きさのグループにまとめられた情報をシャード間でやり取りするTransEpoch (トランスエポック)という技術が使われています。情報をまとめて送るので作業速度が速く、まとめられた情報の中から特定のものを見つけることが難しいというセキュリティ面での利点も存在します。 また、シャード間でやり取りをする際に情報の入れ違いが起こらないよう、Atomix (アトミクス)という技術も導入しています。これは、ノード同士のトランザクションを「ちゃんとやるか、一切やらないか」はっきりさせるというものです。例えば、トークンをやり取りするとき、両者の残高や、送信額・受信額などといった情報が全て揃った時にのみ実際にやり取りが行われ、少しでも不備があった場合は何も行われない、と自動的に決められます。IOSTでは、シャード間のトランザクション全てにアトミクスを使うことで、ノード間の情報が入れ違わないようにしています。 マイクロステート・ブロックについて -- 新規ノードがネットワーク参加する際や、既存のノードがシャード間を移動する際に使われているマイクロステート・ブロックというものがありますね。この技術の仕組みや、導入するメリットについて教えてください。 テリー: ブロックチェーンには、ノードのストレージを圧迫してしまうという問題があります。例えば、ビットコインでは、ノードは1番目から最新のブロックまで全て保存しなければなりません。この膨大なデータをしなければいけないとなると、新たなノードがネットワークに参加しづらくなります。また、IOSTでも、ノードがシャード間を頻繁に入れ替わるため都度それぞれのシャードの情報を全て保存しなければいけなくなってしまいます。 そこでIOSTでは、特定のブロックをマイクロステート・ブロックと呼び、チェックポイントとして使用することにしています。新規ノードや入れ替わるノードは、このチェックポイントとなるブロックから最新のブロックまでを保存していればよいということになります。動画のストリーミングサービスなどに例えるとわかりやすいですね。途中から再生する場合は、それ以前のデータはダウンロードする必要がない、という感じです。IOSTではマイクロステート・ブロックを使用することで、ノードのストレージを80%ほど節約できます。 チームについて -- 最後に、IOSTのチームについても教えてください。 テリー: 私たちエンジニアチームは中国・北京にオフィスを構え、約20名ほどで開発を進めています。エンジニアというと自由なイメージもありますが、IOSTチームは、朝出社しみんなで会議をして、ひたすら開発を進める、という普通のワークスタイルになっています(笑)。 マーケティングチームとは、開発状況の宣伝などの際にコミュニケーションを取っています。また、プロダクトチームは、IOST上のDApps関連の展開を進めており、現在はCrypto Heroesというゲームの制作に取り組んでいます。 まとめ 今回はCTOインタビューということで技術的にかなり深い質問をたくさんさせていただきましたが、Terrence Wang氏は終始丁寧に解説してくださりました。 IOSTは日本の大学でワークショップなども行なっており、近日チームのコアメンバーが来日する予定でもあるということです。 関連リンク 公式ホームページ 公式Twitter 公式Telegram 公式Reddit 公式Medium トークン情報(CoinMarketCap)
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2018/07/08フリーランス向けのマーケットプレイスを提供するYouDeal(ユーディール)CEOにインタビュー!
Crypto Timesは、7月2・3日にヒルトン成田にて行われたDAIBC Asia Digital Asset & Blockchain Congressにメディアパートナーとして参加しました。 今回は、同カンファレンスのメインスポンサーであるYouDeal(ユーディール)のCEOへのインタビュー記事です。 YouDealは個人でサービスを経営・提供する人々と消費者をマッチングするマーケットプレイスで、ブロックチェーンを利用することで取引者間の信用やプライバシーの確保を図るプロジェクトです。 YouDeal・Ken Dong氏にインタビュー! [caption id="" align="aligncenter" width="246"] Ken Dong氏 | 金融アドバイザー、グルーポンビジネスなどで活躍されたDong氏は、ブロックチェーン技術の応用性に惹かれYouDealの最高経営監査者に。[/caption] ーー 本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まずは、YouDealプロジェクトの概要や特徴について教えてください。 Dong氏: YouDealは、フリーランサーなどの個人がサービスを提供・享受できる中国最大のP2Pマーケットプレイス・Yuedanにブロックチェーンを利用したソリューションを提供するプロジェクトです。このプラットフォームでは、趣味・娯楽などのスキルアップや、マッサージなどあらゆるサービスを個人が提供することができます。 Dong氏: サービスを提供したい人と享受したい人をマッチングする同サービスでは、既に中国で5000万人以上の会員数を記録しています。 ーー なるほど。それではなぜYuedanの既存のサービスにブロックチェーンを導入しようと考えたのでしょうか? Dong氏: これには3つの理由があります。まずひとつは、信用の問題です。Yuedanのようなサービスでは、利用者同士で問題が起こることがしばしばあります。ブロックチェーンを導入すれば、ユーザーの信用度などをアルゴリズムを元に記録することができます。 Dong氏: ふたつ目は、中国でプライバシーに対する懸念が高まっているという現状です。ユーザーデータを分散型ネットワーク上で管理することにより、セキュリティ面を強化できるというメリットがあります。 Dong氏: そして最後に、私たちはサービスをトークン化することでエコシステムの価値を最大限まで引き出すというビジョンがあります。 ーー 信用やデータセキュリティといった点を考慮して、ブロックチェーンを導入するということですね。類似プロジェクトと比較して、YouDealが提供するプロジェクトはどのような特徴があるのでしょうか? Dong氏: 私たちのサービスは、娯楽産業に特に重点を置いています。特に中国では、マッサージがとても人気で、フリーランスのマッサージ師がたくさんいます。YouDealでは、このようなマッサージ師と、マッサージを受けたい人を効率よくマッチングできるようにしていきたいと考えています。 ーー YouDealはエンターテインメントビジネスに特化したP2Pマーケットプレイスになるということですね。今後の技術面やサービス拡大プランについて教えていただけますか? Dong氏: YouDealのテストネットはERCベースで既に展開しています。そしてこれから半年以内を目安に、独自のDPoSブロックチェーンをローンチしようと考えています。 Dong氏: サービス展開に関しては、中国では既にYuedanがユーザーを獲得しているので、ここから東南アジアに進出していきたいと考えています。将来的には、アメリカやヨーロッパももちろん考えています。 まとめ YouDealはフリーランサーなどの個人のサービス提供者と、そういったサービスを享受したい人をマッチングするP2Pマーケットプレイスということでした。 特定の産業に特化していたり、中国で懸念の高まる信用度やプライバシーといった問題に取り組んでいるのは、とても注目すべきポイントと言えるでしょう。 YouDealの詳細は、公式サイトからもチェックすることができます。
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2018/07/06ビッグデータとAIでデジタル・プロファイルを確立する「Banyan Network」CEOにインタビュー!
Crypto Timesは、7月2・3日にヒルトン成田にて行われたDAIBC Asia Digital Asset & Blockchain Congressにメディアパートナーとして参加しました。 今回は、同カンファレンスに参加したプロジェクトのひとつであるBanyan Network(バンヤン・ネットワーク)のCEOへのインタビュー記事です。 Banyan Networkは、複数のデジタルサービス上で発生するデータをAIなどをはじめとするデータ分析を使ってユーザーひとりひとりのプロファイルにまとめるというプロジェクトです。 Banyan Network CEOにインタビュー! [caption id="" align="aligncenter" width="800"] David Zhou氏・カナダ | 起業家・エンジェルインベスターであるZhou氏は、カナダ、アメリカ、中国などで複数の事業を経営している。2017年にBanyan Networkの共同創設者に就任。[/caption] ーー 本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まずは、プロジェクトの概要や特徴を教えていただけますか。 Zhou氏: Banyan Networkは、ビッグデータとAIを応用して、クレジット情報やその他企業のデータ分析に役立つ情報をひとつのエコシステム上にまとめるというプロジェクトです。 Zhou氏: マーケティングなどで使われるデータは、クレジットカード会社ならクレジット情報のみ、ソーシャルネットワークならユーザーの活動状況のみなどと、企業・業種毎に利用可能なデータの種類が限られてしまっています。Banyan Networkでは、これらのデータをまとめ、各ユーザーのプロファイルに紐付けすることで、より完璧なデータインフラを構築しようとしています。 Zhou氏: 私たちのサービスの中核はData Fusion Value Network (DVN)と呼ばれるもので、このシステムは4ステップに分割されています。まずひとつ目がデータ収集です。その次に、データのフォーマットを整理したり、属性付けを行ったりするフェーズです。その後、私たちの独自の技術であるIDマッピング技術を使用して、複数のサービスから収集したデータを各ユーザー毎に紐付けしていきます。最後に、完成したデータ構造をもとに無人・第三者の介入無しでデータ取引サービスを行います。 ーー 消費者の行動データから価値が生み出せる中で、別々のソースから流入するデータをまとめてユーザーごとのプロファイルを作る、ということですね。でも、これってデータを提供するユーザーにはメリットがあるのでしょうか? Zhou氏: もちろんです。データを提供している個人・団体は、そのデータが企業などで使われるたびにDVNトークン($BBN)で報酬を受け取ることができます。これらのデータはすべて分散型ストレージに保存され、Banyan Networkのエコシステム外で使用されることはありません。 ーー データを提供するインセンティブもあるということですね。データサプライ系のプロジェクトということで、競合もたくさん存在すると思いますが、Banyan Networkの強みというのはどういったところなのでしょうか? Zhou氏: IDマッピング技術を使ってデータの融合を行っているところはまだ他にはないと考えています。また、このような技術の開発や、データ収集などのプロセスはとても時間と労力のかかるものですので、業界への参入障壁も高いものです。 Zhou氏: また、Banyan Networkでは既に、金融やテレコム業界の世界的大手とパートナーシップを結んでおり、後日詳細を公開する予定です。このように、戦略提携が整っている点も私たちの強みだと考えています。 ーー なるほど。最後に、今後のサービス展開予定について教えてください。日本でのサービス展開も考えていますか? Zhou氏: はい。まずは中国でサービスを開始したいと考えています。また、現在世界各国でコミュニティ発展のためのアンバサダーを探しており、日本への展開ももちろん考えています。 まとめ データサプライの利便性確立にチャレンジしているBanyan Networkは、GDPRなどのデータ保護に関する規制にも準拠しているということです。 このプロジェクトが気になった方は、ぜひ公式ウェブサイトをチェックしてみてください。
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2018/07/05Platinum CEO Anton Dzyatkovskiy氏へのインタビュー -第1回 MicroMoneyを立ち上げるキッカケ-
今回、CRYPTO TIMESではPlatinum CEOであるAnton Dzyatkovskiy氏にインタビューを実施いたしました。 MicroMoneyは昨年にICOを実施したプロジェクトで、マイクロクレジット専用の金融機関を作ろうとするプロジェクトです。 今回のインタビューでは、PlatinumのAnton氏より、MicroMoneyを立ち上げようとしたキッカケ、ICOの支援事業を始めるにあたり、ブロックチェーンとICOに特化した大学を提供することなど、様々なことを語ってくれました。 今回、かなり濃密なインタビューなので、前編・中編・後編の3回に分けての公開となります。 Micro Moneyとは? インタビューの前に、MicroMoneyの紹介を軽く触れておきます。 世界には100カ国で銀行口座を持たない人々が20億人いると言われていますが、これらの人々は、現在金融サービスにアクセスができないことが問題とされています。 現在の金融機関は、これらのユーザーの信用度についての情報を持っていないため、リスクであると考えています。しかし、これらのユーザーも資金が必要だったりするケースが度々あります。 MicroMoneyでは、このような人々が、既存のすべての金融サービスに接続し、全顧客の信用性を予測し、わずか15分で借り手がスマートフォンから人生初の融資を受けられるようにするサービスです。 現在では、OKExやBiboxなどの取引所にも既に上場済。Androidのアプリも既にリリース済みです。 MicroMoneyに関する詳細な記事も近々、紹介したいと思います。 Anton氏へのインタビュー -MicroMoneyを立ち上げ、ICOを実施するまで- MicroMoneyを立ち上げるキッカケ -- はじめまして。アラタと申します。まずは、自己紹介をお願いします。 Anton : はじめまして。Antonと言います。私のバックグラウンドを軽くお話しますね。私が初めて仕事をしたのは、14歳のときでした。このときは、街の掃除をしてお金をもらいました。 その後、18歳で結婚をして、そのときに二人の子供を養子にしました。それと同時に、18歳で会社に入社をして、30歳まで働きました。 この会社ではずっと、営業をメインでやっていましたが、販売もやりましたし、社長にも任命されました。事業としては、主に中国、日本、シンガポールの電化製品をロシアで販売している会社でした。 -- 最初は電化製品の販売の会社からスタートしていたんですね。 Anton : はい、そうです。私はシベリアの地域に住んでいました。この場所はちょうどロシアの真ん中にあって、ロシア全体をカバーするような働き方をしていました。因みにロシアでは10個ほどの時間帯があるんですよ -- なるほど。因みに現在はPlatinumという会社をやっていますが、どのタイミングで前の会社をやめようと思ったんでしょうか。 Anton : 実は27歳のときに既にミリオネアになりました。そして、30歳になったときに変化を求めるようになりました。そう考えだしたら、前まで働いていた仕事を辞めて、今後は金融関係で働いていきたいと思ったんですね。 で、新しい人生で成功するためには、今まで稼いだお金を全部捨てないといけないと考えました。 なので、2.4万ユーロ(約300万円)だけを残して、それ以外のお金は捨てて新しい生活をはじめました。 -- え?ミリオネアになったのにお金を捨てたんですか? Anton : はい、当時結婚していた奥さんに残りのお金を全部渡しました。そして、奥さんとは離婚をしました。 -- そこまでの覚悟で新しい生活や変化を求めたってことなんですね。 Anton : そうです。生活を一転することで、お金の価値を考えることがかなり増えました。そして、更に新しく資産を作り直さなくては行けないと考えるようになりました。 生活を完全に変化させるには、国を変えてビジネスを行う必要があるかなと思い、カンボジアに引っ越しました。 -- カンボジアにて金融関係のことをやろうとしたと。何でカンボジアでやろうと思ったのでしょうか? Anton : 金融関係のことをやろうと思ったとき、私はカンボジアにて、オンラインバンクを作ることを最初に考えました。カンボジアには、オンラインバンクというものがそもそも無く、更にカンボジア国内ではアクセスできないことに課題があると考えていました。 我々の強みとしてはITの技術者であること、そして、ITインフラを作れることでした。さらに、物理的コストがあまりかからないアイデアが有りました。 カンボジアに行く前に、IT技術者が周りに多かったのもありましたし、技術者をカンボジアに連れて行くということは最新技術をカンボジアに持っていくというのを理解してカンボジアに行きました。 -- なるほど、その強みを持ったまま、カンボジアに行って実際は上手く行ったのでしょうか? Anton : なかなかうまくことが進まないことも多かったです。いくつか検討から外れてしまった課題もたくさん見つかりましたし、トラブルも起きました。カンボジアというのは、我々が考えていた以上にインフラがなかったんですね。 なので、オンライン銀行を作るということは、現地に銀行を作る、すなわちゼロからインフラを作り上げる必要がありました。更に、当初考えていたよりもコストがかなり掛かることがわかったのです。 二人の男性との出会い -- カンボジアで、金融関連の事業をやるにはかなりのハードルがあったわけですね。ただ、カンボジアに既に拠点を移していたと思うのですがどうしたのでしょうか? Anton : 私達は、諦めずにカンボジアのミクロファンドや、いろんな投資期間を訪れながら、資金調達を心がけました。そんなように、資金調達を行おうとして色々と話している最中に私は、二人の男性に出会いました。その内の一人は日本人で、もう一人はカンボジア人でした。 その当時は知る由もなかったのですが、このカンボジア人の男性が、首相のアドバイザーであり、カンボジアでは物凄く偉い人だと後ほどわかりました。もう一人の日本人はMr.Tetsuji Nagata(永田哲司さん)でした。彼は後にMicroMoneyのアドバイザーにもなります。私は、カンボジアで彼らにピッチをしました。 -- この二人との出会いが転機になったんですね。 Anton : はい。その通りです。私達は彼らのインキュベーターに入れてもらい、住む場所やオフィスなど全て提供してもらいました。 そして、その後はジョイントベンチャーを作りました。当時は15平米の場所に10人の社員を抱えてたが、その後はちゃんとした拠点を持つことができました。 ジョイントベンチャーを作る前の環境は本当に椅子とかもないくらいの環境でした。ここから、我々もだいぶ変わったと思います。 -- ジョイントベンチャーを作った後はどうなったのでしょうか? Anton : カンボジアだとマーケットが小さいので、カンボジアを超えた環境でやることに決めました。カンボジアに続き、ミャンマーで第二の支店を作りました。ミャンマーで支店を作った後は、チームの人数も5倍になりました。 カンボジアと比べると、ミャンマーはかなり大きく成功しました。その後、タイ、インドネシア、スリランカの展開もしようと考えました。 そして、本社をタイのバンコクにも移し、フィリピンにもオフィスを出しました。この後、2017年にICOをすることを決めました。 PlatinumのAnton氏がICOの支援事業を始めようと思ったこと、その内容に関しては次回公開予定です!
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2018/06/20ブロックチェーン技術の認知に力を入れるスケーラブルプラットフォーム・IOSTにプロジェクトインタビュー!
スケーラビリティとネットワークの非集権化に力を入れているIOST(アイオーエスティー)は、時価総額56位に位置するプラットフォーム系プロジェクトです。 今回は、そんなIOSTで最高マーケティング責任者を務められているSamantha Wang氏に直接インタビューをさせていただくことができました。 Wang氏はIOSTの優れているところやプロジェクトの進捗状況、またチームが持つミッションなどについて詳しくお話をしてくださいました。 IOST(アイオーエスティー)プロジェクトとは? IOSTとは、スケーラビリティとネットワークの非集権化に力を入れたプラットフォーム系のプロジェクトです。 同プロジェクトでは、ネットワーク維持作業を分担して行えるシャーディングといった技術を導入することで処理速度を改善し、スケーラビリティ問題の解決に取り組んでいます。 Proof of Believabilityプロトコル また、IOSTはProof of Believabilityと呼ばれる独自のコンセンサスメカニズムを使用しています。 ユーザーはスマートコントラクトの発行やストレージの貸出などの「コミュニティーサービス」を行うことで、IOSTトークンとは異なる「SERVIトークン」と呼ばれる取引不可・自動発行/消滅型のトークンを入手できます。 このSERVIトークンを多く保有するほどBelievability(信用)が高いとみなされ、ブロック承認作業を任される確率が高くなるというシステムになっています。 ブロック承認作業をすると、報酬がIOSTトークンで与えられます。また、この時に相当量のSERVIトークンが焼却されます。 SERVIトークンは大量に保有していても承認作業の完了とともに消滅するため、特定の個人や団体がネットワークの大きな決定権を握るといった事態が避けられるシステムになっています。 Samantha Wang氏にインタビュー! 今回インタビューに応じていただいたのは、IOSTで最高マーケティング責任者を務められているSamantha Wang氏です。 Wang氏はIOST以外にもアメリカや中国のインターネット系企業でマーケティングアドバイザーをされているエキスパートです。 IOSTの魅力とは? ーー 本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まず、IOSTプロジェクトの概要と魅力について教えてください。 Wang氏: IOSTは個人やビジネスがDAppsを開発する基盤となるブロックチェーンプラットフォーム系プロジェクトです。IOSTプラットフォームはEfficient Distributed Sharding (EDS)と呼ばれる技術を導入することで、スケーラビリティ問題の解決に取り組んでいます。シャーディングというのは、一つの作業を細分化して、それぞれを別のグループが同時に処理する、という技術です。 これに加え、Proof of Believability (PoB)と呼ばれる独自のコンセンサスメカニズムも採用しています。 ーー これはネットワークに貢献すればするほどブロック承認者として報酬がもらえる確率が高くなる、というシステムでしたよね。 Wang氏: はい。既存のPoSやDPoSなどでは、結局コインやトークンを多く保持する人がどんどん富を増やしていけるようになってしまっていますが、PoBでは同一の人物や団体がずっと承認作業をできないようになっています。 プロジェクトの進捗状況・競合との比較など ーー なるほど。TRONやEOSなどといったメジャーなプラットフォームはすでにメインネットローンチを果たしていますが、IOSTの開発状況はどうでしょうか? Wang氏: 来月にはテストネットを公開する予定です。また、これからDApps製作者とのパートナーシップも結んで行く予定です。メインネットは今年の年末に公開予定です。当初のロードマップよりも進捗は早いです。 ーー 当初のロードマップより開発が早く進んでいて良いですね。それでは、競合となるプラットフォーム系と比べてIOSTの優れている点とはどのようなところなのでしょうか? Wang氏: まずは、IOSTネットワークではPoBによって非集権化がきちんとなされていることです。もうひとつは、IOSTではマーケティングだけではなくブロックチェーンテクノロジーに対する理解の普及に力を入れているところです。 私たちは、ブロックチェーンがインターネットを変えていくものであると確信しているので、IOSTプラットフォームを通して人々にブロックチェーンについて学んでもらいたいと考えています。 ーー 実際、開発よりもマーケティングに力を入れているプロジェクトも多い現状ですからね。 Wang氏: そのとおりです。今回日本にコミュニティを広げようと考えているのにも同様の理由があります。日本では仮想通貨が広く騒がれる反面、世間のブロックチェーン技術に対する理解というのはあまり達成できていないものだと思います。IOSTとしては、皆さんにブロックチェーンがなぜ世界を変えて行くのかというのを知っていただき、自分がいったい何に投資しているのかというのをわかってもらえたらと考えています。 日本での活動について ーー なるほど。ブロックチェーン普及教育を通してIOSTプロジェクトについて知ってもらう、ということですね。日本でコミュニティを拡げていくにあたって、なにか具体的な計画はありますか? Wang氏: はい。まずは、ウェブサイトの多言語化や、日本でのオフラインミートアップの開催といった基本的なところから始めていきます。また、東京大学との提携で、夏の終わりあたりからセミナーなども展開して行く予定です。 ーー もう既に色々と計画中であるということですね。 Wang氏: 更に、IOSTプラットフォームの良さを体験していただけるように、いくつかの企業とパートナーシップを結ぼうと考えています。あまり急ぎすぎず、時間をかけて日本のユーザーの皆さんの信用を勝ち取っていけたらと考えています。 ーー パートナーシップの獲得などもだいぶ進んでいるんですね。最後に、日本の皆さんに一言お願いします。 Wang氏: IOSTを通して日本の皆さんにもブロックチェーンについてもっと知ってもらいたいです。特に投資家の皆さんには、自分が何に投資しているのかを理解していただけるきっかけになればと考えています。また、IOSでは日本のチームメンバーを大募集しています! まとめ スケーラビリティ問題を解決し、ネットワークの非集権化に力を入れるIOSは、プロダクトのマーケティングだけではなくブロックチェーンを普及する教育にも力を入れているプロジェクトだということでした。 パートナーシップの多さや、開発の進捗状況の良さなどもとてもプラスになると考えられます。今後の日本でのコミュニティ発展や、年末のメインネット公開などのイベントに要注目です。 関連リンク 公式ホームページ 公式Twitter 公式Telegram 公式Reddit 公式Medium トークン情報(CoinMarketCap)