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2019/11/13IOSTインタビュー ブロックチェーンブーム再到来の中国で次のステップは?
IOSTはスケーラビリティと非集権性の両立を目指すブロックチェーンプラットフォームです。 今年2月にメインネットをリリースしてから大きな進展を遂げているIOSTですが、CRYPTO TIMESはこれまで、CEOをはじめとするチームメンバーにインタビューを行ってきました。 CEOのJimmy Zhong氏、CTOのTerrance Wang氏、CMOのSamantha Wang氏に次いで今回インタビューに応じていただいたのは、IOSTでマーケティング代表を務めるBingjing Meiさんです。 フランスのメガバンク ソシエテ・ジェネラル出身のMeiさんは、従来の金融システムの短所に疑問を抱き、昨年末にIOSTチームに加わりました。 Meiさんは今年2月のメインネットローンチ前までは技術チームに属していましたが、以降マーケティングチームで代表を務めることになりました。 以下は、Meiさんとのインタビューを編集したものになります。 中国のブロックチェーン事情について −−中国では、習近平首相によるブロックチェーン推進発言が注目を集め、中国アルトコイン銘柄の上昇などにも繋がりましたね。他国はこの件をポジティブに捉えている印象がありますが、中国国内ではどうですか? Meiさん: 習近平首相の発言は、2017年のビットコイン急騰時に次ぐ第二のブロックチェーンブームを呼び起こしたと考えています。 2017年のブームでは、中国はまだ市場をどのように規制すべきかわかっていない状況にありました。ブロックチェーン技術や仮想通貨自体には2013年から目をつけていた政府ですが、今回は規制が整備できてきたと見たのか積極的に開発を進める動きに出たようです。 私は、首相の発言はどちらかというと政治的なインパクトがメインだと考えています。 中国は政府発行型暗号通貨(CBDC)の話もあり、米国のリブラの競合になっています。リブラが規制当局からバッシングを受け停滞する中、中国は我先にと新興技術の開発に注力しています。国ぐるみで開発戦略を立て、専門チームを作り、国内マイニング企業のIPOにも協力的な姿勢を示しています。 加えて中国の都市はそれぞれが業界の中心となるべく、優れた才能を持つ人間を取り合っています。 そんな中、IOSTは中国系プロジェクトの中でもトップレベルに属するとみなされているため、少なくともIOSTとしてはこの新たなブームの到来はとても好ましいものと受け止めています。 (IOSTのCTOであるTerrance Wang氏は、習近平首相の発言に関するコメンテーターとして中国の国営テレビにも出ています) https://twitter.com/thin9rypto/status/1189537957994098688?s=21 −−それでは、この絶好のチャンスを受け、IOSTはどのように前進していく計画ですか? Meiさん: IOSTでは、B2CとB2Bそれぞれの分野で次の動きを計画しています。 まずB2Cにおいては、色々なモデルが実際に登場してきて、キャッシュフローも生み出せるようになりました。Crypto Sanguoは大きな成功例のひとつです。IOSTではこういったプロジェクトが成功するようにアシスタンスを提供しており、個別にトレーニングセッションを設けることまであります。 [caption id="" align="aligncenter" width="444"] Crypto Sanguo[/caption] B2Cにおけるこれからの課題は、国際展開などに向けてコンプライアンス問題を解決することです。特に、DApps使用状況におけるギャンブルアプリの割合には注意しています。 この辺りは、IOSTによるインキュベーションの対象を、ネットワークのエンゲージメントを高めるものに絞ることで、プラットフォームの分散性を保ちながら健全性のバランスも取りたいと考えています。 これからより肝心になってくるB2Bに関しては、ビッグデータやサプライチェーンマネジメントなどの分野でプロジェクトを進めています。 こういった企業の中にはこれまでブロックチェーン技術の重要さを完全に把握していなかったところもありましたが、習近平首相の発言などもあり法人向けソリューションも注目されるようになってきました。 −−具体的にどんなプロジェクトがあるのか教えていただくことはできますか? Meiさん: 政府にサービスを提供しているIT系企業とは、ブロックチェーンを活用したソリューションを提供できないか話し合っています。政府のデータはセンシティブなものも多いので、こちらは現在開発中のコンソーシアムチェーンソリューションを活用していくかもしれません。 それから、資産のトークン化という分野では、あるギャラリーと協力してアンティーク商品の証明書をブロックチェーン上に発行するシステム開発に取り組んでいます。こちらは、特典や割引のあるメンバーシップのトークン化にも力を注いでいます。 また、ドローン関係でもIOSTの技術を活用する話が挙がっています。ドローンが発信する情報には異なるプライバシーレベルのものがあるため、ブロックチェーンを用いたソリューションが効果を発揮します。こちらはすでに実証実験段階のプロジェクトとなっています。 今後の日本での展開について −−日本ではステラ・ルーメン(XLM)が日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)によって承認され、コインチェックで上場しましたね。IOSTもトークンを日本で上場させる為の活動を行っていますか? Meiさん: もちろんです。日本は規制が明確に設けられているので、これから私たちは慎重に物事を決断していかなければなりません。特に、先程話したコンプライアンスに関する問題は対処していかなければいけません。 今のところ、私たちのエコシステムでは全体の30%ほどをギャンブル系が占めていますが、これを例えば20%以下にまで持っていき、進出のメドが立つまでさらにネットワークの実用性をブラッシュアップしたいと考えています。 −−最後に、日本の皆さんに一言お願いします。 Meiさん: 私たちはもっとたくさんの日本の方々と一緒にプロジェクトを大きくしていきたいと考えています。日本の政府や企業もブロックチェーン技術の重要さにより注目しており、IOSTにとっても良いタイミングだと感じています。 日本マーケットへの進出もとても前向きに考えていますので、たくさんの日本企業と協力して実用的なビジネスモデルを築き上げることでコンプライアンス面でも説得力を持たせていきたいと思います。
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2019/11/05ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -試合中にのみ登場する簡易カード(Rune , Anim , Enchanted Weapon) の解説-
今回の記事では前回のカード効果説明記事ではカバーしきれなかった基本システムについての説明です。 具体的にはRune、Anim、Enchanted Weaponの三種類についての解説を行います。 ※各カード効果と用語についてはここでは簡易的に記載しますので、詳細は下記記事を参照ください ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -カード効果と用語の解説- これらのカードは選択可能なカードとしては存在せず、よって直接デッキにに組み込む事は出来ません。あくまでも試合中にカード効果により一時的に得られるものとなります。 結論としてざっくりそれぞれの特徴を挙げると、下記の様になります。 Rune: 簡易版の魔法 Anim: 簡易版のクリーチャー Enchanted Weapon: 簡易版の武器 それでは各々の説明をして行きます。 Rune 今回挙げた中では一番よく見かけるカードがRuneになると思います。 地味ではあるものの、特定Godしか持ち得ない様な効果を扱える為に強力です。 注意点としてこれらは全てSpell(魔法)として扱われます。Magicならば特に恩恵が多いと言えるでしょう。 Rune of Life: 対象の味方クリーチャーと自Godをそれぞれ6年回復します Rune of Fire: 対象の敵クリーチャーもしくはGodに3ダメージを与えます Rune of Sight: Foresee 2 (2枚先まで引く予定のカードを確認してそのままにするかデッキ最後尾に回すか選べる)をした後、1枚カードを引きます Rune of Strength: 対象の味方クリーチャーに+2/+2をFrontline(前衛)を与えます Anim Animは2マナというコストに対して悪くない性能を持つクリーチャーです。 とは言え侮れない存在でもあります。 Iron Anim: 2マナ 3/3、純粋にステータスに優れます Heavy Anim: 2マナ 2/3 Frontline(前衛)、前衛持ちであり守りに優れます Concealed Anim: 2マナ 3/2 Hidden 1turn(隠匿)、1ターン隠れる為、除去耐性に優れます Protected Anim: 2マナ 2/2 Protected(1回ダメージ無効)、ステータスは低いですがこちらも除去耐性に優れます Enchanted Weapon 元々Relicに関して多くの種類を持つGodがWarのみである為、Enchanted Weaponのみが多くのその他GodにRelicの選択肢を提供すると言えます。 まだ単純なダメージ能力だけでなく、それぞれが効果を持っているので用途が微妙に異なります。 尚、もしもSlayer Warでこれを持てば耐久力を増やせますので、延々とDeadly付き攻撃なんて事も可能です。 Destructive Dagger: 2マナ 1/1 Deadly(即死効果)、 非常に強力ですがBlitzが無いので装備してすぐ使えない点に注意です Starling Spear: 2マナ 2/3 Blitz(速攻) Flank(側面攻撃)、シンプルに強力で扱いやすいRelicです Glamoured Gladius: 2マナ 1/3 Blitz(速攻) 攻撃時にはランダムな味方クリーチャーを+1/+0する、攻撃力自体は弱いものの味方を強化出来る為、侮れない強さのRelicです Curative Cadgel: 2マナ 2/2 Blitz(速攻) Afterlife(死後発動)で3ライフ回復、 こちらも扱いやすいステータスと回復効果を備えたRelicです。Afterlife効果は新たなRelicの装備、破壊される、耐久力を全て消費等、どのケースでも発動します 最後に 以上で簡単ながらもRune、Anim、Enchanted Weaponの効果を説明しました。 次に応用的な話ですが、これらのカードはBag of Trick(通称マナバッグ)とは異なり、手札としてカウントされます。 これらについては特定カードが条件であるものの、枚数で言えば通常のカードよりも取得条件が緩いのです。よって、手札を捨てる時の選択対象、手札枚数を前提とする効果といった場合でも有効なのです。 また、デッキからカードを引き過ぎると長期戦では先にデッキ切れしてしまいますが、これらはそうしたデメリット無くカードアドバンテージを得られます。 ただし引き過ぎると手札が満杯になってしまいドロー出来なくなります(これも長期戦ならば意図的に利用可能ですが) 長くなってしまうので詳細な説明は省きますが、上記の効果を踏まえて幾つか代表的な活用例となるカードを挙げます。効果を調べてみると面白いかもしれません。
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2019/11/04兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【11月4日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 既にご存知かもしれませんが、つい先日、海外の大手FX取引所『BitMEX』によるメールアドレス流出事件が発生しました。 やはり最大手なだけあって、「せっかくいい感じに戻ってきてるのに大丈夫か~?」と不安視していた方も多くいらっしゃったと思います。しかし現状、出来高は萎んでいるものの、依然9400ドル周辺にて価格を保っており、「強さは健在」といった状況です。 このまま市場の雰囲気を維持してアルトなどにも資金が流れていってほしいところですが、今後はどういった値動き・展開が予想されるのでしょうか?今回もしっかり分析していきますので、ぜひ最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。 それでは早速、BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) まずは、ここまでの流れを軽くおさらいしていきましょう。 7500ドル周辺(オレンジゾーン)を大きく下抜けた後、「直近安値の更新により、更に下落を続けるか?」といったポイントで、新規Sが急増したのか大きな下落を見せました。 しかしその直後、安値更新と同時に入ってきたツッコミSらの損切りを燃料に、価格は急上昇・・・。下げを否定した形での高騰ということもあり、長期目線では「再度押し目を作って高値更新へ」という判断が妥当でしょうね。 またチャート的には、現状長期のレジスタンス(緑)周辺にて推移しています。これらを踏まえますと、「短期足にて保ち合いを形成し、そのブレイクを火種にレジスタンス(緑)の上抜け、もしくはレジスタンスに弾かれ、再度押し目探しに向かうのでは?」と見ています。 では次に、4時間足を参考に、先ほどお話しした保ち合いなど、より細かく分析していきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 現状、なんとか緑レジスタンス周辺で耐えていますが、「ここを抜けたらロング入れよう!」というような買い方にとっての目安がないため、買うにしても比較的買いづらいような展開ですね。 逆に売り方にとっては、これまで参照していた青チャネルの上限がサポートラインとして機能しているため、比較的Sを入れるタイミングもわかりやすく、「売りやすい展開」となっています。 これらを踏まえると、若干ではありますが「一時、売り優勢に運びそうな展開」に見えますね。 個人的には、ここで青チャネル上限を下抜ける展開となった場合には、「長期レジスタンス(緑)+9400ドルの抵抗帯がしっかりと機能した」と認識され、長期筋による利確売り・新規売りも見込めるのでは?と見ています。そのため、この青チャネル上限の下抜けはしっかり見守っておきたいですね。 では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。 青チャネル上限下抜け+安値更新へ(白) 青チャネル上限下抜け+押し目作りへ(青) 直近高値更新(黄) 現状から想定できるシナリオとしては、以上の3パターンになります。 メインでは取り上げませんでしたが、現在の価格帯(9400ドル)は、「ディセンディングトライアングルのリターンムーブポイント」でもあります。そのため、日足などの長期足的には、このまま再度安値更新に向かう展開というのがもっとも理想的といいますか、セオリーに近い展開となります。 そのため個人的には、日足でのリターンムーブを狙うべく、上記の白・青シナリオを参考にしたタイミングでSを入れていこうと考えています。またその際、押し目を作れず青シナリオを否定するようであれば、以降は日足基準に切り替えて利幅を伸ばすことに集中する・・・、という動き方が最も理想的ですね。 では、次にアルト市場の分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) BTCと主要アルトのドミナンス動向を比較すると、直近のBTC急騰の際に主要アルト(ドミナンス)が下落しているのが分かりますね。 これを踏まえると、BTC直近の急騰は「アルトから資金を吸い上げての上昇だったのでは?」という可能性が考えられます。(俗に言う「アルトドレイン」にあたります) では、少し拡大して見てみましょう。 主要アルトから資金が抜けた後、どれも緩やかに戻してきていますが、中でもOthers(その他)、BCHABC(ビットコインキャッシュ)のドミナンス回復が早く、堅調な推移を見せていますね。 「資金が抜けてから、資金がしっかり戻ってきている」というのは、それだけ「安くなったら仕込みたい、と考えているトレーダーが多かった」ということですから、投機対象を絞る際には非常に有効です。 今回、資金抜け後の回復が早かったBCHABCについては、前回記事でも取り上げておりますが、引き続きフォーカスしていくのがよさそうですね。 主要アルトコインの動向 先ほどのドミナンスでは、「BTCの上昇と同時に、主要アルトが軒並み下落している(アルト⇒BTC)」という状況でしたが、価格の動向を見てみますと、BTCの上昇前に主要アルトが上昇しており、どちらかといえば「BTCが大きく下落するも、アルトが上昇し、BTCを引っ張り上げた」といった感じに見えます。 先ほどのドミナンスと合わせて考えると、「資金が抜けたはずなのに、価格が上がってるの?どういうこと???」と混乱する方もいらっしゃると思いますが、これは恐らく「仮想通貨市場から避難していた資金の出戻り」によるものだと思います。 仮想通貨市場に流れる資金の総量が増えれば、当然価格は軒並み上昇します。今回の場合、BTCを中心に資金が出戻りしBTCのドミナンス上昇、そして比較的少量の資金流入が見られた主要アルトは相対的にドミナンス下落+価格上昇といった動きになったのだと思われます。 これを踏まえると、今回の高騰は「かなり今後の展開への期待を孕んだ上昇である」ということがわかりますね。(今回の場合、米ドルからの資金流入による影響が大きいようです) 参考記事:『$BTC 一時的に10500ドル付近まで上昇、米ドルの資金流入が前日比5倍に』 こういった市場のBTCに対する期待を踏まえると、今は堅調であれど、ここから積極的にアルトへと手を出すというのは、BTCのアルトドレインの可能性も考えられますし、個人的にはややリスキーなように思います。 もし仮に手を出すのであれば、今回のドレイン後、もっともドミナンスの回復が早かった「BCHABC(ビットコインキャッシュ)」、もしくは直近にSWELLを控えた「XRP(リップル)」、1月にアップデートを控えている「ETH(イーサリアム)」でしょうか。 特にETHに関しては、ここ数年間で期待され続けてきた「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)の導入」に関するアップデートになりますので、ここが予定通り進行するのであれば、ここから年始にかけての上昇にも期待が持てると思われます。 では、早速それぞれの通貨について分析していきましょう。 ETH 前回記事でも、「黄色ゾーンは押し目候補の筆頭。ここを抜けたら再度直近安値へ・・・」とお話しさせていただきましたね。その後黄色ゾーンを機に、反転上昇を見せたものの、動きとしては依然強いとはいえないような状況です。 ただ、一度黄色ゾーンで軽い押し目を作ってくれた分、損切りポイントも明確になりましたし、ある程度の損失を許容できるのであれば、黄色ゾーンの下抜けまで買い下がってみるのもアリだと思います。 XRP 前回記事では、依然青チャネル内にて推移していたため伸びしろもありましたが、現状青チャネルを下抜けているため、依然半値を守っていれど、上値は重くなる一方だと思われます。 ただ、可能性は低いですが、ダブルボトム形成などから3300-3400satsを上抜ける展開となった場合には、それ以降特別分厚い抵抗帯もありませんし、大きな上昇が見込めるのでは?と見ています。 BCHABC BCHABCに関しては、出来高の少なさを除けば、前回ご紹介したシナリオどおりに進行していますし、個人的には今一番期待しているアルトコインです。 ここまでの展開としては、下降トレンドの基準となっていた青レジスタンスを上抜け、緩やかな下降推移へ。その後、白レジスタンスを上抜け、レンジ推移へ。現在は、直近高値を更新し、レンジを否定できるか?といったポイントになります。 直上に控えた0.0327sats、ここを上抜けると直近高値の上抜けになりますから、上昇トレンド転換の可能性がぐーんと上がります。また、0.0327satsを上抜けた場合、以降分厚い抵抗帯もないため、他の2通貨よりも比較的大きな値幅が狙えます。 ただ先にもお話ししたように、現在の状況では出来高も少ないため、利益を重視して大きく買うのではなく、撤退時を踏まえたロット調整が必須です。こういった出来高の少ない通貨を買う際には、利益ばかりを考えて大きなロットを打つのではなく、必ず撤退のことも考えてロットを決めるようにしましょう。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTC:長期は下、短期は上 →青シナリオが本命か? アルトのドミナンス下落+価格上昇 →資金出戻りによる影響の可能性 注目通貨は、ETH,XRP,BCHABC だいたいこんな感じでしょうか。 BTC単体での分析結果としては、長期目線は下、短期目線は上でしたが、市場への資金出戻りの可能性やアルト市場の動向なども踏まえると、総合的には「上」に展開される可能性のほうが高いのかな・・・、という結論に落ち着きました。 先にもお話ししたとおり、個人的には、青・白シナリオを想定してショートを打っていきますが、その中でも比較的青シナリオの展開に進む可能性を踏まえて、柔軟に立ち回っていこうと思います。 今回、解説の難しい部分が多かったため、わかりづらい部分などもあったと思いますが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/10/31【12月版】国内・海外のブロックチェーン/仮想通貨関連イベントを紹介!
ブロックチェーン世に出て10年強が経過し、業界人だけではなく大衆にもその技術は浸透しつつあります。日々新たな機能の実装や新たな種類のブロックチェーンが生み出されていますが、これらの技術革新には情報共有の場が不可欠です。 その情報共有の場が世界中で開催されているブロックチェーンカンファレンスやサミットなどのイベントです。これらのイベントにはブロックチェーン関係者や開発者、メディア関係者など多くの参加者が詰めかけます。 ステージ上では著名人がスピーチを行い、今後のブロックチェーンのあり方や技術についての解説を行います。この記事では直近に開催される予定のブロックチェーン関連イベントと世界中で開催されている様々なブロックチェーンカンファレンスの中から特に注目度の高い10つのイベントをご紹介します。 2019年12月に日本で行われる注目のブロックチェーン関連イベント 12月は日本国内での大規模な仮想通貨イベントの予定はなく、小規模なミートアップや講演会などが開催されるのみとなる見通しです。 2019年12月に海外で行われる注目のブロックチェーン関連イベント ここで紹介するのは世界各地で近々開催される予定のブロックチェーン関連イベントです。 Fin tech Connect 2019 開催予定日 12月3、4日 開催地 イギリス Fin Tech Connectは金融機関が最新のイノベーションを学ぶための場として用意された大型フィンテックカンファレンスです。今年はロンドンで開催され、6,000人以上が参加すると公表しています。スピーカーは仮想通貨界隈のみならず、大手金融機関のマネージャーやCEOがリストアップされています。 Fin Tech Connect 2019 Money 20/20 China(キャンセル) 開催予定日 12月4~6日 開催地 中国 本記事後半でも紹介している大規模ブロックチェーンカンファレンスのMoney 20/20ですが、今年12月に中国で予定されていたイベントはキャンセルされたと報じられています。Money 20/20を主催する企業によると、今年はイベントの開催にかかる費用がかさみ、大きな利益を見込めないとしてキャンセルしたと発表しています。 Money 20/20 China 世界で注目度の高いブロックチェーンカンファレンス10選 ここで紹介する10つのブロックチェーン関連イベントは世界中からスピーカーや参加者が集まるイベントです。 Blockshow Asia 昨年の開催時期 11月29日、30日 開催地 シンガポール Blockshow Aisaは大手仮想通貨メディアCointelegraphが主催する仮想通貨カンファレンスです。毎年シンガポールで開催されており、アジアでは最大級の規模を誇ります。 アジアでのカンファレンスというだけあってスピーカーはアジア圏出身の方がほとんどを占めています。著名なスピーカーでは、Mithrilの創業者Jeffrey Huang氏や、Litecoin財団の役員Zing Yang氏、Bitcoin財団エグゼクティブディレクターLlew Claasen氏にBLOCKCHAINの創業者兼CEO、Andre Kim氏などが登壇しています。 スピーカーは仮想通貨業界の関係者はもちろん、法律の専門家や投資家、教育関係者など様々です。 合計で115名ものスピーカーが登壇する豪華なカンファレンスとなっており、日本からも石黒一明氏をはじめ複数のスピーカーが参加しています。 また、Blockshowはアメリカやヨーロッパでも開催されています。 Blockshow Asia Consensus 昨年の開催時期 5月14日から16日 開催地 ニューヨーク ConsensusもBlockshowと同様に大手仮想通貨メディアが主催しているブロックチェーンカンファレンスです。こちらはCoinDeskによって開催されています。 世界で最も知名度があるブロックチェーンイベントと言っても過言ではないほどのConsensusには250名以上のスピーカーと4,000人以上の参加者が世界中から集まります。 昨年はCircleのCEO兼会長を務めるJeremy Allaire氏やeToroの創業者Yoni Assia氏、BitMEXのArthur Hayes氏、KrakenのCEO、Jesse Powell氏など錚々たる顔ぶれとなりました。 日本からはbitFlyerの創業者加納裕三氏が参加しています。 Consensus Hard Fork Decentralized 昨年の開催時期 12月12日から14日 開催地 ロンドン こちらも前者と同じく仮想通貨メディアが主催するブロックチェーンカンファレンスです。The Next Webが開催するHard For Decentraliedはロンドンにて行われました。今年はアムステルダムで開催されることが決定しており、毎年ヨーロッパの各都市を舞台にしています。 Hard Fork Decentralizedは開催する都市を仮想通貨ハブ都市へと変貌させ、人々を繋ぐことを目的としています。カンファレンスの場では仮想通貨の普及に関する見解や業界を先導するリーダーたちのアイディアが共有されます。 こちらのイベントにはIOTAの共同創業者Dominik Schiener氏、eToroのCEO、Yoni Assia氏、Space 10の共同創業者Simon Caspersen氏などが出席しました。 Hard Fork Decentralized World Crypto Conference 昨年の開催時期 10月31日から11月2日 開催地 ラスベガス World Crypto Conference(WCC)はEvolvという企業によってラスベガスのコスモポリタンホテルにて毎年10月末に開催されているイベントです。 昨年のイベントではビットコイン投資家のTim Draper氏やCivicのCEO、Vinny Lingham氏、BTCCの創業者Bobby Lee氏などが出席したようです。 WCCの特徴はブロックチェーンカンファレンスながら、開催地のラスベガスらしくエンターテイメント性に富んでいるという点です。キーノートはもちろん、プールパーティーやコスチュームパーティー、ポーカー大会、仮想通貨ラッピングの高級車など他のイベントとは全く違う雰囲気を醸し出しています。 World Crypto Conference Malta Blockchain Summit 昨年の開催時期 11月1日、2日 開催地 マルタ もはや仮想通貨都市として名が知れ渡っているマルタ共和国で開催されるMalta Blockchain Summitには数々の著名人が登壇します。今年のイベントではD.A.OやAIにフォーカスした内容となるようです。 今年のスピーカーにはBobby Lee氏、Tim Draper氏、Roger Ver氏をはじめ総勢264名がリストアップされています。 メディアパートナーもCointelegraph、Forbes、Bitcoin.com、CoinMarkeCapなど有名どころが名を連ねており今後同イベントの知名度は上がっていくと予想されます。 Malta Blockchain Summit Token Summit 昨年の開催時期 5月16日、17日 開催地 ニューヨーク Token Summitはトークンを用いた経済圏、トークンエコノミーに焦点を当てたサミットです。サミットの具体的な内容は経済、仮想通貨資産、プロトコル、トークン技術などとなっています。 今年のイベントにはMakerDAOのトップSteven Becker氏、Polkadotの共同創業者Robert Habermeier氏、Gnosisの共同創業者兼CEO、Martin Koppelmann、Augurの共同創業者Joey Krug氏などとこちら錚々たるメンバーが揃っています。 Token Summit London Fintech Week 昨年の開催時期 7月6日から13日 開催地 ロンドン その名前の通りロンドンで1週間に渡って開催されるLondon Fintech Weekは多国籍企業、イノベーションファーム、スタートアップ、政府、投資家、メディアが集まりフィンテックについて話し合う場となっています。 今年の来場者数は3,000人から4,000人と予測されており、世界最大規模の仮想通貨カンファレンスとなる予定です。来場者の55%が企業となっている点も特徴的だと言えるでしょう。 以前に参加した企業には英Amazon、日立、American Express、Google、Sony、HSBCなど世界的な企業が挙げられており、仮想通貨業界外からも注目を集めています。 London Fintech Week Swell 昨年の開催時期 11月7日、8日 開催地 シンガポール SwellはRipple社が主催するイベントで毎年開催されています。昨年はビル・クリントン元大統領やRiiple社CEOのBrad Garlinghouse氏が登壇し話題になりました。今年は11月にシンガポールで開催される予定です。 イベントは国際送金やデジタル資産に関するポリシーについての議論などRippleに関連する内容が中心となっています。 Swell Token2049 昨年の開催時期 3月20日、21日 開催地 香港 こちらのイベントはAlice Capitalという企業によって主催されているイベントで、豪華なスピーカー陣が特徴となっています。 今年のスピーカーを見ると、Litecoin創設者のCharlie Lee氏、Tronの創業者兼CEO Justin Sun氏、Zilliqaの共同創業者兼CEO Xinshu Dong氏、Ontologyの創業者Jun Li氏、Crypto.comの創業者兼CEO Kris Marszalek氏など贅沢なラインナップとなっています。 Token2049 Money20/20 昨年の開催時期 10月21日から24日(ラスベガス) 開催地 ラスベガス、杭州、アムステルダム、シンガポール Money20/20は「お金の未来」について考える場を提供しており、世界各地でイベントを開催しています。講演の内容は決済システムのあり方やお金そのものの未来、お金とテクノロジーの融合といった具合になっています。 昨年のラスベガス会場には3,400を超える企業や500人以上のスピーカーが参加するなどその規模はかなり大きいなものとなっています。 Money20/20 番外編: 旅行型ブロックチェーンイベント ブロックチェーンイベントの中にはカンファレンスを含みながらも、全体としては旅行という程のイベントも存在します。 Blockchain Cruise こちらはCoinsbankが主催するブロックチェーン関連イベントでクルーズ旅行のパッケージになっています。参加者はバルセロナでクルーズ船に乗り込み、マルセイユなどを経由してローマへと着港します。 期間中はスピーカーによるキーノートを聞いたり、仮想通貨関係者と共に食事をする機会が設けられているようです。 Blockchain Cruise Hodl Rally 高級車のレンタカー事業を手がけるApex Luxury Car Hireが主催するHodl Rallyは仮想通貨に焦点を当てながらも、エンターテイメント要素が充実している旅行型のイベントです。 参加者は高級車を持参するかレンタルして参加する必要があります。そして、高級車を運転してロンドンからスペインのイビサ島を目指します。 最終目的地のイビサ島ではプールパーティーやヨットパーティーが開催される他、大勢のモデルたちも参加する予定だとされています。もはや目的がなんなのかわからなくなりそうです。 道中で宿泊する高級ホテルではパーティーやキーノートが開催され、参加者を飽きさせないような工夫がなされています。参加費は3,000ポンドからと1週間の旅行にしては妥当に思えますが、高級車を所有しているもしくは数千ポンド追加で払ってレンタルする必要があるため、参加のハードルは高いと言えます。 Hodl Rally まとめ 今回紹介したイベントはあくまで一部の大規模なイベントです。この他にも世界中でブロックチェーン関連イベントが開催されており、より気軽に参加できるものも数多く存在します。 また、イベント参加者はブロックチェーン関連の業界人だけではなく、教育関連やヘルスケア関連など様々な分野からブロックチェーンについて学びたいという方が参加しています。 仮想通貨やブロックチェーンに興味があるという方は一度近場で開催されているイベントへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
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2019/10/29量子コンピューターが仮想通貨の安全性を脅かすのはいつなのか?
「量子コンピューターで仮想通貨はどう変わるの?」「仮想通貨の安全性は量子コンピューターに脅かされるの?」という疑問を持っている方は多くいるかと思います。 先日Googleが量子コンピューターの実証実験を成功させたというニュースが注目を集め、仮想通貨の安全性を疑う声も多くなってきたと思います。 そこで本記事では、量子コンピューターがビットコインに与える影響をわかりやすく説明します。 この記事を読んでいただければ、量子コンピューターが与えるビットコインへの影響をゼロから理解することができますよ。 「量子コンピューターでどのようにビットコインが安全でなくなるのか」また、「量子コンピューターが出てきたら仮想通貨産業はどのように変化していくのか」を知りたいという方は、是非最後まで読んでみてください! 量子コンピューター時代に向けて 量子コンピューターの台頭で、現在一般的に使われているRSA暗号や楕円曲線暗号などの現代暗号理論が安全ではなくなる(危殆化していく)ことが問題視されています。 アメリカ標準技術研究所(NIST)は、2030年までに現在普及している暗号方式を一変し、2031年から耐量子暗号技術に移行することを推奨しています。 ビットコインでも秘密鍵から公開鍵を生成する時に楕円曲線暗号が用いられており、ビットコイン界隈の方にとっても決して他人事ではないのです。 そのような現代の暗号技術を脅かす量子コンピューターの仕組みやアルゴリズムについて、世界動向も交えてお伝えします。 量子コンピューターとは? 量子コンピューターとはその名の通り、量子力学の原理により並列性を実現するコンピューターです。 従来のコンピューターは、0と1の2つの状態で情報を表現します。 電圧のオン・オフで、0か1のいずれかの状態に1ビットは定まります。これの膨大な繰り返しで、Youtubeで動画が観られたり美しい写真を保存できたりするのです。 このビットに代わり、量子ビットで情報を処理するのが量子コンピューターです。この量子ビットは従来のビットと異なり、0と1が同時に成立している状態(重ね合わせの原理)も考えることができます。 0の状態と1の状態が決定的ではなく、確率的に決まっているということです。 この原理の画期的な応用により、1度で扱える情報量が増えます。 コンピューターで取り扱う量子ビットの数がn個のとき、1度で処理できる情報量が2のn乗となります。 2量子ビットなら4つのデータが取り扱えるということです。 先日Googleが53量子ビットの運用実験に成功したニュースがありましたが、この量子コンピューターが1度に取り扱えるデータ量は2の53乗という巨大な桁数になります。 10の15乗以上なので、1の後に0が15個並ぶほど巨大な数字ということになります。 演算処理速度が速いスーパーコンピューターでも、構造上はどこまでいってもバイナリーの原理(0か1か)の繰り返しです。量子コンピューターの演算処理が、スーパーコンピューターのそれを上回ることが将来考えられます。 しかも、重ね合わせ状態を利用して量子コンピューターでしか実行できないアルゴリズムなどが考案された結果様々な問題を従来のコンピューターよりも効率的に解くことができます。 量子コンピューター時代に向けた世界動向 各国で様々な研究所やIT企業が、こぞって量子コンピューターの研究・開発に取り掛かっています。大きな企業では、GoogleやIBMなどの取り組みが顕著なようです。 量子コンピューターの研究・開発が徐々に開始されるようになったのは、1970年代末ごろからです。 1985年にドイッチュ(David Deutsch)が、量子コンピューターを用いた計算アルゴリズムを考案しました。1994年にはショアのアルゴリズム(Shor's algorithm)が考案され、量子コンピューターで素因数分解を高速に行う方法論が発見されました。 理論研究に続いて、ハードウェア開発も1990年後期から2000年代に入り盛んに行われ、核磁気共鳴NRM、超伝導粒子などを用いた10から20量子ビットの量子コンピューターがすでに実現されています。 今後の計画では、Googleが72量子ビット、IBMが50量子ビットまで拡張させるようです。 世界の研究競争に対応して、標準的な暗号システムも変化していかなければいけません。 2016年からアメリカ標準技術研究所(NIST)が耐量子計算暗号へ移行する準備を始めました。日本でも、CRYPTOREC(Cryptography Research and Evaluation Committees)によって、電子政府推奨暗号の安全性評価などが行われています。 暗号方式は、その性質上、慎重に精査・評価をしなければいけません。我々の日常で使用される暗号に”穴"があっては大変なことになります。 そのため標準化には多くの時間と労力がかかります。そこで今は2030年からの移行に向けて世界の各機関が動いている状況です。 量子コンピューターが仮想通貨に与える影響 従来のコンピューターとはそもそもの構造が大きく異なる量子コンピューターですが、仮想通貨の脅威になることが予想されます。 ショアのアルゴリズムとグローバーのアルゴリズムによってビットコインの安全性が脅かされている状況です。 公開鍵から秘密鍵が割り出される? ビットコインを保有している方ならばご自身の秘密鍵をお持ちでしょう。誰にも公開してはいけない、自分だけが知っているべきランダムな数字とアルファベットの羅列です。 公開鍵はこの秘密鍵から生成されるので、ビットコイン取引の安全性は公開鍵から秘密鍵を割り出されないことを根拠としています。 公開鍵は名前の通り公開して良い鍵です。なぜなら、現在ではその公開鍵からいくら頑張っても秘密鍵を知るすべがないからです。 [caption id="attachment_44482" align="aligncenter" width="513"] (Mastering Bitcoin, Andreas M. Antonopoulos 図4-3から引用)[/caption] ビットコインプロトコルで秘密鍵から公開鍵を生成する暗号技術が、上記で触れた楕円曲線暗号です。画像にもあるように、秘密鍵から公開鍵を生成できても、公開鍵から秘密鍵を割り出すことはできないようになっています。 しかしこれは従来のコンピューターでの話であり、量子コンピューターと量子アルゴリズムを使えば解けてしまう時代がいずれ来ることが理論上わかっています。 ショアのアルゴリズム(Shor's Algorithm) それが、後になってショアのアルゴリズムと命名される量子アルゴリズムです。この計算手法は1994年に米国大学MITの応用数学科ピーター・ウィルソン・ショア教授(Dr.Peter Williston Shor)によって考案されました。 理論上、ショアのアルゴリズムによって、離散対数問題と素因数分解が高速で解けるようになります。現在最も普及しているRSA暗号と楕円曲線暗号は、それぞれ素因数分解と離散対数問題の計算困難性に支えらています。 実際、現在使われている2048ビットの大きさの数を素因数分解するには、スーパーコンピューターで30年ほどかかると言われています。 これほど強固な暗号理論を量子コンピューターは破る可能性があるのです。 また、扱うデータ量が増えてもさほど計算量が変わらないところもショアのアルゴリズムが突出している点です。ですから、扱うデータ量を増やすという対処法が通用しません。 これによりRSA暗号と楕円曲線暗号が危殆化を迎え、耐量子計算暗号へと移行しなければいけなくなります。 これは、ビットコインを保有する上でも重大な事実となります。 楕円曲線暗号が破られるということは、公開鍵から秘密鍵が割り出されてしまうことを意味するからです。 本来なら公開できるはずの公開鍵から誰にも教えてはならない秘密鍵がバレてしまい、保有するビットコインがウォレットから盗まれるなどの被害も考えられます。 グローバーのアルゴリズム(Grover's algorithm) もう一つ、総当たり攻撃に特化したアルゴリズムとしてグローバーのアルゴリズムがあります。 グローバーのアルゴリズムは、1996年にベル研究所の研究員であったロブ・グローバー氏(Lov Grover)によって考案された高速検索アルゴリズムです。 ここで「3つの数字の組み合わせのひとつが正解となる」ダイアル錠など、N個のデータの中から1つだけ正解を割り出す作業を考えてみましょう。 <0,0,0>から始めて<9,9,9>まで0から9の10つの数字を1つずつ試します。 この場合だと、10の3乗の1000通りの組み合わせがありますね。 N通りの場合数がある時、従来のやり方ならば最悪N通りをしらみつぶしに探る必要があります。 N-1個まで不運にも外れてN個目でやっと正解に行き着くのが最悪のケースです。平均的に考えてもN/2回の総当たりを仕掛ける必要があります。 しかしこのグローバーのアルゴリズムを使えば平均的にNの平方根程度の回数で正解にたどり着けるそうです。 100個の中から1つ選ぶのに今までなら50回平均して試さなければいけないところを10回程度で正解にたどり着けるのですから驚きです。 この効果はNが大きいほど顕著になります。Nが100万通りある場合、50万回試さなければいけないところを1000回まで抑えることができるからです。 グローバーのアルゴリズムの存在で、安全性が不安視されることも理解できますね。 ハッシュ値が衝突する? このグローバーのアルゴリズムはハッシュ値の衝突問題に応用することができます。 通常のコンピューターでは、同一のハッシュ値を得る入力値を発見するためにはハッシュ値の取り得る総数の平方根回を試せば良いことが知られています。 例えば、任意の入力に対して3桁の数字を返すハッシュ値があったとします(実際はもっともっと大きな桁数です)。 これは1000通りの3桁数字が存在することになりますが、通常のコンピューターだと1000の平方根である31通りを調べれば同じハッシュ値のペアーを発見できます。 一方でグローバーのアルゴリズムを応用した量子アルゴリズムを用いることでさらに少ない試行回数で同一のハッシュ値を見つけることができます。 具体的には、ハッシュ値の取り得る組み合わせの3乗根、つまり「1000の3乗根 = 10通り」を調べれば衝突が見つかるということになります。 ただ、グローバーの応用アルゴリズムへの対策として、ハッシュ長を1.5倍にすれば現在の安全性を保つことができます。 実際、3桁を1.5倍にした4.5桁に桁数を増やしてやってみましょう。 全ての組み合わせは10の4.5乗で31622通りです。これにグローバーのアルゴリズムを適応すると3乗根を調べればいいので、31622通りの3乗根である31回を調べればいいことになります。これは従来のコンピューターでの安全性と同程度ということになり耐量子性が保たれます。 グローバーのアルゴリズムで起こり得るハッシュ値の衝突問題は、ショアのアルゴリズムと異なりハッシュ値の桁数を増やせば十分であるということがわかりますね。 よってポスト量子コンピューター時代に入った際は、現在推奨されているSHA-256からSHA-384に移行する必要があるようです。 今後の展望 ブロックチェーンのシステム上、ビットコインのプロトコルや規格に対して変更を加えることは難しいです。 その場合、楕円曲線暗号ではなく(格子暗号や多変数多項式暗号などの)耐量子計算機暗号をプロトコルとして備え、かつSHA-384と今よりも桁数が長いハッシュ関数を採用しているシステムがビットコインからハードフォークするか、全く新しいコインが作られるかの2通りが考えられます。 既存のコインの中には、Cardano、IOTA、NEOなど耐量子性を持ったものが存在します。 ただし、これからより一層量子コンピューターの理論・実証双方からの研究が盛んに行われることも予想されます。 これからの研究により、新たに効率的なアルゴリズムが開発されたり、量子コンピューターでしかなせない計算手法が編み出されたりすれば、今存在する耐量子仮想通貨の安全性が脅かされる可能性も十分にあるでしょう。 まとめ 以上、量子コンピューターが仮想通貨にどう影響するのかをお伝えしました。 しかし、いきなり明日からショアのアルゴリズムが用いられビットコインが盗まれるという被害は考えられません。 量子コンピューターで正しい値を算出することがそもそも現時点では困難だからです。 ですから、例えばショアのアルゴリズムを使って現在使用されている2の2048乗の桁数を解読するとなると、4050以上の量子ビットを扱えなければいけません。しかしグーグルが開発中の量子コンピューターの現目標は比べてたったの72量子ビットです。 その上、多くの量子ビットで実装し計算すれば大きな誤差が出るため、実用に向けてはエラー修正への研究も進めなければいけません。さらに、量子ビットを多く使用すると重ね合わせ状態が消えてしまう現象(デコヒーレンス)が起こってしまう問題もあります。 [caption id="attachment_44484" align="aligncenter" width="515"] (国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 科学技術未来戦略ワークショップ報告書から引用)[/caption] したがって、現状の暗号化標準が脅かされるまでにはまだ時間がかかり、早くて2030年手前と予想されています。 今後量子コンピューター技術の飛躍に関するニュースが出てきた場合は、それが達成した量子ビット数などをチェックできれば、「現状の暗号通貨にも危険性が出てきたのか」を過剰反応することなく正確に知ることができるでしょう。 参考文献 [1] Newsweeks (2019.10.25) “グーグルは本当に量子コンピューターの開発は成功したのか?” https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13265.php [2] Andreas M. Antonopoulos「Mastering Bitcoin unlocking Digital Cryptocurrencies」, NTT出版 (2017). [3] 国立研究開発法人、科学技術振興機構、研究開発戦略センター (2018.8.17) “ 科学技術未来戦略ワークショップ報告書、みんなの量子コンピューター 〜情報・数理・物理で拓く新しい量子アプリ” https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2018/WR/CRDS-FY2018-WR-09.pdf [4] 高木剛「暗号と量子コンピューター耐量子計算機暗号入門ー」, オーム社 (2019).
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2019/10/26兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【10月26日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 先月からの2000ドル近い下落を続けていたビットコインですが、昨日今日でそれを全戻しする強烈な上昇を見せ、久しぶりに「これぞビットコイン!」といった値動きになりましたね。私も往復で取れたのでウハウハです笑 さて、そんな上下に激しく動いたあとではありますが、それらを踏まえて今後どういった動きを見せてくるのか?、今回も分析・考察を進めていこうと思います。 それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。 少し遡って見てみますと、前回高値圏にてディセンディングトライアングルの形成・成立後、調整相場が本格化し、市場は一気に売り優勢へと傾きました。 その後、前回記事でも支持価格帯としてご紹介した7400ドルに到達。のち7400ドルから、一時10000ドル周辺まで、2000ドル幅以上の急騰を見せました。 改めて見ると、本当に恐ろしい値動きですよね笑 しかし、ボラティリティの上昇はビットコインが再び世間の注目を浴びるきっかけにもなり得ます。今のうちにしっかり現状把握や展開予想などを行い、今後のチャンスを逃さないように準備しておきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 見ていただければわかる通り、直近で大きな上ひげをつけてしまっておりますし、現状抵抗帯(レジスタンス)が複数重なるポイントにて推移している為、今後の展開に対する判断が非常に難しい状況にあります。 その為今回は、先ほどの日足解説同様、再度4時間足でもここまでの流れを分析・考察し、テクニカル的な側面よりもトレーダーの動きなどを元に、現状の相場状況・今後の展開について考察していこうと思います。 まず、先ほども触れたように高値圏でディセンディングトライアングルを形成・成立し、7700ドル周辺まで大きく下落しました。その後、底値を基準にした青チャネルを形成し、緩やかではありましたが、着実に上昇を続けていきましたね。 しかしその後、この青チャネルを下抜け、再度直近安値更新に向けて下落を始めてしまいます。チャネルの下抜け後、なんとか一時は戻したのですが、これまでサポートラインとして機能してきたチャネル下限が今度はレジスタンスとなり、これを機に再度大きく戻り売られてしまいます。 昨日〜本日の上昇前の下落では、おおよそこのような流れで展開されてきました。そして、これらを元にしますと、テクニカルのセオリー通りに動いた場合、「以下の2点にショートポジションが集中してるのでは?」と考えられます。 ディセンディングトライアングルの下抜け(9400ドル) 青チャネル下限でのリターンムーブ(8000ドル) これらを踏まえますと、昨日〜本日の急騰を通して、「上記のショートポジションらはすでに撤退(損切り)されている」と考えるのが妥当です。(すでに損益分岐点を大きく割っているので) つまり、現状は9400ドルの下抜けで撤退したロングポジション、それと同時に新規で入ってきたショートポジションも撤退…と、「燃料不足状態(既存ポジションの不足)」だと考えられます。 これを踏まえますと、今後は再度ポジションが偏り始めるまでは現価格帯(黄色□)にて停滞を見せ、ここでのポジション偏りを燃料に、再度中期の流れを決める初動へと展開されるのでは?と見ています。(いわゆるシンプソンチャートになると思われます) では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回は現状の推移が際どいポイントということもあり、下記以外の展開も十二分に考えられますので、あくまで参考程度に見ていただけますと幸いです。 押し目を作り、緑チャネル上抜けへ ⇒8500ドル周辺が押し目候補か? 押し目作れず、再度緑チャネル下限へ ⇒チャネルセンターライン(白)を参考に戻し判断 正直、現状の状況からは上下どちらの可能性も考えられる為、そもそものエントリーを控え、様子見に回るのが得策でしょうね。(私も、しばらくは現状のポイントでの停滞を見守り、次の大きな動きに備えるスタンスでいこうと考えております。) では、次にアルト市場を分析していきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) やはり、あれだけの大きな上昇ですから、BTCのドミナンスは急上昇していますね。それに伴い、主要アルトのドミナンスも軒並み下落しておりますから、「BTC→アルトへと資金が流れている」と判断するのが妥当だと思われます。 では少し拡大して見てみましょう。 ここまで好調をキープしていた「ETH」「XRP」でしたが、直近の資金流入先であったのもあり、資金抜けが顕著に出ていますね。また、「Tether」についても、新規発行などの背景もありましたが、BTC下げ相場に対する不安視による資金流入があったのもあり、BTCの急上昇と同時期にドミナンスも大きく下落していますね。 少し気になる通貨としては、BCHABCやBTCSVなどのビットコインHF通貨でしょうか。どちらもドミナンスは1〜2%前後と、主要通貨の中でも比較的占有率が低い通貨ではありますが、「ビットコイン好調期に上昇を見せるアルトコイン」というのは貴重ですし、何よりも投機対象にする場合には、BTC枚数が増えるだけでなく、BTC単価も上昇しますから、相乗効果で大きな利益にもなり得ます。 なので今後、BTCがさらに上昇した時のことを想定して、「BCHABC」「BCHSV」についてもBTCと並行して見ておくと良いかと思います。(BCHSVについては、比較的出来高も少ないので、BCHABCに比重を置いて分析しておくのが良いと思います) 主要アルトコインの動向 やはり、全体的にアルトからの資金抜けが激しいですね。 また、先ほど取り上げたBCHABC(オレンジ)についても、BTC上昇と同時期に大きく上昇したにもかかわらず、その後大きく反転下落してしまっております。恐らくBCHSVよりも占有率が高いだけあって、塩漬けホルダーも多く、その分上値も重くなっているのでしょう。 ということで今回は、アルト市場の中心でもある「ETH」と「XRP」、「BCHABC」の3通貨をピックアップして分析を進めていこうと思います。 では、早速それぞれの通貨について分析していきましょう。 ETH 現状、このような長期間にわたる青レジスタンスライン、0.025の抵抗帯(白ゾーン)を超えれずにくすぶっておりますが、ここらで押し目さえ作れれば、これらのレジスタンス突破も視野に入ってきそうですね。 それでは、少し拡大して見てみましょう。 4時間足で見てみると、現在ちょうどその押し目候補である0.0195の支持帯周辺(黄色ゾーン)かつ半値ポイント、と押し目を作るのであれば、絶好のポイントだと思われます。(書きながらロング入れてみました笑) ただ、ここで押し目を作ったとしても、その後「三尊展開になってしまう可能性もある」という不安要素もあるため、そこまで大きなリスクを背負うべき状況ではないというのも確かですね。 XRP 現状としては、このように直近ぐんぐんと上昇しているものの、長期の移動平均線(200SMA)にそれを阻まれてしまっている、といった状況ですね。 これを超えれるとなると、また少し雰囲気も変わってきそうですが、それもこれもここで押し目を作れるか次第です。では、少し拡大して見てみましょう。 日足の200SMA接触後、大きく下落してはいますが、現状直近の上昇トレンドの高値を結んだレジスタンスを基準にしたチャネル(青)の下限周辺にて推移しており、ETH同様に「ここで押し目を作れるか?」といった状況です。 直近に、SWELL 2019(11/7~8)が開催されるという背景もあるため、個人的にはここらはまだSWELL事実売りよりも期待買いが湧いてくるので、少なくとも一旦は耐えるんじゃないのかな?と思っています。(こちらについても先ほどロングを入れてみました) SWELLの日程や登壇イベントについては、下記記事をご参考ください。 参考記事:『Ripple(リップル)主催カンファレンス「SWELL 2019」の登壇イベントが一部公開済』 BCHABC ETH、XRPほどの力があるわけではないので、本来であればそこまで注目しておく必要はないのですが、今回BTC急騰時にも売られることなく、むしろ買われたという点が少し気がかりです。(詳しくはありませんが、マイナー関連での動向などがあったのかもしれませんね) チャート的には、レジスタンスライン(白)を上抜けたものの、抵抗帯に上昇を阻まれて反転下落。現在、上抜けしたレジスタンスラインがサポートとして機能するかどうか?といったポイントになります。 引き続き上昇するのであれば、最低でもここらでしっかり押し目を作っておかないと厳しいでしょうね。こちらについては出来高も少ないですし、現物を少量だけ買って、あまり期待せず、損切り注文だけ入れて少し放置してみようと思います。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCは黄色ゾーンで停滞の可能性 →今後の方向性はここでのポジションの偏り次第 BTCが停滞なら、BTC建アルトが◎ →ヘッジが難しいので、ロット調整は慎重に 主要アルトは、「押し目を作れるか?」に注目 →特にSWELLを直前に控えたXRPの動向に注目 だいたいこんな感じでしょうか。 前回も記事でも「アルトを触る際には、BTCショートで最低限のリスクヘッジを…」、とお伝えさせていただきましたが、今回の場合「BTCが上昇した場合は、アルトは下落」「BTCが下落した場合は、アルトも下落(?)」の可能性があるため、ややヘッジポジションに迷うところですね。 とはいえ、メインポジションとヘッジポジションとで二重損失になってしまったら元も子もないので、今回のような状況であれば、無理にヘッジするのではなく、ヘッジを立てれない前提でのロット調整が非常に重要になってくると思います。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/10/24「量子超越性実証がBTC下落に影響」は本当?23日の大下落を徹底分析
昨夜大きく下落したビットコインですが、グーグルによる「量子超越性の実証」が暗号通貨市場に影響を与えたことが原因だとする報道が多く見受けられました。これは、本当なのでしょうか。 価格が大きく動くと何かしらのファンダメンタル的理由がつけられがちですが、このような要素は実際、市場に影響ないものがほとんどだと考えています。 2017年頃はビットコインETFの話などで市場が大きく動くことはありましたが、そのときに比べて今はプレイヤーの成熟度も違いますし、マーケットの大きさも変わってきています。 ですから、今はこういったニュースでビットコイン市場の価格が大きく変動することは基本的にはないと考えていいのではないでしょうか。 まず、ビットコイン市場は大きく価格変動する予兆がありました。加えて、グーグルの量子超越性実証に関する文献は1ヶ月ほど前にすでにリークされ、大きなニュースになっていました。 こういったことを考えると、大手メディアですら価格変動を何かに結びつけるようなバイアスがあることがわかります。 速報性も大切ですが、これからブロックチェーン業界が盛り上がる為には、情報を見る側・届ける側両者とも高い投資リテラシーを身につける必要があるのではないでしょうか。 大下落の本当の理由は? ...話が逸れてしまいましたが、昨夜の価格変動をいつも通り分析をしていきましょう。 昨夜、大きく値動きする前にOIが大きく急上昇していたことに気づいた方はたくさんいると思います。以前にも触れた、価格とOIの逆行現象です。 ロング・ショート両方とも新規でかなり積まれていき、価格が下がるにつれて、ロングポジション側が含み損の状態で推移していました。 価格変動と大きな関係があるのは、「溜まっているポジションを狩る動き(ストップを発動させる)」ことです。今回は、含み損で推移していたロングポジションのストップを発動させることで、大きな価格下落を起こしたものだと考えられます。 それはこちらのOIの推移をみてもわかるのではないでしょうか。 今回の下落の大きな要因は「ロングポジションを狩りにいく動き」で、量子コンピューターのニュースが出なくても引き起こされていたはずではないでしょうか。ビットコインはこういったストップ狩りで価格変動を起こすことが非常に多いです。 ではどのあたりが下落の底になるのかと気になるところですが、それは正直なところわかりません。ただ、前回のバブル崩壊の値動きと似ている動きをしているため、少し比較していきます。 薄いブルーに囲まれた部分がバブル崩壊から底打ちするまでの期間、黄色の部分が$5800を割るまでの値動き、パープルが底値圏でのレンジ帯となっています。 ここでは、 黄色の部分がおよそ11ヶ月ほど 底値圏でのレンジ帯がおよそ5カ月 対して今回の黄色部分は3ヶ月ほどでした。したがって、これから底値圏でのレンジ帯を形成するなら1~2カ月くらいはヨコヨコの値動きをする期間が必要になるのではと思っています。これはあくまでも前回の値動きとの比較ですので、参考程度にしてください。 まとめると、ビットコイン市場は1~2年前に比べるとニュースに対する影響力がかくだんと低く、今回の大下落もOIなどを観察することで十分予測ができるものということでした。
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2019/10/14兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析【10月14日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 先月末、BTCがディセンディングトライアングルを下抜けたものの、依然アルト市場にはやや活気が残っており、方向感の読みづらい展開が続いていますね。 とはいえ、アルト市場にとっても「ここからBTCがどう動いてくるか?」というのは非常に重要です。今回は、調整波が本格化したBTCに対し、「ここから一旦上に戻すのか?」に焦点を当てて分析していこうと思います。 それでは、早速BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。 ディセンディングトライアングルの下抜け後、緑チャネルの下限、7600ドルのサポート帯(橙色)に支えられ、「ここからさらに上を狙うのか?」といった展開ですね。 パッと見、前回記事とあまり状況が変わっていないようにも見えますが、実際はどうでしょう?中期チャートを元に、より細かく分析を進めていきましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 前回記事では、「サポート帯である7600ドルにタッチ後、8500ドルをネックラインとしたダブルボトム、逆三尊形成の可能性」とお話ししましたね。しかし、その8500ドルを上抜けるも、すぐ下落に転じ、再度8500ドルを下抜けてしまいました。 これは、言い換えると「上昇における絶好のタイミングを逃した」ということです。これにより、買い目線だった人もますます買いづらくなるため、今後より上値が重くなってしまうと思われます。 ダブルボトム、逆三尊の見込みがなくなったため、中期的には圧倒的下目線優勢な状況ですが、以降青チャネルを基準にした推移も考えられます。 つい突っ込んで売りたくなってしまう状況ではありますが、とりあえずはこの青チャネル内での推移を見守り、そのブレイクorサポートを機に中期の方向感を推測していくのが妥当でしょう。 では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回、考えられるシナリオは以下の2通り。 青チャネル下限で反発(チャネル継続) ⇒中期SMA200、9400ドルを天井目安に 青チャネル下抜け(チャネル継続否定) ⇒7600ドル、緑チャネルを底目安に BTC単体では、ダブルボトムや逆三尊などの底パターン形成を否定したのもあり、やや下目線優勢ですが、アルト市場がさらに活気付くとなると、BTCがアルトに引っ張られてヨコヨコor緩やかに上昇の可能性もあります。 では、そういった可能性を踏まえ、アルト市場の分析を進めていきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) BTCドミナンスは、依然下降傾向にありますが、それに対して主要アルトのドミナンスは上昇傾向にありますね。未だBTC→アルトの流れは健在のようです。 では少し拡大して見てみましょう。 BTC→アルト、中でもETH、XRPへの資金移動が目立ちますが、その裏でTether(紫)のドミナンスが緩やかに上昇してきているのが少し気になりますね。 これを見るに、現状は「引き続き、BTC→アルトの可能性もあるが、BTCの更なる下落にも警戒し、徐々にUSDT(Tether)での利益確定を進めている」といった状況でしょうか。 となると、次に見るべきは、「今資金が流れているアルト(ETH、XRP)から資金が抜けるかどうか?」です。今後、これらの通貨から資金が抜けるようであれば、多くのトレーダーが「我先に…!」と利食いに走るため、現状のアルト→USDTの流れはさらに加速しますし、円建てでの利益を確保すべく、BTC→USDTの流れも加速すると思われます。 ですから、今回は現状資金が流れている、「ETH」「XRP」について分析を進めていこうと思います。ではその前に、主要アルトコインの動向を見ていきましょう。 主要アルトコインの動向 主要アルトの推移を見たところ、やはり「ETH」「XRP」「IOTA」の3通貨が目立ちますね。IOTAは、その他の2通貨に比べれば、比較的マイナーな通貨ではありますが、昔から「BTC上昇前に、先だって上昇する傾向がある」と言われていた通貨なので、こちらも要注目ですね。 では、早速それぞれの通貨について分析していきましょう。 ETH ここまでジワ上げ展開が続いたのもあり、MACDではダイバージェンス発生と推進力(上昇力)が徐々に弱まっている様子が伺えますね。その上、直近のサポートラインを下抜けておりますし、一時調整移行といった判断が妥当だと思われます。 それでは、少し拡大して見てみましょう。 1時間足で見てみると、前回保ち合いのレジスタンスがサポート転換しており、ダイバ発生+サポート抜け後にしては、ややしぶといな…といった印象です。 今後は、ここからさらに上げるとしても、前回下抜けしたサポートラインでのリターンムーブ(戻り売り)、ここでの値動きを参考に買いの強弱を計るのが妥当でしょう。 総評としては、「今から買う!」というのは、RRもよくありませんし、あまりお勧めできませんね。 XRP 前回記事では、「逆三尊形成前のため、要注目!」とお話しさせていただきましたが、直近の推移を見ると、逆三尊というより「青チャネル推移」の方がしっくりきますね。 この青チャネルを基準にすると、現在上限周辺のためスルーすべきなのですが、今回のように角度が浅いチャネルの場合には、チャネル上限を上抜けてさらに大きく上昇するパターンも考えられます。 すでに直近のレジスタンス(白ゾーン)は上抜けておりますし、万が一のチャネル上限上抜けのためにも、上限ブレイクアウトでの飛び乗りも視野に入れておくと良いと思います。 IOTA ETH、XRPほどの勢いはありませんが、前回お話ししたレジスタンス帯(黄色ゾーン)を上抜け、さらにサポート転換も完了しているため、今回取り上げた通貨の中では、最もRRが優秀ですね。 ややイージーではありますが、レジサポ転換を終えた、黄色ゾーンを背に買っていくという立ち回り方であれば、少ない損切りで大きな値幅が狙えますし全然有りだと思います。 ただ、他の2通貨と比べても出来高が少ないため、利食い損切りを踏まえてのロットコントロールが必須ですね。(買いすぎても逃げる際に捌き切れなかったりするので…) 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 BTCは青チャネルを参考に →Sはブレイクアウトまで静観推奨 BTC→アルトから、BTC→アルト&USDTへ →アルト上昇に対してやや懐疑的(?) ETH、XRPから資金が抜けるかどうか? →資金抜けなら、BTCはもう1段下へ だいたいこんな感じでしょうか。 ETH、XRPは、どちらもそれなりに上昇する見込みはありますが、ここから触るにしてはややリスクが高いような印象を受けました。そのため、個人的にはBTCショートをこのままホールドし、BTCの動向を中心に様子を伺おうと思います。 もし仮に、今からアルトを触るのであれば、それなりにリスクも伴いますから、BTCへのショートでヘッジをかけるなどをして、リスクコントロールされることをお勧めします。 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2019/10/11ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -カード効果と用語の解説-
Gods Unchained (ゴッズアンチェインド 以下:GU)は、近頃注目を集めているブロックチェーンベースのトレーディングカードゲーム(TCG)です。 GU完全攻略コラムの第2回となる今回は、カード上で登場する用語と効果を説明します。 ※後者の方は特に呼び方が定まらないので、この記事では便宜上「カード効果」もしくは「効果」と呼ぶことにします。公式では「カードメカニクス」という呼び方もありました。 まず今回のテーマの簡単な紹介として、Nagemonさんの動画を見ると良いでしょう。 そしてこの記事では、そこからもう一歩踏み込んだ内容を解説していきます。 GU完全攻略コラム第1回: ブロックチェーンTCG『Gods Unchained』完全攻略 -6種類のGodを理解しよう- ※本情報は2019年10月11日時点の仕様です。公開現在、本リリース前により、一部情報が変わる可能性があります。 GUのカードに登場する用語を徹底解説! こちらはカードが持つ効果や能力ではなく、カード上に記載されている専門用語になります。 カードタイプ Creature:クリーチャー、最も汎用性が高くゲームの主軸となるタイプのカード Spell:スペル、基本的には使い切り。クリーチャー除去はこれが多い Relic:レリック、God用の武器や防具みたいなもの Relicは一度に一つだけ装備出来ます。攻撃力と耐久力があります。Godの攻撃はクリーチャーとの殴り合いになる為、強いクリーチャーを殴る場合には注意が必要です。 また、中には攻撃用ではないレリックもあり、それらはAbilityとして効果を発動させたり特定条件で機能するものとなっています。 カード状態 Board:盤面、プレイ中の状態 Void:墓地、使用済み状態 Hand:手札、未使用状態 Obliterate:場外、ゲームから除外された状態。 これらは特にDeathを使う場合には意識しましょう。手札からObliterateする系はカードがVoidに行かず消滅する為、Reanimate出来ません。 Mana Cost: そのカードを使う為のマナコストです Tribe:クリーチャーが属する部族の様なもので、特定Tribeにのみ効果を及ぼすカードや、特定Tribeの枚数を基準に効果が決まるカード等があります。一部のクリーチャーのみこの属性を持っており、カードの最下部に記載されます。 Strength:攻撃力、以前はAttackと表記されていた為、記事や情報を見るとAttackとなっているものも多いです。 Health:体力、HP。基本的に自然回復はしません。 補足:+X/+Xという表記では左側がStrength、右側がHealthを指します。また基本値より補強されているものは緑色、被ダメージがあると赤色で表記されます。 カードの効果を解説 基本的にはこうした効果に関する記述はカードテキストの冒頭に記載されます。ただし、例外的に末尾や文中に記載される場合も無くはないです。 Roar 手札からのクリーチャー召喚時に記載された内容を実行します。 例えばカードを1枚引く、指定のクリーチャーに1ダメージを与える、特定のクリーチャーを召喚する等です。 注意点としてこの効果はあくまでも“手札から召喚した時”のみ発揮される為、Voidからの召喚では効果が発動しません。 この性質はデメリットにもメリットにもなる為、上手く扱えると効果的です。 Afterlife クリーチャーの死亡をトリガーに発動します。 Ability これを持つ場合、そのクリーチャーやRelicでは通常の攻撃が出来ません。 代わりに、Ability以後に記載された能力を攻撃の際に使用する事が出来ます。 Frontline 俗に言う前衛です。相手にFrontlineクリーチャーが居る場合には相手Godや非Frontlineクリーチャーを攻撃出来ません。 Backline こちらはFrontlineとは逆の後衛です。Backline以外のクリーチャーを全て除去しないとBacklineを攻撃出来ません。 Flank Flankを持つクリーチャーもしくはRelicで、2番目以降に攻撃した場合、FrontlineやBacklineを無視出来ます。 Flankの効果がONになった際、クリーチャーに羽ばたきのエフェクトが出ます。Relic持ちGodにも毎回出ますが、これはFlankの有無に関わらず出てしまいます。 この条件は、基本的にクリーチャーの通常攻撃とレリックによる攻撃にのみ適用されます。 スペルやAbilityを含む直接指定、もしくはクリーチャーがランダムに自動攻撃する(Confuseではなく)場合には適用されません。 また、Hidden状態のクリーチャーはBacklineやFrontlineに関係する判定ではいないものと扱います。 Protected 1度だけ被ダメージを防ぎ、Protectedが解除されます。 Ward 1度だけGod PowerもしくはSpellを防ぎ、Wardが解除されます。ちなみに、自Godから味方クリーチャーへのポジティブエフェクトがWardで邪魔される様な事はありません。 ProtectedとWardの区別は解りにくいところで、実際どう作用するのか曖昧に感じる方も多いかと思います。そこで効果を一覧表にしてみました。 ◯=防げる、X=防げない となります。 Hidden 敵クリーチャーやGodによる能動的なターゲットにされません。ただしランダムターゲットや全体攻撃の目標にはなります。 Hidden状態は攻撃やAbilityを使う事で解除されます。“Hidden for 1 turn”という記載であれば、次の自分のターンが始まる時には自動解除されます。 また、FrontlineがHiddenすると前衛としては機能しない為、味方にHiddenをつける際には注意しましょう。 Sleep 次のオーナーのターン開始時まで能動的な攻撃やAbilityの使用が出来なくなります。ただしクリーチャーに攻撃された場合にはしっかり反撃します。 その為、Frontline持ちはSleepしたとしてもまだ役立つ状態とも言えるでしょう。 Blitz 召喚したターンから“クリーチャーに対する攻撃”が可能になります。相手Godへの攻撃、またはAbilityの使用は出来ません。 Godblitz Blitzの属性に似ていますが、相手Godへの攻撃も可能です。主にRelicについています。 Twin Strike 1ターンに2回の攻撃が可能です。ただしGodへの2回攻撃は出来ません。 公式ページでは同じ対象への2回攻撃は出来ないと書いてありますが、現状はクリーチャーに対して2回攻撃出来ている為、修正される可能性もあります。 Leech Leechを持つクリーチャーもしくはRelicで与えたダメージ分、自GodのLifeを回復します。 ”与えたダメージ”の定義ですが、直接攻撃のみでなく間接攻撃でも構いません。また相手クリーチャーの残りHealthまでしか吸収できません。つまり10点与えても残りHealthが1しかなければ吸収量は1点という事です。 Deadly Deadlyを持つクリーチャーからダメージを受けたクリーチャーは残りHealthに関係無く即死します。これは直接攻撃のみでなく間接攻撃にも有効です。 相手がProtectedを持つ場合、またはDeadly持ちのStrengthが0だった場合は、ダメージが通らない為即死効果は発動しません。 Confused 攻撃を行う際、50%の確率でランダムな対象へ攻撃してしまいます。 ただしFrontlineやBacklineを無視する事はありません。 Burn X Burn状態のクリーチャーはオーナーのターン終了毎にXダメージを受けます。最初からBurnしているクリーチャー、ダメージを与えた際相手にBurnを与えるクリーチャー、対象にBurnを与えるSpell等があります。 Regen X Regen状態のクリーチャーはオーナーのターン終了毎にXダメージを回復します。 BurnもRegenもオーナーのターン終了時に効果が出ますが、両方同時に持っていた場合にはBurnの処理が優先される為、Burnで死亡する体力の場合Regenする前に死亡します。 また、味方のBurnはそのターン終了時に効果が出る為扱いが難しいです。例えば敵味方同時に全体へBurnを与える様な効果の場合、味方だけ先にダメージを受ける事になります。 Pick One カードを使用した際、複数の効果から一つを選択します。 Forsee X 今後引く予定のカードをX枚確認した上、選択したカードを最後尾に回す事が出来ます。 主に自分のDeckが対象ですが、稀に相手が引くカードに対して動作するものも存在します。 Spell Boost X これを持つクリーチャーの持ち主はSpellのダメージを+Xします。 Unlock Mana Lock マナロックを一つ解除します。Mana Bagと異なり、解除したマナはすぐ使えません。 ちなみに5マナまでは1 Mana Lock=1 Manaですが、6マナ以降は徐々に増えていきます Delve X 指定されたカテゴリのカードのうち、ランダムに選ばれた3枚の中から1枚のカードを手札に加えます。カテゴリは特定God、Tribe、Legendary等様々です。 またMagicのGod PowerであるDiscoveryの様な例外的Delveも有ります。 Overkill クリーチャーとの戦闘で相手クリーチャーのHealthを上回るダメージを与えた場合、残った余剰ダメージを残った相手側クリーチャーとGodに振り分けて与えます。 最後に 以上がGods Unchainedに登場するカードの用語と効果の解説でした。 GUのカード効果はかなり多様で、上記に含まれない様な固有の効果も沢山あります。 それでもこれらを理解すれば大半のカードは理解出来るでしょう。 今回は細かい仕様についても踏み込んで説明している為、ゲームを遊ぶうちに気になったら、ここで確認すると良いかもしれません。 ブロックチェーンTCG「Gods Unchained」のプロプレイヤーの引き込み方がカッコいいと話題に Gods Unchained開発元のImmutableが1500万ドルを調達
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2019/10/10【10月10日付】ビットコイン市場分析: 急上昇を事前に察知する3つのポイントとは?
昨日大きく上昇したビットコイン市場では、久々に大きめのショートカバーが起こりました。 バイナンスの中国元OTC取引の話など、市場にとってのポジティブな話もありましたが、上昇した要因はハッキリとはわかりません。ですが、大きく動き出す予兆は確かにありました。 CRYPTO TIMES編集部では、昨晩に上昇する可能性が高いと分析していました。こちらの記事では、チャートなどを用いてそのワケを紹介していきます。 まず一つ目は、ビットコインの価格とビットコインを除いた(アルトコイン)マーケットキャップ、およびビットコインドミナンスの3つの比較になります。 上画像を見ると、昨日お昼頃からアルトコインマーケットキャップ(赤線)がビットコイン(青線)に比べると大きく上昇しているのがわかります。 これはアルトコインがよく買われていた証拠だと考えて良いでしょう。また、ビットコインのドミナンス(黒線)が減少していることからも同じことが言えます。 アルトコインはUSDTなどから直接買われるケースもありますが、ビットコインを経由して買われるケースも多くあります。その為、アルトコインが買われている状況ではビットコインの需要もあると考えて良いでしょう。 まずこれが、ビットコインが上昇するのではないかという判断における一つの材料になります。 次に考えるのは、以前も紹介した、ビットコインとイーサリアムの連動性です。 上画像は、BTCUSD(青)とETHUSD(黄色)の比較のチャートです。明らかにETHUSDの方が先に動いているのがわかります。 ETHUSDがBTCの上昇を先導したこともわかります。 これが2点目のビットコインの上昇要因です。 そして最後が、OI(未決済建玉)の変化です。上画像は昨日22時30分のデータになります。 価格の変化がない中でOIが明らかに上昇しているのがわかります。 まとめると、以下のデータから明らかにポジションの仕込みがあり、大きく動く予兆を察知することができました。 アルトコインマーケットの活性化 イーサリアムのビットコイン先導 OIの変化による価格変動の予兆 この3点がわかっていたら、昨晩の大幅なショートカバーによる価格上昇は推測しやすかったのではないでしょうか。 以前にも似たような考察をしていますので、また同じような状況が来る可能性はあります。 是非参考にしてみてください。