【独占】ゲーム開発企業「iCandy」にインタビュー | 300タイトル以上の実績誇る企業が見る”Web3ゲーム”とは?
Crypto Times 編集部
iCandyは東南アジアを中心に世界各国でWeb2/Web3ゲームの開発・配信を行っている企業です。
同企業は近年Web3ゲームにフォーカスをシフトし、関連企業の買収やパートナーシップなどでより注目を浴びています。
今回は、そんなiCandyの共同創設者・代表取締役を務めるキン・ワイ(Kin Wai)氏にインタビューに応じていただき、iCandyのWeb3ゲーミング業界での取り組みについて詳しくお話を伺ってみました。
iCandyのキン・ワイ氏にインタビュー
―本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まずはキン・ワイさんとiCandyについて少し教えていただけますか。
キンさん: iCandyの共同創設者と代表取締役を務めるキン・ワイです。シンガポールを拠点とし、東南アジア圏のゲーミング業界で15年ほど活動しています。
iCandyは東南アジアで700人ほどの従業員を抱え、自社オリジナルや他社スタジオと共同でゲームを開発しているデベロッパーです。
モバイル、コンソール、PCとトラディショナルなゲームを開発してきた当社は、いま新たにWeb3の領域に力を入れており、現在すでに6タイトルほどを手掛けています。
iCandyでのWeb3ゲーミングの取り組み
―Web3ゲーミングという領域で競合するほかのデベロッパーと比べて、iCandyにはどのような強みがありますか?
キンさん: なによりもこれまでに出してきたゲームの数ですね。だいたい300タイトルくらいはリリースしたでしょうか。Web2, Web3に限らず、これまで実際にビッグタイトルを出してきた経験があるかないかは本当に大切だと思います。
加えて、私たちはそもそもWeb3業界でも結構長い経歴を持っています。ガス高や規制の不透明さなどといった理由で今は別チェーンへの移行という形にはなってしまったものの、イーサリアムベースのゲームは4年前からすでに開発していました。
Web3での開発に本格的にフォーカスしようと思ったのは、だいたい去年の半ば頃ですね。Web3ゲーミングはこれから大きく成長するだろうと見込んだのが転機でした。
―これからiCandyが開発するゲームはどのブロックチェーンプラットフォームでリリースする予定なのでしょうか?
キンさん: やはりこれまでの経験を踏まえると、イーサリアムやEVM系のプラットフォームは開発のなじみがあります。ただ、もちろん私たちはほかのチェーンの技術も調べていて、先2, 3ヶ月では新たなチェーンでの開発にも挑戦しようと思っています。
例えば、Avalanche, Aptos, Sui, Polygonなどといったチェーンはブロックチェーンゲームに向いていると考えています。
我々のターゲットオーディエンスである15 ~ 30歳くらいのいわゆる「デジタル・ネイティブ」なら、こういったブロックチェーンでウォレットを使ってトランザクションを行うといった行動にあまり難しさを感じず、積極的にWeb3ゲーミングにも手を出してくれるだろうと思います。
パートナーシップ・業界の方向性
―iCandyは昨年11月にLemon Sky Studioを買収したり、今年3月にはFroyo GamesやAnimoca Brandsとパートナーシップを結んだりしていますね。
キンさん: はい。Lemon Sky Studiosはマーベル・スパイダーマンやファイナルファンタジー、モータル・コンバットなどといった超ビッグタイトルのムービー制作を手掛ける会社で、買収の目的もiCandyでのムービー制作の主戦力になってもらうためです。
メタバースやモバイルゲームなどそれぞれのジャンルで協力ができるように、Froyo GamesやAnimoca Brandsなどとパートナーシップも組んでいます。こういったリソースを活用して、例えば今はSandboxのエクスペリエンス改善に50人ほどの技術要員を送ったりしています。
やはりこの業界では、ほかの同業者は競合というよりかは、少し異なるオーディエンスを扱った仲間だという認識のほうが強いですね。
―昨今、a16zなどの有名ファンドをはじめとする様々なチャネルからWeb3ゲーミングに資金が集まる一方、トラディショナルなコアゲーマーにはゲームとNFT・暗号資産を融合することに抵抗を示す人もいます。こういった事情をふまえて、ゲーム業界はこれからどういった道を歩んでいくのでしょうか?
キンさん: やはりこれからの時代はWeb3ゲーミングだ、というのは私個人も思いますし、界隈の同業者も同じことを言っています。大々的にやっているところ、密かにやっているところとありますが、多くの企業がWeb3系の開発に着手していることは確かです。
ブロックチェーンゲームに対して抵抗がある、というのはよくわかります。ゲームをプレイするためだけに5万ドルも支払ってNFTを買うなんてのは非現実的ですし、私たちもそれがサステナブルでないのはもちろん理解しています。
これからは、グーグルやフェイスブックなどからのログインで誰でもカンタンにはじめられ、基本プレイ無料・欲しければオプションでNFTを買う、といったスタイルのWeb3ゲームがブロックチェーンゲームの流行第2波を呼び起こすだろうと私は思っています。
また、Web3ゲームそのものもだいぶ進化してきており、現在開発中のものにも目を見張るクオリティのものがたくさんあります。近い将来では、一般ユーザーはそれがWeb2ゲームなのかWeb3ゲームなのか見分けることすらできないようなシームレスなゲームが当たり前になると思います。
iCandy Information
公式サイト:https://www.icandy.io/
コンタクト:[email protected] (General Enquiries)、[email protected] (Media)、[email protected] (Investors)