本記事では、Ink(インク)と呼ばれる日本のプロジェクトを紹介します。
Inkはクリエイティブ産業(創造産業)における不平な産業配分や不合理性などの問題を解決するためのソリューションを提供します。
このInkというプロジェクトは、パブリックチェーンだけでなくコンソーシアムブロックチェーンやクロスチェーンプロトコルなどを利用した独自の仕組みを採用していることが特徴です。
目次
Ink(インク)の概要
INK(インク)の概要
通貨名/ティッカー | Ink(INK) |
---|---|
創業者(CEO) | Tang Ling / 月川 雄 |
主な提携先 | 不明 |
特徴 | コンテンツ業界の問題を解決 |
公式リンク | Webサイト(日本語) |
Twitter(日本語) | |
Twitter(英語) | |
Line(日本語) | |
Discord | |
Medium | |
Facebook(日本語) | |
github(ソースコード) |
Ink(インク)が考えるコンテンツ業界が直面する問題
インターネットの普及により、音楽、動画、ゲームなどのクリエイティブコンテンツはさら に身近なものとなりました。 しかし、同時に以下の問題を生み出しました。
- 作り手側にお金が行き届かない業界構造
-不平な収益分配構造は、コンテンツの質だけでなくクリエイターのやる気をも阻害していく結果となりました。 - 配給チャネルの独占、機会の不平等
-コンテンツの質に対し必ずしも正当に評価されず、有能な新参者が見いだされにくい - 著作権保護手段の欠如
-簡単にコピーされてしまう環境がある一方、手軽に著作権を証明、保護する手段がな い
Inkはブロックチェーンを利用することでこれらの問題の解決に挑戦します。
Ink(インク)が導き出した仕組みと解決策
Inkは、上述の問題の根源が不平な報酬配分と非合理的なシステムであるとしていたこともあり、これは公平な報酬配分と合理的なシステムを構築することで解決することができると考えました。
ブロックチェーンの利用とその理由
ブロックチェーン以前はアプリケーションの利用には、単一のプロトコル上ですべてそのルールに従って行く必要がありました。
しかし、ブロックチェーンにおいて、自身のアプリケーションを動かそうとするとき、そのプロトコルは決められたものではなく、自身で選択したプロトコルのみと接続し利用することができます(例:クロスチェーンプロトコルなど)。
Inkはこのプロトコルの自由性に目を付け、パブリックチェーンではなく異なる複数のコンソーシアムブロックチェーンを利用することで、制約を高めることができると考えました。
またこれに対して、クロスチェーンや複数のパブリックチェーンを組み合わせた一つのプラットフォームを構築することで、
- 地域によって異なる法律や文化への対応
- 産業やビジネスへの特別な配慮
- 複数の拠点協力によるガバナンスの最大化
- 生産性の向上に必要な情報処理能力や潜在期間
- アクセシビリティ
- 安全性や匿名性
- システム調整や不具合からの回復
などを実現することができます。これらを実現するInkのブロックチェーンの仕組みに関して次項で説明していきます。
Ink(インク)の仕組み/構造
INKは画像のように、複数のコンソーシアムブロックチェーンとパブリックチェーンを接続するようなモデルを採用しています。
- コンソーシアムブロックチェーン
- パブリックチェーンのように誰もが利用できるわけではなく、コンソーシアムへの参加者のみが利用できるブロックチェーンのこと。合意形成は主にBFT(Tendemint)やPBFTなどが採用されている。
Inkのコンソーシアムブロックチェーンでは、コンテンツ業界におけるメインのプレイヤーであるコンテンツ制作者による作品の管理が行われます。
この管理をパブリックチェーン上で行わない理由ですが、おそらく作品の管理や承認などのプロセスで報酬を提供し第三者にこれを行わせる必要性が皆無という点、コンソーシアム内で合意形成を行うことによる承認スピードの高速化、各コンソーシアムに(例:国の法律ごとに)異なる制約を持たせながらも適切なやり取りを素早く行うことができる点、などが挙げられると思います。
パブリックチェーン側ではビットコインプロトコルとQtum、あるいはイーサリアムのどちらを利用するかを選択し、自身の作品をトークン化しこれに流動性を付与することができるようになります。
さらに、各コンソーシアムブロックチェーンとパブリックチェーンの接続(相互運用性)はクロスチェンプロトコルによって保証されます。
以上のように、コンソーシアムブロックチェーン、パブリックチェーン、クロスチェーンプロトコルの三つのを融合させたものがINKの提供するプラットフォームの構造になります、
Ink(インク)のプロダクト解説
INKは非中央集権型のコンテンツ業界におけるインフラの提供を目標としています。
まずはコンテンツをブロックチェーンに登録する著作権保護のサービス、INK タイムスタンプ。クリエイターが行う操作は、ファイルをドラッグ&ドロップするだけ。たった 30 秒でファ イルは Inkのブロックチェーン上に登記されます。登記の証拠として、ライセンスが発行さ れます。
前項で紹介した構造をユーザー側にサービスとして提供するものがこのBaaS(Blockchain-as-a-Service)となり、これはINKstone(β版)と呼ばれます。
INKstoneは現在β版となりますが、このプロダクト内でHyperledger Fabric 1.0に基づいたINKコンソーシアムチェーンを利用した様々なサービスを利用することができます。
INK SDK(Software Development Kit)
INKのソフトウェア開発キットは、台帳やアカウント、コントラクト、トランザクションやその他デベロッパが必要とするブロックチェーンのリソースを提供します。
INK アカウント/アセット発行
INKstoneでは、アカウントやトークンの発行モジュールを提供しています。
極めて効率の良い形での、価値の移動やコンテンツの配布、知的財産権の報酬化やその他コンテンツ業界におけるアプリケーションが数多く揃っています。
INKstoneの特徴
ユーザーはINKStoneにおいて、これらのベースレベルの操作をわずか数クリックで行うことができます。
言い換えれば、自身の作品を自身のブロックチェーンネットワークを構築しデプロイ、そのブロックチェーンやトークン側のスマートコントラクトの設定、また台帳の視覚化された情報や、ネットワークの監視/確認をクリックだけで行うことができるようなサービスとなっています。
Ink(インク)のトークンとその用途
INKのトークン情報
ネットワーク | Qtum | |
---|---|---|
規格 | QRC20 | |
トークン用途 | 知的財産登録や確認 INKアプリやサービスの利用料 | |
総発行枚数 | 1,000,000,000 INK |
トークンの総発行枚数の10億枚のうち、50%である5億枚が資金調達を目的に発行されます。
この資金は、技術開発や市場拡大、法的アドバイス、知的財産投資などINKの更なる発展のために使用されます。
Ink(インク)のロードマップ
Ink(インク)のロードマップ
時期 | 内容 |
---|---|
2018年 2月 | -INK 公式ウォレットリリース |
2018年 3月 | -INKubator クラウドファンディングプラットフォームの β版リリース |
2018年 4月 | -INKクロスチェーンプロトコルのクローズドテスト -INKubator クラウドファンディングプラットフォームの β版運用開始 |
2018年 5月 | -INKubator 取引プラットフォーム β版運用開始 -INKchain 主要リーグチェーンはTendermintコンセンサスを集成 |
2018年 6月 | -INKchain 分散型 DApp – INKwork β版運用開始 -INKDappstoreの運用開始 |
2018年 7月 | -INKubator クラウドファンディングプラットフォームは 初回のIPクラウドファンディングを完成 |
2018年 8月 | -INKubator 取引プラットフォームにおけるIPTokenの取引開始 |
将来 | -新たなアプリケーション開発に努める |
Ink(インク)まとめ
本記事では、クリエイティブ産業の問題をブロックチェーンを利用した独特のアプローチで解決しようとする、INKに関して紹介していきました。
INKは知的財産権を独自のプロセスでトークン化し、複数のコンソーシアムブロックチェーンを利用していくことで様々な問題の解決に取り組んでいます。
このプロジェクトに関して、より詳しく知りたいという方は公式サイトよりホワイトペーパーを読んだりβ版のサービスを利用してみるといいかもしれません。
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