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2021/07/08DeFiのポートフォリオ管理ツール「Zerion」がシリーズAラウンドで約9億円の調達に成功
DeFiのポートフォリオを一括で管理できるツールとして知られるZerionがシリーズAラウンドで、820万USD(約9億円)の調達を完了させたことを発表しました。 この調達ラウンドのリード投資家はMosaic Venturesとなっており, その他Placeholder, DCG, Lightspeed, Blockchain.com Venturesなどの投資家が参加しています。 Zerionの直近の調達ラウンドは2019年のシードラウンドが最後でしたが、そこから20万の月間アクティブユーザー(MAU)と150カ国以上からのアクセスを獲得するまで成長しています。 今後の計画としては、この数字の5倍のユーザー数となる100万人のMAUを目指し、クロスチェーン対応やインフラの強化を行うことを発表しています。 また、DeFi向けののポートフォリオ管理ツールであるZapperは、2021年5月に同じくシリーズAラウンドで、1500万USD(約16.5億円)の調達を完了させています。 CRYPTO TIMESのYoutubeでは、Zerionの使い方も完全に解説しておりますので、利用に関してはこちらの動画も参考にしてください。 https://www.youtube.com/watch?v=UexDrwjD4ZU&t=5s 記事ソース:Zerion raises $8.2M from Mosaic Ventures to take DeFi mainstream
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2021/06/19BifrostがKusamaのパラチェーンオークション戦略を発表、第2スロットよりオークションに参加
Bifrostはステーキング資産の流動化を図る、Polkadot/Kusamaのパラチェーン候補のプロジェクトです。 通常、ステーキング資産はロックされた状態で動かすことができない中、Bifrostではvsトークンと呼ばれる債券トークンを発行することで、ステーキング状態を担保として別の資産の借り入れなどができるようになります。 6月15日から、Polkadotの姉妹ネットワークであるKusamaでパラチェーンオークションが開催されており、Bifrostもパラチェーン候補としてこのオークションに参加することを発表しています。 この記事では、Bifrostのパラチェーンオークションにおける戦略を紹介していきます。 CryptoTimesでは、過去にBifrostへのAMA(インタビュー)を2度開催しています。こちらもBifrostのプロジェクトに関してもっと知りたい方は以下のリンクからご覧いただけますので、こちらも是非チェックしてみてください。 【PolkaAMA Week 第3弾】『Bifrost』概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説 『Bifrost』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!【第二弾:Kusama PLO開催間近編】 Bifrostのパラチェーンオークションの基本戦略 Bifrostでは、他のプロジェクトがカナリア(姉妹)ネットワークを利用する中、メインのネットワークでKusamaのオークションに参加することを発表しています。 オークションは6月15日より、毎週1スロットずつ解放されて行きますが、2番目のスロット(6月22日解放)より参加し、見事スロットを獲得するまで連続して5つのスロットオークションに参加することを表明しています。 見事、スロットを獲得した場合、このスロットのリース期間は合計で48週間となります。 報酬の詳細 Bifrostでは、オークション参加者向けに合計3,000,000BNC(総供給枚数の11%)の割り当てを用意しています。 1KSMの貢献に対して最低11BNC以上が報酬として配布され、報酬付与のハードキャップ(上限)は250,000KSMです。 本記事の執筆時点では、合計16,582KSMをクラウドローンにより集めており、これはノミネートされているプロジェクトの中で4番目に大きな数字となっています。 報酬として付与されるBNCは、TGE(トークン生成時)に50%がすぐに参加者向けに配布され、残りの50%はリース期間となる48週間をかけて徐々に配布が行われていく予定です。 [caption id="" align="aligncenter" width="624"] https://medium.com/bifrost-finance/bifrost-kusama-auction-is-now-officially-opened-7e3b555ba212[/caption] BifrostのMint Dropによるオークションの参加には、イメージにあるようないくつかのメリットがあるとしています。 最も大きな違いとしては、ロック資産の流動化を図るため、別個のカナリア(姉妹)ネットワークではなくメインネットをそのまま利用する点で、同一のプロダクトが複数のトークンを別ネットワーク上で展開することによる、流動性の断片化の問題が解消されます。 Bifrostパラチェーンオークションへの3つの参加方法 Bifrostの公式アナウンスでは、オークション参加にあたり3つの参加チャネルが推奨されています。 1: 公式チャネル vsKSM Mint Drop 一つ目の方法は、Bifrostの主要アプリケーションの一つであるSALPを利用した参加になります。 SALP(Slot Auction Liquidity Protocol)では、オークションへの参加(KSMのロックアップ)に際して、vsKSM・vsBondと呼ばれる債券トークンが発行されます。 vsKSMはリース期間終了後、KSMトークンとの1:1での償還が可能で、vsBondは報酬の受益権を表すトークンとなっています。 これにより、クラウドローンのデリバティブ市場が構築され、リースに際して利用されるKSMの流動化が可能となります。 参加URL: https://ksm.vtoken.io/ チュートリアル(YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=O1CTi9G2S60 2: Polkadot.js を利用した参加 Polkadot.jsを利用したクラウドローンへの参加は、最も一般的な参加方法となります。 参加URL: https://polkadot.js.org/apps/#/parachains/crowdloan 3: その他の参加方法 その他にも、オークションに参加する方法がいくつかあります。 Zenlink, Nutboxといったプロジェクトはクラウドローン参加向けのアプリケーション・インターフェースを独自で開発しており、Bifrostはこれらのプロダクトとの良好な関係をもっています。 今後の正式なプロダクトのリリースにあたり、BifrostのSALPが統合される予定になっています。 その他、スマホのウォレットアプリ(Fearless Wallet, Math Walletなど)を利用した参加、海外取引所(Kraken, OKEx, KuCoin, MXC, Gateなど)がBifrostのオークション参加サポートを発表しています。 まとめ いよいよロールアウトされたパラチェーンオークションにより、Kusamaの根っことなるリレーチェーンに様々なチェーンが接続されていくことになります。 Bifrostのメインネットを利用した入札戦略では、Kusamaだけでなく最終的に流動性をPolkadotのネットワークにももたらし、他のパラチェーンやその他の接続されるチェーン全てにデリバティブの機能性を提供します。 参考文献:Bifrost Kusama auction is now officially opened Bifrost公式ウェブサイト:Bifrost Finance
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2021/06/17暗号通貨のボラティリティをトークン化するvolmex.financeがメインネット上にローンチ
暗号通貨のボラティリティをトークン化するプロジェクトであるVolmex.Financeのv1がEthereumメインネット上に正式に公開されました。 https://twitter.com/volmexfinance/status/1405176261262004230?s=20 DAIを担保として生成されるボラティリティトークンは、最も一般的なトークン規格であるERC20が採用されており、暗号通貨の持つ高いボラティリティをヘッジするために利用することができます。 また、ERC20として汎用性にも長けており、Ethereum上に存在する他のDeFiプロダクトとの構成可能性(コンポーザビリティ)を持つ点を特徴とします。 今回のリリースであるv1バージョンでは、BTCのボラティリティインデックス(BTCV)およびETHのボラティリティインデックス(ETHV)の2種類のプロダクトが利用可能となっています。 Volmex Financeの開発を行うVolmex Labsは、Alameda Research, Three Arrows Capital, CMS Holdings, Orthogonal Trading, Robot Ventures, IOSG Ventures他、業界をリードするマーケットメイカー・投資家からの出資を受けています。 ウェブサイト:Volmex Finance アプリ:Volmex Finance APP 免責事項 本記事で紹介したプロジェクトは、CryptoTimesが利用を推奨するものではありません。CertiK, Coinspectの2社によるコード監査を受けていますが、これはハッキングやバグのリスクを100%否定するものではないため、必ずご自身の判断に基づいたプロトコルの利用をお願い致します。
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2020/09/22Crypto Kitties開発チームが提供するエンターテイメント業界に特化したパブリックチェーンFlow Blockchain、優位性から今後の考察まで
Flow Blockchainは高速・分散・デベロッパーフレンドリーの3点を特徴とするゲームに特化したパブリックブロックチェーンです。 CryptoKittiesのチームにより開発が進められており、次世代のゲーム、アプリケーション、デジタル資産の管理に最適なインフラとなることを目指しています。 Flowは既にNBA(National Basketball Association)やUFC(Ultimate Fighting Championship)など、世界的な団体とのコラボを通じてコンシューマー向けのプロダクトを提供している点も注目すべきポイントの一つであると言えます。 本記事では、Flow Blockchainの概要や特徴、優位性などに関して包括的に解説していきます。 Flow Blockchain 概要と特徴 Flowはオープンワールド向けの次世代ブロックチェーンです。 2019年11月、CryptoKittiesの開発チーム"Dapper Labs"は、Warner Music Group, Union Square Ventures, a16zらから1120万USD相当の出資を受け、『Flow Blockchain』の開発に着手し始めました。 この背景には、CryptoKittiesが直面したガス代の高騰や、NFTのコミュニティ内でスケーリング問題に直面している点、コンシューマー向けのレイヤー1ブロックチェーンが存在しない点などが挙げられます。 Flow Blockhainは以上の問題を解決するべく、高速・分散・デベロッパーフレンドリーで初のコンシューマー向けブロックチェーンとして次世代のゲームをホストすることを目標に一から開発が始まりました。 これらの目標を実現するために、Flowは以下のような特徴を持ちます。 スケーラビリティ問題の解決へのユニークなアプローチ 従来のブロックチェーンにおいては、すべてのノードがネットワークのステート(状態)を保管し、トランザクションを処理するために必要とされる処理を行う必要がありました。 そのため、必然的にスループット(単位時間当たりの処理件数)の低下を余儀なくされます。 他方、一般的に知られるスケーラビリティの課題解決へのアプローチとしては、Sharding(シャーディング)やLayer 2(レイヤー2)技術などの活用が模索されていますが、ゲーム間のComposability(構成可能性)の側面ではこれは有用ではありません。 Flow Blockchainではこれらの技術のデメリットを徹底的に分析し、シャーディングに頼らない、マルチロール型のノード設計によりスケーラビリティの課題を解決するとしています。 マルチロール型の設計では、ノード(ネットワーク管理者)の役割が以下の4種類に分類されます; コンセンサスノード ブロックチェーン上におけるトランザクションの有無・順序を決定 検証ノード 実行ノードの状態をチェック 実行ノード 各トランザクションに関連する必要な計算処理を行う コレクションノード DApps向けにネットワークのコネクティビティ、データの可用性を強化 Flow Blockchainでは、従来のノード設計で必要とされてきた、ノードとしての多くの役割を4つの異なるロールに分割することで、各ノードの負担を軽減しながらパフォーマンスの向上を図ります。 [caption id="" align="aligncenter" width="1167"] onflow.orgより引用[/caption] 一見すると複雑な設計に見えますが、プロトコル部分が複雑さをカバーすることで、アプリケーションの開発者が容易に多機能かつ使いやすいアプリケーションをビルドすることができるようになります。 アップグレード可能なスマートコントラクト スマートコントラクトの最も重要なポイントとして、ユーザーがスマートコントラクトのAuthor(記述者)ではなくコード自体を信頼することができる点が挙げられます。 ブロックチェーンの持つこうした特徴により、いまだ実現されていないようなオープンサービスやComposabilityの特徴を活用した新たなサービスをアンロックすることができるようになります。 Flow Blockchainでは、スマートコントラクトを"β版状態"としてメインネットに実装することができます。 このβ版状態のコントラクトは、オリジナルの記述者によりアップデートが可能な状態にあるスマートコントラクトを指します。 ユーザーは、スマートコントラクトがβ段階であることを通知され、記述者を信頼しコードにアクセスするか、コードがファイナライズされるのを待ちファイナライズ後にアクセスするかを選択する権限が与えられます。 高速かつ決定論的なファイナリティ Flow Blockchainでは、Proof of Work(PoW)などにみられる確率的なファイナリティとは異なる、決定論的なファイナリティが数秒の間に実現されます。 決定論的なファイナリティはProof of Stake(PoS)のブロックチェーンなどにおいて既に実現されていますが、ユーザビリティを重視するコンシューマー向けブロックチェーンであるFlowでは、高速かつ決定論的なファイナリティが重要です。 Flowでは、一連のプロセスはローンチ段階で10ブロック(約10秒)程度とされており、ユーザーはトランザクションの送信後、ほぼ即座にフィードバックを得ることができます。 開発者フレンドリーなプログラミング言語『Cadence(ケイデンス)』 Cadence(ケイデンス)は、Dapper Labsが開発した初の人間工学的なリソース指向のスマートコントラクト言語です。 既存のプログラミング言語は、デジタル資産の所有権を追跡することが可能である一方、これは所有権の反映において利用され、直接的に所有権を定義することができません。 Cadence(ケイデンス)を利用することで、言語そのものによって所有権を定義することが可能となり、これにより様々なカテゴリーのアプリケーションを新たにアンロックすることができるとしています。 大手企業・プロダクションとの強力なパートナーシップ コンシューマーへのアドプションをゴールとするFlowは、技術面だけでなくバックアップ面においても強力なパートナーシップを締結しています。 提携先はNBA, UFCなどの米国国内で最大級のスポーツ団体から、UBISOFT, Dr.Seuss, Warner Music Group, Samsungなど世界各国のプロダクション、大手企業が中心となっています。 ここで注目すべきは、これらの団体・企業は既にエンターテイメント分野における大きなユーザーベースを持つ点です。 以下で紹介するNBAの公認ゲームである『NBA TOP SHOT』をはじめとして、既存の産業からコンシューマーに対してブロックチェーンゲームをアプローチしていく姿勢が伺えます。 Flow Blockchainを活用したプロダクトの紹介 Flow Blockchainは上述の通り、ブロックチェーンゲームの開発者・ユーザーエクスペリエンスに特化したブロックチェーンです。 開発チームであるDapper Labsは『CryptoKitties』の成功を実現しましたが、Consumer-Ready(一般の消費者が利用可能な)なブロックチェーンとして、既にユニークなプロダクトをリリースしている点も注目すべき点の一つです。 以下にFlow Blockchainを利用したプロダクトをいくつか紹介していきます; CryptoKitties(クリプトキティーズ) 『CryptoKitties』はブロックチェーン上でデジタルの猫を自由に交配させることで、世界に一匹だけのユニークな猫を生み出すことのできるコレクティブル向けゲームです。 世界で最も成功したブロックチェーンゲームとして知られる『CryptoKitties』は、当初Ethereumブロックチェーンのみで実装されていましたが、その人気からEthereumブロックチェーンのかつてない混雑を引き起こしました。 その後2020年5月、『CryptoKitties』はFlow Blockchainへの移行(対応)を正式に発表しました。 CryptoKitties公式サイト NBA Top SHOT 2020年5月に発表された『NBA TOP SHOT』は、試合中の選手のプレイをNFT化してマーケットプレイスなどで売買することができるNBA公認のゲームです。 Flow BlockchainはNBAとも公式の提携を発表しており、β時点で22,000以上のパック、総額$1.2M USD以上の売り上げを記録していることからも、Flowの掲げるコンシューマーアドプションを十分に達成できるポテンシャル、また注目度の高さがうかがえます。 8月には、NBAに属するプレーヤーからも直接の出資を受けており、約$12M USDの調達に成功しています。 NBA TOP SHOT公式サイト Dapper Wallet Dapper WalletはGoogle Chromeの拡張機能・Androidのアプリとして利用することができるFlow Blockchainのウォレットです。 『NBA TOP SHOT』や『CryptoKitties』などのFlow Blockchain上のDAppsに限らず、MetamaskのようなEthereumのウォレットとしても機能する点が特徴です。 Dapper Wallet公式サイト チームメンバー Chief Executive Officer (CEO) - Roham Gharegozlou氏 Roham氏は、CryptoKitties、Flow、NBA Top Shotの生みの親であるDapper LabsのCEOです。彼はスタンフォード大学で経済学の学士号と生物科学の学士号と修士号を取得しています。 Dapper Labsの以前には、Axiom Zenの創設者兼CEOを務めていました。CEOを務めていた6年間で、2人のチームメンバーから80人のチームメンバーに成長させ、RoutificやZenHubを含む4つの独立したビジネスをスピンアウトさせた経歴を持ちます。 Chief technology Officer (CTO) - Dieter Shirley氏 Dieter氏は、新たに登場する技術の中でも特に第一線のクリプト周辺技術の開発に携わってきました。彼は、CryptoKittiesの共同設立者であり、Ethereum上のNFT(Non-Fungible Token)を定義したERC-721の提案を執筆した人物でもあります。 CryptoKitties以前は、Roham氏と同じくAxiom Zenでチーフアーキテクトを務めていました。それ以前は、iPhoneエコシステムの初期のプレイヤーの1つであるAtimiで6年間開発責任者を務め、Appleでシニア・ソフトウェア・エンジニアを務めた経験も持ちます。彼はウォータールー大学でコンピュータサイエンスの理学士号を取得しています。 Chief Business Officer(CBO) - Mikhael Naayem氏 Dapper Labsの立ち上げに携わる以前、Mikhael氏はAxiom Zenの創業時から取締役を務めていました。彼は2017年10月にAxiom Zenにフルタイムで入社しましたが、それはCryptoKittiesのローンチの1ヶ月前でした。 Axiom Zenにフルタイムで入社する以前は、Mikhael氏は2017年に香港で、同じくゲーム会社であるAnimocaへの事業売却までの段階で2.25億人以上のユーザー数へと成長を遂げたLive-opsゲーミングプラットフォーム『Fuel』の創設者兼CEOを務めていました。Fuelの顧客には、セガやバンダイナムコなどが含まれていました。Mikheal氏は学生時代、コロンビア大学で工学の学士号と修士号を取得しています。 Chief Financial Officer(CFO) - Alex Shih氏 Alex氏は、Axiom Zen と Dapper Labs の CFO であり、戦略的財務機能をリードしています。また、Dapper Labs と ZenHubの取締役も務めています。 Axiom Zen に入社する以前は、KKR と Highfields Capital で 10 年間、公開市場と非公開市場の両方で資本構造全体の投資戦略を実行し、直近ではプライベート・エクイティ部門のリーダーを務めました。学生時代には、スタンフォード大学で経営科学と工学の理学士号と修士号を取得しています。 Flow Blockchain 直近の動向とトークンセール詳細 Animoca BrandがFlow Blockchainを採用 9月22日、香港に拠点を置くモバイルゲーム制作会社"Animoca Brand"は、『Star Girl』及びMotoGP™公認ゲームの2タイトルをFlow Blockchain上で開発・リリースしていく旨を発表しました。 『Star Girl』はAnimoca Brandが提供する人気ゲームの一つで、100万人以上のMAU, 18万人以上のDAUを抱えています。 また、MotoGP™は最も長い歴史を持つモータースポーツの世界的な大会であり、Animoca BrandはMotoGP™公認のブロックチェーンゲームの開発をFlow上で進めていると発表しました。 Flow Blockchain上での各タイトルのリリース次期に関して、Star Girlは2021年、MotoGP™は初期バージョンの公開を2020年Q4, 正式バージョンのリリースを2021年の予定としています。 Animoca Brand公式サイト 9月22日~10月2日 Coinlist上でトークンセールの実施 9月22日から10月2日にかけて、Flow BclockchainのFLOWトークンのコミュニティセールがCoinList上で実施されています。 FLOWトークンはメインネットのリリース後、Flowネットワークのネイティブ通貨として機能し、ステーキングやオンチェーンガバナンス、トランザクション手数料の支払いなどで利用されます。 販売レートは$0.10USD/FLOW、参加上限は一人$1,000USDとなっており、日本の居住者はCoinList上でパスポートや運転免許証を利用したKYCのプロセスを完了することでセールへの参加が可能となります。 今回の販売レートは、過去に行われたプライベートセールと同レ―トに設定されており、さらに参加上限を一人$1,000USDとすることでより広範なコミュニティを築き上げることを目的としています。 セール終了後、購入したトークンの50%は1年間のロックアップ、残りの50%は1年間のロック後さらに1年をかけて徐々にロックが解除される仕様となっている点にご注意ください。この期間もステーキングやガバナンスに参加することは可能です。 トークンセールの詳細は以下のリンクから確認することができます; FAQ - onflow.org Flow Community Sale - CoinList Flow Blockchainの優位性と今後の予想 Flow Blockchainの開発チームによる『CryptoKitties』は、2017年末に直面したEthereumネットワークにおけるガス問題はコンシューマーレベルでの運用にとって大きな課題であるとし、NFTに特化したチェーンであるFlowへの移行を発表しました。 本記事でも紹介した通り、FlowではNBAやUFC, Warnerなど世界的なプロダクションとも強力な関係を築きつつあります。 本項では、NFTをとりまく業界の現状を簡単に紹介し、Flow上に発行されるNFTがどのような優位性を持つのか、将来的にNFTがどういった方向で使われていくのかを整理していきたいと思います。 NFT黎明期のユースケース(2017~18年) チームメンバーでも紹介した通り、NFTの火付け役として最初のユースケースを市場に投入したのは、Flow BlockchainのチームによるCryptoKittiesになります。 Kittiesは、唯一無二のデジタル猫をNFTとして表現することで、各トークンがそれぞれ固有のパラメーター・希少性を持つユニークなコレクタブルアイテムとして表現することに成功しました。 CryptoKittiesで記憶に残っている点として、その爆発的な火付けからトランザクションが大量につまり、ETHのガスコストが非常に掛かったことが挙げられます。 https://twitter.com/CryptoKitties/status/937444644740198400?s=20 この、CryptoKittiesが火付け役となり、コレクタブルとしてのユースケースは、KittiesにとどまらずNFTを利用したカードゲームである『Gods Unchained』、日本国内からも『My Crypto Heroes』や『Contract Servant』、Kitties同様のコレクタブル方面では『くりぷ豚』などが登場し、大きな話題となりました。 デジタル空間における所有権の表現(2019~20年) 2019年はアクティブユーザーこそ、Kittiesや0x Universe, My Crypto Heroesなどのコレクタブルに集中していましたが、メタヴァース空間内での土地がNFT化され資産価値を生むというユースケースが続々と登場しました。 中でもDecentraland (LAND), CryptoVoxels (CVPA), Somnium Space (PARCEL)などが主要なメタヴァース系プロジェクトとして知名度を高めていますが、2020年現在はDecentralandのが市場をドミネートしています。 また、NIKEのEthereum上に発行されるNFTを利用したスニーカーのトークン化するための特許を発表したことや、VeChainを利用した中国製のサージカルマスク『KN-95』の真贋証明にNFTが利用されたことからも、生活の中にみられるNFTのユースケースが徐々に拡大しつつあることが分かります。 プロスポーツチームとの協業も様々な場所で進められており、『Sorare』はスペインのプロサッカーチーム『Real Batis』とコラボNFTカードを発行するなど、スポーツにおける活用も進められています。 NFTとDeFiの統合(現在~) 2020年Q3以降、DeFi(分散型金融)への注目が集まると同時に金融におけるNFTのユースケースも提案・模索されています。 7月には、NFTのマーケットプレイスとして知られる『Rarible』がプラットフォーム上での取引収益の受益権を持つガバナンストークンであるRARIのマーケットプレイス・マイニングを開始しました。 翌月8月には、MEMEプロジェクトが独自トークンMEMEのステーキングにより限定NFTを発行が可能となる、ステーキング×NFTの新たな形を実現し、レジェンダリーカードに300万円以上の価値がついています。 YearnFinanceのプロダクトであるスマートコントラクトを利用した保険『yInsure』では、yNFTと呼ばれるYearnのNFTが保険の受け取り権利を表章するトークンとして機能し、保険×NFTの新たなユースケースが誕生しました。 Flow Blockchainの参入余地と今後の展望 Ethereum上でNFTを発行するメリットとしては、同一チェーン上でのComposability(構成可能性)が挙げられます。一方で、他のアプリケーションが同時に利用されていくため、ユーザー数の増加に対して対処することが難しいと言えるでしょう。 Gods Unchainedでは、2020年5月にスケーラビリティの問題を解決すべくオフチェーンマーケットプレイス『Immutable X』を発表していますが、レイヤーが異なるブロックチェーンではComposabilityの実現が難しくなることが予測されます。 Flow Blockchainでは、高いスケーラビリティを実現しながらもComposabilityを損なわない設計になっているため、ゲームやアプリ間での相互運用性、アートやデジタル資産とDeFiエコシステムなど、拡張性の高いNFT向けのインフラとして今後ますます注目を集めていくのではないでしょうか。 そして、現在NFTとDeFiの統合からもNFT市場におけるユースケースの可能性が今後も多くでてくるのではないでしょうか。 まとめ Flow Blockchainの特徴やプロダクト、NFTとFlow Blockchainの今後の展望などをまとめて解説しました。 最近になり、全く新しいユースケースで注目を集めるNFT周辺の動向ですが、FlowはEthereumとのComposabilityを損なわずスケーリングが可能という点で、NFT業界における起爆剤となるポテンシャルも十分であると考えられます。 また、NBAやWarnerなど非クリプト方面から多くの消費者の注目を集めることに成功すれば、ファンコミュニティを巻き込んだより大きなマーケット・ムーブメントが実現されることでしょう。 9月24日から25日にかけてFlow Blockchainのイベントも開催されます。こちらより登録が可能ですので興味の有る方は是非とも参加してみてはいかがでしょうか。 公式リンク Flow Blockchain公式サイト Dapper Labs公式サイト
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2020/09/16PolkadotエコシステムのCrust NetworkとPlasm Networkが相互間における技術提携を発表
Polkadotエコシステムにおいて、分散ストレージの実現を目指すCrust NetworkがPlasm Networkとの技術提携を発表しました。 この技術提携において、Plasm NetworkはCrust Network向けにレイヤー2スケーリングのソリューションを提供、Crust NetworkはPlasm Network向けに分散ストレージ技術の提供を行うとしています。 また、Crust Network/Plasm Networkの両チームは、Substrate Builders Programのメンバー、Web3 Foundationの助成金獲得、Web3 ブートキャンプメンバーであるなど様々な共通点を持っています。 ■Crust Networkについて Crust Networkは分散ストレージ向けのインセンティブレイヤーとして機能するパブリックブロックチェーンです。 IPFS(InterPlanetary File System)他、様々なストレージレイヤーのプロトコルをサポートし、分散型のクラウドエコシステム実現の可能性を持ちます。 また、Crust Networkは9月15日にシリーズAラウンドの資金調達を完了させています。 この調達ラウンドには、NGC Ventures, AU21 Capital, Bitscale Capital, Chain Capital, DFG, HashCIB, IOSG, KNS Group, Lotus Capital, Origin Capital, SNZ, Bitrise Capital, Consensus Lab, Waterdrip Capital, Ti Capital他、多くの投資家が参加しています。 さらにCrust Networkでは9月18日(金)よりBound Financeを使ったCommunity Sealed-Bid Auction Offeringの実施も決定しています。 Twitter:@CrustNetwork Telegram:t.me/CrustNetwork Web:https://crust.network/ ■Plasm Networkについて Plasm NetworkはWeb3.0向けのスケーラブルかつ相互運用性を持つインフラストラクチャ(パブリックブロックチェーン)です。 Plasm NetworkはSubstrateのフレームワークを利用して開発されており、将来的にPolkadotと接続されるチェーン(Parachain)としてスケーラブルなスマートコントラクトプラットフォームとなることを目指しています。 また、8月31日より、資産をコントラクト上にロックすることでトークンを獲得することのできる「ロックドロップキャンペーン」を実施しています。 Twitter:@Plasm_Network Telegram:t.me/PlasmOfficial Web:https://plasmnet.io/ 「Plasm Networkを通じて、自由で公平で透明な世界の創造へ」- Stake Technologies CEO 渡辺創太 x CTO 山下琢巳
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2020/07/17【プレスリリース】公示データベースの暗号資産情報ポータルXangle、ハンファ投資証券からシリーズA2投資誘致
- 暗号資産情報データサービス、伝統金融市場に到る成長へ。 - グローバル情報公示とデータの統合や標準化の促進に努める方針を。 グローバル公示データベースの暗号資産情報ポータルXangleを運営するCrossangleは今月16日、ハンファ投資証券からシリーズA2投資を誘致したことを発表した。 Crossangleは設立して約1年半ぶりに伝統金融の証券会社から約4億円規模の投資を誘致した。これにより、暗号資産業界の重要な軸である情報データインフラストラクチャーを本来金融市場のレベルまで発展させる土台を築いた。 ブロックチェーンベースの暗号資産の産業は、最近アンタクト(非対面)技術を中心とし急激に注目されている。今回ハンファ投資証券からの投資は、新産業競争力を備えていくための伝統的な金融と暗号資産業界の間で行われた協力の一環とも見える。 ハンファ投資証券は、資本約1000億円規模の韓国大手証券会社であり、Samsung、現代、LG、SKと共に韓国のコングロマリットの一つであるハンファグループの子会社だ。ハンファ投資証券は、特にデジタル能力の強化に力を注ぎ、韓国内で業界初としてビッグデータの子会社を設立、分析技術の高度化に先行している。 Xangleは、暗号資産を発行するグローバルプロジェクトから公示情報を収集・検証・統合をし、これらをオンチェーンデータに透明に公開する。従来の暗号資産のトークン取引、財布構造、取引量などといったオンチェーンデータは、ブロックチェーンの上リアルタイムで自動記録されてはいるが、その可読性が低いため投資指標として参考するには困難さがあった。Xangleは、企業情報などをオフチェーンデータだけではなく、オンチェーンデータにも可読性を上げ、見やすく提供できるよう支援している。 Xangleは、デジタル資産が国境と言語を超え取引される際に必要な情報が簡単に手に入るように、情報の統合・標準化をして行くことを目的とする。Xanlge上に標準化された情報公示は、世界各地の投資家とブロックチェーンプロジェクト間との情報共有を容易とし、また取引所・ファンド・一般投資家が上場や投資検討など行う際にも参考資料としてその役割をしている。 最近ブロックチェーンと暗号資産は、政府の支援下にグローバル傾向を見せており、コロナウィルス以降アンタクト(非対面)時代を迎え、グローバル金融機関からの様々な投資やサービスなどを準備・執行だけではなく、各国の中央銀行もデジタルマネー(CBDC)の研究に本格的に飛び込むなど、暗号資産のグローバル普及化は加速される傾向である。 Xangle共同代表 Junwoo James Kimは「ブロックチェーンを活用した暗号資産市場の拡大と制度圏編入を目の前に置いて、世界的に様々な努力が続いている」とし、「暗号資産産業の健全かつ体系的な成長には、これまでの問題点を改善、また投資家や様々なメンバーの参加による情報生態系の構築が欠かせない」と述べた。それに加え「今回の投資を通じ、暗号資産産業のグローバルな情報インフラを発展させ、それを安定的に本来金融市場のレベルまで拡大できるように努力する」と今後の計画を説明した。 Xangleは、これまで韓国、中国、日本、東南アジア、ロシア、ヨーロッパ、アメリカなどでの60以上の暗号資産取引所とのパートナーシップを結んできた。現在Xanlgeでは、800以上のプロジェクトの情報公示が提供され、そのうち400以上はブロックチェーンのプロジェクトが直接情報を入力している。
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2020/06/17Xangle Market Insight Vol.1 日本国内の規制と政策
CRYPTO TIMESのリサーチ部門『CT Analysis』の公式データ・リサーチプロバイダである『Xangle』が業界レポートを公開しました。 Xangleは世界をリードする仮想通貨開示プラットフォームで、60以上の世界の取引所や投資家に不可欠な情報を提供しています。 CRYPTO TIMESでは、Xangle社が提供するレポートから、特に日韓のブロックチェーン業界に関するリサーチコンテンツを『Market Insight by Xangle』として日本語でその内容を紹介していきます。 Market Insight by Xangle vol.1 日本国内の規制と政策 今回はXangleより寄稿された第一弾レポートとして『Market Insight by Xangle vol.1 日本国内の法律・制度』を紹介いたします。 日本国内の法律・規制の遍歴 日本の暗号資産関連の法律・規制の背景には約2年半前の2018年1月に起きた「Coincheck」の$530mln(約580億円相当)のハッキング事件が関連しているとされています。 その後金融庁から仮想通貨取引所に対する業務改善命令や、事件から3か月後となる2018年4月には、のちの金融庁指定の自主規制団体である「JVCEA(日本暗号資産取引業協会)」が設立されました。 仮想通貨取引所の登録制度が定められたのは2017年4月で、ここではG7での国際的な要請を受けマネーロンダリングや投資家保護が意図されているとしています。 2019年5月には、資金決済法や金融商品取引法の改正に関する法案が可決し、交換業だけでなく仮想通貨自体が明確に定義されます。 改正資金決済法の施行となる2020年5月時点で、日本国内には合計23社の仮想通貨取引所が金融庁による認可を受けています。 日本国内では、仮想通貨のキャピタルゲインによる課税率がその他各国を大幅に上回るパーセンテージとなっている点に注目することができます。 これは、仮想通貨による損益が、既存の株式などのアセットクラスとは別個であると認識されており、雑所得として計上されるためであると考えられます。 また、最大の適用税率が37%である米国、その他ドイツ(~26.375%)・カナダ(~16.5%)などの国では、仮想通貨投資による損失を計上することができる仕組みになっていますが、日本国内では雑所得扱いとなるため、損失分の控除がされません。 新規通貨の上場について 新規通貨の上場に注目すると、2020年にはQtum , Basic Attention Token, Huobi Tokenの3銘柄がホワイトリスト入りしていることがわかります。 ホワイトリスト入りを果たした主な要因として、財政面、コンプライアンス、技術面それぞれにおける安定性などが重視されていることがわかります。 Xangleが独自に実施したCoincheck社に対するインタビューでは、金融庁の銘柄判断基準について; ギャンブル系のDAppsが存在しないこと。また、プロジェクトがそれらのDAppsを支援していないことや、最善の方法としては日本国内ユーザーのDAppsへのアクセス制限などを設けていることなど 匿名性を持たないこと 暗号通貨の持つ適切なユースケースを提示すること などが挙げられています。 フルバージョンのレポート Xangleの公式ウェブサイトでは、本レポートのフルバージョンのダウンロードが可能となっています。 Xangle Research <日本の仮想資産市場 :規制と政策> - 日本では既存の規制体制が拡張及び改訂され、仮想資産の規制に利用される - 大規模のハッキング事件以降、日本の規制の本格化 - 取引所、プロジェクト、投資家など、様々な市場参加者の規制 - 取引所の登録前後で続く日本金融庁の規制 - 日本金融庁の取引所の登録推移 - 取引所及び、JVCEA, FSAの審査を受けてから日本の取引所に上場可能 - 株式キャピタル・ゲイン比、仮想資産の資本所得により高い税率を賦課 - 日本では、仮想資産投資の損失を他のキャピタルゲインと合算不可 - 他国に比べ、高い仮想資産税率 - 2020年日本市場の新規上場リストQTUM, BAT, HT - QTUM, BAT, HTが上場された理由は? - Appendix: Xangle interview with Coincheck & Qtum フルバージョンのレポートはこちら: Xangleについて Xangleは世界をリードする仮想通貨開示プラットフォームで、60以上の世界の取引所や投資家に不可欠な情報を提供しています。 世界をリードするクリプトインテリジェンスプラットフォームとして、Xangleは、毎日の更新からフルスコープの詳細な360度のオンチェーンおよびオフチェーンの概要まで、700以上のプロジェクトを取り扱っています。 また、定期的に業界の洞察レポートを公開しています。 プロジェクトチームと直接協力し、強力なデータ分析インフラを運用することで、信頼できるデータの調達、フィルタリング、検証を行い、独自の価値を提供しています。 Xangle: The Global Crypto Disclosure Platform
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2020/06/17CT AnalysisとBLOCKDATA “2020年5月版 資金調達額ランキングトップ10″を公開
CryptoTimesのリサーチ部門「CT Analysis」とパートナーである「BLOCKDATA」が共同で、「2020年5月版 資金調達ランキングトップ10」を発表しました。 2020年5月は、米国・カリフォルニアを拠点とするブローカーで金融システムの民主化を目指す「Robinhood」社 がシリーズFラウンドにて$280Mln(約300億円)の資金調達に成功ししています。投資家にはセコイアキャピタルなどが名を連ねます。 また、日本国内からもブロックチェーンの研究開発などを行う「LayerX」社がANRIやJAFCO Japan, YJ Capitalより$27.9Mln(30億円)の調達に成功し、業界内の5月の調達額としては第2位に位置しています。 CT Analysisでは、BLOCKDATAとの業務提携を発表しており、CT経由でアクセスしたユーザー向けに、通常の2週間無料トライアルに加えて、さらに1か月間のプラットフォーム利用権をプレゼントしています。 登録完了後は3,000以上のプロジェクトの情報(スタートアップ, コーポレート, 政府)、1,700以上のプロダクト情報、800以上のトークン情報、最新のニュースを含む、すべてのプラットフォーム機能にアクセスが可能です。 上記、「2020年5月資金調達額ランキングトップ10」に関しても、過去の調達動向や企業・プロダクトの詳細・一覧、パートナーシップなどのデータを一目で確認することができます。
インタビュー
2020/05/28「Plasm Networkを通じて、自由で公平で透明な世界の創造へ」- Stake Technologies CEO 渡辺創太 x CTO 山下琢巳
ブロックチェーン同士の相互運用を行うPolkadot、そのエコシステム内において接続可能なチェーンである「Plasm」の開発を行うStake Technologies。 先日、同社がSubstrateを利用して開発されたレイヤー1ブロックチェーン「Plasm Network」が無事メインネットのローンチを完了させました。 また、Plasm Networkで発行されるPLMトークンは、通算3回のロックドロップによりPLMトークンを得ることができます。 第1回目の3月15日から4月13日に実施された1st LockDropでは全世界から16,783ETHが集まり、世界的にもPlasm Networkに対して非常に注目が集まっていることが伺えました。 https://twitter.com/WatanabeSota/status/1249852357547937794?s=20 今回、CRYPTO TIMESではStake TechnologiesのCEO 渡辺創太氏、CTO 山下琢巳氏にインタビューを実施しました。(※コロナ時期だったため、インタビューはZoomを用いて行っています) インタビューでは、プロダクトの裏にある思想やメインネットローンチ後のビジョンなど、創設者である渡辺氏、CTOを務める山下琢巳氏に話を伺いました。 CRYPTO TIMESでは過去に、株式会社電通が運営するWEBメディアGRASSHOPPERと共同で、Stake Technologies渡辺氏へインタビューを実施していますのでこちらもあわせてお読みください。 ブロックチェーンの本質は「国家の最小単位が再定義され互いに経済圏が繋がること」–Staked 渡辺創太 前編 ブロックチェーンを通し「資本主義や民主主義の新しい実験の場」をどう作るか–Staked 渡辺創太 後編 自己紹介とPlasm Networkの紹介 [caption id="attachment_51842" align="aligncenter" width="800"] 左 : CTO 山下氏 右 : CEO 渡辺氏[/caption] -本日はオンラインでのインタビューの機会をありがとうございます。Plasm networkのメインネットも先日無事ローンチということで、おめでとうございます。早速ですが、自己紹介とプロダクトの紹介をお願いします。 山下 : Stake Technologies CTOの山下琢巳です。Stake Technologiesに参画する以前は、経済産業省直轄のIPA法人が開催している未踏というプロジェクトでパブリックブロックチェーンを0から実装していました。 渡辺 : Stake Technologies CEOの渡辺創太です。もともと大学在籍中にシリコンバレーのブロックチェーンスタートアップであるChronicledに就職し、帰国後Stake Technologiesを設立しました。弊社はPlasm Networkというパブリックブロックチェーンを開発するとともに、企業向けにブロックチェーンソリューションを提供しています。本日はこちらのPlasm Networkについてご紹介できればと思います。 Stake Technologiesが提供するPlasm Networkとは? 山下 : Plasm Networkはパブリックチェーンの大きな課題とされる処理性能とインターオペラビリティ(相互運用性)を解決する日本発のパブリックブロックチェーンです。レイヤー1ブロックチェーンを作っているチームはいくつかありますが大きな比較優位は我々がPolkadotエコシステムの中でグローバルを対象にしたパブリックブロックチェーンを作っているということでしょう。 Polkadotとは異なるブロックチェーン同士を相互に接続するソリューションです。Polkadotに接続することでPlasm Networkには嬉しい特徴が2つあります。 1つ目は、高いセキュリティを担保できる点です。PolkadotにParachainとして接続することで、Polkadot自体のセキュリティをPlasm Networkにインポートすることができます。Polkadotのセキュリティを借りることができれば、パブリックチェーンを提供する上では大きな強みとなります。 2つ目は、繋がっている異なるブロックチェーン同士が相互運用性を持つ点です。BTCとETHの交換を考えると、現状はほとんど集権的な取引所を経由する交換しかありません。これはEthereumとBitcoinが異なる基盤だからです。Polkadotの場合、繋がっているチェーン同士を跨ぐトランザクションであっても、集権的なポイントを必要とせずにオンチェーンで完結することができます。 これらの何が嬉しいかというと、“複数のブロックチェーンがそれぞれ役割を持って展開している”という世界観に合致する点です。 また、Plasm Network自体の特性として処理性能を大幅に上昇させるレイヤー2スケーリングソリューションが実装されていることやハードフォークが仕組み上ないことも大きな特徴です。 レイヤー1パブリックチェーンとしてレイヤー2ソリューションを持つ 渡辺:Plasm Networkの特徴を上げると、Plasm Networkは処理性能の向上に特化したブロックチェーンです。 今でもブロックチェーン自体は、世界人口の数%しか利用されていないにもかかわらず、既にレイヤー1のネットワークというのはパンパンになっています。 Ethereum、Bitcoinにしても、今後もっと多くの人が使い、様々なアプリケーションが乗ることを想定すると確実に耐えられません。我々人間はブロックチェーンの使い方を大きく変えなければなりません。 将来的なパブリックチェーンの使われ方は、レイヤー1を”Trusted Layer(信頼担保レイヤー)”として、ある事象が起きた事実を記録し、それをレイヤー2で処理させて、一定期間ごとにレイヤー1に刻むというパターンが一般的になると思っています。 今回、我々が提供するPlasm Networkは、レイヤー2のソリューションを提供するレイヤー1 ブロックチェーンのような形で作っています。 Polkadotのエコシステムの中では、レイヤー2ソリューションとして現状マーケットシェアを大きく取れていると思っているので、ここでレイヤー2に対する注目、Polkadotに対する注目が日本国内からも集まるようになれば、日本からも十分に使っていただけるパブリックチェーンになることができると思っています。 かつ、そのうえで、Plasm NetworkはPLMというトークン発行も行っているので、将来的な日本の取引所への上場のような点も見据えていきたいです。 Plasm Networkに賭ける理由 Stake Technologiesの目標と思想 山下 : 現在のPlasm Networkには目標・思想があります。それは 自由であること フェア(公平)なシステムで成り立っていること そのシステムはすべて透明なアルゴリズムで記述されていること の3点であり、これらを非常に重視して設計されています。ここで特に重要なのは、アルゴリズムが透明であるという点になります。 EthereumのSolidityで記述されるスマートコントラクトもまさに誰もが検証できるという点で”アルゴリズムが透明”であり、スマートコントラクトで記述されているロジック通りでしか動かないことがEthereum上で保証されています。Plasm Networkも同様に、システムについてのロジックは完全に公開しています。 これらをまとめると、「自由で公平で透明な世界。インセンティブ設計によりできる限り悪意のある行動ができないようなプロトコル」を作ることであり、感覚としては国を作るような感覚が近いです。この点でPlasm Networkは新しい仕組みを導入したバーチャルな国家インフラとしてリリースしていくのが理想形であると考えています。 渡辺 : 日本国外では、アメリカ・中国・ベルリン然り、ブロックチェーンのハブとなっている国・都市にはレイヤー1のブロックチェーンが存在しています。 一方で、プロジェクトを開始した2018年末の時点では、日本でもレイヤー1のブロックチェーンはあるけれど、グローバルを視座に入れて本当に皆に使ってもらうとしているパブリックブロックチェーンはありませんでした。 ブロックチェーンは開発がグローバルに進むインフラ技術です。日本から世界で戦うことのできるレイヤー1ブロックチェーンを開発し、提供することが将来的に日本のプレゼンスを上げることにつながると思います。 なぜ今、Polkadotなのか? 渡辺 : ただ、開発をして提供するにしても、どの段階で勝負をかけるかということも大事です。2019年、昨年で独自チェーン作りますっていうのは時代遅れだし、やるのであれば14年、15年からやっていく必要がありました。 そういう意味で、小さいけれど今後確実に伸びるマーケットに乗る形の方が、将来的に自分たちのやりたいことを達成できるのでは、と思いPolkadotというブロックチェーンを選択しました。 PolkadotはEthereumの共同創業者兼CTOであったGavin Wood氏が0から作っているブロックチェーンなのですが、IoTなどユースケースに特化したブロックチェーンや秘匿化などの技術に特化したブロックチェーンといった異なるブロックチェーンを接続することができます。技術が成熟していくにつれて専業化・分業化が起こるだろうと予測しているのも今、Polkadotをやる大きな理由です。 関連記事 : Polkadot(ポルカドット)とSubstrate(サブストレート)の概要と仕組み、取り巻くエコシステムに関して Plasm Networkのソリューション – Plasm Networkはレイヤー1のパブリックチェーンでありながらも、レイヤー2のソリューションを備えているとのことでしたが、これはどういうことか、もう少し詳しくご説明いただけますか レイヤー1とレイヤー2の技術的な解説 山下 : Plasm Network自体はレイヤー1のパブリックチェーンです。そして、先程も話した通り、Polkadotと接続される予定になっています。そのため、Plasm Netwrok自体はレイヤー2のチェーンではありません。これが前提としてあります。 ではなぜレイヤー2を備えているかというと、レイヤー2を構築するためには色々な作業が必要となってきます。レイヤー2を構築するためにはいくつかのパーツが必要なのですが、この一つがOVMと呼ばれるもの、もう一つがPlasmと呼ばれるものであり、これらを実装する必要があります。 例えば、Ethereumベースでレイヤー2のソリューションを作りたいってなったとき、OVM・Plasmaと呼ばれるロジックをスマートコントラクトを使って実装します。 この役割は、「俗にいうレイヤー2と呼ばれる空間で、レイヤー2での処理をレイヤー1に正しく記録するため」の、レイヤー1のロジックが記述されます。 レイヤー2はレイヤー2で別のチェーンが動いているのですが、これはただのDBであったり、トランザクションをブロックに詰め込んで、マークルルートを保存する普通のDBだったりします。 PlasmaやOVMというのは、そういったレイヤー2のDBとレイヤー1のブロックチェーンをつなぎ合わせるためのプロトコルです。プロトコルであるため、当然規格を合わせなければいけません。 この規格が結構難しくて、EthereumだとSolidityで規格そのものをしっかりと作らなければならず、これが結構な労力を要するものになっています。 Plasm Networkにおけるレイヤー2の実装 山下 : Plasm Networkでは、このプロトコルをスマートコントラクトを使わずに、ブロックチェーンの原始的な機能として提供します。 例えば、Ethereum上で、レイヤー2のアプリを作りたいとき、まずレイヤー2側での独立した処理を記述し、次にEthereum側のコントラクトを開発するというフェーズがあります。 Plasm Networkの場合、レイヤー2は同じように開発しますが、その後レイヤー1の部分にPlasm Networkが提供しているエンドポイントが使われます。これにより、同じレイヤー2の処理でもガスコストが劇的に安価になります。 スマートコントラクトを利用したPlasmaの処理というのは、実は並のスマコンの量ではありません。その処理はとてつもない量で、その量のコードがPlasmaのアプリケーション一つ一つに対してアドホックに実装されています。 そのため、一つ一つのアプリケーションを作る難易度が非常に高くなります。その点、Plasm NetworkではDSL(Domain Specific Language)を使ってレイヤー2のロジックをプロトコルとして定義してあげます。 これをPlasmが読み取り可能な形式に直してデプロイしてあげると、プロトコルとして動作するようになります。これは、スマートコントラクトとは別のものとして動作するため、ガスコストを食わないのが特徴です。 渡辺 : 半ば補足になりますが、処理性能を上げるソリューションというのは、主に2タイプ存在します。 一つは、レイヤー1でできることを増やそうというもの。このパターンではブロックサイズの増加やシャーディングなどがソリューションとなります。 もう一つは、レイヤー1でできることを減らそうというもの。つまりレイヤー1でやることを減らして、ここをレイヤー2で代替しようというものになります。 Plasm Networkではこの2つ目の方法を取っています。このレイヤー2技術を使いゲーム・DEX・ブリッジなどが作られていきます。 Polkadotのエコシステムについて - 現状、Polkadotのエコシステムに接続するチェーン(Parachain)の中で、レイヤー2のソリューションを持っているのはPlasm Networkだけなのでしょうか? 渡辺 : 現状では、Polkadotに接続されるであろうチェーンとしてレイヤー2の実装があるのは我々のみになります。Polkadotの良いところは、チェーンがつながれば繋がるほどユースケースが増えていく点にあります。 例えば、秘匿化に特化したチェーン、スケーラビリティに特化したチェーン、ステーブルコインに特化したチェーンがそれぞれ存在する場合、超高速の秘匿化ステーブルコイン決済なども可能となると言われています。 こうなってきた場合に、Plasm Networkは高い処理性能を有するのでユースケースを実現する基盤として機能することが見込まれます。 別の言い方をすると、組み合わせることで生まれた、新たなエコシステムにおけるユースケースをどの基盤で動かすか?という場合に、スケーラビリティを持つPlasm Networkが利用されていきます。 Plasmとして、アプリケーション基盤としての立ち位置の獲得方法 - メインネットのローンチが完了し、今後さらにアプリケーションがチェーン上に実装されてくると思います。現状、Ethereumでは、DeFi系のアプリケーション、TronやEOSなどではギャンブル系のユースケースが存在しています。Plasmはメインネットのローンチ直後で、パブリックチェーンとしては、後発というポジションです。その中で、今後アプリケーションを増やしていく戦略等はありますか? 山下 : Plasm Networkには、DApps Rewardという報酬付与の新たな仕組みを導入しています。 今までのDAppsの開発におけるマネタイズというのは、取引手数料の中から%をとるとか、そういった思想が一般的でした。これらのケースだと、取引時の時価総額自体 がそんなに大きくないパターンだとマネタイズが難しいです。 また、その結果としてギャンブルのアプリケーションなどが有用になってしまう。このような問題があります。Plasm Networkでは、アプリケーションの評価はユーザーが行います。 ユーザーがスマートコントラクトに対してステーキングという動作を行い、その量に応じてアプリケーションの人気度のようなものが計算されて、それに応じてチェーンから報酬が支払われるという仕組みを導入します。 スマートコントラクトの開発者は、チェーンに対して貢献しているとみんなに思われたら、コントラクトの開発者はチェーンからブロック報酬のような形で報酬を獲得することができるようになります。 そのため、DApps開発者は、スマートコントラクトをどのチェーンにデプロイしようかなとなったときにPlasm Networkで開発すると別途、利益を獲得することができますう。 ブロックチェーンは報酬設計を自由にいじれるので、そこの第一ステップとしての実験的な仕組みだと考えています。 その中で、私が考えるユースケースはいくつか有ると思っており、我々がPlasm Networkのユースケースとしてマイクロペイメントなどを実装していきたいと思っています。 このマイクロペイメントのユースケースの例でいうと、ポイントアプリや広告があげられます。我々は最初は広告のアプリケーションをQ4に提供する予定で開発しています。 - 本日はありがとうございました。最後にお二方から今後に関してコメントをいただけますか? 山下 : 今ある世の中に理不尽を感じている人が多数。全体の多数というよりはクリプト、ブロックチェーン界隈の多数であると思っています。 社会の理不尽に対抗する手段がブロックチェーンであり、その性質は解決に対して極めて有効です。 「自由」「公平」「透明」 自由な行動を透明なプロトコルによって制御し、透明な仕組みを構築することで、自分がハッピーになるような行動で皆がハッピーになる世界を作り上げたいです。 我々が、パブリックチェーンのマネタイズを成功させることで、氷河期を迎えていた2018、仮想通貨・ブロックチェーンに対してまだやれるということを示していきたいです。Web3.0の夜明けとなるプロダクトを我々が作っていきたいと思います。 渡辺 : 日本人として、グローバルでの日本のプレゼンスが低いことを危惧しています。そして、これはもっと高めないといけないものであると思います。 やはり、グローバルで国際標準が進むEthereumやPolkadotなど、その他諸々のパブリックチェーンがあって、日本人が技術貢献している、エコシステムの中で重要な立ち位置であり続けなければならないです。 EthereumやPolkadotがデファクトスタンダードになっていく中でまだまだ日本人が少ない、こういった疎外感を切り開いていきたいですね。 取材/編集 = 新井 , 文章 =平田 , 画像提供 = 新しい経済
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2020/05/27Polkadotが初期バージョンのネットワークをローンチ
2020年5月27日、ブロックチェーン同士の接続を意味する相互運用性の課題を解決するプロジェクト「Polkadot」の初期バージョンがローンチされました。 今回の初期バージョン(CC1 - Chain Candidate 1)のローンチではPolkadotの持つべき機能のうちのいくつかが実装されており、完全なバージョンは改善を重ねながら段階的なリリースが予定されています。 [caption id="" align="aligncenter" width="824"] https://polkadot.network/web3-foundation-initiates-launch-polkadot-is-live/[/caption] 現行のPolkadot CC1では、ブロックチェーン上にトークンをロックアップすることで、ネットワークのセキュリティに貢献する仕組みであるステーキング機能が実装されています。 過去に行われたPolkadotのセール参加者は、PolkadotのUIから自身の持つトークンをClaimすることができます。 現段階でのステーキングにおいては、報酬・ペナルティが有効化されておらず、ステーキングに対するインセンティブがない状態ですが、メインネットのローンチ後の"コミュニティ・バリデータ"を目指す場合、このステーキングが必要とされます。 [caption id="attachment_51835" align="aligncenter" width="800"] https://polkascan.io/polkadot-cc1/account/validators[/caption] CC1では、Polkadotの開発を行うWeb3Foundationによりネットワークが維持されるPoA(Proof of Authority)が採用されていますが、段階的にパーミッションレスなNPoS(Nominated Proof of Stake)への移行していきます。 DOTトークンを投票権として、ブロックチェーンのコアとなるパラメータの変更を司るガバナンスシステムに関しても、NPoSの実装後段階的に実装されていくとしています。 CRYPTO TIMESでは、PolkadotとそのフレームワークであるSubstrateに関して詳細に解説しています。 Polkadot(ポルカドット)とSubstrate(サブストレート)の概要と仕組み、取り巻くエコシステムに関して また、2019年に行われたDOT TOKYOでPolkadotプロトコルの立ち上げを行っているWeb3 FoundationのJack氏が語ってくれたPolkadotに関してのインタビューも下記にて公開しています。 【Tokyo DOT DAY】PolkadotはWeb3.0が社会浸透するためのロジカルステップだ – Web3 Foundation Jack Platt氏インタビュー 記事ソース:W3F Initiates Launch: Polkadot is Live