分散型取引所(DEX)とは?特徴やメリット・おすすめ取引所5選を紹介!
   公開日 : 2019/01/25

分散型取引所(DEX)とは?特徴やメリット・おすすめ取引所5選を紹介!

Crypto Times 編集部

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こんにちは、ぼにふぁ(@bonifasan)です。

仮想通貨の取引所には、中央集権型取引所と分散型取引所(DEX)の2種類が存在するのはご存知でしょうか?

近年、分散型取引所(DEX)が従来の中央集権型取引所に代わる次世代の取引所として多くの注目を集めています。

こちらのページでは、分散型取引所(DEX)の特徴や中央集権型取引所との違いなど、わかりやすく解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

DEX(分散型取引所)とは?

DEX(分散型取引所)とは、中央管理者を介さず、ユーザー同士で直接仮想通貨を取引できる取引所のことです。

対して、現在よく使われているCoincheckやbitFlyerなどの中央集権型取引所は、運営者(取引所)がユーザー間の取引を仲介してくれています。

簡単にいうと「仲介取引」の中央集権型取引所に対して「直接取引」のDEXというイメージです。

DEX(分散型取引所)の4つのメリットを紹介!

ここからは、DEX(分散型取引所)の4つのメリットを紹介します。

セキュリティが高い

DEX(分散型取引所)の最大のメリットは、セキュリティが高いという点です。

CoincheckやbitFlyerなどの中央集権型取引所では、ユーザーは秘密鍵の管理を運営者に委ねているため、悪意ある運営者がその気になれば、私たちの資産を盗むことも可能です。

また、大量の顧客の秘密鍵を管理する運営者はハッキング攻撃の格好の獲物であるため、運営者に預けた私たちの資産がハッカーによって盗まれてしまう恐れもあります。

しかし、DEX(分散型取引所)では秘密鍵を自分で管理するため、このような取引所の運営者側の不正行為や取引所のハッキングによるリスクは非常に低いといえます。

参考
これまでに発生したCoincheckやZaifなどの取引所のハッキング事件は、秘密鍵を中央管理者に預けているがゆえに発生したものであり、DEX(分散型取引所)では極めて起こりにくいことです。

本人確認が不要

平成28年の資金決済に関する法律の改正により、仮想通貨取引所の運営には国の認可が必要となりました。

そのため、CoincheckやbitFlyerなどの取引所で取引を始めるためには、まず最初に本人確認書類の提出などをし、数日から数週間かけて登録をしなければなりません。

しかし、DEX(分散型取引所)は本人確認は必要なく、利用者はメールアドレスやウォレットのアドレス等があれば即日取引を始めることができます。

Point
しかし、将来的にはDEX(分散型取引所)においても本人確認が必須になる可能性は否定できません。

Kyber Networkでは既に本人確認が必要になっており、またIDEXでも先日本人確認を導入することが発表されました。

取引所に無駄な手数料を取られない

取引所に無駄な手数料を取られないというのもDEX(分散型取引所)の大きなメリットのひとつです。

集権型では手数料が高い
中央集権型取引所では、ハッカーの攻撃から取引所を守るための優秀な人材や高度なセキュリティシステム等に対するコストがかかります。そのため、取引所はユーザーから多くの手数料をとることで採算を合わせて運営します。

DEX(分散型取引所)は中央管理者がおらず仮想通貨の管理はユーザーがそれぞれ自分で行うため、システムを維持するためにかかるコストが大幅に削減されます。

これにより、中央集権型取引所では払わなければならない多くの手数料が取られなくなるのです。

無駄な手数料を払う必要がなく、安く取引ができるのは、DEX(分散型取引所)の大きなメリットといえるでしょう。

24時間365日取引可能

中央集権型取引所において、メンテナンス等の取引所の都合により仮想通貨や法定通貨の出入金ができなくなることがしばしば起こります。

また、運営のサーバーダウンにより出入金はもちろんのこと、取引さえも行えないという経験もされたことのある方はは多いと思います。

しかし、DEX(分散型取引所)では、分散された多数のノードがシステムを支えており、仮に一部のコンピュータがダウン、取引所自体がダウンすることはありません。

DEX(分散型取引所)のデメリットも確認しよう

DEX(分散型取引所)には多くのメリットがありますが、以下のような課題も存在します。

出来高が少ない

DEX(分散型取引所)の最大のデメリットが、出来高が少ないという点です。

新しく出来た仕組みであるためまだまだユーザーが少なく、取引の流動性がありません。

そのため自分の売りたい価格と相手の買いたい価格が合致しにくく、売買が成立しなかったり成立するのに時間がかかったりしてしまいます。

Point
DEX(分散型取引所)の普及により徐々に解決されうる問題ですが、取引の安定に至るまでにはまだまだ時間がかかりそうなのが現状です。

取引がブロックチェーン上で処理される

中央集権型取引所ではたいてい、取引所内のデータを使い取引を処理しており、取引が逐一ブロックチェーンに書き込まれてるわけではないため、瞬間的な売買成立が可能になっています。

一方でDEX(分散型取引所)では、すべての取引がブロックチェーン上で処理されるため、スケーラビリティ問題などにより送金が遅くなる場合があります。

また、取引がブロックチェーン上で処理されることで、取引所に支払う手数料はないものの、プラットフォームを維持するため手数料等が必要となります。

簡単に言うと…
DEXでは取引がブロックチェーン上に記録されるため…

  • ネットワーク維持手数料がかかる
  • 取引(送金)が遅くなる

現在は取引手数料無料の中央集権型取引所も少なくなく、頻繁に売買をする方からすれば、手数料がかかることは大きなデメリットといえるでしょう。

しかし、取引がブロックチェーン上で処理されることで、売買記録が改ざんできない形で残るという点に関してはメリットということができます。

現在、取引にかかる時間の問題においてはライトニングネットワークなどのオフチェーン技術の活用が言われており、今後新たなDEX(分散型取引所)の在り方が模索されています。

運営のサポートがない

DEX(分散型取引所)には運営者がいないため、サポートが受けられないというのもデメリットのひとつです。

秘密鍵を紛失したり送金先を誤った場合などのサポートは一切なく、すべて自己責任となります。

Point
仮想通貨初心者の方やブロックチェーンの知識がない方は、使うのが難しいかもしれません。

秘密鍵の紛失や誤送金などは、ブロックチェーンの仕組み上、例え中央集権型取引所の場合でもどうしようもありません。

しかしながら、今後DEX(分散型取引所)の利用者を増やすためにも、サポート体制の整備は重要な課題のひとつです。

取引可能なペアが限られる

イーサリアム上のDEX(分散型取引所)では、イーサリアム対イーサリアムトークンのペアなどの「同一チェーン上」の通貨ペアでの取引しかできないのがほとんどです。

これは、異なるブロックチェーン上の仮想通貨同士を交換するには異なるブロックチェーンを繋ぐ必要があるためです。

対して、中央集権型取引所では取引所内のデータで処理するため、異なるブロックチェーン上の仮想通貨同士でも取引することができます。

WBTCについて
現在、KyberNetwork社らによってWBTCという、ビットコインとイーサリアムの架け橋的通貨の発行が計画されています。

DEX(分散型取引所)と中央集権型(国内取引所・海外取引所)の違いも確認!

DEX(分散型取引所)中央集権型取引所
管理者なし取引所
秘密鍵自分で管理取引所が管理
本人確認なし必須(海外は不要のところ有)
取引手数料スケーラビリティ問題の影響で変動一律
出来高少ない多い
基軸通貨DEX上の通貨法定通貨やBTCなど

取引手数料の不安定さや出来高の少なさは、オフチェーン技術の活用やDEX(分散型取引所)の普及により改善されると考えられています。

DEX(分散型取引所)の将来性は?

現在主流である中央集権型取引所は、日本だけでもマウントゴックスやCoincheck、Zaifなどの取引所がハッキング攻撃を受け仮想通貨が不正に流出しました。

顧客の資産を管理し、高度なセキュリティを保たなければならない仮想通貨取引所が、このような被害を受けていることは看過できません。

DEX(分散型取引所)は従来の中央集権型取引所の弱点をいくつも克服しており、今続々と取引所が開設され、利用者も徐々に伸びてきています。

DEXのメリットまとめ
  • 高いセキュリティ(秘密鍵を自己管理できる)
  • 本人確認が不要
  • 取引所に手数料を払う必要がない
  • 24時間365日いつでも取引できる

とはいっても、今日でも中央集権型取引所が主流であるのには変わりはなく、DEX(分散型取引所)には出来高の問題やサポートの問題などいくつもの課題が残っています。

ただ、今後DEX(分散型取引所)にさらに注目が寄せられ、これらの課題が克服できれば、将来仮想通貨取引所の主流になる可能性も大いにあるといえるでしょう。

おすすめ取引所5選を紹介!

ここからはおすすめのDEX(分散型取引所)を5つ紹介します。

イーサリアムのブロックチェーン上に構築されたDEX(分散型取引所)を利用するにはMetamaskというウォレットを作ることが必要です。

Metamaskは、GoogleChromeの拡張機能をインストールすれば簡単に作ることができます。

IDEX(アイデックス)

IDEX(アイデックス)はイーサリアムブロックチェーン上に構築されたDEX(分散型取引所)です。

IDEXは独自のトークンAURAなども発行しており、取引に応じたステーキングなどもあります。

取り扱っている通貨の数も多く、今非常に人気のDEX(分散型取引所)です。

IDEXはこちら

Kyber Network(カイバーネットワーク)

Kyber Network(カイバーネットワーク)は、イーサリアムブロックチェーン上に構築された、仮想通貨を交換するためのDEX(分散型取引所)として機能するプラットフォームです。

Kyber Network(カイバーネットワーク)は決済API機能という、例えばイーサリアム以外の通貨で支払いをしても、自動でイーサリアムに換金してくれる機能を備えています。

そのため、イーサリアムを持っていないユーザーもイーサリアム限定のICOに参加することができるようになるなど、ICOへの参加が非常に便利になるのです。

Kyber Networkはこちら

0x(ゼロエックス)

0xは、イーサリアムのブロックチェーン上にDEXを構築することができるプロトコルです。

0xでは、オフチェーンで注文のやり取りが処理されるため、EtherDelta(イーサデルタ)のように数々の手数料は掛からないのが特徴です。

また、Kyber Network(カイバーネットワーク)と同じく決済API機能が備わっており、人気のDEX(分散型取引所)のひとつとなっています。

0xはこちら

Waves(ウェーブス)

Waves(ウェーブス)は、DEX(分散型取引所)機能が搭載されたウォレットです。

Waves platformのDEX(分散型取引所)は、仮想通貨同士の取引だけでなく、ドルやユーロといった法定通貨に両替もできることが大きな特徴です。

また、DEX(分散型取引所)では珍しく、ビットコインやイーサリアム、ライトコイン、ジーキャッシュなどの主要仮想通貨の出入金にも対応しています。

Wavesはこちら

Openledger(オープンレジャー)

Openledger(オープンレジャー)は、BitSharesブロックチェーン上に構築された世界初のDEX(分散型取引所)です。

BTSブロックチェーン上の通貨だけでなく、ドルや日本円のペッグ通貨であるBitUSDやBitJPY、OpenBTCなども取引することが可能です。

日本語に対応しているため、日本人も安心して使うことができます。

Openledgerはこちら

まとめ

今回は、DEX(分散型取引所)の特徴やメリット、中央集権型取引所との違いなどについて解説しました。

DEX(分散型取引所)は、中央集権型取引所と違いハッキングのリスクが少ない一方で、サポートや出来高の問題など、まだまだデメリットは多く存在します。

しかし、今後仮想通貨が広まっていきDEX(分散型取引所)にも注目が集まるようになれば、これらの問題は改善していくことでしょう。今後の広まりには是非期待したいところです。

ぼにふぁ
以上、ぼにふぁ(@bonifasan)でした。ご覧いただきありがとうございました。
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