2017年5月に仮想通貨への投資を開始。ブロックチェーンや仮想通貨の将来に魅力を感じ、積極的に情報を渋谷で働く仮想通貨好きITリーマンのブログを通じて発信するように。
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2025/11/07ステーブルコインxUSD、72時間で400億円が消えた ー Stream Finance事件が暴く、DeFiの”見えない支配者”Curatorの正体
2025年11月3日、DeFi市場に激震が走った。わずか3日間で、ひとつのステーブルコインが87%下落し、その余波は瞬く間にエコシステム全体へと広がった。 事の発端は、Stream FinanceとそのステーブルコインxUSDの突然の崩壊だった。「外部運用者による損失」という一報とともに出入金が停止され、市場価格は$1.26から$0.16へと急落。直接損失は$93M(約130億円)に達した。 しかし、真の悪夢はここから始まった。 xUSDを担保として受け入れていたMorpho、Euler、Siloなど、DeFi界を代表する複数のレンディングプロトコルで、清算メカニズムが完全に機能停止。推定$285M(約400億円)相当の債務が「凍結」状態に陥り、数万人の貸し手が資金を引き出せていない事態となった。さらに別のステーブルコインUSDXやdeUSDも連鎖的にデペッグし、一部のレンディングプールでは金利が800%を超える異常事態が発生した。 「なぜこれほど多くのプロトコルが、同時に、Depegという同じ過ちを犯したのか?」 その答えは、DeFiの表舞台には決して現れない、しかし莫大な影響力を持つ存在——「Curator(キュレーター)」である。 彼らは上位5社だけでDeFi全体の推定60%の資産配分に影響を与える、事実上の市場支配者だ。しかし、その実態はほとんど知られていない。レンディングプロトコルの中で一部彼らの名前を見かけるものの、「一体何者なのか?」「なぜこれほどの資金を動かせるのか?」「そして今回、なぜ大規模な損失を招いたのか?」——多くの一般投資家にとって、彼らは謎に包まれた存在だった。 Stream Finance事件は、この「見えない支配者」の構造的欠陥を白日の下に晒した。問題の核心は、Curatorが設定・承認した「ハードコード・オラクル」——市場価格が$0.16まで暴落しても、担保価値を$1.00と評価し続ける、一見すると便利だが致命的な時限爆弾——にあった。さらに、彼らの報酬体系そのものに内在する利益相反が、過度なリスクテイクを誘発していた構造も明らかになった。 本記事では、DeFiエコシステムの進化とともに台頭し、今や数千億円規模の資産を管理しながらも、その実態が一般投資家には見えにくい「Curator」の正体に徹底的に迫る。 Triaカードは世界中どこでも決済が可能な仮想通貨クレジットカード(約3000円〜)で、驚愕の最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。さらに、予定されている仮想通貨の無料配布では先行登録者に大きなチャンスも!! 面倒な審査は不要です。現在、期間限定の割引セール中なので是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475) 関連:仮想通貨クレジットカード「Tria」の登録方法・使い方【徹底解説】 TriaのWeb3カードに登録 Curatorの正体:DeFiの新しい支配者たち 信頼不要のはずが、専門家への依存へ DeFi(分散型金融)は「Code is law(ソース・コードが絶対)」「Trustless(信頼できる中央機関を決して置かないというポリシー)」「No Middleman(仲介者不要)」を標榜し、ブロックチェーン上で自律的に機能する金融システムとして登場した。しかし市場が成熟するにつれ、皮肉にも「プロフェッショナル管理者」の必要性が浮上する。 その役割を担うのが「Curator(キュレーター)」である。 Curatorとは、2020年代初頭にMorpho、Eulerなどの主要レンディングプロトコルが採用した、新しい形態の「プロフェッショナル管理者」だ。彼らは経営権を求めず、プロトコルのパラメータ設定、リスク管理、資産配分戦略を専門的に担当する。 【Curatorの主要な役割】 項目 内容 影響範囲 市場・Vault創設 新しい貸借市場や運用プールの設計・立ち上げ プロトコル全体の資産配分 リスクパラメータ設定 LTV(担保率)、金利カーブ、清算閾値の決定 数百億円規模の資金の安全性 オラクル選定 価格情報源の選択と設定 清算メカニズムの機能性 資産リスト管理 担保・借入可能資産の承認/除外 ユーザーの投資選択肢 市場を支配する少数の巨人たち Curator名 推定管理資産 主な特徴 主要プロトコル Gauntlet $5B+(約7,000億円) データ分析・機械学習に強み Aave, Morpho, Compound Steakhouse Financial $3B+(約4,200億円) TradFi出身、財務管理専門 MakerDAO, Morpho, Spark MEV Capital $1B+(約1,400億円) 高リスク・高リターン戦略 Morpho, Euler Re7 Labs $800M+(約1,100億円) クロスチェーン戦略 Morpho, Silo, Radiant 【主要Curator一覧(2025年11月時点)】 DefiLlamaのデータによると、上位5社のCuratorが、DeFi全体のTVL(総預かり資産)の推定60%に影響を与えている。この集中度は、「分散化」を標榜するDeFiの理念とは対照的である。 投資哲学と市場での圧倒的影響力 彼らは、表面的には短期的な利益のみを追求する存在とは異なる、独自の哲学と行動規範を掲げている。 純投資パートナー: 経営権を求めず、プロトコルの成長を支える「パートナー」としての立場 専門知識の提供: 一般ユーザーには困難なリスク分析と最適化を代行 資本効率の最大化: 複雑な戦略を「ワンクリック」でユーザーに提供 透明性の追求: オンチェーン活動による「見える化」 圧倒的な実績: Morpho Vaults市場では、2024年にCurator主導のVaultがTVLシェアの70%超を占める Gauntletは、2023年にAaveのリスクパラメータ最適化により、推定$50M(約50億円)の損失を防いだとして表彰される これまでにCurator全体で、63社以上のプロトコルに関与し、数千件のパラメータ変更提案を実施 つまりCuratorとは、突如現れた謎の存在ではなく、DeFiの成長とともに台頭し、今やエコシステムの中枢神経として機能する、したたかなプロフェッショナル集団なのです。 ビジネスモデルの光と影:なぜ彼らは選ばれるのか 提供価値:複雑性の民主化 Curatorが急速に支持を集めた理由は明確である。彼らは以下の価値を提供する: 【ユーザーにとってのメリット】 専門知識へのアクセス 複雑なリスク分析を「ワンクリック」で利用可能 最適化された利回り戦略への即座の参加 個人では不可能な分散投資の実現 時間と労力の節約 24/7のモニタリングを専門家に委任 パラメータ調整の継続的な最適化 市場変動への迅速な対応 規模の経済 大規模資金ならではの優遇条件 プロトコル横断的なポートフォリオ 機関投資家レベルの戦略へのアクセス 収益モデル:非対称なインセンティブ構造 しかし、Curatorのビジネスモデルには構造的な問題が潜んでいる。 【標準的な報酬体系(Morpho V2準拠)】 パフォーマンスフィー: 運用益の 5〜50%(平均20%) 管理手数料: TVLの年率 0〜5%(平均2%) 損失時のペナルティ: 基本的になし 具体例で見る利益相反: シナリオA(成功時): ユーザー資産 $100M → $120M(+20%) → Curator収益 = $4M(利益$20Mの20%)+ 管理手数料 シナリオB(失敗時): ユーザー資産 $100M → $50M(-50%) → Curator損失 = 評判のダメージのみ(金銭的ペナルティなし) [caption id="attachment_147264" align="aligncenter" width="730"] Morpho MEV Capital提供のVaultはPerformance Feeが10%に[/caption] この構造は、「元本はユーザー、利益は分配、損失もユーザー」という非対称性を生み出す。 これは必然的に、Curatorは以下のインセンティブを持つ: 高リスク・高リターン戦略への傾倒 短期的な利回り最大化の優先 潜在的リスクの過小評価 透明性よりも成果の誇示 Stream Finance事件の全貌:$285M凍結までの3日間 今回、Stream Financeが発行するxUSDは下記のようなタイムラインで事が進んでいった。 タイムライン:崩壊の72時間 日時(UTC) イベント 市場への影響 10月下旬 Balancer v2プールへのハッキング攻撃 DeFi市場全体に不安が拡散 11月3日 午前 Stream Financeの運用に関する疑惑がSNSで拡散 小規模な資金流出が始まる 11月3日 午後 公式発表:外部運用者による$93M損失、出入金停止 xUSD価格 $1.26 → $0.80に急落 11月4日 早朝 xUSDが$0.30を割り込む パニック売りが加速 11月4日 午後 最安値$0.16を記録、Morpho/Euler/Siloで借入利用率100%に 推定$285M債務が凍結状態に 11月5日 USDX(関連ステーブルコイン)も連鎖デペグ開始 $1.00 → $0.60へ下落 11月6日 Lista DAOがUSDX担保の緊急清算実施、sUSDXプール金利が800%超に DeFi市場で流動性危機 根本原因1:再帰的ループによる人為的TVL膨張 Now that people seem to be paying attention to what's actually behind the yield coin meta, few more fun facts for you. The Stream xUSD wallet holds 60% of the outstanding xUSD all of which is levered up. While the comingling of funds between their products make it impossible to… https://t.co/0LyqewXJRc pic.twitter.com/4ddkIOLjKG — Schlag (@Schlagonia) October 27, 2025 オンチェーン分析(0xSchlag氏の調査)により、驚愕の事実が明らかになった: 【再帰的ループの構造】 Step 1: Stream FinanceがxUSDをミント ↓ Step 2: ElixirプロトコルでxUSDを担保に資金を借入 ↓ Step 3: 借入資金でさらにxUSDをミント ↓ Step 4: そのxUSDを再びElixirで担保に(ループ) 驚くべき数字: 実質的な自己資金:$1.9M(約2.7億円) 生成されたxUSD:$14.5M(約20億円) レバレッジ倍率:約7.6倍 この構造は一見すると資本効率が良く見えるが、実際にはわずかな市場変動で連鎖的に崩壊する極めて脆弱なシステムである。 根本原因2:Curatorの過度なリスクテイク 複数のCuratorがxUSD市場に顧客資金を大量投入した背景には、明確なインセンティブが存在した: xUSD市場の提供APY:20〜30%(市場平均の2〜3倍) 高APY → TVL急増 → 管理手数料とパフォーマンスフィーの増加 リスク警告は複数のアナリストから出ていたが、競合に顧客を奪われる恐怖から無視 根本原因3:ハードコード・オラクルによる清算機能の麻痺 Stream Finance事件で決定的な役割を果たしたのが、MorphoやEulerのCuratorが設定した「ハードコード・オラクル」である。 【通常のオラクル vs ハードコード・オラクル】 項目 通常のオラクル ハードコード・オラクル 価格ソース リアルタイム市場価格 事前設定の固定値 更新頻度 数秒〜数分ごと 手動更新または更新なし xUSD $0.16時の評価 $0.16(実勢) $1.00(固定)⚠️ 清算発動 即座に発動 発動せず ⚠️ リスク 価格操作リスク 隠れた不良債権リスク 【Curatorの論理(事後的な推測)】 MorphoやEulerのCuratorがハードコード・オラクルを採用した背景には、以下の判断があったと考えられる: xUSDは「実績のある」ステーブルコインである(過去の小規模デペッグからの回復実績) 短期的な価格変動による清算は、ユーザー体験を悪化させる $1.00固定評価により、市場の「一時的パニック」を吸収できる 競合プロトコルも同様の設定を採用していた(同調圧力) しかし、「真のデペッグ」と「一時的パニック」の区別は事実上不可能であり、この判断は致命的な誤りだった。 平時の「利点」: 短期的な価格変動による不必要な清算を防止 ステーブルコインの「安定」を演出 ユーザー体験の向上(清算頻度の低下) 危機時の「悪夢」: 真のデペッグ時に清算が機能しない 不良債権が水面下で蓄積 最終的に貸し手が全損失を負担 波及効果:$285Mの債務凍結 Stream Finance事件では、xUSDが$0.16まで暴落したにもかかわらず、MorphoやEuler上では「$1.00の担保」として扱われ続けた。その結果、$285Mの債務が「清算不可能」な状態で凍結された。 この仕組みは、透明性と即応性を犠牲にして短期的な安定を優先する設計であり、真の危機においては市場メカニズムを機能不全に陥らせる時限爆弾となった。 xUSD崩壊の直接的影響は、以下のプロトコルに波及している: プロトコル 凍結債務額(推定) 主な問題 Morpho $150M+ 複数VaultでxUSD担保ポジションが清算不能に Euler $80M+ Vault Kitを使用した市場が機能停止 Silo $40M+ 孤立市場の特性が裏目、流動性完全枯渇 その他 $15M+ Radiant Capital等の小規模プロトコル さらに、USDXやdeUSD(ともに別の合成ステーブルコイン)も連鎖的にデペッグし、sUSDXレンディングプールの金利が800%に達するなど、市場全体が流動性危機に陥った。 Triaカードは世界中どこでも決済が可能な仮想通貨クレジットカード(約3000円〜)で、驚愕の最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。さらに、予定されている仮想通貨の無料配布では先行登録者に大きなチャンスも!! 面倒な審査は不要です。現在、期間限定の割引セール中なので是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475) 関連:仮想通貨クレジットカード「Tria」の登録方法・使い方【徹底解説】 TriaのWeb3カードに登録 次なる危機?Ethena/USDeへの波及リスク なぜUSDeが注目されるのか [caption id="attachment_147266" align="aligncenter" width="780"] USDe TVL推移(DeFiLlamaより)[/caption] Stream Finance事件を受け、市場の関心は別の高利回りステーブルコインUSDe(Ethena Labs発行)に向かっている。理由は明確だ: 高い利回り: 15〜30% APYを提供(時期により変動) 急速な成長: 2024年のピーク時にTVL $14.9B(約2.1兆円) レンディング市場での利用: Morpho、Euler、Siloなどに約$500M(約700億円)が流入 しかし急激な縮小: 2025年11月時点でTVLは$9.1B(-39%)まで減少 ⚠️ 重要な事実 現時点(2025年11月6日)において、Ethena Labs の USDe/sUSDe は直接的な Stream Finance 損失や xUSD デペグの影響を受けていない。 しかし、Morpho・Euler・Silo など Curator が管理する貸借市場に約$500M(TVL比3〜5%)が流入しているとされており、間接的な波及経路が存在しうる。 xUSDとUSDeの構造的差異 両者のメカニズムは根本的に異なる: 要素 xUSD(Stream Finance) USDe(Ethena Labs) 担保構造 不透明(再帰的ループで膨張) 明確(ETH/BTCの現物) 収益源 不明瞭な「外部運用」 ファンディングレート(数学的に明確) レバレッジ 7.6倍+ (事実値) 実質1倍(デルタニュートラル) 透明性 極めて低い 高い(リアルタイムダッシュボード、PoR公開) リスク管理 Curator依存 独立したRisk Committee 過剰担保率 不明 1.04倍(2025年11月時点) 【USDeの基本メカニズム:デルタニュートラル戦略】 [caption id="attachment_147267" align="aligncenter" width="724"] USDe のメカニズム(Whitepaperより)[/caption] Step 1: ユーザーがETHを預ける(例:$100M) ↓ Step 2: Ethenaが同額のショートポジションをBinance、OKX、 Deribitなど複数のCEXで建てる(例:$100M分) ↓ 結果: ETH価格変動の影響がキャンセル(ニュートラル) + ファンディングレートで収益獲得 + 取引所破綻リスクを分散 この戦略は数学的に健全で、xUSDのような「ブラックボックス」とは一線を画す。 USDeの実績:2025年10月の試練 USDeの堅牢性は、実際のストレステストで証明されている: 【2025年10月10日の市場暴落】 状況: 暗号市場全体が急落、Binanceのみで一時的にUSDeが$0.65まで下落 償還規模: 24時間で$2B(約2,800億円)の償還が発生 結果: Ethenaは全ての償還を滞りなく処理、USDe価格は速やかに回復 最大デペッグ: Binanceでのみ0.35%の乖離が起きたが、CurveなどではDepegは怒らなかった。 この実績は、USDeの基本メカニズムが短期的なストレスに対して高い耐性を持つことを示している。 3つの波及経路とそのリスク しかし、Stream Finance事件からUSDeへの波及リスクはゼロではない。主に以下の3つの経路が存在する: 波及チャネル メカニズム 現状規模 想定インパクト ① 間接担保リスク CuratorがxUSD等を担保にUSDeを借入→xUSDデペグで清算&USDe売却 Morpho/Euler/Siloの USDe建玉 約$500M 清算同時発生で一時的に USDe市場売り圧 ② ループ解消リスク USDe→貸付→再購入→再預入(4-5倍)のレバ戦略をCuratorが一括巻き戻し 推定$200M規模 ヘッジ解消コスト上昇、 ペッグ乖離拡大の可能性 ③ 信用不安波及 「Curator=ブラックボックス」批判高まり→USDe保有者が償還へ 10月実績:24時間で $2B償還を処理 短期的には処理能力あり、 持続すればヘッジ原資確保が課題 USDeの現状分析 【TVL推移(2025年10月〜11月)】 指標 2025年10月1日 2025年11月6日 変化率 Ethena TVL $14.88B $9.12B -38.7% USDe供給量 $9B $6B -33% Curator管理市場への流入 $620M $500M -19% 過剰担保率 1.08倍 1.04倍 バッファ縮小 重要なポイント: TVLの大半は自家準備金であり、Curator管理市場はごく一部(約5%) 10月に$2B償還を処理した実績があり、短期的な清算耐性は確認済み ただし過剰担保バッファが1.04倍へ縮小。持続的な大量償還が続けばヘッジ費用が跳ね上がる可能性 TVL縮小により市場流動性が薄化、Curatorの売却が価格に与える影響が拡大 リスクシナリオと確率評価 シナリオ 発生確率 影響度 触媒 A. Curatorが不適切担保を承認し複数Vault同時デフォルト 中 中 追加デペグ案件(新興合成ドル等) B. レバレッジループ解消でUSDe売り圧>償還能力 低 中 BTC急落+ファンディングレートスパイク C. 政策・規制がCuratorに登録義務を課し流動性低下 中 低 米SECのファンド告発 D. 情報不透明批判でユーザー償還連鎖、ペッグ崩壊 低 高 PoR更新停止・大型ハッキング Ethenaの対応策:波及リスクの緩和に向けて Stream Finance事件を受け、Ethenaおよび関連プロトコルは以下の対策を進めている: 【実施中・予定の緩和策】 Curator審査強化 Morpho/EulerがProof-of-Due-Diligence提出を義務化予定 担保承認プロセスの透明化 動的LTV & ループ上限 Curator VaultのLTVをオラクル・ボラティリティ連動型へ Stream事故を受け議論進行中 Ethena自身のPoR拡充 11月5日公開のダッシュボードで取引所別オラクルと担保可用性をリアルタイム表示 透明性の更なる向上 清算インフラ多元化 Bybit以外にOKX・Deribit先物をヘッジ先として追加 ファンディングレート変動リスクを分散 取引所破綻リスクの軽減 総合評価:波及リスクの現実的評価 結論 時間軸 リスク評価 根拠 短期 (1-3ヶ月) 低 10月に$2B償還を処理した実績 Curator経由の流入はTVLの5%のみ 基本メカニズムは数学的に健全 中期 (3-12ヶ月) 中 TVL縮小で流動性薄化 過剰担保バッファ1.04倍へ縮小 Curatorの不透明性が残存 長期 (1年以上) 中 Curator依存の構造的課題 規制強化の可能性 持続的なTVL縮小トレンド 重要な認識: USDeの基本設計はxUSDより遥かに堅牢 しかしDeFiエコシステムへの統合そのものが新たなリスクベクトルを生み出している Curatorが介在するレンディング市場での利用拡大は、設計段階では想定されていなかった「外部性リスク」 波及リスクは「ゼロではないが、管理可能な範囲」というのが現実的な評価 歴史的教訓:Terra/UST、USDC危機との比較 今回のStream Financeから起きたxUSDおよびUSDX、deUSDのデペグ問題を、過去に発生した大規模なステーブルコイン危機と比較することで、DeFi市場が直面するリスクの本質的な変化を浮き彫りにする。 比較対象は、Terra/USTの完全崩壊(2022年5月)とSVB破綻によるUSDCデペッグ(2023年3月)である。これら三つの事件は、それぞれ異なる原因で発生したが、いずれも市場に深刻な影響を与え、ステーブルコインの信頼性に対する根本的な問いを投げかけた。 三大ステーブルコイン危機の構造比較 要素 Terra/UST (2022年5月) USDC/SVB (2023年3月) Stream/xUSD (2025年11月) タイプ アルゴリズミック フィアット担保 暗号資産担保(合成) 根本原因 Death Spiral設計 銀行破綻(外部) Curator依存+オラクル欠陥 最大デペッグ 100%($0.00) 13%($0.87) 87%($0.16) 損失規模 $60B蒸発 一時的、完全回復 直接$93M、波及$285M 回復 不可能 2-3日で完全回復 部分的、調査中 透明性 低 高 極めて低い 波及範囲 暗号市場全体 ステーブルコイン限定 DeFiレンディング Terra/UST:アルゴリズムの崩壊 【メカニズムの致命的欠陥】 Terra/USTは、担保を持たない「アルゴリズミック・ステーブルコイン」として設計された。その価値維持メカニズムは、姉妹トークンLUNAとの交換レートに完全に依存していた: 【Death Spiralの構造】 1. USTへの信頼低下 → 売り圧力 ↓ 2. $1維持のためLUNAを増発して買い支え ↓ 3. LUNA供給増加 → LUNA価格下落 ↓ 4. LUNA下落 → USTへの信頼さらに低下 ↓ 5. Step 1に戻る(無限ループ) 崩壊のトリガー: Anchor Protocolの20% APYが持続不可能と判明 LFG(Luna Foundation Guard)の$1.5Bビットコイン売却も効果なし 市場パニックが加速し、数日で両トークンが事実上ゼロに 暗号市場全体で$400B以上の時価総額が蒸発 特徴:自己完結型の失敗 Terra/USTの崩壊は、外部要因ではなく、設計そのものの欠陥によるものだった。担保を持たず、純粋に市場の信頼にのみ依存するシステムは、一度信頼が揺らぐと止めようのない連鎖反応を引き起こす。これは「数学的には美しいが、心理学的には脆弱」なモデルの限界を示した。 また、Do Kwon氏率いるTerraform Labsの傲慢な姿勢や、批判者への攻撃的な対応も、コミュニティの信頼を失わせる要因となった。透明性の欠如と説明責任の放棄は、技術的欠陥と同じくらい致命的だった。 USDC:伝統金融リスクの侵入 【突然の信頼喪失】 USDCは、米ドル準備金で完全に担保された「フィアット担保型ステーブルコイン」として、最も信頼性の高い選択肢の一つとされていた。しかし2023年3月、伝統的金融システムの脆弱性が、暗号資産市場に侵入した。 事件の経緯: 2023年3月9日: Silvergate Bank、Signature Bankが経営破綻 3月10日: Silicon Valley Bank(SVB)が破綻 3月11日早朝: Circle社が準備金$3.3B(約4,600億円)がSVBに預けられていたことを公表 同日午後: 市場パニック、USDC価格が$0.87まで下落 3月13日: 米政府(FDIC)が全預金者保護を発表 3月14日: USDCが$1.00に完全回復 特徴:オフチェーンリスク USDCの一時的デペッグは、DeFiプロトコルの問題ではなく、伝統的金融システムの問題だった。しかし、この事件は重要な教訓を残した: カストディアンの分散が不可欠: 準備金を単一の銀行に集中させることの危険性 透明性が信頼回復の鍵: Circle社の迅速な情報開示が、より深刻な事態を防いだ 政府保証の威力: FDIC保証が決定的な役割を果たし、わずか2-3日で完全回復 「リスクフリー」は幻想: 最も安全とされるステーブルコインでさえ、外部リスクから完全には自由ではない 興味深いことに、この事件はUSDCの長期的な信頼性を高める結果となった。Circle社の対応の速さと透明性、そして米政府の保護が機能したことで、「危機に耐えられるステーブルコイン」としての評価を得たのである。 Stream/xUSD:第3世代リスクの顕在化 【新しいタイプのシステミックリスク】 Stream Finance事件が示したのは、以下の特徴を持つ「第3世代リスク」である: 世代 リスクの性質 代表例 第1世代 プロトコル設計の失敗 Terra/UST 第2世代 外部依存先の失敗 USDC/SVB 第3世代 エコシステム内部アクターの失敗 Stream Finance/xUSD 第3世代リスクの4つの特徴: 内部アクターの暴走: プロトコル設計(第1世代)でも外部依存(第2世代)でもなく、エコシステム内部のアクター(Curator)が引き起こした 相互依存による連鎖: 単一プロトコルの問題が、相互依存性により複数プロトコルに瞬時に連鎖 ガバナンス欠如: Curatorを監視・制御する仕組みが不在で、単一障害点が形成されていた 透明性の幻想: オンチェーンで全てが見えるはずなのに、実際の意思決定プロセスは完全にブラックボックス これは、DeFiが新しいフェーズに入ったことを意味する。もはや「プロトコルを正しく設計すれば安全」ではなく、「エコシステム全体の健全性」が問われる時代になったのだ。 個々のスマートコントラクトが完璧に動作していても、それを管理・運用する人間やアルゴリズムが不適切であれば、システム全体が崩壊する。これは、DeFiが「コードの信頼性」から「ガバナンスの信頼性」へと課題が移行したことを示している。 三つの危機の比較分析:類似点と相違点 【類似点:全てに共通する「信頼の崩壊」】 三つの事件すべてにおいて、「透明性の欠如」と「信頼の急速な喪失」が決定的な役割を果たした: Terra/UST: アルゴリズムへの盲目的信頼 → 設計欠陥の露呈で瞬時に崩壊 USDC: 銀行システムへの信頼 → 準備金凍結の判明で一時的動揺 xUSD: Curatorと運用への信頼 → ブラックボックスの崩壊で市場離脱 いずれのケースでも、「見えないリスク」が突然顕在化し、市場参加者が一斉に出口に殺到する「バンクラン」が発生した。ステーブルコインの価値維持は、最終的には「信頼」という無形の資産に依存しており、それが失われた瞬間、あらゆる技術的メカニズムは無力化する。 【重要な相違点】 観点 Terra/UST USDC xUSD 回復可能性 不可能(設計の根本的欠陥) 完全回復(政府保証) 部分回復の可能性(法的手続き) 失敗の所在 プロトコル設計そのもの 外部依存先(銀行) 中間管理者(Curator) 影響範囲 暗号市場全体($400B+) 限定的、短期 DeFiレンディング($285M波及) 救済の可能性 なし 政府介入により可能 コミュニティ/法的措置により部分的に可能 予防可能性 理論的には可能(別の設計) 可能(カストディ分散) 可能(Curator監視体制) 共通する教訓 三つの事件から導かれる普遍的な教訓: 💡 5つの不変の真理 透明性は信頼の基盤 ブラックボックスは危機時に致命的 情報開示の速さと正確さが回復速度を決定する 「見えないリスク」は必ず最悪のタイミングで顕在化する 単一障害点の排除 集中は必ず裏切られる 分散は効率を犠牲にするが、レジリエンスを高める 「大きすぎて潰せない」は暗号資産市場では通用しない インセンティブ設計の重要性 利益相反がモラルハザードを生む 短期的利益の追求が長期的崩壊を招く 「利益は自分、損失は他人」の構造は必ず破綻する ストレステストの限界 平時に機能するシステムが危機時に崩壊 想定外は必ず発生する 真のストレスは予測不可能なタイミングで訪れる 市場の記憶は短い 同じ過ちが形を変えて繰り返される 新しい「革新的」メカニズムが古い問題を再生産 歴史から学ばない者は、歴史を繰り返す運命にある そして、教訓は活かされるのか? 皮肉な真実 Terra/USTの崩壊からわずか3年。USDC危機から2年半。そしてStream Finance事件が発生した。 形は変わっても、根本的な問題——透明性の欠如、集中リスク、利益相反、過度な信頼——は何も変わっていない。 市場は成長した。プロトコルは高度化した。しかし、人間の本質——貪欲、恐怖、集団心理——は不変である。 次の危機は、また違う形で訪れるだろう。そして我々は、再び同じ教訓を学ぶことになるのかもしれない。 Triaカードは世界中どこでも決済が可能な仮想通貨クレジットカード(約3000円〜)で、驚愕の最大6%が仮想通貨でキャッシュバックされます。さらに、予定されている仮想通貨の無料配布では先行登録者に大きなチャンスも!! 面倒な審査は不要です。現在、期間限定の割引セール中なので是非この機会に登録しておきましょう。(登録に必要なアクセスコード:MWVJXJ6475) 関連:仮想通貨クレジットカード「Tria」の登録方法・使い方【徹底解説】 TriaのWeb3カードに登録 まとめ:分散化の理想と集中化の現実 我々はどこにいるのか Stream Finance/xUSD事件は、DeFiが「青年期」から「成人期」への過渡期にあることを明確に示している。 青年期(2020-2024)は、無制限の実験と成長の時代だった。失敗は許容され、理想主義的なビジョンが市場を牽引した。「Code is Law」——コードこそが法であり、人間の介入を排除すれば完璧なシステムが実現できるという信念が支配的だった。プロトコルは次々と革新的な機能を追加し、TVLは指数関数的に成長し、DeFiは「金融の未来」として輝いて見えた。 しかし成人期(2025-)に入った今、市場は異なる現実に直面している。持続可能な成長が求められ、責任とアカウンタビリティが問われる。現実的な制約——規制、リスク管理、ユーザー保護——を認識しなければならない。そして何より、「信頼」の再定義が必要になっている。 Curatorの台頭は、まさにこの移行を象徴している。彼らは「分散化の理想」と「効率性の現実」の狭間で生まれた、必然的な存在である。完全に分散化されたシステムは理想的だが、一般ユーザーにとっては複雑すぎて近づきがたい。専門家による管理は効率的だが、集中リスクを生み出す。DeFiは、この矛盾と向き合わなければならない段階に入ったのだ。 Curatorは敵か、味方か この問いへの答えは単純ではない。Curatorは「どちらでもある」——それが現実である。 味方としての側面を見れば、Curatorは間違いなくDeFiの発展に貢献している。複雑なリスク分析を代行し、一般ユーザーが高度な戦略にアクセスできるようにした。専門知識によってプロトコルの安全性を向上させ、適切なパラメータ設定を通じて数多くの潜在的損失を未然に防いできた。イノベーションを加速させ、新しい金融商品を次々と市場に投入し、DeFiエコシステム全体の拡大に寄与している。彼らがいなければ、多くのプロトコルは適切なリスク管理ができず、多くのユーザーは複雑すぎて参加できなかっただろう。 しかし敵としての側面も同時に存在する。上位5社が市場の60%に影響を与えるという集中度は、システミックリスクの震源地を形成している。Stream Finance事件が示したように、彼らの判断ミスや過度なリスクテイクは、一瞬にして数百億円規模の損失を引き起こす。「利益は分配、損失はユーザー」という非対称なインセンティブ構造は、モラルハザードを必然的に生み出す。そして、透明性を標榜するDeFiにおいて、Curatorの意思決定プロセスは依然として不透明なブラックボックスのままだ。新たな情報非対称性を生み出し、一般ユーザーと専門家の間の格差を広げている。 この二面性こそが、Curatorという存在の本質である。彼らは天使でも悪魔でもない——ただの人間であり、人間が設計したシステムであり、人間の欲望と恐怖、知恵と愚かさを併せ持つ存在なのだ。 最終的な洞察 Stream Finance事件が我々に教えるのは、「Curatorを排除すること」ではない。それは現実的でもなければ、望ましくもない。むしろ、「Curatorをどう適切に機能させるか」——これこそが、DeFiが次のステージへ進むための中心的な課題である。 第一の認識:分散化は手段であって目的ではない。 我々が本当に目指すべきは、分散化それ自体ではなく、公平で透明で持続可能な金融システムの構築だ。 もし適切に設計され、監視され、制約された「仲介者」がそのゴールに貢献するなら、それを認めることに躊躇する理由はない。 重要なのは、その仲介者が誰のために、何のために存在するのかを明確にすることだ。Curatorは、自らの利益のためではなく、エコシステム全体の健全性のために機能しなければならない。 第二の認識:完璧な解はない。 あらゆるシステムにはトレードオフが存在する。分散化を追求すれば効率性を失い、効率性を追求すれば集中リスクを生む。透明性を高めればプライバシーが損なわれ、プライバシーを守れば説明責任が曖昧になる。 完璧なバランスを見つけることは不可能だ。しかし、リスクを理解し、継続的に管理し、必要に応じて調整することは可能である。DeFiの成熟とは、この不完全性を受け入れ、それでもなお前進し続けることを意味する。 第三の認識:進化は続く。 DeFiは完成品ではない。それは常に進化の途上にあり、失敗から学び、改善を重ねるプロセスそのものだ。 Terra/USTの崩壊、USDC危機、そしてStream Finance事件——これらは終わりではなく、次の段階への踏み台である。 痛みを伴う教訓だが、それを無駄にしなければ、より強靭なシステムを構築できる。歴史は、金融システムが常に危機と改革を繰り返しながら進化してきたことを示している。DeFiも例外ではない。 投資家として銘記すべきこと Curatorが関わるプロトコルに資金を預けるということは、単に「高い利回りを得る」ことではない。それは、専門家の知見を活用する利点を享受すると同時に、彼らのインセンティブ構造を理解する責任を負うことを意味する。Curatorがいつ、どのように、なぜ出口戦略(利益確定や損切り)を実行するかを常に意識し、その影響を予測しなければならない。 そして何より重要なのは、最終的な責任は自分にあることを忘れないということだ。Curatorは助言者であり、管理者であるかもしれないが、あなたの資産の所有者ではない。判断を委ねることと、責任を放棄することは異なる。DYOR(Do Your Own Research)という原則は、Curator時代においてもなお、いや、Curator時代だからこそ、より一層重要になっている。 高い利回りの裏には必ずリスクがある。透明性が高いと主張されるシステムにも、見えないリスクが潜んでいる。「専門家が管理しているから安全」という思い込みは、しばしば最も危険な錯覚である。Stream Finance事件は、この真理を数百億円という代償とともに思い出させてくれた。 DeFiの未来へ Stream Finance事件は、確かに痛烈な教訓だった。しかしそれは同時に、エコシステムが成熟するための必要な通過儀礼でもある。DeFiはまた今回の失敗を通じて成長する。 重要なのは、この失敗を無駄にしないことだ。透明性の向上——Curatorの意思決定プロセス、リスク評価モデル、報酬構造の完全な開示。インセンティブの再設計——損失時のペナルティ導入、長期的成果への報酬シフト、ステークによる「skin in the game」の確保。規制との建設的対話——過度な規制でもなく完全な無規制でもない、適応的で柔軟なガバナンス・フレームワークの構築。これらを通じて、DeFiは次のステージへと進化できる。 Curatorという存在は、その進化の最前線にいる。彼らが「分散化の守護者」となるか「システミックリスクの震源地」となるかは、Curator自身の選択、プロトコルの監視体制、規制当局の対応、そして我々投資家の行動——これら全ての相互作用によって決まる。 参考文献・データソース 主要情報源 The Block - "Analysts map $285M in potential exposure across DeFi after Stream Finance's $93M loss" (2025年11月4日) PANews - "Stream Finance事件分析:Curatorの役割と責任" (2025年11月6日) The Defiant - "How Stream Finance's Collapse Exposed DeFi's Looping Yield Bubble" (2025年11月6日) DefiLlama - プロトコルTVLデータ、Curator統計 Morpho Documentation - Vault Creation and Curator Roles Ethena Documentation - USDe Mechanism and Risk Management オンチェーン分析 0xSchlag (@0xSchlag) - X投稿による再帰的ループ分析 Nansen - スマートマネーフロー分析 Dune Analytics - カスタムダッシュボード 歴史的事例 BlockApps - "What Caused the Depeg of TerraUSD" (2024年12月) CoinMarketCap - "SVB Fallout and USDC De-Peg" (2023年3月) 免責事項 ・本記事は教育・情報提供を目的としており、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。DeFiプロトコルの利用にはスマートコントラクトリスク、清算リスク、オラクルリスク、Curatorリスク、その他様々なリスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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2025/08/22SBIとスターテイル、トークン化株式取引の新基盤開発における合弁会社を設立
SBIホールディングスとブロックチェーン開発企業のStartale Group(スターテイル)は8月22日、トークン化された株式や現実資産(RWA)を取引できる新たなブロックチェーン基盤を共同開発するため、戦略的合弁会社を設立すると発表しました。世界的に広がるトークン化資産市場の成長を見据え、24時間365日取引可能な次世代金融インフラの構築を目指すとしています。 2800兆円市場への参入を狙う 両社の提携は、米ロビンフッドやクラーケン、バイビットなど主要暗号資産取引所が相次いでトークン化株式の取扱いを開始する中で実現しました。トークン化資産市場は2033年までに18.9兆米ドル(約2800兆円)に達すると予測されており、この巨大市場に向けて機関投資家向けの取引基盤を世界規模で提供していく方針です。 共同事業では、段階的な資金投入により商用化に向けた開発を加速させる計画で、日本株や米国株をトークン化し、時間制限なくほぼ即時に取引できる仕組みの構築を進めるとしています。 新たな金融構造の実現へ スターテイル創業者の渡辺創太氏は「金融取引が紙からオンラインに移行したように、次はオンライン取引がオンチェーン取引になることは決定した未来」と述べ、トークン化株式の登場を「今後数年の最大の機会」と位置付けました。従来の株式が持つ信頼性と分散型金融の柔軟性を組み合わせた、全く新しい金融構造を築く取り組みだと説明しています。 新プラットフォームでは、24時間365日稼働する取引システムのほか、国際間決済のほぼ即時化、高額株式の分割所有による個人投資家への機会提供、トークン化株式とDeFiを組み合わせた新商品開発などの機能提供を目指すとしています。 既存金融とDeFiの融合加速 SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役会長兼社長兼CEOは「トークン化されたRWAは24時間リアルタイム決済を可能にし、かつてない流動性と資本効率を実現するため、既存金融とDeFiとの融合は今後加速する」とコメントしました。将来的には「取引所を含む資本市場そのもののデジタル化までもが具現化する」との見通しを示しています。 両社は、アジア地域の実情に合わせた高水準の安全性と法令順守の枠組みを備えながら、世界中から利用可能な「真の意味での24時間365日使える国際金融基盤」の実現を目指すとしています。 近い将来にパブリックテスト開始へ 新プラットフォームは、一般利用者向けの使いやすい口座管理機能、機関投資家向けの資産保管サービス、日本および国際的な法規制に対応するリアルタイム監視体制などを備える予定です。スターテイルの技術力とSBIグループの金融エコシステムを組み合わせることで、これらの実現を図るとしています。 本事業提携では2つの目的に特化した合弁会社を設立し、明確な役割分担のもとで運営される計画です。プロジェクトは近い将来にパブリックテストを開始する予定で、開発進捗やローンチスケジュールは、マイルストーンの達成度に応じて順次発表される見込みです。

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2025/06/23米GENIUS法案、Web3投資の勝者と敗者は?ステーブルコイン規制の光と影
エグゼクティブサマリー 2025年6月17日、米国上院は「GENIUS法案」を68対30の超党派の賛成多数で可決しました。これは米国の暗号資産規制における歴史的な転換点であり、業界に多大な影響を及ぼします。 本法案の肯定的な側面として、まず米国史上初となる包括的なステーブルコイン規制の枠組みを確立し、これまで事業者を悩ませてきた「規制の断片化」と法的不確実性を解消します。この法的確実性の向上は、機関投資家の本格参入を促し、市場規模を2030年までに3.7兆ドルへ拡大させる起爆剤になると予測されています。さらに、AppleやGoogleといった大手テクノロジー企業の参入への道を開き、決済の高速化や送金コストの劇的な削減など、利用者にとっての具体的なメリットももたらします。長期的には、米ドルの基軸通貨としての地位をデジタル時代において維持・強化する戦略的意義も担っています。 しかし、この規制の明確化という恩恵の裏で、我々の分析では、Web3投資コミュニティが看過できない2つの重大な懸念が浮き彫りになりました。第一に、トランプ氏の$USD1ベンチャーに見られる前例のない政治的利益相反のリスク。第二に、法案が定める厳格なコンプライアンス要件が、初期段階のスタートアップにとって実質的な参入障壁となり、エコシステム全体の評価と市場構造を歪める「イノベーションへの税金」となる可能性です。 本記事では、この歴史的な法案がもたらす光と影を多角的に分析し、投資家がこの新たな規制環境を乗り切るための戦略的洞察を網羅的に提供します。 GENIUS法案の概要と歴史的背景 GENIUS法案(正式名称: Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act of 2025)は、米国内における「支払用ステーブルコイン(payment stablecoins)」の発行・流通を包括的に規律する初の連邦法案です。 これまで米国の規制は、州ごとの送金業ライセンスやニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)のBitLicenseなどに依存し、州ごとに監督水準が異なる「規制の断片化」状態にありました。この法的不確実性は、事業者にとって大きな負担であり、利用者保護の観点からも不十分でした。特に、海外で発行され絶大な流通量を誇るTether(USDT)のようなステーブルコインには米国の監督が及ばず、金融安定上のリスクとされていました。 今回の法案可決は、暗号資産業界による1億1900万ドルを超える戦略的なロビー活動と、トランプ政権の親暗号資産的な姿勢が大きな後押しとなりました。ホワイトハウスは8月までの最終成立を望んでおり、法案は今後、下院での審議(対案であるH.R. 2392「STABLE Act」との調整)を経て、大統領署名により成立します。 政治的利益相反と規制の歪み(ポリティカル・キャプチャー) 金銭的絡み合いと利益相反 GENIUS法案成立の背景には、トランプ氏の暗号資産への関与という、前例のない利益相反の構図が存在します。これは規制の公平性に対する深刻な懸念を生じさせます。 ワールド・リバティ・ファイナンシャル: トランプ氏が収益の75%を支配し、160億WLFIトークンを保有。 $USD1 ステーブルコイン: アブダビの政府系ファンドMGXによるBinanceへの20億ドル投資において、主要ステーブルコインとして選定。 規制のタイミング: GENIUS法の可決と、トランプ氏に関連する暗号資産事業の拡大(12ヶ月で0から29億ドル規模へ)が不自然に一致。 これらの事実は、規制プロセスが特定の政治的・商業的利益によって歪められている可能性、すなわち「規制の虜(レギュラトリー・キャプチャー)」のリスクを示唆しています。 アブダビ(MGX)との関係 MGX-Binance-$USD1の連携は、米国の金融市場に外国政府の影響が及ぶチャネルとなり得ます。 MGX: UAE政府の支援を受け、1,000億ドル以上の資産を運用する政府系ファンド。 Binance: 2023年にマネーロンダリング違反で40億ドルの和解金を支払った過去を持つ。 $USD1: 外国エンティティと米国市場を接続する役割を担う。 規制の抜け穴 GENIUS法案の利益相反規定は、大統領やその家族を直接の対象外としており、抜け穴が存在します。在職中の議員にのみ適用され、退職後のクーリングオフ期間や、資産の売却・盲目信託義務もありません。これにより、政治的影響力を持つ人物が規制の恩恵を享受する余地が残されています。 コンプライアンス費用と市場への影響 イノベーションへの税金 GENIUS法案が定める要件は、スタートアップにとって「イノベーション税」とも言うべき重いコンプライアンス負担を生み出します。 厳格な準備金要件: 発行済み総額と同額以上の準備金(米ドル現金、短期国債など流動性の高い低リスク資産)を常に保有する義務があります。 徹底した透明性: 登録会計事務所による月次監査と、裏付け資産の内訳の毎月の公表が義務付けられます。 発行者の承認制度: 発行は銀行および非銀行系の「承認を受けた発行者」に限定されます。発行規模が100億ドルを超える事業者は連邦レベルの監督下に置かれ、それ以下の事業者は州レベルの監督を選択できます。 包括的なAML/BSAプログラム: マネーロンダリング防止と制裁スクリーニングのためのインフラ構築が必要です。 無利息性の要件: 法案は支払用ステーブルコインが利息やイールドを提供しないことを求めており、PayPalのPYUSD利回りプログラムのような既存サービスとの整合性が課題となります。 これらの要件を満たすための年間コストは莫大であり、初期段階のスタートアップの資金調達額を上回る可能性があります。 比較項目 旧制度(GENIUS法以前) 新制度(GENIUS法) 規制の枠組み 州ごとの断片的な規制 連邦レベルの統一的枠組み 発行者の要件 州の送金業ライセンス等(基準がバラバラ) 連邦の承認(銀行・非銀行系ともに可) 準備金の基準 基準が不統一・不透明 1:1の厳格な裏付け義務(高品質資産) 透明性 限定的・非標準 月次の会計監査と資産内訳の公表義務 監督体制 州レベル中心(監督の空白あり) 規模に応じた二段階監督(連邦・州) 市場構造の変化と評価への影響 高い参入障壁は、十分な資本を持つ既存プレイヤーを著しく優遇し、市場の独占化を進める可能性があります。 市場の勝者: Circle (USDC), Paxos (PYUSD): 既に規制対応インフラを持つ既存企業は「規制の堀」を築き、大きな恩恵を受けます。 大手テクノロジー企業・金融機関: Apple、Google、Meta、JPMorgan Chaseなどが、その巨大な顧客基盤と資本力を背景に市場に参入する可能性があります。 コンプライアンス・プロバイダー: ConsenSys、Chainalysis、Ellipticといった企業への需要が急増します。 市場の敗者: Tether (USDT): オフショア発行者として米国内でのアクセスが制限される可能性があります。ただし、法案には同等水準の規制を持つ外国との相互承認制度を2年以内に目指す条項も含まれています。 DeFiプロトコル: アルゴリズム型ステーブルコインは本法案のセーフハーバーの対象外となる可能性が高いです。 初期段階のスタートアップ: 高額なコンプライアンス費用が参入障壁となります。 地理的な分断と競争: 米国の民間主導アプローチは、中国の国家主導の中央銀行デジタル通貨(DCEP)と対照的な競争関係を築きます。 イノベーションは、シンガポール、UAE、EU(MiCA規制)といった他の規制管轄区へ移転する「ジオ・アービトラージ」が進む可能性があります。 金融システムと利用者への広範な影響 GENIUS法案は、投資環境だけでなく、金融システム全体と一般利用者にも構造的な変化をもたらします。 米ドル覇権の強化: ステーブルコインの準備金として米国債の保有が推奨されるため、市場拡大に伴い米国債への構造的な需要が増加します。これは米国の財政政策を支え、デジタル経済における米ドルの影響力を強化します。 利用者への具体的メリット: 決済の高速化: ビル・ハガティ上院議員が指摘するように、「これまで数日、時には数週間かかっていた決済を、ほぼ即時で行える」ようになります。 コスト削減: 国際送金などの手数料が劇的に低下します。 利便性の向上: 24時間365日、いつでも取引が可能になります。 保護の強化: 統一的な保護基準と常時償還可能性の保証により、利用者のリスクが大幅に軽減されます。 金融包摂の促進: 銀行口座を持たない人々や、従来の金融サービスへのアクセスが困難だった層にとって、新たな金融アクセス手段となる可能性があります。 リスク・フレームワーク 投資家は、以下の多岐にわたるリスクを網羅的に認識する必要があります。 金融安定性リスク: システミックリスク: 大規模発行者の破綻が金融システム全体に波及するリスク。 流動性リスク: 市場ストレス時に償還要求が殺到し、準備金の現金化が困難になるリスク。 相互連関リスク: ステーブルコイン発行者と既存金融機関の依存関係が深まることで、リスクが伝播しやすくなる可能性。 規制・政治リスク: 特定のプレイヤーを利する「規制の虜」、将来の政権交代による政策の逆転、州制度と連邦制度間の不均等な競争環境のリスク。 技術・セキュリティリスク: ブロックチェーンのスケーラビリティ問題、サイバー攻撃、異なるプラットフォーム間の相互運用性の欠如、取引の透明性と利用者のプライバシー保護のバランスといった課題が残ります。 社会的リスク: デジタル格差: 技術リテラシーの差が経済格差を拡大させる懸念。 金融犯罪: マネーロンダリング等への悪用リスク。 雇用への影響: 従来の金融業務が自動化され、雇用に影響を与える可能性。 規制実施上の課題: 監督当局の体制整備、業界標準の策定、国際協調の具体化、既存事業者の円滑な移行支援など、実務的な課題が山積しています。 結論と戦略的提言 GENIUS法案は、暗号資産の許可不要(permissionless)な理念から、技術的メリットよりも政治的コネクションや資本力が優遇されかねない許可制(permissioned)システムへの根本的な転換を象徴しています。法的な明確化がもたらす市場成長の機会は大きいものの、その裏にはイノベーションの阻害と市場の寡占化、そして政治的利益相反という深刻なリスクが潜んでいます。長期的には、ステーブルコインがWeb3やメタバースの決済インフラとして機能する未来も展望されます。 投資家への戦略的提言: コンプライアンス・インフラへの投資: 規制対応をサービスとして提供する「Compliance-as-a-Service」分野(例:Chainalysis, Elliptic)は、エコシステムに不可欠なインフラとして成長が見込まれます。 政治的に妥協した投資の回避: 規制の歪みから不当な利益を得ている可能性のあるプロジェクトへの投資は、長期的な風評リスクと政策変更リスクを伴います。 グローバルな分散投資: 米国市場への集中を避け、シンガポール、UAE、EUなど、異なる規制アプローチを取る管轄区域の有望なプロジェクトにも目を向け、ポートフォリオを多様化させます。 真のイノベーションの提唱と支援: 業界として、過度な規制負担を避けつつ、技術革新を促すための継続的な制度見直しを働きかけるべきです。また、金融リテラシー教育の充実など、社会課題への配慮も重要です。 暗号資産業界の政治投資は「規制の明確化」という果実を得ましたが、それは「規制の虜」という高い代償を払った上での成果かもしれません。我々の責務は、この移行期において真のイノベーションの火を絶やさず、有望なプロジェクトが競争に必要な資本を得られるよう支援していくことです。Web3の未来は、中央集権化の圧力に抗い、分散化、透明性、そして許可不要なイノベーションへのコミットメントを維持できるかにかかっています。 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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2025/06/21Evo Fundによる資金調達の仕組みとは:BTCで動くメタプラネット株価を事例に、希薄化リスクを考える
2024年から2025年にかけて、メタプラネット社の株価急騰をきっかけに投資ファンド「Evo Fund」の名が市場を賑わせています。彼らが仕掛ける「BTCドーピングによる資金調達スキームと株価上昇」は時に株価を劇的に押し上げる起爆剤となり、多くの投資家に「一攫千金の夢」を見せます。 関連記事 : メタプラネットは”信念”を貫けるか?『BTCドーピング』により株価が崩壊する”3つの試練”と運命の分岐点 - Crypto Times しかし、その夢の裏側には投資家が知るべき三重のリスクが存在します。それは「①持分希薄化」という未来の売り圧力、「②空売りヘッジ」という現在の売り圧力、そしてそれらが引き起こす最悪のシナリオ「③デス・スパイラル」です。 本稿ではEvo Fundが用いる手法の全体像から、実際に企業が破綻に至った過去の事例まで、投資家が自らの資産を守るために知るべき全ての情報を網羅的かつ詳細に解説します。Evo Fundに関してをまとめた記事は下記の記事も参考にしてください。 関連記事 : メタプラネット株価80倍の“仕掛け人” EVO FUNDとは何者か?その投資哲学と「BTCドーピング」の錬金術 - Crypto Times [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 「BTCドーピング」が生み出す「二重の売り圧力」という罠 Evo Fundが関与する銘柄に投資するということは、常に「二重の売り圧力」に晒され続けることを意味します。これは、彼らの資金調達スキームの構造そのものに起因する、避けられない現実です。 罠① 将来の売り圧力 ― あなたの株の価値を薄める「持分希薄化」 Evo Fundの資金調達手法の核であるMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)は、将来、大量の新株が市場に放出されることを運命づけられています。 なぜ企業はこのようなリスクのある手法を受け入れるのでしょうか。その多くは銀行融資や公募増資といった伝統的な資金調達が困難な業績不振の企業や新興企業です。彼らにとってEvo Fundは迅速に資金を供給してくれる、いわば「最後の貸し手」なのです。 しかし、その代償は既存株主が支払います。Evo Fundが権利を行使するたびに新株が発行され、あなたが持つ株1株あたりの価値が薄まる「持分希薄化」を必然的にもたらします。 [caption id="attachment_138115" align="aligncenter" width="504"] 持分希薄化 を 参加者が増えピザに比喩した図[/caption] パーティーの途中で後から来た参加者のためにピザがどんどん小さく切り分けられていくように、あなたの資産価値は機械的にそして継続的に減少していくのです。この「いつか必ず売られる大量の株式」は常に株価の上値を重くする、将来の売り圧力として存在し続けます。 罠② 現在の売り圧力 ― 公式資料も認める「空売りヘッジ」 Evo Fundによる売りは未来の話だけではありません。彼らはリスク管理のプロとして、新株を手に入れる前から「空売り」を仕掛ける準備をしています。これは憶測ではなく、発行体である株式会社メタプラネットが2025年6月6日に開示した公式資料の中でその具体的な準備行為がはっきりと記されている事実です。 資料の14ページには、Evo Fundが「本新株予約権のための貸株契約を締結する予定」であると明記されています 。この「貸株契約」は、彼らがヘッジ目的で株式を市場で売却(空売り)するための準備に他なりません。 [caption id="attachment_138114" align="aligncenter" width="773"] 25/6/6にだされた新株予約権のお知らせP14より抜粋[/caption] では、なぜ彼らは空売りを行うのでしょうか。 本新株予約権の行使価額は株価に連動するため、新株を受け取るまでの間に株価が下落するとEvo Fundも損失を被る可能性があります。そのリスクを相殺(ヘッジ)するために、あらかじめ同じ銘柄を借りてきて市場で空売りしておくのは彼らにとっては極めて合理的なリスク管理手法です。 しかし、その合理的な行動が市場にとっては「現在の売り圧力」として重くのしかかります。 つまり投資家は「将来、権利行使によって売られる運命の株」と「今まさに、ヘッジ目的で売られているかもしれない空売り」という、二重の売り圧力の中で極めて不利な戦いを強いられることになるのです。 最悪のシナリオ「デス・スパイラル」とその悲劇的な結末 この二重の売り圧力が企業の業績悪化や市場全体の地合いの悪化などを引き金に破滅的な連鎖反応を起こすことがあります。それが、MSワラントが内包する最大のリスク「デス・スパイラル」です。 メカニズム:株価が下がるほど、破滅が近づく悪循環 デス・スパイラルのメカニズムは、一度始まると止めることが困難な負のフィードバックループです。 【引き金】 企業の業績悪化や悪いニュースなどをきっかけに、株価が下落を始めます。 【下方修正】 株価に連動して、MSワラントの行使価格(新株の発行価格)も、自動的に引き下げられます。 【必要株数の天文学的増加】 例えば、企業が10億円を調達したい場合、株価1000円なら100万株の発行で済みます。しかし株価が100円に暴落すると、同じ10億円を調達するために1000万株もの新株発行が必要になります。 【パニック】 「発行済株式総数を上回る新株発行の可能性」といった見通しが市場に伝わると、致命的な希薄化懸念を呼び、既存株主によるパニック的な投げ売りを誘発します。 【無限地獄】 株価暴落が、さらなる発行株数の増加を招き、株価が1円、あるいはそれ以下になるまで下落が止まらない…という悪循環が完成します。 事例1:急転直下の破滅「テラ社の悲劇」 このデス・スパイラルの恐怖を日本の市場参加者の記憶に最も強く刻み付けたのが、かつての人気バイオベンチャー「株式会社テラ」の事例です。 再生医療への期待から株価は高騰しましたが、事業は恒常的な資金難に喘ぎ、MSワラントによる資金調達を繰り返しました。その結果はまさにデス・スパイラルの教科書でした。 増資のたびに株価は下落し、それが次の大規模な希薄化を呼び…という悪循環の末、株価は数年で数百分の1以下に。最終的に2022年に自己破産を申請し上場廃止となり、多くの投資家の夢と資産を文字通り「紙クズ」に変えました。 事例2:緩やかな価値の死「ピクセラ社のケース」 Evo Fundが長年、筆頭株主として関与してきた「ピクセラ株式会社」は異なる形の結末を示唆します。ピクセラ社はEvo Fundから何度も資金供給を受け、そのたびに株価が低迷。株価が1円に近づくと「株式併合」(例:10株を1株にまとめることで、見かけ上の株価を10倍にする)を繰り返してきました。 テラ社のように急激に破滅するわけではありません。しかし、株式併合をすればあなたが持っている株数も10分の1になり、資産価値は実質的に大きく毀損します。 これは、急激な破滅ではなく株主の価値だけがじわじわと、しかし確実に毀損されていく「緩やかな死」と言えるでしょう。Evo Fundが事業転換を支える「パートナー」としての一面を見せる裏で既存株主は静かに価値を削られていくのです。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 「三重の罠」から資産を守るための具体的な防御術 では、個人投資家はこの「三重の罠」にどう立ち向かえば良いのでしょうか。感情的な期待を排し、冷静な分析に基づいた具体的な防御策が不可欠です。 企業の「体力」を徹底的に調査する まず、なぜその企業がMSワラントのような「劇薬」に頼らざるを得ないのか、その根本原因を突き止めなければなりません。企業のIR情報や決算短信を読み込み、以下の点を最低限確認しましょう。 本業のキャッシュフロー: 事業活動で現金を稼げているか、それとも常に営業赤字か。キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスの企業は、外部からの資金供給が止まれば事業継続が困難になる、極めて脆弱な状態です。 財務状況(自己資本比率): 企業の総資産のうち、返済不要な純資産がどれくらいの割合を占めるかを示す「自己資本比率」を確認します。一般的に、この比率が20%を下回ると財務的な危険水域と見なされます。財務が脆弱な企業ほど、デス・スパイラルに陥るリスクは高まります。 事業の将来性: 手掛けている事業は、そもそも成長市場にあるのか。ITやバイオなど、成功すれば大きなリターンが見込める分野か、それとも構造的に厳しい業界かを見極めます。 Evo Fundの「動き」を常に監視する Evo Fundの動きは、EDINET(金融商品取引法に基づく開示書類に関する電子開示システム)で誰でも、無料でリアルタイムに確認できます。これは、投資家にとって最強の武器です。 【EDINETの具体的な使い方】 EDINETのサイトにアクセスし、「書類検索」画面を開きます。 「提出者(ファンド名、個人名など)」の欄に「Evo Fund」の提出者コードである「E11943」を入力して検索します。 検索結果から、お目当ての企業の「変更報告書」を探します。 報告書内の「株券等保有割合」の増減を確認します。特に、この割合が「減少」に転じた場合、それはEvo Fundが市場で株式を売却し、利益確定を始めたという極めて重要なサインです。 株価が天井を打つ直前には彼らが売り抜けているケースが非常に多く見られます。彼らの動きを監視することは、高値掴みを避け、適切なタイミングで撤退するための生命線となります。 「熱狂」と「希薄化」を天秤にかける 「BTC購入」というニュースがもたらす熱狂とその裏で進む「株式の希薄化」という現実を冷静に天秤にかける必要があります。 MSワラントでどれだけ株が増えるのか、そのインパクトを概算で掴むことが重要です。企業の適時開示資料には発行される新株予約権の数とそれによって最大で何株の新株が発行される可能性があるかが記載されています。 例えば「現在の発行済株式数が1,000万株」で、「ワラントによって新たに最大で1,000万株が発行される」可能性がある場合、もし全ての権利が行使されれば、株数は2倍になります。これは、あなたの持つ1株の価値が理論上、将来半分になる可能性があることを意味します。株価が2倍以上にならなければあなたの資産価値は実質的に増えないのです。この単純な計算だけでも熱狂に浮かされることなく、リスクを冷静に評価する助けとなります。 最終結論:あなたは歴史の教訓から目を逸らしますか? Evo Fundが関わる銘柄がもたらす短期的な熱狂は非常に魅力的かもしれません。しかし、その裏には、 将来の売り圧力(希薄化) 現在の売り圧力(空売りヘッジ) 最終的な破滅シナリオ(デス・スパイラル) という「三重の罠」が常に存在します。 デス・スパイラルは机上の空論ではなく、テラ社の事例が示すように実際に市場で何度も繰り返されてきた現実です。「今度こそ大丈夫」という根拠のない期待は過去の数多の悲劇の前ではあまりに無力です。 投資家として自らの資産を守るために唯一できることはこのリスクの全体像を冷静に理解し、そもそもなぜその企業が「劇薬」に頼らざるを得ないのか、その根本的な財務・事業上の問題から決して目を逸らさないことです。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 出典・参考資料 公式サイト・IR情報 Evolution Financial Group 公式サイト EVOLUTION JAPAN証券株式会社 公式サイト 株式会社メタプラネット、株式会社ピクセラ等の各社公式サイトおよびIR情報ページ 規制当局提出資料 金融庁 EDINET(電子開示システム)におけるEVO FUNDの大量保有報告書・変更報告書 IR BANK、株探 等の大量保有報告書データベース 業界・市場データおよび報道 日本証券業協会、東京証券取引所 提供の各種統計データ 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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2025/06/20メタプラネット株価80倍の“仕掛け人” EVO FUNDとは何者か?その投資哲学と「BTCドーピング」の錬金術
2024年から2025年にかけ、株価が一時80倍にも高騰したメタプラネット社。このシンデレラストーリーの裏で、その成長を資金面から支え、巨大なリターンを手にした影の主役がいます。その名は「EVO FUND」。 「大量保有報告書でよく見る名前だけど、一体何者?」「なぜメタプラネットに巨額の資金を提供できるのか?」 本稿では、謎に包まれた投資ファンド「EVO FUND」の正体に迫ります。彼らの投資哲学、そして「BTCドーピング」とも呼ばれるムーブメントを可能にする、驚くべき“錬金術”の仕組みを徹底的に解き明かします。 関連記事 : メタプラネットは”信念”を貫けるか?『BTCドーピング』により株価が崩壊する”3つの試練”と運命の分岐点 - Crypto Times [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] EVO FUNDの正体:日本市場に特化したプロフェッショナル集団 グローバルな組織と百戦錬磨の経営陣 EVO FUNDは、2002年にマイケル・L・ラーチ氏が設立したエボリューション・ファイナンシャル・グループの中核をなす、ケイマン諸島籍の投資ファンドです 。グループ全体では世界10拠点に500人のスタッフを擁しますが、驚くべきことにその半数以上の250人超が日本で活動しており、いかに日本市場を重視しているかが伺えます。 その日本における執行機関が、東京・紀尾井町のニューオータニ ガーデンコートに拠点を置く「EVOLUTION JAPAN証券」です 。 創業者であるマイケル・L・ラーチ氏は、プリンストン大学を卒業後、世界の主要投資銀行で約10年間キャリアを積んだ人物で、現在もグループの全投資の最終決定権を握るグローバル最高投資責任者を兼任しています 。 彼を支える法務責任者のリチャード・G・チザム氏(カリフォルニア大学ヘイスティングス法科大学院卒)や、日本法人代表で金融業界30年のベテランであるショーン・M・ローソン氏(国際基督教大学卒、メリルリンチ日本証券元責任者)など、経営陣は金融のプロフェッショナルで固められています 。 投資哲学と日本市場での圧倒的実績 彼らは、巷で囁かれるような短期的な利益のみを追求する「ハゲタカファンド」とは一線を画す、独自の哲学と行動規範を掲げています。 純投資パートナー: 経営権の取得を目的とせず、あくまで企業の成長を資金面から支える「純粋な投資家」としての立場を貫く。 企業文化: 「進化し続けること」「協力すること」「市場参加者としての自覚」を行動規範とし、責任ある市場参加者としての役割を重視。 日本市場への特化: 20年以上にわたり日本の上場企業、特に中小型株への投資を専門としており、日本の市場環境や規制に精通。 PIPES市場の支配者: 上場企業に対する私募増資(PIPES)の分野では、2024年に首位を獲得するなど、圧倒的な実績を誇る。これまでに63社へ投資し、提出した大量保有報告書は1,746件に上る 。その通算取引金額は、2019年時点で450億米ドル(約6兆円)に達する。 つまりEVO FUNDとは、突如現れた謎の存在ではなく、長年にわたり日本の資本市場で独自の地位を築き上げてきた、したたかなプロフェッショナル集団なのです。 EVO FUNDの「投資の錬金術」:その手法と進化 主力武器「MSワラント」の仕組みとリスク EVO FUNDが「BTCドーピング」の仕掛け人となり得る最大の理由は、彼らが得意とする「MSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)」という特殊な資金調達手法にあります 。 これは、一言で言えば「企業の株価が上がれば上がるほど、より多くの資金を調達できる」仕組みです 。 [caption id="attachment_138006" align="aligncenter" width="366"] MS Warrantの図[/caption] 【MSワラントの仕組み】 企業は、将来一定の価格で新株を買える権利(新株予約権)をEVO FUNDに第三者割当で発行。 企業の株価が上昇すると、新株予約権の行使価格もそれに連動して上方修正される仕組み 。 EVO FUNDは、高くなった価格で権利を行使して新株を取得し、それを市場で売却することで、企業に多額の資金を払い込む。 このサイクルにより、「BTC価格上昇 → 株価上昇 → 資金調達額増加 → さらなるBTC購入」という強力な好循環が生まれる。 この手法は、資金を必要とする企業にとっては、株価が好調な時に柔軟かつ大規模な資金調達ができるという大きなメリットがあります 。しかしその一方で、新株が大量に発行されるため、既存の株主が持つ1株あたりの価値が薄まる「持分希薄化」という重大なリスクを内包していることを忘れてはなりません 。 進化形「EVO-ZERO™」:業界を変える一手 さらにEVO FUNDは、2023年11月に「EVO-ZERO™」という、より革新的なスキームを導入しました 。これは、従来の第三者割当増資で一般的だった慣習を打ち破るものです。 ディスカウントゼロ: 従来8~10%が当たり前だった株価のディスカウントを完全撤廃 。 制約条件ゼロ: 企業の将来の資金調達を縛るロックアップや先買権も要求無し。 「なぜそんな好条件を提示できるのか?」という疑問に対して、彼らが案件ごとに最低収益を定めない独立ファンドであること、少数精鋭でコストが低いこと、そして多数の案件を手掛けることで単独案件での収益確保の必要性が相対的に低いこと、と考察しています。これにより、企業との良好な関係を築き、リピート率20%以上という高い信頼を得ているのです 。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] ケーススタディ:EVO FUNDの投資戦略と実績 最大の成功事例:メタプラネット このMSワラントを駆使したEVO FUNDの戦略が、最も劇的な形で成功したのがメタプラネットの事例です 。 関与と影響力: 2024年頃から本格的に関与し、2025年2月には最大で発行済株式の28.17%を保有する筆頭株主となり、同社のBTC戦略に強い影響力を持つに至る 。 利益確定の実行: メタプラネットの株価が20円から1,600円へと80倍に高騰する過程で、EVO FUNDは保有比率を4.45%まで段階的に引き下げています 。これは、高値圏で巧みに株式を売却し、利益を確定させていることを示唆している。 驚異的なリターン: 独自の分析では、EVO FUNDは数十億円規模の投資に対し、数百億円規模(推定リターン10倍以上)という、まさに「錬金術」と呼ぶにふさわしいリターンをこの案件で得たと推定 。同社の「555ミリオン計画」(2027年末までに21万BTC保有を目指す)も、EVO FUNDの資金調達支援なくしては成り立たない。 横展開されるBTC戦略:リミックスポイントとマックハウス EVO FUNDの戦略は、メタプラネットだけで終わっていません。彼らはこの成功スキームを、他の投資先にも「横展開」しています 。 リミックスポイント (3825): 同様にEVO FUNDの支援を受け、BTC保有量を1,000BTCまで拡大させています 。EVO FUNDは最大約56億円の調達を支援しました 。 マックハウス (7603): 2025年6月19日、メタプラネットとほぼ同じスキームでEVO FUNDを割当先とし、最大17億円超のBTC購入を発表しました 。 この動きは、EVO FUNDが日本市場で「BTC投資のイネーブラー(促進者)」として、意図的にブームを創出し、主導していることを強く示唆しています 。 投資パターンの多様性:長期支援の実績 一方で、EVO FUNDは短期的なBTCテーマだけでなく、より時間のかかる投資も手掛けています。その投資回収パターンは、以下の3つに分類できます。 短期高収益型: メタプラネットのように、1~2年で10倍以上のリターンを狙う 。 中期安定型: リミックスポイントのように、3~5年で3~5倍のリターンを目指す 。 長期育成型: フルッタフルッタのように、5年以上の長期にわたり事業基盤の強化を支援する 。 特に、215件もの大量保有報告書を提出しているピクセラ (6731)の事例では、同社が従来のデジタル機器製造から、IoTやWeb3といった成長分野へ事業転換するのを、長期にわたって資金面から支え続けています 。これは、彼らが単なる投機家ではなく、企業の変革を支えるパートナーとしての一面も持つことの証明です。 競合との差別化:なぜEVO FUNDは選ばれるのか 日本の投資市場には、KKRやベイン・キャピタルのような大手国際系ファンドや、日本産業パートナーズ(JIP)のような国内大手ファンドも存在します 。しかし、EVO FUNDは彼らとは全く異なる土俵で戦っています。 大手ファンドが巨額の資金で企業の経営権を取得する「バイアウト」を中心とするのに対し、EVO FUNDは経営権を求めず、上場したままの中小型企業にPIPESという手法で迅速に資金を供給することに特化しています 。 その独自の強みは、「投資手法の革新性(EVO-ZERO™など)」「意思決定の迅速性(自己資金によるトップダウン)」「PIPES市場での圧倒的な実績」に集約されます 。大手ファンドが参入しないニッチな市場で、他にないソリューションを提供すること。それが、EVO FUNDが企業から選ばれ続ける理由です。 まとめ:EVO FUNDはパートナーか、投資のマエストロか EVO FUNDの姿を解き明かすと、二つの顔が見えてきます。 一つは、経営権を求めず、企業の革新的な挑戦や事業再生を資金面で支える「純投資パートナー」としての顔。彼らがいなければ、メタプラネットの壮大なBTC戦略は始まらなかったかもしれません。 しかし、もう一つは、MSワラントやEVO-ZERO™といった金融技術を駆使し、市場の熱狂を巧みに利用して、最終的に巨額の利益を手にする「投資のマエストロ(名人)」としての顔です。 EVO FUNDが関わる銘柄に投資するということは、この両方の側面を理解し、企業の成長ストーリーに期待すると同時に、彼らの出口戦略(売り抜け)のリスクを常に意識する必要があることを意味します。彼らは、日本の資本市場にダイナミズムをもたらす重要な存在であると同時に、その戦略の裏側を冷静に見つめる必要がある、極めて手ごわいプレーヤーなのです。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン 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2025/06/17メタプラネットは”信念”を貫けるか?『BTCドーピング』により株価が崩壊する”3つの試練”と運命の分岐点
今、日本の株式市場で最も熱い視線を集める企業、メタプラネット社。2024年4月にビットコイン購入方針を発表後、当時約20円だった株価は、1年余りで一時80倍を超えるという驚異的な上昇を記録しました。しかしこの現象は、同社だけの特別な物語ではありません。 国内においてもエス・サイエンス社やANAPホールディングスなどがBTCを購入するための資金調達を発表。海外でも2024年から2025年にかけてSemler Scientific社やDeFi Technologies社などが追随し、今、国内外でBTCを購入することで株価を上げる「BTCドーピング」とでも呼ぶべきムーブメントが静かに広がっています。(BTCドーピングは筆者が命名) これは、円資産のリスクをヘッジする「信念」の物語か。それとも、株価を急騰させ資金調達を行う、投機的な「ドーピング」に過ぎないのか。 筆者が考える結論から言えば、現在のメタプラネット社は、その両方の側面を併せ持つ「ハイブリッド型」と見るのが的確かと考えています。そして、この戦略の行く末を占う上で避けては通れない「3つの試練」が存在します。本稿では、歴史的な教訓や国内外の事例も交えながら、その運命の分岐点を探ります。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 「BTCドーピング」時代の到来と歴史の教訓 国内外で広がるドーピング企業とその末路 メタプラネットの株価急騰は、決して日本だけの現象ではありません。筆者の調査によれば、海外でも同様の事例が散見されており、下記は海外企業がビットコインを購入発表したのちのデータです。 Semler Scientific (米国): 医療機器メーカーがBTC購入を発表し株価は+37%急騰。しかし、その後のBTC価格調整でピーク比-55%の急落。 DeFi Technologies (カナダ): BTC採用発表で株価+26%。直後に大規模な増資枠を設定するも、株価は不安定に。 Long Blockchain (米国): 飲料メーカーが社名変更しただけで株価3.8倍。しかし実態が伴わず、後にSECから上場廃止処分に。 これらの事例が示すのは、BTC購入という「魔法の言葉」の効力がいかに短期的なものであるか、そしてその反動がいかに大きいかという事実です。 歴史は繰り返すのか?ドットコムバブルが示す未来 暗号通貨市場においては草コインに資金が集まり、価格を上げると最後はすべてのマーケットが市場崩壊するという場面が何度も散見されました。これには暗号通貨への資金流入の減少、草コインに対して高掴みをしたプレイヤーが損をした結果退場するなどのことから見られます。 それでは株式市場においても同様のことは起きるのでしょうか? 結論、暗号通貨特有の極端なボラティリティは制度面で緩和されていますが、同様のメカニズムは歴史上繰り返されています。そのため、現在のようにBTCを購入することをプレスリリースで発表し、株価をあげ、資金調達を行ういわばBTCドーピングブームは、歴史上、何度も繰り返されてきた光景です。 1999年のドットコムバブルでは、多くの企業が社名に「.com」と付けるだけで、事業実態がなくても株価は何十倍にもなりました。しかし、そのほとんどは利益を生み出せず、資金が尽きた途端に市場から姿を消しました。現在の「BTC購入」というキーワードは、当時の「.com」と同じ熱狂を生み出してはいないでしょうか。 また、記憶に新しい2021年のSPACやEV(電気自動車)ブームでも、特定のテーマに資金が集中し、その後多くの関連銘柄の価値が70〜90%も失われました。テーマ株への熱狂とその後の崩壊は、株式市場の常なのです。 小型テーマ株の連鎖崩落モデルとしては、 株価= (本業利益+BTC 評価益株式数) / 株価 という形で表されます。そのため、BTC が 30% 下落した場合、評価益が消失し、市場は PER の再計算を迫られる。増資で“株式数”が膨らんでいれば希薄化効果が増幅し、段階的な下方修正ラッシュ → 失望売り → 流動性枯渇という草コイン崩壊と類似のプロセスを辿りやすいこととなります。 メタプラネットの運命を分ける「3つの試練」 [caption id="attachment_137843" align="aligncenter" width="769"] メタプラネットを船に例えた3つの試練の図[/caption] 歴史の教訓を踏まえた上で、メタプラネットがこれらの先行事例と同じ道を辿らないために乗り越えるべき「3つの試練」を、マイクロストラテジー社の事例と比較しながら見ていきましょう。 試練①:「BTC長期低迷の冬」と資金調達の罠 現在のメタプラネット株価の強さは、「BTC購入発表 → 株価急騰 → 高値で資金調達(主にMSワラント) → さらなるBTC購入」という強力な好循環エンジンに支えられています。しかし、このエンジンは「BTC価格と自社株価が上昇し続ける」という燃料がなければ回りません。 もし、1年以上続くような「BTCの冬」、つまり長期低迷期が訪れた場合、このサイクルは無慈悲に逆回転を始めます。株価が低迷すれば、ワラントによる資金調達は極めて困難になり、燃料(資金)が枯渇。BTCの追加購入どころか、企業の存続すら危ぶまれる「資金調達不能」というシナリオが現実味を帯びてきます。 一方、先行するマイクロストラテジー社も、2022年に訪れた厳しい「暗号の冬」を経験しています。当時、同社の株価も大きく下落しましたが、戦略を維持し、むしろ安値でBTCを買い増すことさえできました。なぜなら、彼らの資金調達手段は、短期的な株価に依存するワラントだけでなく、長期の転換社債など多角化されており、何よりも後述する本業が財務を支えていたからです。 さらに、後発であることは構造的な不利を伴います。マイクロストラテジーがBTCを買い始めた2020年当時と比べ、現在のBTC価格は遥かに高水準です。これからBTCドーピングに参入する企業は必然的に“高値掴み”のリスクを負うことになり、同じ価格下落幅でも、より早く、より深刻な財務ダメージを受けることになるのです。 試練②:「本業の収益化」とドーピングへの依存度 2つ目の試練は、メタプラネット自身の「稼ぐ力」です。「本業のキャッシュフローが成長か赤字依存か」は企業の真の体力を測る上で最も重要です。この点において、メタプラネットとマイクロストラテジーの構造的な違いは決定的です。 [caption id="attachment_137847" align="aligncenter" width="513"] 上場直後から2020年までのマイクロストラテジー社の財務データ分析グラフ[/caption] 上記の画像は筆者が作成した上場直後から2020年にBTCを購入するまでにおける、マイクロストラテジー社の財務データ分析グラフになります。 マイクロストラテジー社が“信念”を貫ける最大の理由は、BTC戦略を開始する以前から続く、ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア事業という強力な本業があるからです。この事業は安定したキャッシュフローを生み出し続け、BTC戦略の「安全弁」であり「生命線」となっています。彼らにとってBTC戦略は財務戦略の柱ですが、現在のメタプラネットにとっては「事業そのもの」に近い状態です。 過去、音楽事業やホテル事業で苦戦した歴史を持つメタプラネットが、現在構想するコンサルティング等のBTC関連事業で、市場が納得するだけのキャッシュフローを生み出せるか。これが、同社が単なる「ドーピング企業」への依存から脱却し、マイクロストラテジーのようにBTC戦略を支えるだけの安定した基盤を持つ、本物の「信念型」企業へと進化できるかを左右する、決定的な分岐点となります。 参考記事 :【株価1800円超え】なぜメタプラネット社は日本経済の未来を賭け、BTC(ビットコイン)を買い続けるのか? - Crypto Times 試練③:「会計上の時限爆弾」と減損ショック 最後の試練は、会計ルールに仕組まれた「時限爆弾」です。国際的な会計基準では、企業が保有するBTCには極めて厄介な「非対称なリスク」が伴います。 減損会計の非対称リスクとは? 企業が保有するBTCは「無形固定資産」として扱われます。この会計ルールでは、BTC価格が購入時より上昇しても、その「含み益」は決算書の利益には計上されません。しかし、価格が購入時より下落すると、その「含み損」は「減損損失」として利益から差し引かなければなりません。つまり、利益は計上されず、損失だけが財務諸表を直撃するのです。 この「減損」の発生を左右するのが、ビットコインの取得単価です。マイクロストラテジーは、特に初期に非常に低い単価で大量のBTCを取得できたため、価格下落に対する強力なバッファ(緩衝材)を持っています。例えば、取得単価が3万ドルであれば、BTC価格が5万ドルに下落しても会計上の損失は発生しません。しかし、取得単価が7万ドルの企業は、同じ5万ドルへの下落で巨額の減損損失を計上せざるを得ません。取得単価が低ければ低いほど、この会計上の時限爆弾の導火線は長くなるのです。 この減損ショックは、マイクロストラテジーも実際に経験した道です。彼らは2022年の弱気相場で、累計で数十億ドルという巨額の減損損失を計上しました。しかし、それでも戦略が破綻しなかったのは、市場や投資家が「これはキャッシュの流出を伴わない会計上の評価損だ」と同社の長期戦略を理解していたこと、そして何より本業の利益が会計上の損失の衝撃を和らげ、財務の健全性に対する信頼を維持できたからです。 メタプラネットや今後参入する企業が、取得単価が高いという不利を乗り越え、同様の減損局面に直面した時、市場の信頼を維持できるかが厳しく問われます。以下の「リスク連鎖シナリオ」は、この衝撃に耐えられない企業を襲う、現実的な負のスパイラルなのです。 BTC価格下落 → 評価損発生 → 決算で「減損損失」を計上 → 純資産が毀損 → 財務内容悪化でコベナンツ(財務制限条項)違反 → 保有BTCの強制売却へ 結論:投資家が監視すべき「運命の分岐点」 メタプラネットの物語は、大きなトレンドの一部です。彼らが「信念型」の偉大な企業となるか、「ドーピング型」のテーマ株として歴史に消えるかは、これから訪れる「3つの試練」を乗り越えられるかに懸かっています。 私たち投資家は、熱狂に踊らされることなく、この運命の分岐点を冷静に監視し続ける必要があります。具体的には、以下の点を常にチェックすべきです。 BTC価格の長期トレンドと、他のドーピング企業の動向(試練①の兆候) 四半期決算における、本業のキャッシュフローと利益(試練②の進捗) 保有BTCの取得原価と時価を比較し、減損リスクを把握すること(試練③の時限爆弾) ワラント行使による株式の希薄化と、経営陣の自社株売買(EDINETで確認) メタプラネットが示した(少なくとも短期的な)株価の成功は、今後、日本市場で「第二、第三のメタプラネット」を生み出す呼び水となるでしょう。 同じようにBTC購入を宣言し、投資家の夢を煽る企業が次々と現れるかもしれません。 しかし、本稿で分析した通り、後発企業はより高い取得単価という構造的な不利を背負うことになります。安易にその熱狂に飛びつくのではなく、本稿で提示したチェックリストを用いて、その企業が「信念型」か、単なる短期的な「ドーピング型」なのかを、より一層厳しく見極める必要があります。 メタプラネットがこれらの試練にどう立ち向かうのか、その一挙手一投足こそが、株価の未来を最も雄弁に物語るでしょう。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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2025/06/16【株価1800円超え】なぜメタプラネット社は日本経済の未来を賭け、BTC(ビットコイン)を買い続けるのか?
最近、ニュースやSNSで「メタプラネット」という企業の名前を目にする機会が増えていませんか?メタプラネット社は「日本版マイクロストラテジー」とも呼ばれ 、その株価の動向とともに現在、大きな注目を集めています。 「ビットコインを大量に買っているらしいけど、一体どんな会社?」 「なぜ、そこまで大胆な戦略をとれるのか?」 実はこの会社、かつては音楽CDの制作やホテルの運営を手掛けていました。それが今や、日本で最も多くのビットコインを保有する企業の一つへと、劇的な変貌を遂げているのです。2025年6月16日、同社が保有するビットコインは、ついに10,000BTCを突破するとともに、株価も1895円になり、メタプラネット社の時価総額も1兆円を突破する勢いとなりました。 なぜ、彼らはこれほど大胆な道を選んだのか。その背景には、緻密な哲学、それを実現するための強力な実行計画、そして日本の未来を見据えた壮大なビジョンがありました。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 始まりは音楽、そしてホテルへ。メタプラネットの知られざる「変身の歴史」 物語は1999年、CDの企画・制作・販売を行う「ダイキサウンド株式会社」として始まります 。当時は音楽業界で着実に地位を築き、2004年には株式を店頭登録(現・JASDAQ)するほどでした。しかし、音楽業界におけるCD販売の縮小という構造変化に直面し、同社は大きな決断を迫られます 。 [caption id="attachment_137714" align="aligncenter" width="357"] メタプラネット社沿革[/caption] 次なる挑戦の舞台は、ホテル事業でした。2013年4月にホテル運営事業に進出し、2014年1月には「株式会社レッド・プラネット・ジャパン」に社名を変更して再出発を図ります。 しかし、ホテル事業でも十分な収益性を確保することができず、さらなる事業転換の必要性に迫られました 。そして2023年2月、同社は「株式会社レッド・プラネット・ジャパン」から「株式会社メタプラネット」として 、誰も予想しなかった領域へと舵を切ります。それが「ビットコイン・トレジャリー企業」、つまり、ビットコインを企業の主要な財務資産とする戦略への大転換でした 。 なぜ「ビットコイン」だったのか?その深く、揺るぎない確信 メタプラネットが数ある選択肢の中からビットコインを選んだ最大の理由は、日本円が直面する構造的なリスクへの対応と言われています。 インフレリスク: 日本銀行の金融緩和政策により、将来的なインフレ圧力が高まる可能性。 円安リスク: 日米金利差の拡大や日本の財政状況への懸念から円安が進行するリスクがあり、円建て資産の国際的な購買力低下を招く恐れ有り。 財政リスク: 日本の政府債務残高は先進国で最悪の水準にあり、長期的な財政持続性への懸念有り。 こうしたリスクへの有効なヘッジ手段として、CEOのサイモン・ゲロウィッチ氏をはじめとする経営陣が強い確信を持っているのが 、ビットコインの本質的な価値です。 絶対的な希少性: 発行上限が2,100万枚に定められており、インフレ耐性を持つ 非中央集権性: 特定の政府や中央銀行に依存しない、グローバルな価値保存手段 デジタル経済への適合性: デジタル経済時代に適した、デジタルネイティブな資産形態であると評価受け この揺るぎない哲学が、前例のない企業変革の原動力となっているのです。 戦略の心臓部:ビジョンを現実にする「資金調達エンジン」 メタプラネット社は2024年4月の戦略開始からわずか14ヶ月で、総額1,391.52億円を投じて10,000BTCを取得しました。この驚異的な資金力は、単なる自己資金によるものではなく、その裏には極めて巧みな財務戦略と、それを支える強力なパートナーの存在があります。 その中核をなすのが、同社の筆頭株主でもある投資ファンド「EVO FUND」との戦略的パートナーシップです。EVO FUNDは2006年に設立されたケイマン諸島の投資ファンドで、日本市場において20年以上の豊富な投資実績を持っています。彼らは経営権を握ることなく、純粋な投資によって企業の成長を資金面から支援する「純投資」を哲学としており、メタプラネットにとってまさに一心同体の資金調達パートナーとして機能しているのです。 このパートナーシップを軸に、メタプラネットは主に2つの革新的な資金調達手法を駆使しています。 第一の手法が「MSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)」です。 [caption id="attachment_137716" align="aligncenter" width="559"] What is MS Warrant ?[/caption] これは、株価が上昇すればするほど、より多くの資金を調達できる仕組みになっており、「BTC価格上昇 → 株価上昇 → 資金調達額増加 → さらなるBTC購入」という強力な好循環を生み出すエンジンとなります。一方で、株価が下落した際には新株の発行が抑制されるため、既存株主の利益を保護する仕組みも組み込まれており、市場環境に応じた柔軟な資金調達を可能にしています。 第二の手法が「ゼロクーポン社債」です。これは、EVO FUNDを主要な引受先として発行される無利息の社債です。この手法の最大の利点は、金利コストをゼロに抑えることでBTC投資のリターンを最大化できる点と、MSワラントとは異なり株式の希薄化(1株あたりの価値が下がること)を避けながら、必要な資金を機動的に確保できる点にあります。 メタプラネットは、追加のビットコイン購入を目的として、2億1,000万ドルの無利息普通社債を発行しました。 pic.twitter.com/e7TZiqDVbp — Metaplanet Inc. (@Metaplanet_JP) June 16, 2025 このように、メタプラネットは「EVO FUND」という強力な伴走者を得て、「MSワラント」と「ゼロクーポン社債」という特性の異なる2つのエンジンを市場環境に応じて使い分けることで、他に類を見ないスピードと規模での戦略実行を可能にしているのです。 以下の関連動画も要チェック! 野望のスケール:「世界の1%」を握り、エコシステムを創る メタプラネットの挑戦は、単にビットコインを買い集めるだけでは終わりません。同社は「1株あたりビットコイン保有量の最大化」という、極めてユニークな経営指標(KPI)を設定しました 。これは、事業の成功をビットコインの保有量と直接結びつけ、株主価値を高めるという明確な意思の表れです。 その野望は、自らが日本のビットコインエコシステムの中核となることにあります。 情報発信: ビットコイン専門メディア「Bitcoin Magazine Japan」を運営し、日本国内でのビットコインの普及とエコシステムの発展に貢献。 事業展開: ビットコインを準備資産として採用したい企業に対し、戦略立案から導入までを支援するコンサルティングサービスも提供。 そして、その最終目標が「555ミリオン計画」です。2025年6月6日に発表されたこの計画は、2027年末までに21万BTCの保有を目指すというもの です。 21万BTCは、ビットコイン総供給量の1%に相当し 、この達成はメタプラネットが「1%クラブ」入りを果たし、世界的なビットコイン保有企業になることを意味します。 まとめ:緻密な戦略の裏にある覚悟と未来 メタプラネットの物語は、単なる事業転換の話ではありません。それは、 明確な哲学: 日本円のリスクを直視し、ビットコインを価値保存の最適解とする確固たる信念。 強力な実行力: EVO FUNDとのパートナーシップと革新的な財務戦略が可能にする、迅速な資金調達と購入。 壮大な野望: 世界の1%のBTCを保有し、日本のビットコインエコシステムの中核を担うという大きなビジョン。 これらが三位一体となった、緻密な企業戦略です。 もちろん、ビットコインの高い価格変動や規制変更など、その道には大きなリスクも伴います 。 しかし、そのリスクを理解した上で、日本の資本市場に新たなモデルを提示しようとするこの挑戦が、今、多くの投資家から熱い視線を注がれている最大の理由となっています。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] [no_toc]

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2025/06/13【徹底解説】メタプラネット株 vs ビットコイン|今、本当に買うべきはどちらか?
「ビットコインを直接買うべきか、それともビットコインを大量保有するメタプラネットのような企業の株を買うべきか?」 仮想通貨投資家の間で今、大きな関心を集めているのがメタプラネット社の動向です。同社は2024年4月8日にBTCの購入方針を発表しましたが、当時約20円だった株価が、2025年6月現在1600円を超えるまでに高騰。80倍以上の上昇率を記録し、「新たな億り人を生む銘柄」として大きな話題を呼んでいます。 しかし、その輝かしいパフォーマンスの裏で、見過ごされがちな重大なリスクが潜んでいることをご存知でしょうか?なぜ専門家は、この熱狂に対して警鐘を鳴らすのでしょうか。 本稿では、8,000本以上の仮想通貨・ブロックチェーン関連の記事を配信してきた専門メディア「CryptoTimes」の独自の視点から、当メディア代表でもある新井氏の解説を元に、ビットコイン保有企業への株式投資が抱える構造的な問題を徹底的に解き明かしていきます。 以下の関連動画も要チェック! [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] なぜ投資家は惹きつけられるのか?:戦略・心理・制度が織りなす魅力 まず、なぜこれほど多くの人々がメタプラネット株に熱狂するのでしょうか。その背景には、企業の巧みな戦略、人間の心理、そして日本市場の特有の環境が複雑に絡み合っています。 「ビットコイン財務戦略」という力強いストーリー メタプラネット社が投資家を惹きつける最大の理由は、その明確で力強い企業戦略にあります。 同社は、将来的なビットコイン価格の上昇を確信し、それを元手(あるいは担保)に資金調達を行い、さらにビットコインを買い増すという、米マイクロストラテジー社と同様の「ビットコイン財務戦略」を採っています。これは、企業そのものがビットコインの価値と成長を共にするという宣言であり、この能動的な価値創造の姿勢が、投資家に「企業の未来への期待」を抱かせる強力なエンジンとなっているのです。 [caption id="attachment_137557" align="aligncenter" width="743"] 初めてBTC購入のプレスを発表した時のメタプラネットの株価は20円[/caption] この力強いストーリーと、実際に株価80倍を達成した過去のパフォーマンスが組み合わさることで、人間の「機会損失への恐怖(FOMO)」を強烈に刺激し、「次の熱狂に乗り遅れてはいけない」という強い投資意欲を生み出しています。 日本市場の特性が生む「合理的な選択肢」としての魅力 さらに、日本の制度がメタプラネット株を「極めて合理的な選択肢」として投資家に提示しています。 第一に、税制上の圧倒的な優位性です。現在、個人がビットコインの売買で得た利益には、最大55%の税金(雑所得)が課されます。一方で、メタプラネット株をNISA口座で購入した場合、その利益は非課税です。利益の半分以上が税金で消える直接投資と、利益がまるまる手元に残る可能性のある株式投資――この「天国と地獄」ほどの差は、多くの投資家にとって株式を選ぶ強力な動機付けとなります。 第二に、規制上の希少価値です。米国などとは異なり、日本ではまだビットコイン現物ETFが承認されていません。本来なら低コストで分散投資できるはずの「高速道路(ETF)」が未整備なため、「一般道(個別株)」であるメタプラネット社は、日本市場でビットコインの価値に連動する数少ない上場企業として、独自のポジションと希少価値を確立しているのです。 しかし、その魅力の裏に潜む「二重の罠」 ここまで見てきたように、メタプラネット株には投資家を惹きつけるだけの確かな魅力と合理性が存在します。しかし、その高いリターンの可能性は、看過できない重大なリスクと表裏一体です。専門家が警鐘を鳴らすのは、主に以下の2つの「罠」が存在するためです。 構造的な「2階建てリスク」:リスクが足し算ではなく、掛け算で増幅される仕組み。 現在の株価に含まれる「異常なプレミアム」:実態価値から大きく乖離した、熱狂が生み出す砂上の楼閣。 構造的な「2階建てリスク」:リスクが掛け算で作用する恐怖 「2階建てリスク」とは、文字通り2つの異なるリスクを同時に背負う状態を指します。想像してみてください。1階建ての家なら、地震の揺れは地面から伝わるものだけです。しかし、2階建ての家は、地面の揺れに加えて、建物自体の揺れも加わります。ビットコイン保有企業の株への投資は、これと全く同じ構造を持っています。 1階部分のリスク:企業の経営リスク 投資対象はあくまで「企業」です。そのため、本業の業績不振、財務状況の悪化、将来性の欠如、あるいは経営陣の不祥事といった、企業そのものに起因する株価下落リスクから逃れることはできません。 2階部分のリスク:ビットコインの価格変動リスク その企業がビットコインを保有している以上、当然ながら暗号資産市場全体の動向、つまりビットコイン自体の価格変動リスクも直接的に影響します。 最も恐ろしいのは、この2つのリスクが「掛け算」で作用する点です。ビットコイン価格が10%下落した際、市場は「ビットコイン価格の下落」と「含み損を抱えた企業の将来性」を二重に評価するため、株価は10%以上の、時には20%を超える「増幅された下落」に見舞われる可能性があります。 コロナショックのような市場全体の暴落時には、ビットコインそのものは取引が継続されていても、株式市場では連日ストップ安となり、売りたくても売れないという最悪の事態も想定されるのです。 ケーススタディ:メタプラネット株に織り込まれた「熱狂」と「リスク」 この「2階建てリスク」をさらに深刻化させているのが、現在のメタプラネット株の価格に織り込まれた「異常なプレミアム」です。これは、株価が企業の本質的な価値からどれほど乖離しているかを示す、極めて重要な警告サインと言えます。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] ビットコイン価値に対する「5.5倍のプレミアム」 第一に、投資家は市場価格よりも遥かに高いコストを支払って、間接的にビットコインを保有している状態にあります。解説動画時点での分析によると、メタプラネット社の時価総額は、同社が実際に保有しているビットコインの市場価値総額に対して、約5.5倍に達していました。 これは例えるなら、市場で1,000万円で売られているビットコインを、メタプラネット株を通じて買うことで、あなたは実質的に5,500万円を支払っているのと同じ状況です。この取引を、冷静に「賢い投資」だと言えるでしょうか?この差額こそが、市場の熱狂が生み出した「プレミアム(上乗せ価格)」なのです。 PBR 28倍が意味する「解散価値の低さ」 第二に、この異常なプレミアムは、企業の純粋な資産価値(解散価値)と比較しても、極めて脆弱な土台の上に成り立っています。 まず、会社の「解散価値」とは何かを理解する必要があります。これは、会社の全財産(資産)から、すべての借金(負債)を差し引いた「純資産」のことを指します。つまり、もし会社が今すぐ事業をやめて清算した場合に、株主の手元に残る理論上の価値です。 そして、PBR(株価純資産倍率)とは、市場の評価額である「時価総額」が、この「純資産(解散価値)」の何倍になっているかを示す指標です。 [caption id="attachment_137584" align="aligncenter" width="541"] PBRに゙関しての説明[/caption] メタプラネット社のPBRは28倍超とされています。これは、市場が同社の会計上の解散価値の28倍以上という、極めて熱狂的な価格をつけていることを意味します。 これを投資家の視点で見ると、その危険性がより明確になります。 PBRの逆数(1 ÷ PBR)は、「あなたの投資額(時価総額)のうち、どれだけの割合が会社の純資産(解散価値)によって裏付けられているか」を示します。 計算すると、1 ÷ 28.46 = 約0.035(3.5%)となります。 これは、もし今メタプラネット社が帳簿通りの価値で解散した場合、あなたの投資額のうち、理論上戻ってくるのは純資産の分、つまりわずか3.5%程度に過ぎないということです。残りの96.5%は、実体のない市場の「期待」に対して支払ったお金であり、ひとたび熱狂が冷めれば、一瞬でその価値が消え去るリスクをはらんでいるのです。 これはもはや堅実な投資ではなく、熱狂が作り出した「砂上の楼閣」の上で踊っている状態に近いと言えるかもしれません。 まとめ:リスクとリターンを天秤にかけ、あなた自身の答えを 今回は、メタプラネット株が持つ「魅力」と「リスク」を両面から解説しました。 同社が展開する大胆な財務戦略と、日本の税制・規制環境が生み出す独自のポジションは、投資家にとって大きな魅力であることは間違いありません。しかし、その高いリターンの可能性は、これまで見てきた「2階建てリスク」や「資産価値との乖離」といった重大なリスクと常に隣り合わせです。 ここで最も本質的な問いは、「あなたは、資産の『真の所有権』と『税制の優位性』のどちらを優先するのか?」ということです。 ビットコインを直接購入すれば、その秘密鍵を持つあなたが唯一の所有者です。一方、企業の株を買うことは、所有権を手放す代わりに、税制上のメリットと企業の成長戦略に賭けることを意味します。 どちらが正解ということはありません。この記事が、熱狂と冷静さの間で、あなた自身の投資哲学に基づいた判断を下すための一助となることを心から願っています。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。時間がなく忙しいあなたでもビットコインの投資が行えます。 現在、OKJの口座開設者は1,000円分のビットコインがもらえる限定キャンペーンが実施中。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 免責事項 ・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。 ・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。 ・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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2025/03/19Ripple(リップル)社とSECの裁判が終了、 $XRP は15%の価格上昇へ
[no_toc] Ripple CEOであるBrad Garlinghouseが自身のツイートにて、アメリカ証券取引委員会(SEC)によるRippleに対する訴訟が公式に終了したことを発表しました。 This is it – the moment we’ve been waiting for. The SEC will drop its appeal – a resounding victory for Ripple, for crypto, every way you look at it. The future is bright. Let's build. pic.twitter.com/7WsD0C92Cm — Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) March 19, 2025 背景として、Ripple社とSECは2020年12月からRippleやその幹部(GarlinghouseとChris Larsen)に対して訴訟を起こしており、XRPトークンが証券として扱われるべきか否かが争点となっていました。2023年10月にはGarlinghouseとLarsenに対する個人請求が取り下げられたものの、Ripple社全体の訴訟は続いていました。この動画は、その最終的な決着を報告するものです。 Bradは動画内において、勝利を強調するポジティブなトーンで、暗号通貨コミュニティやRippleの支持者に向けたメッセージを発信しており、「RippleやXRPが証券ではないこと」「SECこそが市場操作者だった」とゲンスラー前SEC委員長の行動を非難し、SECの訴訟によって「XRP保有者から150億ドルもの価値が奪われた」と指摘しました。 XRPの価格は上昇へ 今回のBrad CEOのツイートとSECとの裁判が終了したことにより、XRPは前日比価格で+15%の価格上昇につながりました。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からリップル (XRP) の積立購入サービスを提供しています。 OKJは金融庁に登録された正式な取引所となっており、使いやすいUI/UXなどを理由に人気の取引所となっています。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 記事ソース : Brad X

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2025/03/12SoneiumがLINEと協力し、オンチェーンMINIアプリ導入へ
Soneiumは、Sony Block Solutions Labsと協力し、LINEと連携して4つの人気ミニアプリをブロックチェーン対応することを発表しました。今回のコラボレーションにより、LINEの2億人以上のアクティブユーザーがWeb3アプリケーションを簡単に利用できるようになります。 LINEのミニアプリ開発者は、Soneiumからの支援を受けて、コミュニティ構築やマーケティング戦略を強化し、今後のアプリのアップデートに集中できます。これにより、Web3の普及が加速し、より多くのユーザーが分散型アプリケーションに触れることが可能になります。 以下の4つのミニアプリが、今後数ヶ月以内にLINEで利用可能となります: Sleepagotchi LITE: Telegramで成功したゲームのミニバージョン。 Farm Frens: Web3の農業ゲームで、LINEユーザーに暗号通貨を紹介。 Moonveil - Puffy Match: シンプルなルールで楽しめるWeb3ゲーム。 Pocket Mob: LINEでプレイするソーシャル戦略RPGゲーム。 SoneiumとLINEの統合により、Web3のアクセスが簡単になり、従来のデジタル体験と同様にシームレスな体験が提供されます。 [ad_area] 国内仮想通貨取引所「OKJ」は、毎日・毎週・隔週・毎月のいずれかのプランで1,000円~200,000円からビットコイン (BTC) の積立購入サービスを提供しています。OKJは金融庁に登録された正式な取引所となっており、使いやすいUI/UXなどを理由に人気の取引所となっています。すでにほかの取引所の口座を持っている方もぜひ登録しておきましょう。 OKJで口座を開設する [/ad_area] 記事ソース : Soneium Blog















