【Beyond Blocks初日レポート】Passport Capital 海外ファンドが見る「仮想通貨時代の到来」

2018/04/07・

Yuya

【Beyond Blocks初日レポート】Passport Capital 海外ファンドが見る「仮想通貨時代の到来」

4月4日 恵比寿のウィストンホテル東京にて行われたBeyond Blocksに関して、Crypto Timesではメディアパートナーとして参加させていただいております。

今回は、サンフランシスコベースの投資ファンド Passport Capitalの創設者であるJohn Burbank氏の「仮想通貨時代の到来」をテーマにした講演に関してのレポート記事です。

「トレンドを見越す」投資


Burbank氏は講演の始めに「革新的な技術に伴う市場の上昇トレンド到来を見越して投資し、のちに平均線へのリターン(=上昇トレンドの崩壊)をヘッジする」ことが投資のゴールであると語りました。

Burbank氏は続いて革新的な技術の例を業界別で挙げました:

  • ブロックチェーン・仮想通貨 (金融/流通)
  • 遺伝学 (ヘルスケア)
  • 自動運転車 (交通)
  • Katerra (建設)
  • 人工知能 (機械が仕事を奪う時代)

遺伝子検査のコストが例年激減していることや、自動運転車がすでにレベル3(=ほとんどの状況で安全に運転をこなせる)に達していることなどを例に挙げ、「こういったテクノロジーは思うより早く私たちの生活に影響を及ぼす」と主張しました。

また、仮想通貨・金融の業界でも、規制の不透明さ、保証人の不在、手数料の高さなどといった従来のブロックチェーンをめぐる問題を解決するサービスが次々と登場してきていることも指摘しました。

テクノロジー・プラットフォームの歴史

Burbank氏は、テクノロジー・プラットフォームは歴史を通して集権化と分権化の動きを交互に繰り返しており、次の時代ではブロックチェーンが分権化を進めると語りました。

およそ1960-80年、IBMやTANDEMなどの時代が「メインフレーム時代」、集権的と取れる時期だとしました。

続いて、80-2000年がEMCやMicrosoftなどの「クライアント・サーバー時代」、テクノロジーが分権化に振れた時代だと語りました。

そして2000年から現在がAmazon、FacebookやGoogleなどの「クラウド時代」であるといいます。大企業が莫大なデータをコントロールする集権的な時代となったとBurbank氏は主張します。

Burbank氏は、まだ時間がかかるものの、いずれは「ブロックチェーン時代」がテクノロジーをまた分権的なものにすると予測しています。

仮想通貨の種類

講演の後半はより仮想通貨にフォーカスしたものとなりました。最も興味深かったトピックの一つが、用途からみる仮想通貨の違いでした。

仮想通貨・トークンは開発者の意図に応じて、以下の四種類に別れるといいます。

支払い用途・お金

  • 国境を越えた素早い取引
  • 国家の金融政策を受けない
  • 銀行へのアクセスがない人(世界の役35%)を助ける
  • 例: Bitcoin, Bitcoin Cash, Monero

分権型プラットフォーム

  • スマートコントラクトを利用し詐欺、監視、第三者の介入を防ぐ
  • 仲介者不要のサービス
  • 証明可能安全性(パブリック・ブロックチェーン)
  • 例: Ethereum, Stellar, NEM

ユーティリティー・トークン

  • 未使用のストレージやCPUの計算能力などを「資産」と考え、活用する
  • 流動性の増加
  • 未使用の資産をアクセスの届かない人々が使用できる(例: ブロードバンド)
  • 例: Augur, Filecoin

セキュリティー・トークン

  • ブロックチェーンを利用した金融商品の取引
  • 仲介人不要なトレード
  • 決済時間の短縮
  • 例: Bitcoin Capital, Science Blockchain

まとめ

以上がBurbank氏による講演のレポートとなります。

投資で成功するにはトレンドを見越す必要があり、ブロックチェーンを始めとする数々のテクノロジーは既に急成長を見せ始めている、ということでした。

Burbank氏は的確な考察をすごくわかりやすく説明していたので、個人的にとても勉強になりました。

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