【レポート】Sentinel Protocol(センチネルプロトコル) 東京ミートアップ
Shota
こんにちは!Shota(@shot4crypto)です。
本記事では、4月3日に行われたミートアップに参加し、具体的にこのプロジェクトがどういったことを成し遂げたいのか、またその特徴、開発の進捗状況などについて、プロジェクトのチーフエバンジェリストであるJohn Kirchさんから直接お話を聞くことができましたので、こちら紹介させていただきます。
目次
Sentinel Protocolとは
先日、紹介したSentinel Protocolですが、このプロジェクトは、人工知能やAI、集団的知性を生かしてブロックチェーンの分散型のモデル(自律性)を保ちながらサイバー犯罪に対する本質的な防衛手段を構築しようというプロジェクトになります。
プロジェクトの公式ホームページはこちらになります。
またCryptoTimesで紹介させていただいた記事は以下のリンクになります。
【ICO】Sentinel Protocol(センチネルプロトコル) -分散型セキュリティプロトコルのプロジェクト-
今後行われるセールに関しての情報は随時上記リンクで更新いたします。
Sentinel Protocol Meetup
今回のミートアップは4月3日に北参道のBase Layer株式会社本社にて開催されました。自分やチームのメンバーを含めて45人がサインアップし、実際は20~25人と小規模なミートアップとなりましたが、男女ともにブロックチェーンへ興味関心を抱く方が多く、プロジェクトに関しての質問などもたくさんいただきました。
セキュリティの現状
Chief EvangelistであるJohn Kirch氏のプレゼンテーションの前に、今回のミートアップを主催していただいたBaseLayer社の佐藤さんより日本のセキュリティの現状についての簡単な説明が行われました。
Sentinel Protocolチームによるトークセッション
Sentinel ProtocolのチーフエバンジェリストであるJohn Kirch氏による、仮想通貨ユーザーが常にフィッシングやスキャムと隣り合わせである点の指摘からプレゼンテーションは始まりました。
ハッキングやフィッシングの脅威
画像のようにETHのスマートコントラクトを利用したように見せかけてETHを盗み取る手口や、BinanceのURLの局所に『.』が挟まれていたりなど、様々な手段を駆使してきます。
また、ブロックチェーンの根幹技術は安全であるにもかかわらず、それに接続された取引所やウォレットなどのdAppsの安全は保障されていません。
2014年のMt.Goxへの攻撃から2016年にはBitfinex、2017年にはYoubit, Liqui、直近の2018年のCoincheck社へのハッキングが、アプリケーションの安全が保障されていないことを顕著に表しています。
Sentinel ProtocolのCEOであり創設者のPatrick KIM氏は自身がセキュリティの専門家であるにもかかわらず、イーサリアムのローンチ当初からマイニングをしていた7,218ETHをハッキングによって失いました。
この経験を生かして彼はブロックチェーン技術自体が安全であるにもかかわらず、そのアプリケーションを守る手段がない問題を解決するためSentinel Protocolのプロジェクト立ち上げに至りました。
Sentinel Protocolは何をどのように解決するか
現状、仮想通貨の取引や保管などにおいて、これらから生じた損失や考えうるリスクはすべて自己責任として考えられています。
現実社会において、資産は銀行へ、悪人は強盗、それらの脅威から守るための存在は警察として定義されますが、仮想通貨の世界においては、資産はウォレット、悪人はハッカーが該当するものの、悪人から守るための存在が存在しません。
プロジェクト開発チームは、この問題はブロックチェーン自体によって解決されると捉えています。
Sentinel Protocolの軸となるのは、集団的知性・分散型のデータベース・自己統治コンセンサスの三本の軸によって成り立ちますが、これらすべてがブロックチェーンであるからこそ実現が可能なものとなっています。
Sentinel Protocolの特徴面での解説
集団的知性
Sentinel Protocolのエコシステムにおいて、セキュリティの専門家(個人や機関・セキュリティベンダー・ホワイトハッカー)などによって構成される集団的知性は”The Sentinels”として、エコシステムの維持に貢献します。
これらの貢献に対するインセンティブは、財やサービスなどの利用に用いられるUPPトークンとは別にSP(Sentinel Point)という形で付与され、ステーキングすることができます。
したがって、このSPがエコシステムへの貢献度を示すものとなり、エコシステムに貢献した場合にはプラスの付与がなされエコシステムに対して悪い行いをした場合にはペナルティとして-マイナスの付与がなされます。
分散型脅威評価データベース(TRDB)
TRDBはプロトコル内に蓄積・共有されていくデータベースで、強力な攻撃耐性、高いデータの整合性、最適化されたアップタイム、トランザクションの追跡可能性を持ちます。
このデータベースはすべてAPIとして無料で利用することができ、プラットフォームによる利用可否がなく、更には盗難防止システムを備えています。
自己統治コンセンサス
合意形成にはProof of Protection(PoP)とビザンチン障害耐性(BFT)が用いられています。
これらはコミュニティの評価やSPの多少によって合意形成の代表権が与えられるシステム内部評価と、AML・KYCなどによる社会的な評価との紐づけによって完成する外部評価の二つを組み合わせる合意形成のアルゴリズムになります。
ユースケースの解説
①ユーザーサイドのケース
-ユーザーはS-Wallet*や提携しているウォレットなどを利用することで、詐欺防止のフィルタリングや異常検出などで自身の仮想通貨資産を守ることができます。
-またSentinel Portalを利用することで、専門家へ事件の報告などを行いそれに関してのアドバイスを受けることができます。
-主体的なエコシステム維持への貢献によりSPが付与されます。このSPはUPPへと交換可能(UPPからSPへの交換は不可)でUPPに交換すればそれを報酬として広く使用することができます・
②ハッカーサイドのケース
-異常検出やアドレスのフィルタリングなどの事件を取り扱うCERTによってハッカーは資産を盗むことが容易ではなくなり、また盗むことに成功したとしても、これらの取引所への送信はすべてはじかれてしまいます。
-Sentinel Portalにより世界中で脅威の情報が交換されています。これによりハッキングがより一段と難しくなります。
-“The Sentinels”として活動することで、セキュリティデータへの報酬、SP(Sentinel Point)の付与、SPのUPPへの交換など、ハッキング以上の報酬を得ることが可能となります。
成長戦略の概要
フェーズ1 パートナーシップ構築
-仮想通貨交換業やウォレットサービスなどとの提携でユーザー獲得を目指す。
-アジアの仮想通貨ハブ(シンガポール・韓国・日本)
フェーズ2 コミュニティ構築
-インターネット上でのプレゼンスの拡大・向上
-国際的なコミュニティ拡大
-人気のあるプロジェクトや提携先との協力
フェーズ3 非仮想通貨市場の開拓
-サイバーセキュリティ会社との提携
-政府系の組織や金融サービス機関との統合
プロダクトロードマップ
フェーズ1 Proof of Protection
2018/06 Sentinel Portal パブリックベータ版リリース
2018/07 メインネットバージョンのローンチ
フェーズ2 自己浄化
2018/11 機械学習エンジン ベータ版リリース
2018/12 分散型サンドボックス リリース
フェーズ3 自律進化
2019- 機械学習エンジン搭載詐欺検出システム(FDS)のメインネットへのリリース
世界各国からの投資とパートナーシップ
Q&Aセッション
Q. 競合プロジェクトはありますか?またそれはどのようなものですか?
A. 私たちは他のセキュリティプロジェクトを競合だとは考えていません。むしろセキュリティに対して人々や他の機関・企業が関心を持つことは素晴らしいことだと考えています。今後、そのような競合や違うアプローチでブロックチェーンセキュリティの問題の解決に取り組むプロジェクトがあれば、協力して更に優れた、安全なものを創り上げていきたいです。
まとめ
以上が今回のミートアップの内容になります。ブロックチェーンは安全だけどチェーン上のdApps(ウォレットからゲームなどすべて)は必ずしも安全とは言えないうえ必ず脆弱性が存在し、ハッキングの危険性と常に隣り合わせにあります。
Sentinel Protocolはこういったブロックチェーン上のアプリケーションで起こる問題をブロックチェーン自体を使いみんなで解決していこうというプロジェクトです。今後更なるブロックチェーンやdAppsの社会への普及でますますセキュリティへの重要性は高まってきます。
エコシステム的には文句ないプロジェクトだと思うので、これからの開発やパートナーシップの締結の進捗など注目していきたいですね!