インターオペラブルで高機能なDEXを実現する「SifChain Finance」を徹底解説!

2021/10/01・

Yuya

インターオペラブルで高機能なDEXを実現する「SifChain Finance」を徹底解説!

SifChain Finance ($EROWAN)は、DeFi/DEXの分野での異なるブロックチェーン間の通信技術に特化したCosmosベースのブロックチェーンです。

同プロジェクトは世界初のオムニチェーンDEX(複数ブロックチェーン共通の分散型取引所)を創り上げることを目指しており、Alameda Researchなど数多くの有名な団体をパートナーにつけています。

こちらの記事では、SifChainのプロダクトや技術的な仕組みを一からわかりやすく解説していきます。

SifChain Financeの概要と特徴

−SifChainの概要−

プロジェクト名SifChain Finance
ネイティブトークン (ティッカー)Rowan ($EROWAN)
創設者Jazear Brooks
特徴オムニチェーンDEX
パートナー/インベスターAlameda Research, NGC ventures, bitscale capital, Mechanism capital, AU21など
公式リンクWebサイト
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真のオムニチェーンDEX

通常、分散型取引所(DEX)では、基本的に使用している大元のブロックチェーンのトークンのみがスワップできるようになっています。

イーサリアムであればETHとERCトークンのみ、バイナンススマートチェーン(BSC)であればBNBとBEPトークンのみなどとそれぞれ制限がありますが、トークンラッピング等をはじめ、別のチェーン間の資産取引(クロスチェーン・スワップ)を可能にする様々な技術が開発されています。

SifChain Financeもこういったブロックチェーンの垣根を越えたDEXを作るシステムを開発しており、ビットコイン、イーサリアム、BSC、PolkadotやEOSなど20~25種類のブロックチェーン間のスワップに対応する真の「オムニチェーンDEX」となることを目指しています。

SifChainが他のクロスチェーンプロジェクトと比べて特に優れている点は、EVM(イーサリアム・バーチャル・マシン)と互換性のないチェーンのスワップにも対応している点です。

EVMはイーサリアム上の仮想コンピューターで、多くのブロックチェーンは自前のコードがこのEVMでも実行できるようになっていますが、中にはその互換性がないものもあります。

SifChainは、EVM互換のものと非互換のものもクロスチェーン・スワップできるというとても大きな強みを持っています。

非対称型イールドファーミングとマージン取引

SifChainのリクイディティは、ユーザーによる流動性の提供で保たれます。

ユーザーは任意の通貨ペアに流動性を提供し報酬を得ることができますが、通常はこの時ペアの通貨それぞれを1:1の割合で提供しなければなりません。

しかし、SifChainはこの提供割合が1:1でなくてもよい非対称型イールドファーミングを採用しています。プール内のペアの偏りはそれを修正するようにインセンティブ付けされるようになっています。

また、SifChainではDEXとしてのユーザビリティも強く意識されています。

開発されているAMM(自動マーケットメーカー)はアダプティブ形式となっており、単純な成行のトークンスワップだけでなく指値注文も可能になっています。

さらに、ユーザーは流動性プールから資産を借りてマージン取引をすることもでき、流動性を提供している側はこの借入に応じて利子を得ることもできます

高速かつ安全なコンセンサスメカニズム

SifChainはCosmos ($ATOM)と呼ばれるインターオペラビリティネットワークが提供する開発キット(SDK)を用いて作られたブロックチェーンです。

このCosmosが採用しているTendermintコンセンサスメカニズムはイーサリアムなどと比べて処理速度がとても速く、ビザンチン障害耐性も備えています。

Cosmos SDKを活用して作られたSifChainもこの恩恵を受けることができ、イールドファーミングにおけるインパーマネント・ロス(IL)などのリスクを従来より抑えることができます。

このコンセンサスメカニズムはいわゆるDPoSで、SifChainでは最も多くのネイティブトークン($EROWAN)をステークとデリゲート(投票)で集めたトップ100人がデリゲーターとなります。

ネイティブトークン「Rowan」について

SifChainの流動性プールはすべてネイティブトークンのRowan (ティッカー: $EROWAN)とのペアでできています。

例えばETHをMKRにスワップしたい場合、ETH/EROWANでETHを売りMKR/EROWANでMKRを買う、という手順が取られます。

したがって取引手数料は二重になりますが、対応しているチェーン間であれば何とでもスワップできるというメリットがあります。

また、それぞれのプールの流動性の差やタイムラグなどこのシステムよって生じる合成ペア(ETH/MKR)の歪みは、SifChain上のトレーダー達によって裁定(アービトラージ)されることになっています。

加えて、Rowanは上記のようにコンセンサスメカニズムのバリデーターへの立候補・投票や、DAOとしてのSifChainにおけるガバナンストークンとしても機能します。

まとめ

SifChainは「インターオペラビリティ」「高機能なAMMシステム」「DEXとしてのユーザビリティ」の3点を追求しており、それぞれの分野が黎明期からどれだけ発展し統合されてきたかがよくわかるプロジェクトです。

2021年Q1にトークンセールを行った同プロジェクトはスワップ、ガバナンス、流動性マイニングまで実装が済んでおり、Q4中にマージン取引とEVM互換性のあるチェーン間でのスワップが実装される予定になっています。

オムニチェーンスワップはイールドファーミングに力を入れる人たちにとって手間と手数料を省ける便利なものになり、加えてILの抑えやすいコンセンサスメカニズムもうれしいものになることは間違いありません。

さらにDEXの分野は、従来の取引所(CEX)が世界中で厳しい規制を受けている今、トラディショナルなトレーダー達の注目を集めつつあります。

しかしCEXに比べDEXはまだまだ劣っているのが現状で、ユーザビリティの向上が強く求められています。

こういった需要に応える競争が起こっている今、SifChainがどれだけユーザーを獲得することができるか要注目です。

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