2/27-3/5 資金調達を実施したプロジェクト 7選
あどまん
3月1週目は珍しく資金調達を行ったプロジェクトも少なく、今回は7PJを紹介します。
先週はなんと言ってもliquid staking protocolのether.fiがアーリーアダプタープログラムを開始したことを受けて話題になりました。やはりトークンが未発行でdappsに自己資金を投じるタイプのプロダクトは、大きなリターンが返ってくる傾向があるため話題になりやすいですね。
それでは紹介していきます。
Avalon Corp
POINTBitkraft VCが主導するSeed Roundにて1,300万ドル調達。他にもHashed, Delphi Digital , Mechanism Capital, Coinbase Ventures等が参加。
相互運用が可能なデジタルユニバースの構築を目指すWEB3ゲーム開発スタジオ
Avalonはlectronic Arts、Microsoft、Blizzard、Sony、バンダイナムコなどでゲーム開発をしていたメンバーによって創設されました。
このプロジェクトはメタバースではなく「デジタルユニバース」というワードを強調しています。
デジタルユニバースとは1つの企業が構築する単一のメタバースではなく、さまざまなクリエイターや企業がAIやツールや知的財産コンテンツを持ち込んだ複数の世界が相互運用的に入り乱れる空間であるとのことです。
外部のクリエイターがAvalonのデジタルユニバースで自分たちの世界を構築できるようにすることはもちろんのこと、Avalon独自の世界も開発しています。
また、より多くの人間が参加できるようにジェネレーティブAI技術を活用して、一般ユーザーも独自の世界の構築ができる機能の実装を目指していいるとのことです。
CEOのPinnok氏はもともとストラテジーゲーム「Warcraft III」のMOD作成者であり、さまざまなMODコンテンツをゲームユーザーにもたらしました。その時の経験がAvalonのデジタルユニバースの考えにつながっている模様です。
AvalonはUnreal Engine5で構築されており高性能なPCを所有していないと快適にプレイするのは困難であると予想されます。そのため将来的にはクラウドサービスも併せて提供し、ウェブブラウザさえあれば誰もゲームをプレイできるようにする予定となっています。
肝心のゲーム内容についてはまだ不明な部分が多いので続報を期待しています。
公式サイト:https://playavalon.com/
Twitter:https://twitter.com/avalon
Discord:https://discord.com/invite/k96dsWPthy
Fluus
POINTFHS Capital, Encryptus.ioが主導するPre-Seed Roundにて60万ドル調達。
WEB3へのオンボーディングに特化したDefi。近日中にβ版リリース
FLUUSは金融インフラが不十分な発展途上国の人々が容易にWEB3へアクセスすることを手助けするプロジェクトです。開発者全員がMENA(中東・北アフリカ)出身であり、そうした国こそWEB3や仮想通貨サービスの需要が大きいことを自らの体験で理解しているとのことです。
具体的には以下のようなプロダクトを開発しています。
・FLUUS Pay:ランピング(Fiat⇔Crypto)、トレード、決済ソリューション。多数のFinTechや送金ネットワークと提携済で各国の規制をクリアしている。
・FLUUS Auth:TSS(閾値署名、マルチパーティ計算技術の一種)を活用したウォレット作成及びSSO(シングルサインオン)を活用したWEB3へのオンボーディングを独自のアプリに実装するSDK。
これらのプロダクトは180以上の国、100以上の法定通貨、200以上の仮想通貨、75以上のブロックチェーンに対応し、プライベートトライアルではすでに100万ドル以上のオフランプ(Crypto→Fiat)に成功しています。
またネイティブトークン$FLUUSを作成済で4月5日に上位20以内の取引所のいずれかに上場すると発表されています。
$FLUUSをステーキングすることで利回りが期待できる他、FLUUSの決済システムなどを利用する企業の場合は、手数料の削減と一部機能のロック解除といったメリットがあります。
公式サイト:https://fluus.com/
Twitter:https://twitter.com/itsFLUUS
Discord:https://discord.com/invite/hKZpzwu9AE
Telegram:https://t.me/itsFLUUS
Medium:https://medium.com/@itsfluus
Term Labs
POINTElectric Capitalが主導するSeed Roundにて250万ドル調達。他にもCoinbase Ventures、Circle Ventures、Robot Ventures、MEXC Ventures等が参加。
レンディングのトリレンマを解消した固定金利の分散型レンディングプロトコル
仮想通貨市場でレンディングする場合、投資家は「スケーラブル」「ステーブル」「トラストレス」の3つの要素が同時に満たせない、レンディングのトリレンマに縛られることになります。
Cefiには透明性がなく、Defiの変動レートには安定性がなく、Defiの固定レートは大規模な取引に向いていません。
Termはこれらの3要素をすべて満たすために、「ダブルオークションメカニズム」を採用したレンディングプロトコルの構築を目指しています。
ダブルオークションメカニズム
プラットフォーム上の貸し手と借り手が取引金利をオークション方式で決定する仕組みで貸し出し側は金利を設定してオファーを出し、借り手側は入札します。
オークション終了後にプロトコルが市場清算レートを決定し、レート以上の金利で入札したすべての借り手とレート以下の金利でオファーを出したすべての貸し手は、市場清算レートで貸し借りが実行されます。
これにより単一のレートで貸し借りが実行されるため、受け取りと支払いのレート差による大きなスプレッドが発生しません。また成立しなかったオファーと入札は即座にユーザーの手元に戻されるため、資金ロックの期間も最小限に抑えられます。
2023年Q1にEthereum上でオープンβ版リリース予定となっています。まだdappsもローンチしていないため、詳しく解説することもできませんが、仕組み自体は面白そうなので今後のアップデートに期待したいです。
公式サイト:https://termfinance.io/
Twitter:https://twitter.com/term_labs
Telegram:https://t.me/+Q8nMs4zuM5tmMjAx
Ether.Fi
POINTNorth Island VC, Chapter One, Node Capitalが主導するFunding Roundにて530万ドル調達。他にもArthur Hayes(Bitmex創業者), Arrington XRP Capital等が参加。
Liquid Staking Derivativeトークンを用いたステーキングプロトコル
ether.fiは、ステーカーが自分の鍵を管理することが特徴のリキッドステーキングプロトコルです。
- ステーカーは、自分のステークしたETHキーを生成して保持できる。
- ether.fiを介して起動されたバリデータごとにNFTが鋳造される。
他のほとんどの委任型ステーキングプロトコルでは、ステーキングを行う人がETHを入金し、ステーキングの認証情報を生成して保持するノードオペレータとマッチングすることが条件になります。このアプローチは、プロトコルが非カストディアルであるように見せかけて、実際にはカストディアルまたはセミカストディアルなメカニズムとなっています。このため、ステーキングを行う側は、不透明で大きなカウンターパーティーリスクにさらされる可能性があります。
ether.fiでは、ステークホルダーは鍵を管理し、ETHを保持しながら、ステーキングをノードオペレータに委任します。これにより、リスク表面積を大幅に削減することができます。
また、ether.fiでは、プロトコルを介して起動されたバリデータごとにNFTが鋳造されます。Liquid Staking DerivativeトークンeETHは、これらのNFTを含む流動性プールから造幣されます。
これらのNFTは32ETHのステークを制御し、バリデータに関連するメタデータを保存します。これらのNFTは、ステーキング・インフラの上にプログラマブルなレイヤーを作成するために使用できます(いずれEigenLayerと統合する予定)。
現在アーリーアダプタープログラムが開催中
ether.fiではアーリーアダプタープログラムが開催されています。
ETH、wstETH、rETH、sfrxETH、cbETHを入金してボーナスポイントを得ることで特典を受けられます。
以下、ルールになります。
- 獲得ポイント=ブースト×秒数×sqrt(預金額)
- 30日間で1.0から2.0にブーストスケールする。
- いつでも手数料なしで引き出せる(ただし、ボーナスポイントは失われる)
- 預けたお金をEtherFiステーキングに移行することができるようになります。
- 移行時には、ボーナスポイント残高に比例して、ステーキングイールドがアップするなどの特典が受けられます。
アーリーアダプタープログラムに参加することで、EtherFiのステーキングが正式ローンチした際に様々な恩恵を受けるらしいので、それが結果的にエアドロにも繋がっていくかもしれませんね。ぜひ、参加しておきましょう。
公式サイト:https://ether.fi/
Twitter:https://twitter.com/ether_fi
Discord:https://discord.com/invite/CuhQKGkEaF
Telegram:https://t.me/+C3fpSjmPqzA5NTVh
Medium:https://etherfi.medium.com/
Docs:https://etherfi.gitbook.io/etherfi/
Redeem
POINTKenetic Capitalが主導するPre-Seed Roundにて250万ドル調達。他にもMonochrome Capital, VC3 DAO, The Fund等が参加。
電話番号とブロックチェーンを紐づけてデジタル資産をどこでも簡単に保存、アクセス、利用できるように
Redeemは、トークンやNFTの送金を携帯電話の基本的な操作と同じように簡単に行えるようにすることを目指す企業で、暗号資産ウォレットを電話番号に接続し、QRコードをスキャンすることでチケットやポイント、ゲームアイテムなどを簡単に交換することができます。
iMessage、WhatsApp、SMSなどの一般的なメッセージングサービスを通じてNFTをスムーズに交換することができ、複雑な暗号インターフェースやガス代が不要になります。そうすることによって、ブロックチェーン知識がないユーザーにもWeb3を体験してもらうことができます。
NFTはWeb3ユーザー以外にも広まり始め、さまざまなブランドやクリエイターが発行するようになってきました。しかしNFTは受け取るだけでも専用の知識が必要なため、クリエイター側は現実的には既存の流通網で大勢に届けるか、NFTを活用して少数のWeb3ユーザーに届けるか選ばなくてはならない状況にあります。こうした現状を鑑みるにかなり需要のあるサービスではないでしょうか。
サインアップしようとしたところ電話番号の国コード選択欄に日本はなかったので、残念ながら現時点で日本は対応しておりません。
Redeemを設立したRush氏はAntGroup(AlibabaGroupの金融関連会社でAlipayなどを運営)の元幹部で、EyeVerify(2016年にAlibabaが1億ドルで買収した生体認証テクノロジー企業)の創業者でもあり、FinTechやID認証システムのトップランナーです。どのような設計がユーザーの参入障壁を下げることができるのか、これまでの経験を活かした開発を期待したいです。
公式サイト:https://www.redeem.xyz/
Twitter:https://twitter.com/Redeem_xyz
Few and Far
POINTPantera Capitalが主導するFunding Roundにて1,050万ドル調達。他にもCypher Capital, Huobi Ventures等が参加。
NEAR上に構築されたNFTマーケットプレイス✕Defiプロトコル
Few and FarはマルチチェーンNFTマーケットプレイス、Defi、ローンチパッドなどNEARプロトコル上でNFTを触るために必要なサービスがすべて詰め込まれたワンストップ型のプラットフォームです。
NFTコレクターだけでなく、初心者クリエイター、DAO向けのサービスも提供しており、マイニングツールやアウトバウンドマーケティングでのプロジェクトの支援にも取り組んでいます。
Few and Far DeFiがまもなくローンチ予定
Few and Far エコシステムひいてはNEARに参加するためのインセンティブとしてDefiサービスが近日中にローンチ予定です。
ネイティブトークン$FARはすでに上位のCEXやNEARのネイティブDEXへ上場が決まっており、ステーキングや流動性提供にて報酬を受け取れます。
エコシステム全体でのFARトークンの各トランザクションには0.1%のTAXが発生し、このうちの1/3がバーン、1/3がファームへの提供、1/3がプロジェクトの財務に割り当てられる仕組みです。この仕組みによってFARトークンは供給量が減少していくデフレ型トークンとなっています。
NEARのNFTやBCGはまだあまり手を付けていないという方はぜひ一度触ってみてください。
公式サイト:https://fewfar.com/
Twitter:https://twitter.com/FewandFarNFT
Discord:https://discord.com/invite/cHSs5xcqwZ
Medium:https://medium.com/few-and-far
Insrt Finance
POINTHashKey Capital, Infinite Capitalが主導するPre-Seed Roundにて220万ドル調達。他にもSky9 Capital, Hamzah Khan等が参加。
BluechipNFTの一部を所有することで利回りを得られるShardVaultsを提供
ShardVaultsはinsrtの最初のプロダクトで、Bluechip NFTの一部所有者となったユーザーに対して利回りを支払うものです。
このVaultsは、みんなで資金を出し合って一つNFTを購入するものであり、これまで価格が高くなかなか購入するまでにハードルのあったNFTへの参入障壁を下げることができます。
- 必要な資金量に達するまでETHをShardVaultに預けることができます。
- ETHと引き換えに、ユーザーには固有のNFT(Shard)が与えられます。Shardは、ユーザーのShardVaultへの参加とVaultの基礎資産の所有権を表します。また、Vaultによって発生する利回りに対するユーザーの請求権としても機能します。
- Vaultが上限に達すると、あらかじめ決められたブルーチップコレクションからNFTを購入します。そして、原資となるNFTをレンディングプロトコルで担保し、借りた資金を高利回り戦略に預け、借入金利と投資利回りの差を取り込みます。
- ShardVaultは、リスクを監視し、ローンの支払いを行い、必要に応じてさらに借り入れを行うことでローンポジションを自動的に管理し、清算を防ぐだけでなく、ユーザーへのリターンを最大化します。
- ユーザーは、報酬が時間とともに蓄積されると、ShardVaultから定期的に請求することができます。
- NFT(Shard)の所有者は、例えば、優良なNFTの価格が大幅に上昇した場合、Vaultを閉じてNFTを売却する投票を提案することができます。投票が可決されると、VaultはNFTを売却し、すべてのリターンをShardのオーナーに分配します。
ダッシュボードではNFT(Shard)やVaultに投じたETH量に応じて、シェアがどのくらいなのか確認することができます。
2023年Q3にてInsrtトークンがローンチ予定
Insrtトークンは今年のQ3にローンチ予定となっており、プロトコルの収益の一部はホルダーへ分配されます。
積極的に、Insrt Financeのプロダクト(今はShardVault)を利用しておけば、トークンがローンチしたタイミングでエアドロップとして獲得できる可能性もありそうですね。
公式サイト:https://mirror.xyz/insrt-team.eth
Twitter:https://twitter.com/insrtfinance
Discord:https://discord.gg/insrt
Docs:https://docs.insrt.finance/
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