EthereumとEOS間のクロスチェーン取引を可能にするBancorXの仕組みを解説
Shota
こんにちは、Shota(@shot4crypto)です。
BancorXは取引所やオーダーマッチングなどを必要とせずに、Ethereum上の資産とEOS上の資産の交換を可能とするプロトコルです。
本記事では、そんなBancorXが具体的どのような仕組みの元で、Ethereum-EOS間のクロスチェーン取引を可能にするのかを開設していきます。
BancorXとは?BNTトークンを利用したクロスチェーン取引の仕組みを解説!
BancorXでのクロスチェーン取引におけるカギを握るのが、BNT(Bancor Network Token)です。
BNTのスマートコントラクトは、EthereumとEOS上で同時に機能し、この設計故にクロスチェーンでの変換が可能となっています。
世界初のスマートトークンであるBNTのクロスチェーンでの機能性の軸には、複数のブロックチェーン上で同時にトークンの発行や破壊を行うことのできる点にあります。
BNTトークンはチェーン間を移動する際、送信元のチェーン上の循環からは除去され、送信先の目的アドレスで再生成される形を取ります。
このプロセスにより、クロスチェーンにおけるトークンの変換及びBNTの循環枚数を一定に保つことができるようになります。
例:Ethereum上のトークンをEOS上のトークンに変換する際のプロセス
BancorXを利用してEthereum上のトークンをEOS上のトークンに変換するプロセスは以下の通りです。
トークン変換のプロセスは上記イメージのように、左側のEthereum、中央のOracle(オラクル)、右側のEOSの3つに分割して段階的(同時)に行われていきます。
Ethereum側でのプロセス
- Ethereum上のトークンをBNT(Bancor Network Token)に変換
- BNTがEthereum上のBancorXのスマコンに送信される。この時、EOSチェーン上の目的地となるアカウント情報の受け取りも行われる。
- BNTと目的地となるアカウントがBancorXのコントラクトに送信されると、Ethereumチェーン上からBNTの循環が除去される。
Oracle側でのプロセス
- OracleがEthereum上のBancorXコントラクトを監視、EOS上のBancorXコントラクトにBNTの枚数と目的地となるアドレスの情報が受け渡される。
EOS側でのプロセス
- EOS上のBancorXコントラクトがEOSのブロックチェーン上で同数のBNTトークンを発行
- Bancorネットワークのリレーを通じて、発行された同枚数のBNTをEOS或いはEOS上のあらゆるトークンへと変換することができる
このように、BancorXのスマコンを通して、BNTトークンの焼却・ミントが同時に行われることで、BNTトークンの循環枚数(Ethereum+EOS)を一定に維持しながらクロスチェーンの取引を行うことも可能となります。
また、逆のプロセス(EOS-Ethereum間)での取引も同様に行われていくようです。この部分の説明に関してはEthereumとEOSを逆にしただけの仕様となっているため割愛させていただきます。
まとめ
BancorXのEthereum-EOS間におけるクロスチェーン取引のプロセスについてをまとめました。
クロスチェーン間での取引はまだまだ主流ではありませんが、Web3.0系のウォレットなどと統合していくことで、従来の単一のチェーンではなくよ巨大なエコシステムが完成していくのではないでしょうか?
執筆の参考とした英語の原文はこちらからご覧いただくことができます。