ビットコインの半減期が2024年春頃に発生すると見られており、大きなイベントが近づきつつあります。
半減期はマイニングによる報酬が半減するイベントであり、ビットコインはこれまで3回の半減期を経験してきました。
その数ヶ月〜1年程度で、価格を大きく上げるといった傾向も確認されており、ビットコインはもちろん仮想通貨を保有している方にとっては注目したいイベントの1つです。
この記事では、そんなビットコインの半減期の概要や、これまでの半減期、半減期に伴って注目したいポイントなどについて解説しています。
目次
ビットコインの半減期とは?発行されるBTCが減少
仮想通貨のパイオニアであり、未だに最も高い時価総額を持つのがビットコインです。
そんなビットコインには、4年ごとに半減期というイベントが存在し、半減期は価格やマイニングなどの動向に影響を与えると考えられています。
これから、そんなビットコインの半減期について以下の観点から概要を解説していきます。
・マイニングとインセンティブの概要
・半減期の概要
・半減期によって予測される影響
半減期について基本的なポイントをチェックしていきましょう。
マイニングとインセンティブの概要
ビットコインは、コンセンサスアルゴリズムにPoWを採用しており、計算に成功した主体がブロックを作成し、新規発行のビットコインと取引手数料を報酬として受け取ります。
【初心者向け】仮想通貨(ブロックチェーン)におけるコンセンサスアルゴリズムとは?
報酬を目的に計算を行う過程をマイニングと言い、マイニングを行う主体をマイナーと言います。
ブロックにはトランザクション(取引)が含まれており、ブロックがチェーンに含まれることで取引が完了します。
そのため、ブロックチェーンを通してビットコインが転送可能な背景に、マイニングとマイナーの存在は欠かせません。
半減期の概要
前述したとおり、マイナーは報酬として新規発行分のビットコインを手に入れます。
上記の報酬として新規発行をしているビットコインを半分にするイベントを、半減期と言います。
また、予めビットコインの発行枚数は2,100万枚と決定されているため、いくつかの半減期を経験した後に、ビットコインは最終的に2140年あたりで新規発行が終了すると見られています。(あくまで予想)
2023年2月時点で報酬は6.25BTCに設定され、約1,900万枚以上が発行されており、残りのビットコインは200万枚を切っている状態です。
半減期によって供給が減少する
半減期は、ビットコインの特徴や資産における強みとして、アピールポイントになることが多いです。
というのも、予め発行される上限が決定されており、徐々に供給(新規発行)が絞られていくことから、デフレ資産として機能し価格を押し上げる要因となるでは?と見られているためです。
例えば、法定通貨であれば、政府・中央銀行の意向によって自由に供給を増やしたり、引き締めたりすることが可能であり、行く末は中央集権的なプロセスによって決められています。
また、金・貴金属と比較した場合にも、明確な供給量が予め決定されているため、より希少性が分かりやすいという特性も持ちます。
(金についても、希少性があり採掘量が限られていると見られるが、どの程度の資源が残されているのか?を正確に把握ができない)
ただし、注意したいのは発行上限が定められていなくとも、デフレ資産になりゆる・ポテンシャルを持つ仮想通貨は存在している点です。
https://twitter.com/gate_io/status/1619996400258801664
つまり、発行上限の設定のみが、仮想通貨の価格を押し上げる or 供給を絞る選択肢ではありません。
例えば、イーサリアムの発行上限が定められていないものの、ネットワークの利用状況などに応じてバーン(仮想通貨を利用できない状態にする)する過程を取り入れており、発行上限はないものの供給を絞る工夫が取り入れられています。
(ただし、イーサリアムは利用状況によってバーンされる量が変化するため、インフレ率も大きく上下する)
同様の取り組みは他の仮想通貨にも見られ、デフレ資産として機能させる選択肢はいくつか存在しています。
ビットコイン半減期のこれまで
これまで、ビットコインは3度の半減期を経験しており、そのたびに報酬が減少していきました。
これから、各半減期ごとの報酬の推移とビットコインの価格について、以下の期間ごとに解説していきます。
・2012年
・2016年
・2020年
半減期のこれまでについてチェックしていきましょう。
2012年
(引用元:CoinGecko)
2012年11月にはじめての半減期が訪れ、報酬は50BTCから25BTCに減少しました。
チャートを見ても分かる通り、大きな価格上昇が2013年に見られますが、この価格上昇がビットコインの価格を押し上げる要因となったのか?に疑問が残ります。
というのも、ビットコインの需要が大きく高まったのは、直近で発生したキプロス危機を指摘する声が多いです。
一方で、キプロス危機はきっかけの1つであって、ビットコインが持っているデフレ資産、分散性などの特性が需要を生んだという見方もできるでしょう。
2016年
(引用元:CoinGecko)
2016年7月に2度目の半減期が訪れ、報酬が25BTCから12.5BTCに減少しました。
半減期直後には価格の若干の下落が見られたものの、2017年から大きな価格上昇が見られました。
ただし、この価格上昇についても、半減期が明確に価格に与えた影響は不明です。
(引用元:Blockchain.com)
その後価格が上昇するにつれて、ハッシュレートは安定的に伸びており、ビットコイン建てでの報酬は減少したものの、マイニングが活発化していることが分かります。
2020年
(引用元:CoinGecko)
2020年5月の半減期では12.5BTCから6.25BTCに減少しました。
この半減期についてもそれほど大きな価格変動は見られなかったものの、2021年から大きな価格上昇が見られました。
(引用元:Blockchain.com)
一方で、ハッシュレートについては後に回復しているものの、半減期実施の前後数週間の間に若干の乱高下が見られます。
ビットコイン半減期の注目ポイント
2024年春辺りに迎えると見られる半減期を迎えることで、ビットコインの新規発行は6.25BTCから3.125BTCに減少します。
これから、次のビットコイン半減期の注目ポイントについて以下の観点から解説していきます。
・価格への影響
・ハッシュレートの変化
次の半減期で押さえておきたい点をチェックしていきましょう。
価格への影響
ビットコインの半減期については、前後の数ヶ月〜1年程度に価格が大きく変動するという現象が見られます。
前述した過去の半減期の例を元にすると、半減期の1年から数ヶ月の間に大きな価格上昇が見られることから、半減期が価格上昇を引き起こしているのでは?もしくはトレンドを形成するのでは?という声も見られます。
https://twitter.com/tedtalksmacro/status/1619934117235417089
Historically, #BTC tends to break the Macro Downtrend ~366 to 396 days before the upcoming Halving event
Currently $BTC is 425 days away from the next Halving in April 2024
At the earliest the Macro Downtrend breakout could occur next month (March) or in April#Crypto #Bitcoin pic.twitter.com/okuKY13mXy
— Rekt Capital (@rektcapital) February 2, 2023
ただし、ビットコインを取り巻く環境は毎半減期ごとに変化しているため、今後の半減期でも同じような価格へのポジティブな影響が見られるとは限りません。
とはいえ、過去の傾向では数ヶ月から1年程度でビットコインの価格が大きく上昇しているので、注視したいと言えるでしょう。
ハッシュレートの変化
ビットコインの半減期に伴う懸念点として挙げられがちなのが、インセンティブの減少とそれに伴うハッシュレートの低下です。
ハッシュレートとは、マイニングの1秒あたりの計算力を示す指標であり、ハッシュレートが高ければ高いほど、高い計算力がビットコインのマイニングに向けられているということになります。
同時に、一般的にハッシュレートが高ければ高いほど、ビットコインの安定性は向上すると見られています。
過去の傾向では、半減期に伴うハッシュレートへの影響は限定的でした。
むしろ、半減期によってマイナーが得られるビットコインの枚数自体は減少していますが、ビットコインの価格・認知の向上やマイニングマシンの性能向上などによって、ハッシュレートは過去数年間の大きな目で見ると、爆発的に成長しています。
(引用元:Blockchain.com)
また、いくつかハッシュレートの大幅な減少が見られるタイミングについても半減期というよりは、規制や何らかの形で発生した収益の悪化、情勢などがより多くの影響を与えます。
ハッシュレートが回復するまでの期間は、要因やタイミングによって異なっていますが、直近数年間のものであれば、数ヶ月から数週間で回復しています。
ハッシュレートの低下と直近で見られたイベントの例
発生した期間 | 減少した原因 | 同じ水準に戻るまでの期間 |
2018年10月〜12月 | ハッシュレートの急上昇と価格下落による収益の悪化 | 半年程度 |
2021年5月〜7月 | 中国によりマイニングの取締強化と価格下落 | 4ヶ月〜5ヶ月程度 |
2022年12月 | 米国の大寒波と電力削減による一時的なマイナーの減少 | 2週間程度 |
一方で、今後新規発行分によるインセンティブがより期待できなくなる中で(ビットコイン建ての)、マイナーが採算を取れるレベルの価格を維持できない場合、ハッシュレートが大幅に減少したり、マイナーがよりコストの低い地域に集中するといった可能性が考えられるでしょう。
ただ、ハッシュレートの一時的な乱高下または下落は、ビットコインの安定性に対して必ずしも多大な影響を与えるものではなく、それほど悲観する現象でもありません。
というのも、ビットコインには10分間に生成されるブロックの間隔によって、難易度を調整する仕組みがあります。
ビットコインでは概ね10分程度でブロックを生成しており、10分よりも早くブロックが生成されたら難易度を上げ、10分よりも遅れた場合は難易度を下げて、理想的なブロック生成間隔に近づけます。
そのため、仮にビットコインのハッシュレートが下落した場合であっても難易度を変更することで、マイニングに対するコストが変化し、ビットコインの安定性に影響を与えないための仕組みが存在しています。
ビットコインと半減期についてまとめ
この記事では、ビットコインの半減期についてさまざまなポイントから解説しました。
ビットコインの半減期と直近数ヶ月の価格変動の明確な関係性は不明なものの、ビットコインの価格が年々押し上げられているのは事実です。
ビットコインは、未だに代表的な仮想通貨であり仮想通貨市場全体への影響力も強いです。
半減期やハッシュレート、マイナーの動向などについてはチェックしていきたいと言えるでしょう。
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