金はなぜ爆上げし、ビットコインは上がらないのか|専門家が分析
Crypto Times 編集部

金(ゴールド)の価格が連日のように史上最高値を更新する一方で、代表的な仮想通貨であるビットコインの価格は伸び悩んでいます。この対照的な動きの背景には何があるのでしょうか。
専門家は、現在の複雑なマクロ経済環境と市場心理が影響していると分析しています。
ドル安とドル基軸体制への不信が理由か
Galaxy DigitalのBeimnet Abebe氏は、最近の金価格高騰の背景にはドル安と国際的なドル離れの動きがあると指摘します。現在ドルインデックス(DXY)は一時100を割り込んでいます。
このドル安の背景には「米国株式、米国への観光、あるいはドルや米国債といったものから大規模な国際的なシフトが起きている」とAbebe氏は分析します。特に米国の関税政策の不確実性や財政赤字の拡大などがドルや米国債への信頼を揺るがしている可能性があります。
さらに、著名投資家レイ・ダリオ氏が指摘するように、既存の金融秩序への疑念が高まっていることも安全資産とされる金への資金流入を加速させていると考えられます。Abebe氏、「金は年初来で26%上昇している。驚異的な通貨切り下げヘッジ、ドル安ヘッジ、そして中央銀行資産、ソブリン資産だ」と述べ、金が伝統的な価値保存手段として改めて評価されている状況を説明しました。
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ビットコインは「デジタルゴールド」になりきれず
一方で、しばしば「デジタルゴールド」とも称されるビットコインの価格は、金とは対照的に低迷しています。Abebe氏は、ビットコインが年初来で数%下落している点を指摘し「市場は、金がアウトパフォームするシナリオでは金こそがトレード対象だと告げている」と述べました。
その理由として、ビットコインの高いボラティリティ(価格変動性)が挙げられます。Abebe氏は「ビットコインで損失を出すことを投資家委員会や関係者に正当化するのは本当に難しい」と語り、現在の不確実な市場環境下では投資家がより安定した金を選好する傾向があると分析します。
さらに、ドル以外の通貨建てで見ると、ビットコインのパフォーマンスはさらに悪化している可能性も指摘されています。Abebe氏は「ヨーロッパにいてビットコインを見ていると、かなり安値に近い。なぜなら、ユーロ建てで考えているからだ。ユーロは1ヶ月半前から10%上昇しているとしよう。つまり、理論的には彼らにとってのビットコイン価格は相対的に10%低いことになる」と説明し、非ドル圏の投資家にとってビットコインの魅力が薄れている可能性を示唆しました。
不透明なマクロ経済環境
金とビットコインの価格動向の背景には、不透明感を増すマクロ経済環境があります。Abebe氏は米国の関税政策が経済に与える影響について懸念を示しています。同氏は「より積極的な関税、米国経済のより積極的な減速という方向に向かう可能性が高いと考えている」と述べました。
消費者心理の悪化も懸念材料です。クレジットカードの最低支払額しか払えない人の割合が12%に達していることや音楽フェスティバル「コーチェラ」のチケット購入者の60%が分割支払いプランを利用しているといったデータは、消費者の購買力が低下している可能性を示唆しています。「消費者は限界に達しており給料ぎりぎりの生活を送っているような状況だと本当に思う。そのため、物価が上昇すると多くの人々にとって事実上の増税となる」とAbebe氏は分析します。
こうした状況下で連邦準備制度理事会(FRB)は難しい舵取りを迫られています。インフレ抑制と雇用の最大化という二つの使命の間で、金融政策の方向性を見極めるのは容易ではありません。Abebe氏はFRBが景気後退を示す確かなデータが出るまで行動を起こしにくい状況にあると指摘し「FRBは、ある時点で少し後手に回るだろう」との見方を示しました。
今後の見通し
今後の市場について、Abebe氏は短期的な不確実性が続くと予想しています。データがまだ実際に悪化していないため、市場参加者が経済指標の悪化にさらにパニック的に反応する可能性があると警告します。
ビットコインについては「株式市場の反発がビットコイン価格を押し上げる最も可能性の高い要因だと考えている」と述べ、リスクオンセンチメントの回復が鍵になるとの見方を示しました。しかし、ビットコインが金のような安全資産としての地位を確立するにはまだ時間がかかるとの考えを示唆しました。
金とビットコインの価格動向の違いは、世界経済や金融市場が直面する複雑な課題を映し出しています。今後、米国の政策動向や世界経済の状況、そして投資家心理がどのように変化していくのか、引き続き注視が必要です。
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記事ソース:Galaxy
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