理系男子コンソメ舐め太郎の『HACK YOU!』 第1回 -ブロックチェーン・人工知能・量子コンピュータの溶け合うところ-
Crypto Times 編集部
量子コンピュータを愛し、人工知能に愛された男!!!今ではブロックチェーンの世界にどっぷり浸かっている、全ての仮想通貨の生みの親!!!人呼んで、平成のGet Wild!!!そう!!この俺こそはぁぁぁぁぁコンソメ舐め太郎!!!!
初めましてこんにちは笑
コンソメ舐め太郎です!(@Ether_takuya)
名前はザハさんにつけていただきました!
コンソメ舐め太郎
— くりぷです (@ripple_chan) February 15, 2018
大学で物理学を専攻し、社会人になり某超ウルトラ有名金融機関のSEとして働くかたわら人工知能を学び、
最近は仮想通貨にどっぷり浸かってる僕がブロックチェーン・人工知能・量子コンピュータ三者の非常に刺激的な関係性について書かせていただきたいと思います。
目次
概要
初めての方でも気軽に読めるよう、まずはざっくりとこれら3つの概要から説明したいと思います!(知ってる人は読み飛ばしてOK!)
ブロックチェーンとは
ブロックにチェーンがつながっていて、人を殴るときに使います。
と言いたいところですが、誤解を恐れず簡単に言ってしまうと、「管理者を必要とせず、コンピュータが取引の記録を自動で記録してくれるもの、及びその取引の仕組み」と言えるかと思います。
例えば、AさんからBさんへお金を送金しますよ、という時には、
ATMなどからBさんの銀行口座にお金を振込み、いくらかの手数料を取られ、遅い時間であればいくらかの時間を置いて送金完了。
という形でした。これは、銀行という信頼できる管理者が送金システムを運用しているために実現できることであり、運用していく上でコストがかかるため、利用者には必然的に手数料が発生します。
また、24時間リアルタイムでの取引もできません。(SEを寝かせてください。)
しかしながら、ブロックチェーンはそもそも管理者を必要とせず、コンピュータが勝手に取引を実行してくれるため、ほとんど手数料がかかりません(厳密には少し手数料がかかりますが銀行振込よりも遥かに少額です。。。おっとそこの君!ビットコインの名前は出すな!いいな!)
そして時間によらずいつでも取引が可能となっています。
この技術が普及すれば、SEは夜中に突然電話で呼び出されて仕事場に向かうなんて残酷なことが無くなり、嬉しくなります。仕事も無くなりますが。
ここで非常に大事なポイントが「個人対個人」の取引が可能となっていると言う点です。後ほど関わってくるので覚えておいてください!この、個人対個人の構図を”P2P”と呼んだり、”分散型”などと呼んだりします。
人工知能とは
最近世間でもよくこの「人工知能」という言葉を聞くようになりましたね。僕の友達にも、話していて感情の起伏がない人工知能みたいな人がいて、ペッパー君と呼んでいます。
人工知能の定義というのは非常に曖昧で、説明しづらいのですが基本的には「機械学習を利用したシステム」のことだと思ってください。
機械学習というのは、複数のインプットに対して特定のパターンを検出する技術のことで、例えば人の顔の写真をコンピュータに見せまくると、コンピュータがそれを学習し、「これが人の顔ってんだなぁ?」なんて認識してくれたり、FXのグラフを見せまくって「2時間後には爆上げですぜ兄貴!」なんて予測してくれたりします。
つまり、人間が「このピクセルが肌色でこのピクセルがグレーだったら人の顔です!」なんてちまちま設計してあげなくても、「これ人の顔だからたくさん見て学んどいて!」と言ってデータを投げるだけで勝手に学習してくれるような仕組みのことを言います。(このときに使われる技術のひとつがニューラルネットワークと言われます。)
量子コンピュータとは
仮想通貨を取引されている方は一度でも量子コンピュータのことは聞いたことがあるかと思います。
物理学上最も理解不能と言われている量子力学の仕組みを利用して計算処理をさせるものです。
物理学を学んでいた方であればこの意味不明さ、定期試験の暗記ゲーっぷりを肌で体感されているのではないでしょうか。それでコンピュータ作るなんて正気の沙汰ではありません。
この量子コンピュータによって我々がどのような恩恵を受けることができるかと言うと、通常のコンピュータでは解けなかった問題(解くのに膨大な時間がかかっていた問題)が一瞬で解けるようになります。
つまり、従来のコンピュータよりもべらぼうに高い計算処理速度が実現できると言うわけですね。
おまけ
現在のコンピュータでは、0か1で数字を表現していた訳ですが、量子コンピュータでは、0と1のどっちも表現したニクいやつが使用されるんですね。
ここでクイズ。0と1どっちも表現した2つの量子を足し算してみるとどうなると思いますか?答えは 0? 2? 1?どれ?
正解は全部です。
0 + 0 = 0
1 + 0 = 1
0 + 1 = 1
1 + 1 = 2
0,1,2全部が答えとして出力されます。
だって0でもあるし1でもあるんだもん!
ブロックチェーン – 人工知能
さて、本題に入りたいと思います。
実は、ブロックチェーンと人工知能というのは非常に相性が良いです。
実際、普段ICOなどを探していてもブロックチェーンを利用した人工知能のサービスを非常にたくさん見かけます。
人工知能(機械学習)の開発には沢山のデータとコンピュータリソースを使用します。
まず、機械学習に利用されるニューラルネットワークと言うのは初めは何も学習していない無の状態からスタートします。
左側から人の顔の画像データを流して、右側で最終的にそれが何の画像かを予測させます。
このときに、ニューラルくんは、入力された画像のデータに対して、掛け算やら足し算やら色々こねくり回して無理やり回答を出してくれます。
違った場合、「違う」とこちらから教え、ニューラルくんはどこがおかしかったか自分で反省して、これをバネに次に生かします。
そして、また違う人の顔の画像データを入力してあげます。このような処理を幾度も幾度も幾度も繰り返して「これは人の顔!」と認識できるようになります。
だいたい、入力データとしては数万〜数十万程度の量が必要となり、その度に膨大な計算を実施することになります。
対して、ブロックチェーンに関してですが、シェアリングエコノミー的な側面が人工知能に非常に有利に働くことになります。
先に述べた通り、人工知能の開発には非常に多くのデータとコンピュータリソースを使用します。
自分のパソコンでは到底処理できないレベルのものですので、AmazonやMicrosoftのクラウドを利用して開発するのも一つの手ですが、その利用には非常に大きなコストが必要となります。
そこで、世界の裏側で眠ってるブラジルやアメリカの人達の使ってないパソコンのCPUやGPU(コンピュータリソース)を好きなだけ使えたらいいな、と思いませんか?
GEOで中古のNintendo Switchを買うより、友達の使わなくなったそれを買う方が、お店を挟まない分安く買えますよね。
それと同じで、AmazonやMicrosoftと言った企業を経由せずに、個人対個人でコンピュータリソースを貸し借りできた方が非常に安く済みますし、必要な分だけリソースを増強することもでき、仮に誰かのパソコンが停電で使えなくなったとしても、別の誰かからまた借りるようにすれば有事の時でも安心して利用できますよね。
これがブロックチェーンを利用すると可能になるんです。
実際にそういったプロジェクトもすでに存在しており、そのエコシステム内で利用できるトークンも値上がりしています。
また、ブロックチェーンの普及が進むと、個人に紐づいたデータ(例えば、誰がどの車を購入して、何キロ走ってどこで給油して、いつ洗車したかなど)が今まで以上に蓄積されることになりますし、人工知能開発においてはブロックチェーンは非常に強力なお友達になることが予想されます。
ブロックチェーン – 量子コンピュータ
ブロックチェーンにとって量子コンピュータは天敵になります。
量子コンピュータは将来的に既存のコンピュータの処理能力を大幅に上回ることが予測されています。
ブロックチェーンには、取引の記録を台帳に記述していくマイニングという作業がありますが、これは高性能なコンピュータの計算能力に裏打ちされた信頼のおける仕組みになっています。
しかしながら、量子コンピュータがこれらのコンピュータの計算能力を上回り、かつ悪意を持っていた場合には不正な取引がブロックチェーン上に記録されてしまうことになり、利用者に大きな影響を与えてしまいます。
最も有名なCPUメーカーのNVIDIAは、ASICsというマイニング用途のCPUを製造していますが、現在の見解としては「この先10年は量子コンピュータに計算能力を抜かれることはない」とのことです。
しかしながら、現在の量子コンピュータの発展は目覚ましく、つい先日もIntelが49量子ビットの量子コンピュータチップの開発に成功しており、これからその発展の速度は上昇していくことと考えられます。
また、こういったことを見越して、最近では量子コンピュータ耐性のあるブロックチェーン を開発しているプロジェクトも多く見受けられます。代表的なものとしては以下が挙げられます。
量子コンピュータ – 人工知能
量子コンピュータと人工知能の相性は抜群です。
人工知能の開発には膨大な計算量が必要であることは先も述べましたが、量子コンピュータの計算処理能力を利用すれば、ニューラルくんも一瞬で人の顔を覚えてしまいます!
ニューラルくんが人の顔を認識する問題は、簡単に言うと、「グラフの最小値を求めなさい」という問題に置き換えることができます。中学高校の数学でやりましたね。
この写真はエテ公だ!と言ってしまった場合は、「ニューラルくんの予測」ー「正解」=「誤差」が大きいことになりますが、
この写真は人間の顔だ!と当てることができたら、それは「ニューラルくんの予測」ー「正解」= 0となって値が最小値であることがわかりますね。
(サポートベクターマシンを使うと、エテ公でも正解になるかもしれないですね!笑)
で、こう言った問題のことを最適化問題と呼びますが、実は量子コンピュータはこの最適化問題が大得意なんですね。
このことによって、量子コンピュータが人工知能の発展をさらに加速させていくことが予測されています。
ということで、1発目から非常に長い記事になってしまいましたが、最新科学の概要とか、それらがブロックチェーンや仮想通貨どどのように関わっていくかが少しでもご理解いただければ幸いです!!
質問や意見・感想などあれば私に直接リプ飛ばしてください!