仮想通貨とマネーロンダリングの関係【どこまで知っていますか?】
   公開日 : 2019/12/19

仮想通貨とマネーロンダリングの関係【どこまで知っていますか?】

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ゆっしCRYPTO TIMES公式ライター

2017年11月に仮想通貨投資を始めたことをきっかけにDAPPSやブロックチェーンゲームなどに興味を持つように。仮想通貨メディアのライターとして約2年間活動する実績の中でブロックチェーン・仮想通貨の基礎的な知識から専門的な内容まで幅広く発信中。

「仮想通貨とマネーロンダリングの関係ってどんな感じなの?」

こういった疑問に答えていきます。

仮想通貨にはトラストレス(=誰も信用しない)で使えるというメリットがある反面、マネーロンダリングに利用されてしまうデメリットも存在するのはご存知でしょうか。

本記事では、仮想通貨についてより深く理解するために「仮想通貨とマネーロンダリング事情」について解説していきます。

具体的には、

・仮想通貨とマネーロンダリングの関係
・どのように対策されるのか
・仮想通貨×マネーロンダリングの今後の課題

という順で説明していきます。

この記事を読んで仮想通貨とマネーロンダリング事情について知ることでより多角的な視点から仮想通貨を知ることができます。

2、3分ほどで読める内容となっているので是非最後まで読んでみてください!

*本記事はマネーロンダリングを推奨する記事ではなく、仮想通貨の実態を正しく伝えることを目的としています

仮想通貨とマネーロンダリングの関係

仮想通貨における「マネーロンダリング」とは以下の2つの種類を指します。

① マネーロンダリングの”手段“として仮想通貨が利用されるケース

② 仮想通貨“自体”がマネーロンダリングされるケース

順を追って説明していきます。

マネーロンダリングとは“資金洗浄”とも呼ばれ、犯罪や不正取引で得たお金の出所が分からないようにする行為。

①マネーロンダリングの”手段”として仮想通貨が使われるケース

まず最初に紹介するのが、マネーロンダリングの手段として仮想通貨が使われるケースです。

犯罪や不正取引によって集められた汚いお金が、一度仮想通貨を通ることでマネーロンダリングされることがあります。

というのも仮想通貨には以下のような2つの特徴があるからです。

・物質的な量や重さが存在しない
・国をまたいで瞬時に送金が可能

仮想通貨はインターネット上のお金なので物質的な量や重さが存在しません。

さらに、仮想通貨にはどんな国にでも送金が可能であるという特徴もあります。

そのため、犯罪者は自分たちに有利な法律がある国に、コストをかけずに汚いお金を送金できてしまうのです。

米データセキュリティ会社のCiphertraceが公開したデータによると、 2009年1月〜2018年9月の期間でビットコインを介した犯罪関連の送金額は判明分だけで38万BTCにものぼるとされています。

仮想通貨の「いつでもどこにでも送金できる」という特徴は、メリットにもデメリットにもなってしまうのです。

②仮想通貨”自体”がマネーロンダリングされるケース

仮想通貨そのものがマネーロンダリングされてしまうケースもあります。

ここで言う”マネーロンダリング”とは「取引所からハッキングされた仮想通貨が最終的に法定通貨(日本円やドルなど)へ替えられてしまう」ことを指します。

ハッキングで取引所から流出した「汚い」仮想通貨は、追跡できないよう無数のアドレスへ分散送金され、最終的にGoogleなどに表示されないダークウェブの中で換金されます。

みなさんご存知の580億円相当の仮想通貨が盗まれたCoincheckハッキング事件でも、盗まれた仮想通貨の一部がダークウェブを通じて出金されています。

盗まれた仮想通貨自体も、足がつかないようにマネーロンダリングされてしまうのです。

ここまでのまとめ-仮想通貨×マネーロンダリングの2つのケース-

①マネーロンダリングの”手段”として仮想通貨が使われるケース

②盗まれた仮想通貨”自体”がマネーロンダリングされるケース

どのように対策されるのか

次に、仮想通貨とマネーロンダリングの現状に対してどのように対策が取られているかについて説明していきましょう。

仮想通貨とマネーロンダリングに関する対策は、以下のように進んでいきます。

FATF(金融活動作業部会)がガイドラインを発表

ガイドラインを元に各国政府が法律を作る

法律を元に取引所が対策を実施

マネーロンダリング対策は、国際機関のFATFがガイドラインを発表するところから始まります。

FATFはこれまで、

・取引記録を最低5年間記録すべき

・怪しい取引がないか監視すべき

などと記したガイドラインを発表してきました。

このガイドラインを元に各国政府は法律を作っていきます。

そして各国政府が作った法律を元に、取引所が仮想通貨のマネーロンダリングへの対策を実施していきます。

仮想通貨のマネーロンダリングを監視しているのは「警察や政府ではなく取引所である」というポイントを抑えておきましょう。

仮想通貨×マネーロンダリングの今後の課題

仮想通貨とマネーロンダリングに対する規制は3つの段階を経て進んでいくことが分かりました。

FATFを筆頭に順調に対策が進んでいきそうに思える、マネーロンダリング対策ですが実は以下のような大きな3つの課題が存在します。

・最新のFATFのガイドラインに懸念点がある
・取引所が監視すべき情報が限られている
・国によって法整備のスピードが異なる

順を追って説明していきます。

①FATFの最新ガイドラインに懸念点がある

最初に紹介するのが「FATFの最新ガイドラインに懸念点がある」という課題です。

2019年6月に公開されたガイドラインには「取引所などの仮想通貨サービスプロバイダーは、利用者の取引情報を互いに共有するべきである」という内容が記されています。

ここで言及されている共有されるべき情報には純粋な取引記録の他にも、

・氏名
・口座番号
・住所

などが含まれています。

取引所の監視が厳しくなる訳なので、一見有効そうに思えるこのガイドラインですが、1つの懸念点が浮かび上がることにあなたはお気づきでしょうか。

その懸念点とは「結局ビットコインの代わりに匿名通貨が使われるようになるだけじゃないの?」ということ。

Moneroなどを代表とする匿名通貨には、アドレスや送金した数量がわからないという特徴があります。

現在、マネーロンダリングに利用されているのは「ビットコイン(BTC)」や「イーサリアム(ETH)」など、知名度があり流動性があるものがほとんどです。

仮にFATFのガイドライン通りに、取引所間で情報を共有させたとしても、ビットコインの代わりに匿名通貨でマネーロンダリングされるようになるだけの可能性があるのです。

前述の通り、仮想通貨のマネーロンダリング対策はFATFのガイドラインからスタートするため、最新のガイドラインについての議論が必要な段階となっています。

②取引所が監視すべき情報が限られている

次に挙げる課題は「取引所が監視すべき情報が限られている」ということです。

現在、取引所が監視すべきとされている範囲は”取引所内の取引”のみで、ウォレットアプリやハードウェアウォレット間での送受金に関しては及んでいません。

そのため、現段階ではウォレットアプリ間などの取引を監視する正当な組織は存在しないのです。

仮想通貨の送受金が可能なウォレットアプリやハードウェアウォレットを監視する組織がないというのは大きな課題であると言えます。

③国によって規制スピードやレベルが異なる

最後は「国によって規制スピードやレベルが異なる」という課題です。

仮想通貨のマネロン対策は「FATFがガイドラインを発表→政府が法律を作る」という流れで進むのですが、この時に国によって規制スピードや内容に差が出てきてしまいます。

なぜなら「規制しすぎるとイノベーションが起きないということをみんな知っているから」です。

石油も出ない、目立った技術もない、というような国にとっては、規制をゆるくして世界中から仮想通貨関連業者を集めることは大きなチャンスに繋がります。

仮想通貨のマネーロンダリング対策は、仮想通貨がどこへでも瞬時に送金できるという特徴を持っているため、各国が同じタイミング、レベルで規制を行わないといけません。

しかし、上記のような「規制とイノベーションの関係」から、国ごとに規制スピードやレベルに差が出てきてしまうのです。

まとめ

まとめ-仮想通貨とマネーロンダリングの種類-
・マネーロンダリングの”手段”としての仮想通貨
・仮想通貨”自体”がマネーロンダリング
-3つの課題-
①FATFの最新ガイドラインに懸念点がある
②取引所が監視すべき情報が限られている
③国によって規制スピードやレベルが異なる

仮想通貨やブロックチェーン技術は「AI、5G、VR、ARなどと並ぶ偉大な発明」と言われています。

今回は仮想通貨の悪い面に注目して話してきましたが、当然ながら仮想通貨が世界で注目されているのには理由があります。

以下の記事では、仮想通貨の”凄さ”について説明しているので「なぜ仮想通貨が注目されているのか知りたい」という方はしっかりと目を通しておきましょう。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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