DeFiを利用する上でのリスクや注意点を徹底解説
Crypto Times 編集部
「APY100%」といった高利回りの案件が散見されるDeFi。
高い利回りに注目が集まることが多い一方で、インパーマネントロス・税金・詐欺トークンなど、さまざまな「リスク」が存在しています。
しっかりと注意点を押さえておかないと、最悪の場合、大事な仮想通貨を失う可能性も否定できません。
この記事では、DeFiを利用するなら知っておきたい、DeFi関連のリスク・注意点について解説しています。
*下記動画でも同様のトピックを紹介しているので是非参考にしてください
利用者増の一方でDeFiはリスクだらけ?!
日々、さまざまなサービスが登場しており、進化が著しいDeFi。場合によっては年間数百%〜数千%といったリターンが狙える運用方法もあり、魅力的な面がクローズアップされがちです。
しかし、DeFiには無視できないリスクが多数存在しています。成長を続けるDeFiの現状とリスクの概要を押さえていきましょう。
期待がかかるDeFiの成長
2022年のFTXの破綻はDeFi領域へのさらなる流入と発展を予感させるものでしたが、CEXを大きく代替するほどの伸びを見せることはありませんでした。
続く2023年もDeFi領域のTVLは概ね横ばいとなりましたが、同年後半にはビットコインETF周辺の動きにより暗号資産相場全体の高騰が促され、10月以降のDeFi領域のTVLもじりじりと上昇を見せてきました。
米SECによるビットコインETFの承認で、従来の伝統的な金融領域のプレイヤーの仮想通貨への認識に変化が生じ、DeFi領域への参入がこれまで以上に進む可能性もあります。
リスクや課題は多い
DeFiへの期待が大きくなる中で、そのリスクや課題を指摘する声もあります。
身近なもので言えば、流動性プールに資金を預ける際のインパーマネントロスや、レンディングサービスを利用した際の担保の清算リスクなどが挙げられます。
この他にも、RugPullや税金問題など、DeFiに関する注意点・リスクは軽視できるものではありません。
利用者が増加し、どんな人にも身近になり得るDeFiですが、その一方で注意点・リスクは利用前に押さえておきたいと言えます。
DeFiにおける代表的な5つのリスク
これから、DeFiにおける代表的なリスクを、5つの観点からご紹介していきます。
あくまで一例であって、以下の項目を確認すれば、リスクを全て押さえたとは言えません。
各サービスによって独自のリスクを持っていることも多いので、サービスを利用する前に予めリサーチしておくことを推奨します。
【持ち逃げ】RugPull
DeFiにおける代表的なリスクのひとつが「RugPull」と呼ばれるものです。
DeFiにおけるRugPullとは、プロジェクトの運営・開発サイドの人間が、DEXの流動性プールなどから流動性 (プール内の資金) を奪うことを指しています。
つまり、運営・開発サイドによってプールを持ち逃げされるといったもので、DeFiの特性上、最も想像しやすいリスクのひとつではないでしょうか。
実際に過去にRugPullが発生した事例はいくつもあり、DeFiを利用する際に注意したい代表的なリスクと言えます。
【預けるだけで損失】インパーマネントロス
DEXなどでリターンを目的として流動性の提供などを行う際に注意したいのがインパーマネントロスです。
多くのサービスに共通しているリスクなので、DeFiを利用する際は必ず押さえておいた方が良いでしょう。
インパーマネントロスの概要
インパーマネントロスとは、日本語で「変動損失」のことです。
通常、DEXなどに流動性を提供する際は、仮想通貨を2つのセット (ペア) で提供します。この際に、流動性プールに提供される仮想通貨のペアの価値は1:1である必要があります。
例えば「ETH = 10ドル」「BTC = 50ドル」というレートであった場合は「ETH 5枚・BTC 1枚」という枚数で、流動性を提供する必要があるということです。
しかし、仮想通貨は日々価格変動が発生しています。殆どのケースで、流動性の提供後に通貨ペア間において価格が変動し、価値のバランスが変わってしまいます。
そのような価格変動により発生する損失がインパーマネントロスです。
流動性の提供を行う際には、損失の大小はあるものの基本的にインパーマネントロスは発生します。
以下の動画では、インパーマネントロスが発生する原理について簡単に解説しています。
インパーマネントロスによる損失の例
気になるのはどの程度インパーマネントロスが発生するのか?という点でしょう。
DeFiは利回りが高いことが少なくないため、ある程度のインパーマネントロスは許容できるケースが多いです。
BINANCE ACADEMYのデータを参考にすると、一般的なインパーマネントロスの損失率は以下の通りです。
価格変動率に比例して損失率も増加していることが分かります。(価格の上下を問いません)
また、インパーマネントロスというのは「通貨ペア間における価格変動」が問題であるため、仮に5倍の価格変動が発生したとしても、流動性を提供した通貨ペアのどちらも同じように5倍の価格変動が起こっているならインパーマネントロスは発生しません。
「片方の通貨だけに価格変動が発生した場合」にのみ、インパーマネントロスは発生します。
【多額の納税】税金関連のツールが整ってない
仮想通貨関連の税は複雑になりがちですが、DeFiを利用した運用となると殆どのケースでより複雑なものになります。
また、DeFiが流行して間もないため税金を計算するツールなども充実しておらず、非常に不便な状況が続いています。
現時点では、DeFiの利用に伴う以下のようなアクションにおいて納税の対象となる可能性が考えられます。
・スワップ(換金) ・・・取得価格とスワップ時の差額によって損益が発生
・ステーキングやレンディングによる利益
・流動性提供における解除時の損益など
DeFiを利用する際は、上記のようなアクションを何度も踏むことが少なくないため、法整備やツールが揃っていない現状ではかなり複雑です。
中には納税に対する認識が足らず、脱税のようなかたちになってしまうリスクも否定できません。
【価値が無くなる】トークンの価格が下落する
SUSHIトークン、CAKEトークンなど、DeFiのエコシステムへの貢献に対するインセンティブとして独自のトークンが利用されることは少なくありません。
このようなトークンに共通しているのは「価格が下落するリスクがある」という点です。
例えば、著名なDEXであるSushiswapのSUSHIトークンは、創設者のSUSHIトークン売却によって価格が10分の1程度に下落したことがありました。(以下の記事で詳しく解説しています)
DeFi市場におけるAMM DEX「Sushiswap」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! – CRYPTO TIMES
Sushiswapの一件とは異なり、はっきりとした理由が分からない場合であっても、DeFiが発行しているトークンが下落するリスクは十分にあります。
それに加えて、仮想通貨全体のボラティリティが非常に大きいことも考慮しなくてはいけません。
インパーマネントロスなどの損失を被った上で、独自トークンの価格も下落するといった事態になると、かなりの損失が出ることも予測されます。
【元々価値が無い】詐欺的なトークンを購入してしまう
海外仮想通貨取引所の取扱通貨と比較すると、国内仮想通貨取引所の取扱通貨のバリエーションが著しく乏しいことが分かります。
国内取引所が新しく仮想通貨を上場させる際には厳しい手続きを踏む必要があり、不自由な反面、利用者にとっては安全が担保された仮想通貨を購入できるという側面があります。*価格の安定を約束するという意味ではありません
国内取引所から見ると、取扱数の多いバイナンス (Binance) などの海外取引所であっても、中央集権的な取引所であれば上場には一定のハードルが存在していることが多いです。
しかし、Uniswapなどに代表されるDEXに関しては、取扱・上場に際しての審査が設けられていない設計となっているケースが多いです。
このことから、詐欺的なプロジェクトのトークンから、勘違いによる購入を狙って明らかに既存の通貨を模倣したトークンが取引可能なケースもあります。
DEXは自由度が高く取扱通貨も多い反面、玉石混交な点が否めません。
DeFiにおけるリスクの対処法
「DeFiを利用するのが怖くなってきた・・・」といった方も居るかも知れません。
しかし、代表的なリスクに関しては、工夫やコツによってある程度軽減可能なものが多いです。
ひとつひとつチェックしていきましょう。
RugPullはリサーチを徹底的に行う
RugPullを防ぐには、予めリサーチを徹底的に行なっておくのがおすすめです。
利用したいサービスの基本的な情報をチェックするのはもちろん、ネット上に公開されているさまざまな情報にアクセスしておきましょう。
日本語での情報源は少ない傾向にあるため、リサーチを行う際は英語ベースでのリサーチがおすすめです。
また、テレグラムやDiscordなどのコミュニティの盛り上がり具合や、各SNSのフォロワーなどをチェックしておきましょう。
詐欺的なプロジェクトの場合は中身が伴っていないことも少なくないため、様々な情報から総合的に判断する姿勢が必要です。
ただし、各種情報を精査出来る自信がない方は、まずは既に知名度や実績を持っている代表的なサービスを利用することを推奨します。
インパーマネントロスは工夫次第でリスクを軽減
インパーマネントロスは構造上どうしても避けにくい損失ですが、工夫次第でかなりリスクを抑えた運用を行うことが可能です。
インパーマネントロスは通貨ペア間における価格変動によって発生するため、「通貨ペア間において価格変動が起こりにくい通貨」を利用することで損失を抑えられます。代表的なものでは「米ドルと価格が連動しているステーブルコイン (USDT・USDCなど) の流動性プールを利用する」といったものが挙げられます。
「インパーマネントロス = 通貨ペア間の価格変動による損失」という点を意識することで、リスクの低い運用方法が見つけやすいはずです。
ただし「ステーブルコイン同士のペア」といった流動性プールは、他のリスクが高い通貨ペアに比べるとAPYがあまり高くないことが多いです。そのため、大きなリターンを狙っている方の場合は、物足りない運用となってしまう可能性があるのは頭に入れておきましょう。
税金の知見を持っておく
税金に関するトピックについては、常に最新情報をキャッチして、知見を持っておくというのが最大の対策となるでしょう。
DeFiに対応しているという点をアピールしている確定申告関連のサービスもいくつか登場しています。(Gtaxなど)
ただし、大きな規模 (数千万円~数億円) の運用を行っている方は、既にトップレベルの知見を持っている税理士などに相談するのがおすすめです。費用は掛かってしまいますが、税金関連の事故を出来る限り防ぐメリットを考慮すると安いものではないでしょうか。
独自のトークンは一定の頻度で換金しておく
トークンの価格下落に伴うリスクに対応するには「トークンの換金を行っておく」のがおすすめです。「独自トークンの価格変動によるリスクを負いたくない」といった方は、できるだけ早く独自トークンを換金するのが一番でしょう。
高利回りを実現しやすい独自トークンのステーキングなども存在しており、一概に「換金を行う正しいタイミング」は存在していません。ただし、少なくとも「独自トークンを保有すればするほど、そのプロジェクトに関連するリスクを取っている」という認識は持っておいた方が良いです。
また、あまりにも高頻度でインセンティブを獲得・換金していると、多額のガス代が掛かるケースもあるため、さまざまなリスクやコストを考慮した上で利確タイミングを設定しておきましょう。
詐欺を避けるにはコントラクトアドレスなどを用いる
DEXにおいて詐欺的なトークンを掴まされないためにおすすめの方法が「コントラクトアドレス」を用いることです。
コントラクトアドレスを予めチェックしてから取引を行うことで、詐欺的なトークンを掴まされる可能性はぐんと下がります。
コントラクトアドレスを用いた取引方法については、Uniswapを例に以下の動画で解説しています。
DeFiでの運用は余剰資金で
この記事ではDeFiのリスクや注意点についてさまざまな観点から解説しました。
進化が著しく、どんどん利便性が高まるDeFi界隈ですが、リスクについては忘れがちです。DeFiにおいてはどんなことが起こるか分からないという点をおさえた上で運用を行っていきましょう。
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