主要3通貨 ( $BTC , $ETH , $XRP )から見るドルコスト平均法での投資回収率

主要3通貨 ( $BTC , $ETH , $XRP )から見るドルコスト平均法での投資回収率

投資手法として、ドルコスト平均法という投資手法があります。暗号通貨で資産を築きたいと考えている方の中には、過去にドルコスト平均法を使ったことがある方もいるかもしれません。

本記事ではドルコスト平均法で、Bitcoin、Ethereum、Rippleに投資をした時の収益率を見ていきたいと思います。

さらに、そこで得られた収益率と同期間で3つ資産に一括投資した場合ではどちらが投資収益率が高いのかも調べることにします。

本記事を読むと、ドルコスト平均法について深く理解できるだけでなく、ドルコスト平均法を暗号通貨に適応した時にどれくらいの収益を上げられているのかも知ることができます。

ドルコスト平均法とは?

分析を行う前に、ドルコスト平均法に関して説明いたします。ドルコスト平均法とは、ある投資対象について定期的に「一定額」の投資を継続する手法です。

例えば、1000ドルを一気にビットコインに投入する従来の投資法と比較すると、200日間毎日5ドルずつビットコインを買いだめしていくのがドルコスト平均法という投資方法になります。

ドルコスト平均法では、値動きに波がある金融商品に投資をする際に、投資タイミングや投資期間といった時間を分散化することで、高値づかみなどのリスクを抑えることできます。

そのため、全体的に見ると購入単価が安定するというメリットが挙げられます。

例えば、現在1ビットコイン1万ドルだったとします。

一括投資法ではこの高値で手持ちの1000ドル全てをビットコインに交換してしまうことになります。もちろんその後さらにビットコインの価格が上昇していけば問題ないのですが、下落してしまった場合、下落の影響をもろに受けることになるでしょう。

しかし、毎日5ドルずつなどと決めて投資をすれば、1ビットコイン1万ドルから1日で5000ドル台まで下落したとしても、5ドル分のビットコイン量しか影響を受けないことになります。

そして5000ドルに落ちたその日にさらに5ドルを買い足します。それを続けていけば、平均購入単価が安定することになります。当然ですが、5ドルで買えるビットコイン通貨量(青線)は通貨の価格(赤線)が低いと多く、通貨の価格が高いと少なくなります。

図を見比べてみるとビットコインバブルがまだ起きておらず価格が安い2017年初期頃では、5ドルで購入できるビットコイン量はかなり高く、最大で0.006BTCほどということがわかります。

これは、現在の換算では38ドルほどなので、約8倍も多くのビットコインを手に入れられた計算になります。

反対にバブル時最高値で1BTCが2万ドルに届くかという時には、0.00025BTCと5ドルで購入できるビットコイン量がかなり少なくなってしまいます。

ドルコスト平均法 vs 一括投資

今回の分析では、2017年1月1日から2020年3月12日の3年間の期間で、毎日5ドルずつドルコスト平均法を適応した場合と毎月150ドルずつドルコスト平均法で投資をした場合の2つの場合を想定します。

投資日数は1167日間で、どちらもトータルで5835ドル(約63万円)を投資資金とします。

さらに2つの想定でドルコスト平均法を行なった収益率と、5835ドル分を一括投資した場合の収益率を比較したいと思います。

わかりやすいように結果を表にまとめました。

通貨5ドル
ドル平均法収益率
150ドル
ドル平均法収益率
一括投資
収益率
BTC91.5%96%648%
ETH72.3%96%199.4%
XRP190%217%2904%

Bitcoin対象のドルコスト平均法での収益率は、91.5%増加という結果になりました。

5835ドルの投資資金を使って、毎日5ドルずつ投資をし続けて2020年3月12日に保有している全てのビットコインを現金に変えた場合、11175.51ドルが手元に残るということです。

資産が2倍になったとまではいきませんでしたが、5835ドルから11175.51ドルに増加し、5309.8ドルを生んだことになります。

150ドルを毎月ビットコインに変えた場合もだいたい同じで96%増加という結果になっています。

それでは一括購入の場合はと言うと、2017年1月1日の1ビットコインが992ドルだった頃に大量に購入をしているわけですから、収益率はかなり高く648%増加となりました。

5835ドルから37818.2ドルが生まれたということです。

2017年年1月にビットコインの将来性に気がついていれば2020年3月までに6倍以上の資産を築け、億万長者になることも夢ではありませんでしたね。

続いて投資対象をEthereumやRippleにした時を見てみましょう。

2通貨の場合もほとんど同じように一括購入の方が圧倒的に高い収益率が出ていますが、ことさらにRippleは高い収益率が見て取れます。2900%増加で、2017年1月1日に5835ドル分をRippleに投資し2020年3月12日に現金交換すればトータルで175289.5ドルを取得できる計算になります。

またRippleが一番ドルコスト平均法による収益率が高く、Ethereumを一括購入した場合と比較しても190%増加していますね。このことからRippleの価格上昇がかなり高かったことがわかります。

参入時期別でのドルコスト平均法の投資収益率

続きまして、ドルコスト平均法による投資を少し別の角度から分析したいと思います。

いつから市場に参入していればドルコスト平均法で利益を得られたか、またいつから市場参入していれば損失を負っていたのかという分析をしてみたいと思います。

そこで本節では、投資開始時期を1日ずつずらして、2020年3月12日までにドルコスト平均法で投資をした場合の収益率も調べます。

例えば、2017年1月1日から2020年3月12日の期間でドルコスト平均法を行なった場合の収益率は今までの分析と同様の結果になります。

続いて2017年1月2日から2020年3月12日までにドルコスト平均法を行なった場合の収益率、2017年1月3日から始めた場合の収益率と期間を1日ずつずらして、どの時期で市場参入すればもっとも利益が得られるか、あるいは反対に損失が最大になってしまうかを分析しました。

分かりやすいように、参入時期別での収益率をプロットした図を以下に用意しました。当然2020年3月12日から3月12日(当日)までのドルコスト平均法では、収益率が0ですから、図の右側は0に収束していきます。

Bitcoinでは、赤線が0の軸と交わる2019年2月24日にドルコスト平均法を開始し2020年3月12日まで継続した場合の収益率が0となっています。

これは、2019年2月24日に投資を開始した投資家は2020年3月12日までドルコスト平均法で投資をした場合、損失もしなければ利益もあげられない状態にあるということです。

さらに、それ以降から市場に参入してきた投資家はドルコスト平均法では損失を受けてしまっていることを意味しています。

Bitcoinに関してのみ、全期間にわたって比較的利益をプラスに保てていることが分かります。

2017年12月からのバブル期に市場参入し、高値づかみをしてしまってもなんとか利益を保っていることも見て取れます。収益率は8%と低いですが、マイナスにはなっていません。

EthereumとRippleに関しては、どちらも相当早い時期の2017年3月頃から、ドルコスト平均法で投資をし続けていると損失を受けていることがわかります。

横軸と青線・黄色線が交わっているところがど、ドルコスト平均法でマイナスとなる時点です。

どちらの通貨もドルコスト平均法で利益を上げるには2017年3月より前から始めていなければいけなく、それ以降のどの日に2020年3月12日までドルコスト平均法を行なっても利益を上げられていないという結果になりました。

まとめ

本分析をまとめると、ドルコスト平均法で2017年1月1日に市場参入していれば大きな利益を得られたことがわかります。しかし一方で収益率の比較においては、一括投資法には遠く及びません。

購入時期を分散化させ購入単価を平均化するドルコスト平均法は資産の下落リスクを抑えられる一方で、資産の爆発的な上昇の旨みを取れないことは覚えておく必要があります。

今回の検証によると、参入時期が少しでも遅いと損失を受けていることがわかります。そのため、ドルコスト平均法での投資を行う際は、ある程度の長期で見る必要があります。

特にEthereumやXRPに関しての結果を見てみると、2017年3月頃からコツコツ購入していても現在はマイナスになっています。ここらへんに関してはもう少し長い期間で見る必要もありそうです。

ドルコスト平均法も使い方次第ということでしょうか。より市場が安定してくれば、徐々に買い足すこの手法も有用性が高まるかもしれません。

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