Circle社CEO、USDC発行増加と今後の展望を語る|IPO実現への意欲も示す
Crypto Times 編集部
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米国のブロックチェーン企業Circle社のジェレミー・アレールCEOは、ブルームバーグのインタビューで、直近のUSDC発行増加や今後の展望について語りました。
直近数日間で10億ドル相当以上のUSDCが発行され、総流通量は340億ドルを超えた要因に関して、アレール氏は「市場のリスクオフムードが背景にある」と説明しています。同氏によると、過去180日間のUSDCを使った月間平均取引額は約1.5兆ドルに達し、前年比で220%以上の成長を記録したとしています。
今後の金利環境について、FRBによる利下げと米国債利回りの低下がUSDCの準備金の運用戦略に影響を与える可能性について問われたアレール氏は、電子マネー発行会社としての立場上、ステーブルコインの準備金運用は法規制に準拠する必要があると説明し、米国債やレポ、現金といった安全性の高い資産で準備金は構成されており、USDCは常に現金同等物として維持されていることを強調しました。
同氏はさらに、高金利環境では資金の流通速度が低下する一方、低金利環境では資金需要が高まり、より自由に資金は動くようになると指摘。利便性の高いUSDCは、低金利環境においてその利用を拡大するとし、約1,500億ドル規模であるドル建てステーブルコイン市場は、将来的に数兆ドル規模に成長するとの見解を示しました。
インタビューでは、Circle社のIPO計画についても質問が出されました。アレール氏は、具体的な時期について言及を避けたものの「アメリカの証券取引所に上場するグローバルな公開企業になることに全力を注いでいる」とコメントしています。
また、多くの銀行が独自のステーブルコイン開発を進めている状況やPayPalなどの大手企業が同分野に参入している点について問われたアレール氏は「米国では、民間セクターが発行するデジタルドルが現実的な選択肢となりつつあり、明確な規制の枠組み作りが進められている。我々はこの流れを非常に前向きに捉えている」とコメント。その上で、Circle社として、競争よりも共存共栄を目指していく姿勢を強調しました。
記事ソース:Bloomberg