マウントゴックスによるビットコイン返済、市場への影響は限定的か

マウントゴックスによるビットコイン返済、市場への影響は限定的か

一時53,000ドル台まで下落していたビットコインは、現在57,000ドル台まで回復し、価格を維持しています。

先週、かつての大手仮想通貨取引所マウントゴックスが一部の債権者に対してビットコインの返済を実施したと発表しました。同社が返済予定のビットコインは142,000BTCに上るとされており、一部では返済による大量売却による価格下落を懸念する声が上がっていました。

オンチェーンデータによると、マウントゴックスは7月5日に47,229BTCを転送しています。

オンチェーンデータプラットフォームCryptoQuantの創設者兼CEOであるKi Young Ju氏は、47,000BTC以上の移動が確認されたものの、価格への大きな影響は出ていないと指摘し、今回のマウントゴックスの転送に関する3つの可能性を提示しました。

1つ目は、セキュリティ上の理由からウォレットを変更するための内部転送である可能性。2つ目は、市場価格に影響を与えないよう設計されたOTC(相対)取引を通じて売却された可能性です。

そして3つ目は、ブローカーサービスを利用して売却された可能性です。この場合、ブローカーのウォレットや取引所を経由しないため、オンチェーンデータに動きは現れません。

実際に、1,500BTCが日本の仮想通貨取引所Bitbankに送金されたことが明らかとなっているものの「取引量の大幅な増加は見られない」と同氏は指摘。1,500BTCは市場全体から見ると比較的小規模な量であるとしています。

今後、残りの94,000BTCがどのように売却されるかについて注目が集まるなか、Ki Young Ju氏はオンチェーンの動き無しで大量のビットコインを売却するのは非現実的と指摘。OTC取引を通じて売却される場合は、市場への影響は限定的となるとの考えを示しています。

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