ブロックチェーンで企業のデータに価値を提供する。Speee社が『Datachain』発表
Crypto Times 編集部
Speee社は2月20日、ブロックチェーンテクノロジーを基盤としたデータプラットフォーム『Datachain』の構想を発表しました。『Datachain』を通して、世界中のデータがブロックチェーンによって安全に共有され、あらゆる産業に役立てられる社会を実現を目指すとのことです。
この記事の3つのポイント!
- Speee社がブロックチェーン事業に参入
- 企業の機密データを暗号化してブロックチェーンに載せる
- 機密データが安全に取引可能&価値を可視化
本記事引用元:https://speee.jp/news/1195/
ブロックチェーン×DMPで、機密データの流通と活用を実現
ビッグデータ、AIという潮流がある中で世界にはデータが溢れているイメージを持ちますが、本当に重要なデータは共有されずに死蔵されているのでは、という問いがあります。Datachainでは、そういったクローズドデータがブロックチェーンによって安全に共有され、あらゆる産業に役立てられる社会の実現を目指します。
『Datachain』では、暗号化及び匿名加工情報化を行うことによってプラットフォーマーが直接データを読み取れない形式にし、クローズドデータの共有を可能にします。また、ブロックチェーン技術の特性の一つであるスマートコントラクトと透明性の高いログによって「誰に」「どのデータを」「どのように」活用してもらうか柔軟にコントロールでき、その全てがログとして残ります。
Speeeが想定するブロックチェーンを用いて得られる4つのメリットは以下の通りです。
Smart Control:柔軟かつ堅牢なデータ制御
Log Sync:第三者検証可能で秘匿性の高いログ
On-Demand Query:ニーズに応じた多様な解析
これにより、自社の機密データを、第三者に閲覧されることなく、また意図しない形式で、意図しない相手に利用されることなく、安全に取引することが可能になります。また、データに前処理を施すのではなく、オンデマンドに解析することによって、多様なアプリケーションに連携できるようになります。
価値あるデータをトークン化して取引するトークンエコノミー
Datachainにおいて、もうひとつ重要となる概念がトークンエコノミーです。
『Datachain』では、独自のトークンを発行し、データの流通を加速させる「データ取引の基軸通貨」をつくります。Datachain Tokenによって、これまで法定通貨で示せなかったデータの価値を、暗号通貨として可視化します。
トークンを利用することで得られるメリットをSpeeeはこう示します。
ZERO Margin:データ取引におけるマージン0
Fair Trade:取引履歴とフィードバックに基づく適正なデータ価格
Token Policy:企業を中心とした持続可能性のあるトークン発行政策
プラットフォーム発行者であるDatachain及びSpeeeは、通貨の発行益(シニョリッジ)でマネタイズできるようになるため、手数料0のビジネスモデルが成立するというわけですね。
データ格差是正によるフェアな開発機会を
『Datachainが解決したい課題は、保有オーディエンスデータの格差によって、Developerにとっての開発機会が失われていることです』と述べられています。
優れたアイデアや技術があるのに十分なデータがなくて精度が上がらず、プロダクトが使われないという事例が多い現状を解決するため、データ基盤をもとに、初期はデータが無償で供給され、グロースした後に決済手数料からデータプロバイダにレベニューシェアしていく、というモデルを構想しているそうです。
今のところICOの予定はなく、仮想通貨交換業については登録申請の準備中の模様です。夏頃の実証実験を予定しているとのことなので、このプロジェクトの予定に今後も注目です。
ぜひ成功させて欲しいです!