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2022/06/28Sequoia出資の分散型署名プラットフォーム「EthSign」を解説 | テストネット公開中
2022年3月にSequoiaの3つのユニットから資金調達を行ったことで話題に上がり、CRYPTO TIMESでも取り上げた EthSign が6月よりBetaテストネットをローンチしています。 1) Excited to release EthSign Signatures Beta. As a signing initiator, you can upload a document, add signers, and define various fields (signature, date, wallet address, checkbox) for each signer. Signatures Beta is now live: https://t.co/431y4XgU1Lhttps://t.co/dXPY8toDPa — EthSign (Signatures Beta Launch | We’re Hiring) (@ethsign) June 1, 2022 本記事では、そんな注目のETH Signの概要やテストネットの使い方について解説していきます。 EthSignとは? EthSignはブロックチェーン技術を活用した分散型署名アプリケーションです。「Docusign」等の既存の電子署名アプリケーションの使いやすさをそのままに、ブロックチェーンによる優位性を付属する事を目的としています。 従来のサービスに加わるベネフィットとして、以下が挙げられます。 分散型ストレージによる ・セキュリティ向上 ・データの永久的な保存 ・ユーザープライバシーの保護 ・他の分散型サービスやdAppsとの接続可能性 ・スマートコントラクトを使った契約の自動実行 EthSignは、Sequoia初の3ユニットに加えCircleやMask、Hashkey等の著名なWeb3企業、およびVCからの出資を受けています。 上記に加えて、Next Web CapitalやMiss bitcoin、アカツキ株式会社(Emoote)等日本関連の投資家やVCもEthSignへの出資に参加しています。 知っておきたい3つのこと ①EthSign Smart Agreements ②Arweaveの分散型ストレージ ③様々なユースケース 基本的な概要を把握したところで、EthSignについて知っておきたい内容を解説していきます。 ①Ethsign Smart Agreements EthSignは既存のデジタル署名において、スマートコントラクトを活用した新しい自動契約成立フレームワーク「EthSign Smart Agreement」を開発中です。(2022年Q3実施予定) Smart Agreementではオンチェーン、オフチェーンデータをリアルタイムで読み込み、契約書の条項を自動的に実行します。 EthSign Smart Agreementは下記3つの要素で構成されています。 データソース - Chainlink Oracleからオンチェーン、オフチェーンデータを取り込む トリガー条件 - 契約書の情報が実行可能な値として記録 実行 - Chainlink Keeper により実行 Chainlink Oracle からオンチェーン、オフチェーンデータを取り込み、署名者が合意した条項の条件に達した段階で、Chainlink Keeper により実行されます。 ②Arweaveの分散型ストレージ Arweave は Solanaのトランザクションデータを保存していることで有名な分散型ストレージのプロバイダーです。Ethsignにおいては、契約書の情報がArweaveで永久的に保存されます。 Docusign等の既存の署名サービスにおいて、データは主に単一のサーバーに保存。 上記の仕組みでサーバーに何かしらの問題が発生した場合、サービス障害等の問題が生じます。又、セキュリティ観点からもハッキングやデータ流出、もしくはデータの改ざん等のリスクがあります。 Arweaveは分散されたデータサーバーであるため、ハッキングやサービス障害等が起こりにくいです。 Arweaveは2021年の11月からPolygonをサポート。過去にEthsignはArweaveを活用する際にガス代問題に直面しましたが、Bundlrというアグリゲーターを使用する事により解決されました。 Bundlrとは Bundlr は分散型ストレージ Arweave のスケーリングプラットフォームです。 Bundlr は一度のトランザクションで多数の情報を取り組み、Arweaveへ記録出来ます。 それにより、Arweaveにアップロードするコストや時間の大幅な短縮が可能です。 EthsignもBundlrとパートナーシップを組むことで、契約内容の分散的な保存実現しています。 ③様々なユースケース EthSignのアプリケーションは署名に特化していますが、スマートコントラクトを活用した多様なユースケースがMediumの中で紹介されています。 オフチェーン資産のオンチェーン証明 証明書の承認プラットフォーム オンチェーンの身分とクレジットシステムの繋がり 上記以外にも、DAOがオフチェーン領域とコミュニケーションを取るためのインターフェースなど、DID(分散型ID)や分散型ストレージ領域の発展と共に様々なユースケースが想定されています。 EthSign (BETA) の使い方 それでは、現在公開中のEthSign (BETA)の使い方を実際に見ていきましょう。 EthSignのベータ版ではSmart Agreementは現在使用できませんが、通常の署名のスムーズな実行が可能です。 *利用には少額の$MATICが必要となりますのでご注意ください。 まずは、https://www.ethsign.xyz/dashboard にアクセスし、ウォレット、SNS(twitter, discord等)、もしくはメールアドレスでログインします。 次にサインをしたいPDFファイルを「create contract」からアップロード。 アップロードが完了したらサインする人を追加します。(ウォレットアドレスやENS、もしくはSNSアカウント等を署名者として設定可能) 対象アドレス、ENSを追加した後、SignerとViewerをそれぞれ設定出来ます。 アップロードされたファイルが出てきます。日付や署名の場所、フォント等を細かく設定することができます。 パスワードを設定し、署名相手に送信します。 相手署名者がhttps://www.ethsign.xyz/dashboard にアクセスすると、サイン可能な資料が出てきます。サインをすると相手に通知が送られます。これにて署名は完了します。 以上で基本的な使い方は終了です。 Ethsignの今後のプロダクト 現在はBeta版がローンチされていますが、今後のプロダクト開発において以下が発表されています。 EthSign Smart Contract 前述の契約書の自動実行プログラムが2022年のQ3にローンチ予定です。 TokenTable TokenTableはVC や DAOが資産や投資状況を見える化し、マネジメントする為のオンチェーンツールです。 現時点で情報は限られますが、今後はAPIやダッシュボード機能をリリースし、色々な方法で各企業やDAO、もしくはAngel投資家が資産をマネジメント出来るツールを提供していくとのことです。 又、FY22の冬に coinlistにてセールが実施されると噂されています。 まとめ Sequioa初となる3ユニットで出資を行った注目プロジェクトEthSignについて解説してきました。 文字だけでなく、実際にプロダクトを触ってみるとよりプロジェクトに対する理解は深まります。 是非、本記事を頼りに公開中のBETA版を利用してみてください。 最後までありがとうございました。 - Ethsign の公式リンクまとめ - Webサイト:https://www.ethsign.xyz/ Twitter:https://twitter.com/ethsign Discord:https://discord.gg/5JhxyMrp Medium:https://medium.com/ethsign *フィッシングサイト/スキャムサイトに誘導されないためにも、公式リンクのブックマークやSNSアカウントのフォローをおすすめします。

イベント
2022/06/01Solana Hacker House 現地レポート -品川オフラインイベントで大盛況のSolana-
5月25-29に東京品川区の近未来的な空間でSolanaブロックチェーンの開発者に向けたハッカソンイベントが5日間にわたり開催されました。 本記事では、その一角をレポートでお届けします。 Devs are making big things happen at the @solana x @jump_ #HackerHouseTokyo. Let's build 🛠 https://t.co/CEN01mpt1w pic.twitter.com/BAGlOZtIDL — Solana Hacker House | Tokyo 🇯🇵 May 25th-29th (@hackerhouses) May 26, 2022 今回のイベントでは、日本からだけでなく、世界各国から開発者が集まりました。Solana, NFT や WEB3のトレンド全般に興味のある投資家や事業家の参加者が数多く、見受けられました。 コロナ流行後、オフラインのイベントが控えられていましたが、今回のSolana Hacker Houseは日本でも久々のオフラインのイベントになりました。 比較的若い世代の参加者でにぎわっており、近未来的な雰囲気が漂っています。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] NFTコミュニティアーティストのミニ・エキシビション[/caption] [caption id="" align="alignnone" width="800"] Waitingルームに置かれるプレイステーション5等のゲーム機。[/caption] ソラナの現状 Dominic Tsang (Head of Business Development @Solana Foundation) Tsang氏は取引コストやスピードのパフォーマンス的な要素や、開発言語の RUSTがプログラマーフレンドリーであることが、Solanaの爆発的な成長の大きな要因であると述べました。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] Solanaチェーンのスマートコントラクトの数や、新規ユーザーが爆発的に増えていることを語るTsang氏[/caption] 彼によるとSolanaの成長はDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)、もしくはStepN等のブロックチェーンゲームにより後押しされていますが、今年度は以下の領域にも期待していると述べられました。 Solana Pay等の支払いソリューションの大衆化 新しい形のSNSの成長 DAO(自律分散的組織)の汎用性の拡大 [caption id="" align="alignnone" width="800"] Solanaの成長について語るTsang氏[/caption] また、今後のチェーンのパフォーマンス改善案をざっくりと説明し、QUIC(通信トランスポートプロトコル)によるセキュリティの向上や新しい変動型Feeモデルについて今年以内に実施される可能性が高いと発表がありました。 Web3と日本経済の未来 元ゴールドマンサックス日本のVCでもあるMpower Partnersの松井氏はESG及び環境配慮の重要性について語られました。 企業の大きさに問わずESGの重要性は年々増しており、ヨーロッパを始め日本においてもホットなトピックです。今後サステナビリティを軽視する企業は生き残れない可能性が高いと述べられました。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] Mpower Partnersの松井氏(画面)、Cega創業者の豊崎氏(右下)[/caption] 日本におけるWeb3の動向 鈴木雄大氏、志村侑紀氏、Whiplus氏、平野淳也氏(モデレーター) 日本のweb3企業の代表としてざっくばらんに日本のクリプト全般のステータスや業務内容等を議論するセッションです。 いかに近年Web3が盛り上がってきているかを各自感じており、今後の業界の促進に期待を膨らませています。 Fracton Venturesはweb3の未来に向けたインキュベーションを実施、ShiftbaseはUnchainというweb3のデベロッパーコミュニティを運営、IVS(Infinity Venture Summit)はクリプトのイベント企画や運営、そしてHashhubはクリプトの踏み込んだリサーチを公開しています。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] 左からHashhubの平野氏、IVS CryptoのWhiplus氏、Shiftbaseの志村氏、Fracton Venturesの鈴木氏[/caption] 日本におけるWeb3の税制と規制 仮想通貨を持つ人が避けては通れない道、毎年の様にやってくる税金に関する話題を柳澤氏、設楽氏、Kim氏がセッションで話しました。 現時点の仮想通貨における税金制度では優秀な起業家や投資家が海外に相変わらず流出している現状で、まずはシンガポール等の国と同等の税金制度を設定しなければ流出は止められないと考えられているようです。 既に海外に渡ってしまった起業家を日本へ呼び戻すには、さらに大胆な税制を打ち出す必要があると柳澤氏。 主に仮想通貨同士の交換によって発生する税金が税金計算を非常に複雑化していることが問題であると議論になりました。 [caption id="" align="alignnone" width="800"] クリプトの税制について議論する柳澤国際税務会計事務所の柳澤氏(右)、New Economyの設楽氏(真ん中)、コインベースジャパンのKim氏(左)[/caption] イベントを通じて その他にも5日間にわたり、日本を代表するweb3 エバンジェリストや世界的に注目を浴びている起業家からの素晴らしい対話が繰り広げられました。 今回のSolana Hacker Houseでは10代~20代の参加者が大半であり、Solanaにとどまらずweb3に対して熱い気持ちを持つ人が多かった印象です。多くの方にとって将来のweb3が実現する未来を想像もしくは創造する良い機会になったのではないでしょうか? 以上、東京品川の近代的な倉庫からのイベントレポートでした。
















