Sequoia出資の分散型署名プラットフォーム「EthSign」を解説 | テストネット公開中
bobotango
2022年3月にSequoiaの3つのユニットから資金調達を行ったことで話題に上がり、CRYPTO TIMESでも取り上げた EthSign が6月よりBetaテストネットをローンチしています。
1) Excited to release EthSign Signatures Beta. As a signing initiator, you can upload a document, add signers, and define various fields (signature, date, wallet address, checkbox) for each signer.
Signatures Beta is now live: https://t.co/431y4XgU1Lhttps://t.co/dXPY8toDPa
— EthSign (Signatures Beta Launch | We’re Hiring) (@ethsign) June 1, 2022
本記事では、そんな注目のETH Signの概要やテストネットの使い方について解説していきます。
目次
EthSignとは?
EthSignはブロックチェーン技術を活用した分散型署名アプリケーションです。「Docusign」等の既存の電子署名アプリケーションの使いやすさをそのままに、ブロックチェーンによる優位性を付属する事を目的としています。
従来のサービスに加わるベネフィットとして、以下が挙げられます。
- 分散型ストレージによる
・セキュリティ向上
・データの永久的な保存
・ユーザープライバシーの保護 - ・他の分散型サービスやdAppsとの接続可能性
・スマートコントラクトを使った契約の自動実行
EthSignは、Sequoia初の3ユニットに加えCircleやMask、Hashkey等の著名なWeb3企業、およびVCからの出資を受けています。
上記に加えて、Next Web CapitalやMiss bitcoin、アカツキ株式会社(Emoote)等日本関連の投資家やVCもEthSignへの出資に参加しています。
知っておきたい3つのこと
①EthSign Smart Agreements
②Arweaveの分散型ストレージ
③様々なユースケース
基本的な概要を把握したところで、EthSignについて知っておきたい内容を解説していきます。
①Ethsign Smart Agreements
EthSignは既存のデジタル署名において、スマートコントラクトを活用した新しい自動契約成立フレームワーク「EthSign Smart Agreement」を開発中です。(2022年Q3実施予定)
Smart Agreementではオンチェーン、オフチェーンデータをリアルタイムで読み込み、契約書の条項を自動的に実行します。
EthSign Smart Agreementは下記3つの要素で構成されています。
- データソース – Chainlink Oracleからオンチェーン、オフチェーンデータを取り込む
- トリガー条件 – 契約書の情報が実行可能な値として記録
- 実行 – Chainlink Keeper により実行
Chainlink Oracle からオンチェーン、オフチェーンデータを取り込み、署名者が合意した条項の条件に達した段階で、Chainlink Keeper により実行されます。
②Arweaveの分散型ストレージ
Arweave は Solanaのトランザクションデータを保存していることで有名な分散型ストレージのプロバイダーです。Ethsignにおいては、契約書の情報がArweaveで永久的に保存されます。
Docusign等の既存の署名サービスにおいて、データは主に単一のサーバーに保存。
上記の仕組みでサーバーに何かしらの問題が発生した場合、サービス障害等の問題が生じます。又、セキュリティ観点からもハッキングやデータ流出、もしくはデータの改ざん等のリスクがあります。
Arweaveは分散されたデータサーバーであるため、ハッキングやサービス障害等が起こりにくいです。
Arweaveは2021年の11月からPolygonをサポート。過去にEthsignはArweaveを活用する際にガス代問題に直面しましたが、Bundlrというアグリゲーターを使用する事により解決されました。
Bundlrとは
Bundlr は分散型ストレージ Arweave のスケーリングプラットフォームです。
Bundlr は一度のトランザクションで多数の情報を取り組み、Arweaveへ記録出来ます。
それにより、Arweaveにアップロードするコストや時間の大幅な短縮が可能です。
EthsignもBundlrとパートナーシップを組むことで、契約内容の分散的な保存実現しています。
③様々なユースケース
EthSignのアプリケーションは署名に特化していますが、スマートコントラクトを活用した多様なユースケースがMediumの中で紹介されています。
- オフチェーン資産のオンチェーン証明
- 証明書の承認プラットフォーム
- オンチェーンの身分とクレジットシステムの繋がり
上記以外にも、DAOがオフチェーン領域とコミュニケーションを取るためのインターフェースなど、DID(分散型ID)や分散型ストレージ領域の発展と共に様々なユースケースが想定されています。
EthSign (BETA) の使い方
それでは、現在公開中のEthSign (BETA)の使い方を実際に見ていきましょう。
EthSignのベータ版ではSmart Agreementは現在使用できませんが、通常の署名のスムーズな実行が可能です。
*利用には少額の$MATICが必要となりますのでご注意ください。
まずは、https://www.ethsign.xyz/dashboard にアクセスし、ウォレット、SNS(twitter, discord等)、もしくはメールアドレスでログインします。
次にサインをしたいPDFファイルを「create contract」からアップロード。
アップロードが完了したらサインする人を追加します。(ウォレットアドレスやENS、もしくはSNSアカウント等を署名者として設定可能)
対象アドレス、ENSを追加した後、SignerとViewerをそれぞれ設定出来ます。
アップロードされたファイルが出てきます。日付や署名の場所、フォント等を細かく設定することができます。
パスワードを設定し、署名相手に送信します。
相手署名者がhttps://www.ethsign.xyz/dashboard にアクセスすると、サイン可能な資料が出てきます。サインをすると相手に通知が送られます。これにて署名は完了します。
以上で基本的な使い方は終了です。
Ethsignの今後のプロダクト
現在はBeta版がローンチされていますが、今後のプロダクト開発において以下が発表されています。
EthSign Smart Contract
前述の契約書の自動実行プログラムが2022年のQ3にローンチ予定です。
TokenTable
TokenTableはVC や DAOが資産や投資状況を見える化し、マネジメントする為のオンチェーンツールです。
現時点で情報は限られますが、今後はAPIやダッシュボード機能をリリースし、色々な方法で各企業やDAO、もしくはAngel投資家が資産をマネジメント出来るツールを提供していくとのことです。
又、FY22の冬に coinlistにてセールが実施されると噂されています。
まとめ
Sequioa初となる3ユニットで出資を行った注目プロジェクトEthSignについて解説してきました。
文字だけでなく、実際にプロダクトを触ってみるとよりプロジェクトに対する理解は深まります。
是非、本記事を頼りに公開中のBETA版を利用してみてください。
最後までありがとうございました。
– Ethsign の公式リンクまとめ –
Webサイト:https://www.ethsign.xyz/
Twitter:https://twitter.com/ethsign
Discord:https://discord.gg/5JhxyMrp
Medium:https://medium.com/ethsign
*フィッシングサイト/スキャムサイトに誘導されないためにも、公式リンクのブックマークやSNSアカウントのフォローをおすすめします。