“Vegaはトレーダーには新たな機会を、金融機関にはリスクをもたらす” – Vega Protocol CEO Burney インタビュー
   公開日 : 2021/05/28

“Vegaはトレーダーには新たな機会を、金融機関にはリスクをもたらす” – Vega Protocol CEO Burney インタビュー

アラタ | Shingo Arai

2017年5月に仮想通貨への投資を開始。ブロックチェーンや仮想通貨の将来に魅力を感じ、積極的に情報を渋谷で働く仮想通貨好きITリーマンのブログを通じて発信するように。

Vega Protocolは分散型デリバティブのプロダクトを提供するプロジェクトです。

現在、dydxやHegicなどの多くのデリバティブプロダクトが市場には存在していますが、Vega ProtocolではProof of Stakeを採用しているTendermint上のブロックチェーンプロトコルとして提供されています。

Tendermintで作られたVega Protocolは、Ethereumとは違い、高額な手数料の問題を解決し、1秒未満のブロックタイムで応答性の高い取引体験を提供することが可能です。

また、APIなどの機能も兼ね揃えており、プロ向きのデリバティブ市場を開設することを目指したオープンソースでパーミッションレスなプロジェクトになります。

昨今、非常に話題となっているCoinlistの取引所でのICOを6月2日に実施することも決まっており、こちらのICOに参加するためには5月29日 9:00までの登録が必要になります。

今回のインタビューではVega Protocolがどのようなプロジェクトか?既存の分散型デリバティブの問題点、そして将来のDeFiに関してまで多くを語っていただいていますので是非ともお読みください。

Vega Protocol Burney へのインタビュー

Vega Protocolの仕組みとは

— 今回はありがとうございます。最初に自己紹介をお願いいたします。

Barney : 私はBarney Mannerings(バーニー・マナリングス)です。コンピュータサイエンティストで、キャリアの最初の10年以上を、大手取引所、世界的な投資銀行、一流のコンサルタント会社のために、トレーディングシステムや関連技術製品の設計・構築に費やしてきました。

2010年代初頭に、ビットコイン、イーサリアム、その他の分散型テクノロジーのプロジェクトに出会いました。2017年末から2018年初めにかけて、Ramseyと共にVegaを設立しました。

これは、Proof of stake技術の研究が進み、分散型取引ネットワークが中央集権的な商品や市場に代わって、「現実世界」の取引やデリバティブのユースケースのかなりの割合を占めることが可能になると確信したからです。

— 分散型デリバティブが多くなってきた中、そんな前からプロジェクトを立ち上げていたのですね。Vega Protocolに関しても紹介してもらえますか?

Barney : Vegaは、web3におけるデリバティブレイヤーです。 取引に最適化されたカスタムブロックチェーンを使用し、完全に分散化されたネットワーク上で、高速かつ低手数料でデリバティブ取引を行うことができます。VegaはEthereumや他のチェーンと一緒に動作するdexとして機能し、ユーザーやトークン保有者のコミュニティによって、自由参加できるよう(パーミッションレス)に提案・作成された市場で取引することができる資産(EC20トークンなど)を提供します。

Vegaは、第一世代のDeFiプロトコルと比較して多くの問題を解決しており、商業ヘッジなどの「現実世界」の金融やデリバティブのアプリケーションでの使用に適しています。

次世代DeFiとしての強み

— ありがとうございます。さきほど、DeFi第1世代と話題に上がりましたが、分散型デリバティブ領域の競合であるPerptual、Hegic、Leverなどがプロジェクトで存在しています、これらと比較した場合のVega Protocolの強みは何でしょうか?

Barney : Vegaのブロックチェーンは、既存のDeFiプロトコルのいくつかの重要な問題を解決する、最適化されたデリバティブとトレーディングのレイヤーを提供しています。

VegaのWendy Fairnessプロトコルは、MEV/フロントランニングの問題を解決します。

洗練された証拠金とリスクのアルゴリズムにより、他のDeFiプロトコルよりもはるかに高い資本効率で安全な取引が可能になります(例えば、市場やリスクモデルに応じて最大50倍や100倍のレバレッジをかけることができますが、他のほとんどのDeFiデリバティブでは通常過剰担保となるため1倍以下です)

高性能のProof of Stake Networkは、高額な手数料の問題を解決し、1秒未満のブロックタイムで応答性の高い取引体験を提供します。

— これはEthereumのネットワークに依存していないからできることかもしれませんね。そんな中で今も話に上がったProof of Stakeのコンセンサスが使われているTendermint上のプロトコルのようですが、TendermintでPoSのブロックチェーンを作ると、取引を迅速に行うことができるのでしょうか。現状のEtherネットワークの課題は、ガス代の高さやトランザクションが実行されるまでに時間がかかりますが、これらは解決されますか?

Barney : これらの問題はVegaによって解決されます。Vegaはブロックタイムが~1秒で、1秒間に数千件の取引をサポートし、代替手段よりも低い手数料で利用できます。ガスは発生せず、注文がマッチしたときの取引手数料のみが発生します。つまり、注文を出すためのコストは一切かかりません。Vegaは、Vegaプロトコルを共有する複数のネットワークを構築し、それぞれがサブセットの市場に対応することで、無限に近い水平方向のスケーラビリティ(別名「シャーデッド」と呼ばれる)を実現することができます。

— WhitePaperの中にはEthereumとの統合について言及されていましたが、今後はPolkadotやAvalancheなどの他のブロックチェーンとの統合は計画しているのでしょうか?

Barney : Vegaは他のチェーンとのブリッジも計画しています。現在、いくつかのチームと協力してこの計画を進めており、年末頃にはEthereum以外の最初のブリッジを稼働させる予定です。近日中にいくつかの発表を行いたいと考えています。

— ありがとうございます。楽しみです。ただ、デリバティブ取引には最低限の流動性やユーザー数が必要になると思いますが、Vega Protocolではこれらをどのように集めますか?たとえば、流動性マイニングなどでしょうか

Barney : Vegaには洗練された流動性プロトコルがあります。「流動性マイニング」によって流動性提供のインセンティブが与えられているのはポイントです。流動性提供者は、手数料収入やVEGAトークンなどのインセンティブを獲得することができます。プロトコルでは、市場のイノベーションを促すために、市場を作ったり(※)、流動性の提供を早めに行ったLPに、後から参加したLPよりも多くの報酬を与えます。また、LPは手数料を設定するための入札を行います。

※金融商品の作成 – 誰でもVega上で任意の原資産の市場を提案することが可能。市場を作るのはとても簡単で、その後、コミュニティがそれを受け入れるか否かの投票期間に入る。

— Vegaトークンの話題が出てきましたが、ユースケースは何でしょうか

Barney : Vegaトークンの使いみちは以下のとおりです。

  • Proof of StakeネットワークでのStakingとDelegate
  • 市場の提案・作成、提案された市場への投票権
  • 市場、手数料、オンチェーントレジャリーからの資金の分配などを管理するネットワーク上の多くのパラメータを設定するために使用されるオンチェーンガバナンスです。

今後のDeFiと従来のデリバティブとの棲み分け

— さて、また話題を少々変えます。日本のgumi cryptosなどのVCからも資金調達を行っていますが、現在日本に対してどのような印象がありますか?

Barney : 日本は常に暗号通貨における強力な中心地であり、ユーザーと企業の大きな基盤を持っています。私たちは、日本を訪れると、多くの刺激的なイノベーションや価値創造を発見することができます。そして、何よりプロジェクト、コミュニティ、イベントなど、日本には多くのものがあると感じています。

— デリバティブのユーザーが多い日本では、おそらく分散型デリバティブを使うユーザーも益々増えると感じています。その中で、最近、BTCやETHのクラッシュが有りました。こうした場合、BitMEXやBinanceのようなCEXでもシステムに負荷がかかるなどしてユーザーは身動きが取れなくなることがあります。Vegaでは精算エンジンなどきちんと動くのでしょうか。また保険基金プールなどが枯渇した場合などはどうなりますか。

Barney : Vegaのトレーディングエンジンは、独自に開発したTendermint搭載のブロックチェーン上で動作します。ブロックが一杯になった場合、一部の取引がドロップされることがありますが(すぐに再試行できます)、システムはブロックを処理し続け、正常に機能します。迅速に実行できないトランザクションをドロップすることは、一般的にペースの速い取引において、注文を不確定な時間の間mempoolに置いておく(つまり、列に並んで待っている)よりも好ましいことです。

保険基金プールは市場ごとに分離されており、時間の経過とともにいっぱいになるように設計されています。大きな価格変動があっても、ポジションが決済されると平均して保険プールに入金される仕組みになっているため、ほとんどの場合、時間の経過とともに枯渇することはないと考えられます。

しかし、設定が不十分な市場、新しい市場、非常に異常な値動きをする市場などでは、保険プールの担保が不足する可能性があります。このような場合には、参加者間で損失を共有するロス・ソーシャル化のメカニズムがあります。閉鎖された市場の保険金が再分配されることで、Vegaにロックされている保険金の総額は時間の経過とともに増加し、システム全体の安全性が高まることが期待されています。

— ありがとうございます。そんな中で、最初に最デリバティブ取引所に対応する通貨は何でしょうか。

Barney :  VegaはEthereumとDAIのようなERC20トークンを最初にサポートする予定でいます。

— さて、ここからは少しプロダクト以外の質問になります。今のところ、DeFiは発展途上の段階にあると思います。今後、この業界はどのように発展していくと考えますか?

Barney : DeFiは、特に商品やリスクを定量的に理解することで、より理解されるようになるでしょう。また、技術的にも成熟し、ウォレットや暗号化された銀行口座など、より隣接した製品やサービスとの統合が始まると考えています。これで、企業や個人の「実世界」でのユースケースにDeFiプロトコルを採用するための基盤が整っていくんじゃないかなと思っています。

— まだ整備しなければならない部分も多いと思います。最後にですが、Vegaのような分散化デリバティブプロダクトが出てくることで、 従来のデリバティブ取引市場とのすみ分けはどうなるのと思いますか。

Barney : Vegaはトレーダーには新たな機会を、金融機関にはリスクをもたらします。Vegaのようなプロトコルは、効率的な市場と堅牢なオンチェーンの取引執行、リスク管理、コンプライアンスツールを用いて、ほぼグローバルに流動性をプールすることで、パワーの所在をユーザーの手に移すことになります。つまり、中央集権的な市場がオンチェーンに移行し、さらに多くの市場が生まれ、市場のロングテールが肥大化することになります。業界は、すべての取引が一握りの企業を経由して行われる「ハブ&スポーク」モデルから移行していくでしょう。

— 色々とこの度はありがとうございました。CoinListでのToken Saleも発表されて今後の動きも非常に楽しみにしています。

各種Link

ウェブサイト:https://vega.xyz/
日本語Twitter:https://twitter.com/VegaProtocol_Jp
日本語Telegram:https://t.me/vegajp

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