「VERBAL」はなぜNFTの世界に? 【直撃インタビュー】

「VERBAL」はなぜNFTの世界に? 【直撃インタビュー】

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    先日シンガポールのマリーナベイサンズホテルで開催された大型カンファレンス「TOKEN2049」にて、アーティストとしての活動に加えて、自身がCEOを務めるファッションブランドAMBUSH®においてNFTプロジェクトを手掛けているVERBAL氏にインタビューを行いました。

    本記事ではその時の様子をお届けしていきます。

    VERBAL氏へのインタビュー

     – NFT分野への参入はどのような流れだったのでしょうか?

    VERBAL:元々、モーションキャプチャーセンサーを活用して、それをアバターに反映させたりするコンテンツや事業を手掛けていたんです。そして、これはメタバースでも色々できるなと思ってたところにコロナが来て。その流れで実際にメタバースでもライブをしました。

    その時にNFTに出会って「トークンゲートできるんだ」とか「ウェアラブルアンロックできるんだ」とかを色々知って。自分でファッションブランドをやっているので、自分達のプラットフォームでNFTをミントして「そのNFTを持ってないと部屋に入れない」「ライブストリームズが見れない」とかの実例を見せながら、他のファッションブランドさんも今後参入できるように出来たら面白いなと思いながらNFTを始めました。

    – 周りのNFTに興味があるファッションブランドのデザイナーさんをみていると、テクノロジーに関する知識が追いついていないなと感じる部分が正直あります。他のファッション業界の方も同じような悩みを抱えてるものなのでしょうか?

    VERBAL:最初にプロジェクトがローンチした時は、周りのファッション業界の方達は「メタマスクって何?」みたいな状態でした。ミントの仕方とかも一回ちょっと練習してもらって、ミントする時に「いきますよ、せーの」みたいな感じで。

    みんなをホワイトリストに登録したりして、そういうオンボーディングをしないと最初は難しかったですね。

    – そもそも、いつごろどんなきっかけでNFTに興味を持たれたんですか?

    VERBAL:去年の頭くらいにNFTについて知って、5月くらいに初めて自分のNFTを買いました。売買というよりかは、ユーティリティベースのものを勉強がてら集めていましたね。

    例えば、*objファイルが載っているPolygonのNFTを持っていたらそれが、家具やウェアラブルになるものとかがあるとか。そういうものが面白くて色々とNFTを買い始めました。2021年はOpenseaなどのチャートアクションが激しく、一生懸命追いかけてましたね。*objファイル = 3Dモデルフォーマットの1つ

    – CryptoPunksを購入したのはなぜでしょうか?

    VERBAL:プロディジーのキース・フリントというアーティストが好きで。そっくりのものを見つけて「これだ!」と思いました。

    キース・フリント | 画像引用元:EssexLive

    欲しいなとは思ってたんですが、CryptoPunksは最初高すぎて「いやー」という感じで。そして、CryptoPunks周りをずっと見ていたら一瞬ディップして安くなった時があったのでそれを機に買いましたね。

    CryptoPunks #9005 | 画像引用元:OpenSea

    CryptoPunksのコミュニティは居心地が良くて、そこで話しとかもしながらお互い結構ヘルプしあったりしてるんです。ティファニーがネックレスを出した時とかもそうでしたね。

    – NFTiffですね。あれは確かCEOがそもそもやってたんですよね?

    VERBAL:そうです。*アレクサンドルがそこに結構親和性あるみたいで。

    彼はLVMHでどんどんブロックチェーンの活用方法を広めてくれるのではないでしょうか?*アレクサンドル・アルノー = LVMH会長ベルナール・アルノーの息子

    – 最近の動きを見ているとLVMH全体がブロックチェーン全体と関わっていくんじゃないかなと思うんですがその辺はどうでしょうか?

    VERBAL:この間、FendiもLedgerとのコラボ出してましたよね。多分、ファッション界との繋ぎこみ方を今模索しているじゃないかなと思います。

    今後について

    VERBAL:Avalancheでサブネットを構成してトークンを発行できるじゃないですか。本当はそういう活用方法も視野に入れていたんですが、難しいとみんな分からなくなっちゃうと思うので「ポイント貯まるよ」みたいに、初心者でも簡単に理解できるような方法でやろうと考えています。例えばERC20もウェアラブルとか発行できるじゃないですか。NFCチップをタップしたらそれももらえるみたいな。

    僕たちのメタバースも入ったらスニーカーが履けるとかそういうサクッとできる形でやっていきたいなと思っています。

    – 今後の活動も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

    VERBAL:ありがとうございました。

    VERBAL × NFT

    ・2022年1月:Discordでオフィシャルチャンネルを開設

    ・2022年2月:VERBAL × YOONが手掛けるファッションブランド「AMBUSH®」から2022個限定NFT「POW!® Reboot」をリリース

    ・2022年3月:独自メタバース「AMBUSH SILVER FCTRY」をローンチ

    ・2022年6月:AMBUSH SILVER FCTRY対応でメタバース空間とリアルでの着用が可能なスニーカー「100S」をリリース

    ・2022年9月:AvalancheとのコラボNFT「A3」公開

    まとめ

    昨今、アーティストやハイブランドが続々とNFT業界へ参入しており、数年前と比較してNFTの活用方法は増え、世間からの評価も大きく変化し状況は一変しました。

    その一方で、NFTはこれまで暗号資産・ブロックチェーンに触れてこなかったユーザーにとって難解な部分も多々あり、実際の保有まで至っていないユーザーも多いのが現状です。

    そういった意味で、既に別分野でのファンを抱えているアーティストやブランドによるNFTの活用で、参入障壁を下げ、さらなる市場や用途の拡大が行えるのではないでしょうか。

    これまでアーティストとして数々の実績をあげ、NFT分野でも活躍を続けるVERBAL氏の今後の動向に注目が集まります。

    – 公式リンク –


    追伸:会場で急遽依頼したにも関わらずインタビューを引き受けてくださったVERBAL氏にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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