「メインネットローンチ」とは?トロン / $TRX のメインネット移行手続きも解説!
Yuya

Crypto Times公式ライターのYuya(@yuyayuyayayu)です。
5月末に入って、トロン / $TRX やイーオス / $EOS などの有名なプロジェクトが次々と「メインネットローンチ」の実施に踏み込んでいます。
メインネットとは一体どういう意味なのでしょうか?また、このローンチによってサービスにどのような変化がもたらされるのでしょうか?
そして、ローンチを控えているトークンの所有者は何かしなければならないことがあるのでしょうか?
コインとトークンの違い
メインネットについて理解する上でまず知っておかなければならないのが、コインとトークンの違いです。
コイン、またはネイティブトークンとは、独立したブロックチェーン上に存在する仮想通貨のことを指します。
例えば、ビットコインネットワーク(ブロックチェーン)を維持する上で使われるのがビットコインです。イーサリアム / $ETH やネオ / $NEO なども同様のカテゴリーに属します。
これに対し、トークンとは上記のような他のブロックチェーン上にDAppsとして存在する仮想通貨のことを指します。
例えば、テザー /$USDTならオムニ / $OMNI、バイナンスコイン /$BNB ならイーサリアムのブロックチェーン上でそれぞれ成り立っています。
ICOは必ずしも「コイン」配布ではない
ここで、ICOについてもう一度振り返ってみましょう。ICOはイニシャル・コイン・オファリングの略ですが、実はここで配布される仮想通貨の大体はトークンです。
プロダクトを開発する上で資金が必要なので、先にトークンを配布することで開発費を募る、というのがそもそもICOなのです。
そうなると、上記のトロンやイーオスのような、独立したブロックチェーン開発するためにICOを行ったプロジェクトはどのようにしてプロダクト完成前にコインを配布したのでしょうか?
もちろんブロックチェーンの完成前にコインを配布できるはずがないので、こういったプロジェクトはプロダクト完成後に「コインと交換する」という約束の元、別ブロックチェーン上でトークンを生成し配布するのです。
例えば、トロンもイーオスも、ICOで配布されたものはイーサリアムのスマートコントラクトを利用したERC-20トークンです。
独立したブロックチェーンが完成するまでの間は、いわば「仮コイン」または「引換券」のような形でトークンを保持し、完成後に本物のコインと交換できる、ということなのです。
メインネットとは?
それでは本題に戻りましょう。トロンやイーオスなどが行う「メインネットローンチ」とは一体どういう意味なのでしょうか?
メインネットローンチとはズバリ、独立したブロックチェーン(=プロダクト)の完成・公開を意味します。
従って、ICOなどで配布された、別ブロックチェーン上に存在するトークンを、完成したブロックチェーンに移植できるわけです。
また、そもそも独立したブロックチェーンを必要としない(他チェーン上のスマートコントラクトで成り立つ)プロジェクトにはメインネットローンチというイベントは存在しないことがわかります。
まとめると、メインネットローンチには次のような意義があります。
- 独立したブロックチェーンが正式に誕生した
- プロダクトが存在する、開発がきちんと進んでいる=プロジェクトはスキャムではなかった
- 他のブロックチェーン上に存在するトークンからメインチェーンのコインに変換が行える
移植には手続きが必要?
トロンやイーオスであれば、これまでのERC-20トークンはメインネットの公開と共に移植が行われるわけですが、保有者はこれを行うのに特別な手続きが必要なのでしょうか?
厄介なことに、これはプロジェクトによりけりとなっています。よって、それぞれのプロジェクトからの指示をきちんと読む必要があります。
今回は、トロンのメインネットへの移行手続きを例に説明します。
トロンのメインネット移行手続き
トロン公式ウェブサイトによると、同通貨のトークン移行手続きは6月21日から25日の間にかけて行われるとされています。
取引所のウォレットで保有しているトークンが自動で移行されるため、それ以外のウォレットで保有しているものは6月24日までに取引所のものに移すようにとされています。
21日から25日の間は全取引所で$TRXの引き出し、また25日には預け入れも一時停止されるもようです。
今回の移植に間に合わなかった場合でも、後日公式サイトから変換が行えるとされています。
まとめ
メインネットとは、イーサリアムやビットコインのような独立したブロックチェーンのことを指し、メインネットローンチはこのような独立したブロックチェーンを新たに始動するということでした。
もちろんプロジェクトはメインネットローンチをして終わりではなく、今後もプロダクトの改善を行っていきます。
こういったアップデートの中には今までのチェーンが不成立になるような極端なものも多く、チェーンが二つに分かれてしまうハード・フォークという事態が起こることも少なくありません。
ともかく、メインネットローンチが実施されてようやく、ブロックチェーン・プラットフォーム系のプロジェクトはプロダクトを正式に公開したといえます。