PayFi革命:金融のスピードを最大化する「Huma Finance」AMAレポート
boarding bridge

執筆:akii
シリコンバレー出身のフィンテックチームが設立した、国際決済や請求書決済の待ち時間を解消する初のPayFiネットワークであるHuma FinanceのAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。
今回のAMAでは、”PayFi”という新しい金融モデルの解説を中心に、実際の活用事例、これまでの実績と成長、他プロジェクトとの差別化ポイント、そして今後の日本市場への展開や長期的なビジョンについて伺いました。
以下はAMAの内容を要約したものです。
目次
- 1 AMA概要
- 2 質問トピック
- 2.1 自己紹介
- 2.2 Huma Financeの目的と仕組みを教えてください。
- 2.3 支払いに関する実際の活用例を教えてください。
- 2.4 これまでの主な成果として取引額やユーザー数、重要な提携・資金調達について教えてください。
- 2.5 競合と比較した場合のHuma Financeの強みや差別化ポイントを教えてください。
- 2.6 Humaの収益の1つである決済手数料について教えてください。
- 2.7 GENIUS法案はHuma Financeにどのような影響を与えますか?
- 2.8 信用スコアリングやリスク管理について教えてください。
- 2.9 Huma Financeの長期的なロードマップやビジョンについてお聞かせください。
- 3 まとめ
- 4 関連リンク
AMA概要
日時:2025年8月19日(月)22:00 JST
場所:bb Discord & X Space
Giveaway:100 USDC × 4名
取引額57億ドル超、Solana上のPayFi
「Huma Finance」のAMAを開催✈️⏰ 8月18日(月)22:00
🎁 Giveaway:100 USDC × 4名✅ Like, RT & Follow ↓@humafinance & @bb_jpdao
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— boarding bridge (@bb_jpdao) August 14, 2025
スピーカー
・Erbil Karaman | Co-Founder of Huma Finance
・仕事辞めたい(Nojob) | Guest Speaker
・AKI | boarding bridge
(敬称略)
質問トピック
自己紹介
はじめまして。Huma Financeの共同創業者、Erbil Karamanと申します。
Huma Financeを創設する以前は、FacebookやLyftをはじめとするシリコンバレーの大手企業において、十八年にわたりテクノロジー起業家ならびに経営幹部として活動してまいりました。
妻は日本人であり、わたくし自身も日本をこよなく愛しております。
皆様、初めまして。わたくしは仕事辞めたい、またの名をNojobと申します。
イベントなどで記入用紙に名前を書くたび、「そこは職業欄ではございませんよ」と気の毒そうにご指摘をいただくことが多く、少々困っております。
もっとも、こう見えてきちんと働いてはおりますのでご安心ください。Nojobとは、あくまでもわたくしの夢なのでございます。これまで長らく建設業界に身を置いてまいりましたが、いろいろと間違いを重ねた末に、気がつけば今の業界に紛れ込んでしまいました。
また、Erbil氏と同じく妻は日本人であり、わたくし自身も日本をこよなく愛しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
Huma Financeの目的と仕組みを教えてください。
Huma Financeは、シリコンバレー発のフィンテックチームによって設立された、世界初のPayFiネットワークです。
ステーブルコインとオンチェーン流動性を用いて、国際送金やカード決済、請求書の支払いなどを、年中無休でリアルタイムに行うことができます。
すでに累計で57億ドルを超える取引を処理しており、LP(流動性提供者)には持続的な高利回りが還元されています。
◾️ PayFiとは
PayFi(Payment Finance)は、「お金の時間的価値を調整する仕組み」です。具体的には、個人や企業が支払いを遅らせること(後払い)や、逆に入金を早めること(前払い・早期入金)ができる仕組みを指します。
世界では、クレジットカード(年間16兆ドル)が「支払いを遅らせる」代表例であり、トレードファイナンス(年間10兆ドル)が「支払いを早める」代表例となっています。
従来の金融システムでは、支払いの遅延や高コストが課題でしたが、PayFiはブロックチェーンとステーブルコインを活用することで、リアルタイム決済と即時流動性を実現します。その結果、より速く、安価で効率的な金融取引が可能となり、グローバル経済の成長を後押しします。
トレードファイナンス(Trade Finance)は、国際貿易における資金のやり取りをスムーズにする仕組みのこと。
輸出側は「代金の入金が遅い」、輸入側は「支払いを後にしたい」という状況があり、この時間差を埋めるために銀行や金融機関が資金の前払い・立て替え・保証を行う。
- ステーブルコイン
- 米ドルなどの法定通貨に連動する暗号資産の一種。
- オンチェーン流動性
- 取引の即時決済や送金に使われるブロックチェーン上で利用可能な資金のこと。
- LP(流動性提供者)
- Liquidity Provider(流動性提供者)の略。資金をプールして、取引や決済の手数料を受け取ることができる。
支払いに関する実際の活用例を教えてください。
Huma Financeは、リアルタイム決済と即時流動性を可能にするPayFiネットワークとして、さまざまな場面で活用されています。代表的なユースケースは以下の3つです。
① 国際送金(Cross-border payments)
例えば、日本からフィリピンへ送金する場合、従来のWesternUnionのような国際送金サービスでは、常に現地口座に資金をプールしておく必要があります。この仕組みにより、業界全体で約4兆ドルもの資金が使われずに眠った状態になっています。Huma Financeを利用すれば、事前に資金をプールする必要がなく、必要なときに即時決済が可能です。
② クレジットカード決済(Credit Card Settlements)
Humaはステーブルコインを活用したカード決済をVisaネットワークと連携させることで、より速く効率的な決済を実現しています。この分野は現在急速に成長しており、従来の決済の遅延やコストの課題を大幅に改善します。
③ Amazon出店者への即時支払い(Same-day payouts to merchants)
Amazonの出店者の半数以上はアジアに所在していますが、通常はUSやUKからの入金に2営業日以上かかります。
Huma Financeは、Amazonから支払いが発生した瞬間に出店者がリアルタイムで受け取れる仕組みを提供しており、資金の回転を大幅にスピードアップします。
- WesternUnion
- 世界最大級の国際送金サービス
- Visaネットワーク
- 世界的に利用されているクレジットカード決済ネットワーク
これまでの主な成果として取引額やユーザー数、重要な提携・資金調達について教えてください。
Huma Financeは設立以来、着実に成長を続けており、主な実績は以下の通りです。
・累計取引額は58億ドルを超え、2025年末までに100億ドルに到達する見込みです。
・年間収益は1,700万ドルで、前年と比べ17倍の成長を遂げています。
・アクティブ流動性は700万ドルから1億3,600万ドルへと拡大し、前年比19.4倍となりました。
・戦略的パートナーには、Circle、Solana、Stellar、Jupiter、Galaxy Digitalなどが名を連ねています。
・DeFi連携により、7.7万人の流動性提供者が参入し、急速な成長を実現しています。
・昨年は、主要投資家や銀行から3,800万ドルの資金調達も行っています。
これらの成果により、Huma FinanceはPayFiネットワークの拡大とグローバルな金融サービスの効率化に貢献しています。
Messariレポート『Understanding Huma Finance』
競合と比較した場合のHuma Financeの強みや差別化ポイントを教えてください。
Huma Financeは、同じ分野で最大規模のプロジェクトであるRippleとは異なり、中央集権的な仕組みに依存していません。
Rippleを利用する場合は、XRP ledgerやXRPトークン、専用カストディを使う必要がありますが、Huma FinanceのPayFiネットワークはオープンスタックモデルを採用しており、どのブロックチェーンやステーブルコイン、カストディでも柔軟に利用することができます。
◾️REAL YIELD(持続的な利回り)
Huma Financeは、決済手数料収益をLP(流動性提供者)に還元する仕組みを採用しています。従来の銀行では預金者への利息はほぼ0%ですが、Huma Financeでは持続可能な二桁利回りを実現しています。
- オープンスタックモデル
- 特定のブロックチェーンやトークンに依存せず、複数の選択肢を自由に組み合わせられる仕組み
Humaの収益の1つである決済手数料について教えてください。
機関投資家は借りた流動性を返済するまでの間、1取引あたり1日につき 6~10bpsの手数料を支払います。返済期間は通常1~6日程度です。
この仕組みにより流動性は年間を通して何度も循環し、小さな手数料が積み重なることで二桁の利回りへと急速に成長することが可能です。
- ベーシスポイント(bps)
- 金利や手数料などを細かく表すときに使われる単位。
1ベーシスポイント(1bps)=0.01%であり、金融の世界では「0.1%」「0.01%」と小数点を多用すると誤解が生じやすいため、bpsが用いられる。
GENIUS法案はHuma Financeにどのような影響を与えますか?
かつてはステーブルコインに関する規制上の不透明さから、大手金融機関はPayFi導入に慎重でした。しかし GENIUS法案の成立により環境は大きく変化。世界中の主要金融機関が次々とHuma Financeのネットワークに参加し始めており、プロトコルのパフォーマンスと効率性を高める追い風となると考えられます。
- GENIUS法案
- 2025年7月18日にアメリカで成立した、連邦政府として初めての安定資産(ステーブルコイン)に関する包括的な規制法のこと
ステーブルコイン市場、月間1.5兆ドル時代へ|米新法が追い風
信用スコアリングやリスク管理について教えてください。
信用スコアリングやリスク管理にはAIを積極的に活用しています。共同創業者の1人は博士号を持つ専門家で、過去には米国の大規模個人金融アプリ向けにAIリスク管理システムを構築しています。
我々がこれまでに 約60億ドルの取引で債務不履行ゼロ を達成している大きな理由は、送金実績のある決済機関としか提携しないためであり、返済リスクを極小化できている点にあります。
- 信用スコアリング
- 個人や企業の返済能力を数値化し、信用リスクを評価する仕組み。
Huma Financeの長期的なロードマップやビジョンについてお聞かせください。
今回は日本市場での動向についていくつかお伝えします。現在、日本の流動性提供数は全体の約20%を占めており、SBIと協力して日本でのサービス展開を進めるための協議を行っています。
また、GENIUS法案の動向を注視しており、日本市場ではPayFiソリューションと機関向け利回りの両方に大きな可能性があると考えています。さらに、Huma FinanceはSuper Tokyo 2025にスポンサーとして参加し、限定グッズやVIPイベントも予定しています。
Huma Financeは、規制の進展や機関採用の拡大により、PayFi分野が今後1000倍以上の成長余地を持つと見込んでいます。日本の皆さんとともに、この大きな成長の波を作り上げていけることを非常に楽しみにしています。
まとめ
今回のAMAでは、Huma Financeの革新的な金融モデル「PayFi」が詳しく紹介されました。特に、ステーブルコインとブロックチェーンを活用したリアルタイム決済・即時流動性提供の革新的ネットワークで従来の金融システムでは実現できなかったリアルタイムかつ柔軟な決済が可能となる点が強調されました。
PayFiモデルは、従来の金融システムの課題を解消し、グローバルな資金流動性の効率化と経済成長を後押します。
さらに、日本市場への進出やGENIUS法案の成立を追い風に、今後の大きな成長が期待されます。
関連リンク
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