加賀温泉郷の最高峰ホテルが1泊5,000円 !? 石川県「加賀市」AMAレポート

2025/03/01・

boarding bridge

加賀温泉郷の最高峰ホテルが1泊5,000円 !? 石川県「加賀市」AMAレポート

執筆:MaFi

地方創生とWeb3技術を掛け合わせ、観光誘致や関係人口の創出を目指す石川県加賀市のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。

今回のAMAでは、加賀市が推進するワーケーションNFT・e-加賀市民制度について伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2025年2月25日(火)21:00

場所:bb Discord & X Space

Giveaway:ワーケーションNFT 1泊分 × 2名

スピーカー

・山内智史 | 加賀市最高デジタル責任者(CDO)兼イノベーション推進部長

taka | boarding bridge

Aki | boarding bridge

(敬称略)

質問トピック

自己紹介

山内智史

加賀市の最高デジタル責任者(CDO)、山内智史です。私はもともと別の地域出身で、約3年半前に移住してきました。民間企業でいうデジタル部門の執行役員にあたるポジションで、いまはCDOとイノベーション推進部長を兼務しています。以前は半導体やデジタル業界で約10年経験を積み、ソニーや東京エレクトロンなどに在籍しました。その知見を活かし、基礎自治体である加賀市の政策立案や都市経営に取り組んでいます。

taka 

boarding bridgeのtakaです。現在、家がない状態で暮らしているので、ワーケーションNFTは本当にありがたいですね。前回加賀市に行ったときもとても良い場所でしたし、おそらく3月頃にまた伺う予定です。今回もすごく楽しみです。

加賀市はどんな街でしょうか?

加賀市は石川県南西部にある小さな自治体で、人口約6万1〜2千人ほどです。金沢と間違えられることもありますが、金沢は“加賀百万石”の中心地で、加賀市は同じ加賀地方でも別なんです。歴史的には大聖寺藩10万石の流れがあります。

アクセスとしては、東京から飛行機で小松空港まで1時間、そこから車で30分、合計1時間半くらいで来られます。北陸新幹線も開通し、加賀温泉駅まで約2時間40分ほどで着けるようになりました。

一番有名なのはやはり温泉です。市内に山代・山中・片山津と3つの温泉街がある“加賀温泉郷”です。冬はカニがおいしいし、日本酒の酒蔵が3つあって地酒も楽しめます。観光にはもってこいの場所です。

また、九谷焼や山中漆器などの伝統工芸もあります。バイクのチェーンなど部品メーカーも多く、観光とものづくりが基幹産業となっています。

加賀百万石とは?
加賀百万石は、江戸時代に石川県(加賀藩)を治めていた前田家が、表高(石高)で100万石(=米の生産高に由来)の領地をもっていたことを示す呼称

山代温泉


引用元:山代温泉観光協会

加賀市へのアクセス

引用元:加賀市公式サイト

橋立産ズワイガニ

引用元:加賀市観光情報センター KAGA 旅・まちネット

加賀市の抱える課題について教えてください。

やはり最大の課題は人口減少です。僕が住み始めてからでもはっきり分かるくらい、毎年1,000人ずつ減っていく。6万2千人ほどだったのが、もう6万1千人を切る勢いで、石川県でも“消滅可能性自治体”と指摘されているくらいですね。観光産業にもコロナや能登半島地震の影響があり、厳しい状況が続いています。

北陸新幹線の加賀温泉駅ができて期待は大きかったのですが、思ったほど観光客が伸びず、能登の地震による風評被害も少なからずあります。それでも観光客数は徐々にコロナ前の120〜130万人くらいまで戻ってきてはいます。人口減少が進む理由の1つとして、多極分散型の都市構造があります。合併を繰り返してできた街なので、小学校やインフラの維持など、コストが高く不便が出やすい。雪が降る土地柄、モビリティの問題も深刻です。

タクシードライバー不足でライドシェアを導入しようにも規制や安全面の課題があったり、医療・福祉分野でもオンライン診療の制度面での制約などがあって、なかなか技術だけでは解決しない。そうした難しさが山積している状況です。

消滅可能性自治体とは?
人口の減少や少子高齢化が急速に進んだ結果、将来的に自治体そのものの維持が困難になる可能性があると指摘された地方公共団体を指す言葉です。特に、若年女性人口が顕著に減り続ける地域では、さらに深刻な人口減少が進む懸念が高いとされています。

加賀温泉駅

引用元:石川県観光公式サイト

e-加賀市民とはどのような取り組みでしょうか?

国家戦略特区に指定されている加賀市では、地域創生とデジタル化の融合を進めています。廃校をドローンのテストフィールドに転用したり、旧市民病院跡地をイノベーションセンターとして再生し、エンジニアの育成拠点を整備するなど実証事業を多数展開しています。

特にエストニアの「e-Residency」に着想を得た「e-加賀市民」は、デジタル上で配布する“独自の市民証”を使って関係人口を増やす試みです。NFTを発行し、地域のお店で割引などを受けられる仕組みを作っています。まずは訪問・観光をきっかけにファンを作り、将来的に移住や定住につなげたいという狙いがあります。

国家戦略特区とは?
国家戦略特区は、国(内閣府)が定める規制緩和や税制優遇などの特別措置を適用し、地域の産業育成や新たなビジネスモデルの検証を加速させるための特別区域です。自治体や事業者が連携して自由度の高い実証実験やイノベーション創出を行うことで、経済活性化と地方創生を目指す仕組みとして位置づけられています。

加賀市イノベーションセンター

引用元:イノベーションセンターパンフレット

e-加賀市民

引用元:e-加賀市民公式サイト

第2弾ワーケーションNFTについて教えて下さい。

加賀市は、温泉旅館に宿泊しながら仕事ができる「ワーケーション」を推進してきましたが、当初は単なる観光目的の利用が多く、効果を疑問視する声もありました。そこで昨年11月からe-加賀市民制度と連動し、旅館に5,000円で泊まれる「ワーケーションNFT」を試験的に販売したところ、SNSを通じてWeb3ユーザーの間で大きく拡散され、従来の想定以上に多くの方に利用してもらう成果がありました。

この反響を受け、2月からは別のホテルを対象に第2弾を実施。素泊まり1泊5,000円で温泉に入れ、テレワークに必要な環境も整備。さらに新たにオープンしたイノベーションセンターを利用しながら、多様な人との出会いも楽しめるようになっています。

第二弾ワーケーションNFT ホテルアローレ

引用元:加賀市公式サイト

Web3業界にとって加賀市の魅力と、今後どんな人達に来てほしいですか?

加賀市は2018年に全国初の「ブロックチェーン都市宣言」を行い、Web3を活用した地方創生に積極的に取り組んできました。地方ならではのイノベーション(リバースイノベーション)を生み出し、温泉や日本酒、伝統工芸といったリアルワールドアセット(RWA)をWeb3技術と組み合わせることで、新たなビジネスチャンスを創出できると考えています。

今後は、こうした取り組みに共感し、Web3やデジタル技術を活かして地方を盛り上げたい仲間を求めています。人口減少という課題に直面する加賀市で、新たな可能性を探りながら、一緒に地域の未来を創っていきたい方にぜひ訪れてほしいと考えています。

リバースイノベーションとは?
リバースイノベーションは、新興国で生まれた革新的な技術やビジネスモデルが、先進国にも逆輸入される現象を指します。従来の「先進国から新興国へ技術が広がる」という流れとは逆の形で、コストを抑えた製品やデジタル技術、金融サービスなどが新興国で成功し、その後、先進国市場にも適用されるケースが増えています。代表的な例として、モバイル決済や低価格医療機器などが挙げられます。
リアルワールドアセット (RWA:Real World Asset)とは?
リアルワールドアセット(RWA:Real World Asset)は、不動産、貴金属、株式、美術品、債券など、現実世界に存在する資産をデジタル化(トークン化)してブロックチェーン上で管理・取引可能にする概念です。

加賀市スタートアップ企業応援の取り組み


引用元:加賀市公式サイト

加賀市は、イノベーションの促進とスタートアップ支援を強化し、革新技術を活用する人材や企業の集積を目指しています。その一環として、次世代の産業人材育成や市内企業の技術支援、新産業の創出に取り組んでおり、「インキュベーションルーム」への入居希望者(個人・法人)を募集しています。

さらに、専門家による経営支援や補助金の提供、最先端技術を活用した実証実験の推進など、多角的な取り組みを展開し、地域のイノベーションを加速させています。詳しくは加賀市公式サイトご覧ください。

Web3を活用した取り組みの今後の展開について教えてください。

今後、加賀市は人口減少という課題を克服するため、関係人口の拡大に注力していきます。現在、年間約200万人の観光客や交流人口が訪れていますが、「e-加賀市民」制度を活用し、デジタル上で100万人の関係人口を創出することを目指しています。これにより、物理的な人口約62,000人の加賀市でも、実質的に政令指定都市並みの影響力を持つデジタルコミュニティの形成を目指します。

この実現にはNFTの活用が不可欠ですが、単に100万枚のNFTを発行するのではなく、持続可能な形で関係人口を増やすビジネスイノベーションが求められます。従来のNFT市場でも前例のない挑戦であり、新たなアイデアやテクノロジーを組み合わせながら、地域活性化の新モデルを構築し、加賀市の未来を切り開いていきます。

政令指定都市とは?
政令指定都市は、人口50万人以上の都市のうち、政令で指定された都市で、都道府県から一部の行政権限を移譲される自治体です。一般の市よりも広範な権限を持ち、都市計画や福祉などを独自に運営できます。

画像:筆者作成

ワーケーションの対象の宿はどのように選定しているのですか?

実証実験として、市が「ワーケーションNFTを使った取り組みを行いますが、興味のある旅館はありませんか?」と呼びかけたところ、手を挙げてくれた旅館さんと個別に話し合いを行い、最終的に協力していただける宿を選定しています。

加賀市に住んでみて不便なことはありますか?

加賀市は公共交通機関が少なく、車が必須の地域です。移動手段として、市ではライドシェア(市民ドライバーによる送迎)やAIオンデマンドバスを導入し、利便性向上を進めています。


引用元:加賀市ライドシェアご利用チラシ

NFTで9泊分などの長期滞在は可能ですか?

現状、ワーケーションNFTは最大3泊までとなっており、9泊分の購入はできません。ただし、長期滞在の需要があれば、民間旅館と連携して新たな商品設計を検討する可能性もあります。

第3弾ワーケーションNFTの販売予定はありますか?

第3弾の販売は未定で、第2弾の成果を見て判断する予定です。今後は民間旅館が独自にNFTを発行する可能性もあり、継続は旅館側の判断に委ねられます。

ワーケーションNFT購入方法とWeb3ワークショップについて

ワーケーションNFT購入方法

石川県加賀市が提供する第2弾ワーケーションNFTの購入手順や注意事項、購入及び利用時の具体的な流れについてはワーケーションNFT購入サイトからご確認ください

「Web3 Workshop in 加賀市」開催について

引用元:加賀市公式サイト

日本最大級のWeb3コミュニティ「boarding bridge」主催で、加賀市にてブロックチェーン技術を基礎から学ぶ実践講座が行われます。

「web3ワークショップ in 加賀市」開催決定!
ブロックチェーン技術を基礎から学ぶ実践講座

  • 日時: 3月14日 (金) 09:30 – 17:00
  • 参加費: 無料(定員40名)
  • 会場: KAGA Innovation Center

ブロックチェーンや分散型アプリケーションの仕組みに実際に触れながら、Web3ビジネスの可能性を学べる内容となっています。どなたでも参加しやすい構成ですので、Web3初心者の方もお気軽にご参加ください。

詳細と申込はこちらから

ワーケーションNFTを利用したユーザーの声

まとめ

加賀市のワーケーションNFTは、地方自治体がWeb3を活用して観光振興・産業創出を図る先進的な事例です。人口減少やインフラの問題など課題はありますが、温泉やカニといった豊かな資源、国家戦略特区を活用した挑戦、そしてe-加賀市民のような新しい関係人口づくりを通じて、独自の解決策を模索しているのが印象的でした。

温泉・グルメ・伝統工芸に触れながら、NFTやライドシェアなど最先端のサービスと伝統文化が融合する“新しい加賀市”を味わう絶好の機会となるのではないかと感じています。まずは加賀市を体験するために、実際にワーケーションNFTを活用して泊まってみるのはいかがでしょうか?

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執筆:MaFi

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