オーダーブックプロトコル「Orderly Network」AMAレポート

2024/06/19・

bb

オーダーブックプロトコル「Orderly Network」AMAレポート

執筆:MARU

オーダーブックベースの取引インフラとオムニチェーン流動性レイヤーを提供するOrdery NetworkのAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。
今回のAMAでは、Ordery Networkのプロジェクト概要や強み、今後のロードマップについて伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

AMA概要

日時:2024年6月12日(水)21:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:100USDC × 5名

参加者:237名

スピーカー

Henry | Orderly Network

TakmanKid | boarding bridge

Kiyu | boarding bridge

(敬称略)

AMAの内容

自己紹介

こんにちは、現在、Orderly NetworkでBiz Devを担当しているヘンリーと申します。トレーディング関連のビジネスやアジアのプロジェクトとの関わりが主な業務となります。
Orderlyに参加する前は、国内の中央集権型取引所で、こちらも主に海外機関向けのトレーディングビジネスに携わっていました。

クリプトに関わる前は、10年近くTradFiに関わり、投資銀行から金利スワップのインターディーラーブローカーなどの経験があります。

本日はよろしくお願いいたします。

Orderly Networkの概要について教えてください

Orderly Networkは主に以下の2つを提供しています。

1.オーダーブックベースの取引インフラ

オーダーブックベースの取引インフラとして、Orderly Networkは開発者がDEX(分散型取引所)を簡単に構築できるようにするためのツールと流動性を提供します。複数のブロックチェーンからのすべての注文を単一の共有オーダーブックに集約することで、DeFiに一般的な「断片化された流動性」の問題を解決し、CEX(中央集権型取引所)に匹敵する取引体験を提供します。

2.オムニチェーン流動性レイヤー

オムニチェーン流動性レイヤーは、複雑なブリッジを必要とせずに複数のブロックチェーン間でシームレスな取引を可能にするものです。つまり、複数のネットワークをまたいだオーダーブックインターフェースを通じて取引でき、高速な実行速度で流動性が保証されます。
そのため、CEXに似た取引体験が得られるとともに、DeFiの利点も享受でき、すべての取引がオンチェーンで行われて決済されます。

※オムニチェーン:複数のネットワークをまたいで機能して操作すること

要するに、Orderly Networkは効率的でパーミッションレスのWeb3取引を実現するために必要な流動性とインフラをバックエンドで提供しています。これをまとめて定義すると、Orderly Networkはオーダーブックベースの取引インフラおよびオムニチェーン流動性レイヤーであり、DeFiプロジェクトに対して、多様な資産にわたるスポット取引およびパーペチュアル取引のための機関投資家向け流動性を提供します。

High-level Architecture | Orderly Network Docs

既存のPerp DEXがOrderlyを使うメリットは何ですか?

Orderly Networkのミッションは、ブロックチェーン間の流動性を統合し、あらゆる資産の深い流動性にアクセスできるオムニチェーンインフラを提供することです。

これにより、次のような利点を提供します。

1.強化されたオムニチェーン流動性

Orderly Networkは、複数のブロックチェーンの注文を一つのオーダーブックに集約し、流動性の断片化問題を解決します。これにより、取引効率が向上し、より深い流動性と狭いスプレッドが提供され、DeFiではこれまでできなかったクロスネット機能を実現します。これにより、CeFi(中央集権型金融)に匹敵する取引環境を提供します。

2.セルフカストディとオンチェーン決済

Orderly Networkはオンチェーンで決済を行い、ユーザーが資産を完全に管理できるようにします。Orderly Chainは、OPスタック上に構築されたL2で、すべての取引データやユーザーデータの残高を管理します。これにより、システム障害が発生しても取引が中断することなく運用され、ユーザーは安心して取引を続けられます。

3.改良されたUIとCEXに似た体験

DeFiがCeFiに比べて魅力的でない理由の一つは、使いにくいユーザー体験です。主流のDEXでの取引は複雑で、複数のガス料金や署名の管理が必要で、さまざまなプロトコルを使いこなすための学習が必要です。
Orderlyを利用することで、Perp DEXはユーザーにわかりやすいオーダーブックインターフェースを提供し、ワンクリックで簡単に取引できるようにします。これにより、新規ユーザーも経験豊富なユーザーも簡単に取引を行えるようになります。

以上のように、Orderly Networkを統合することで、既存のPerp DEXは、高い流動性、高速な実行、使いやすいインターフェースなどのCeFiの利点を提供しつつ、DeFiの特徴であるセルフカストディ、透明性、セキュリティも確保できます。この組み合わせにより、取引がより簡単で、安全かつ効率的になります。

※Perp DEX(Perpetual Decentralized Exchange):永久先物取引を扱う分散型取引所

Discover why builders choose Orderly Network | Orderly Network Website

Orderly NetworkのアダプションやTVLの成長について教えてください

DEXビルダーやウォレット、さらにはGameFiアプリなど、さまざまな種類のプロジェクトやプロトコルが私たちのインフラを利用しています。

具体的には、WOOFi Pro、LogX、Bitoro、IBX、Quickswapなど、現在Orderly上に構築された14のブローカーがOrderlyのパーペチュアルインフラと流動性を活用しています。しかし、これはDEXに限られません。主要なCEX(中央集権型取引所)であるWOO、BTSE、AscendEXもパーペチュアル取引の流動性のために私たちのインフラを利用しています。さらに、CoolWalletのようなウォレットプロバイダーもOrderlyのインフラを利用して、ユーザーがウォレットから直接パーペチュアル取引を行えるようにしています。

このように、私たちのインフラは取引が行われるあらゆるプロトコル、プラットフォーム、チェーンに対応しています。私たちはDeFiにおける最大の流動性供給源の一つとして急速に認識され、パーペチュアル取引のためのインフラとして選ばれています。成長データもこれを反映しています。現在、総取引量は500億ドルに近づいており、DeFiLlamaのデリバティブ取引量でトップ3にランクインしています。日々の取引量も一貫して10億ドルを超えています。

Orderlyを利用する多くのブローカーも大きな成功を収めており、先週の時点で640万ドル以上の手数料を生成しています。OrderlyのTVL(Total Value Locked)も急増し、先週だけで4000万ドルを超えました。

最近では、インフラパートナーであるCelestiaとLayerzeroとの連携で新たな数値を達成しました。Orderlyは、Celestiaをモジュール性のために、Layerzeroを安全なクロスチェーンメッセージングのために活用しています。Layerzero上では、Orderly Networkは急速に成長し、2番目に大きなユーザーとなり、Celestiaをデータ可用性のために利用する最も効率的で最大のロールアップとなっています。

これらの統計は、私たちのインフラの規模と堅牢性、そしてOrderlyがこれまでに築いてきた強力なパートナーシップの信頼性を示しています。

トークンエアドロップについてお聞かせください

多くの情報がTGE前に共有される予定ですが、トークンエアドロップの発表がその最初の一つでした。最近、エアドロップに向けて2つの重要な詳細を更新しました。

1.「The Road to The Order」キャンペーンの更新

このキャンペーンは、エアドロップの一環として毎週トレーダーに「Merits」を配布するもので、Meritsは今後のトークン配布の一部を表します。

最近、いくつのエポックを行うかについて議論がありましたが、これを明確にしました。現在、12週間のエポックを目指しており(現在は11週目)、主要なスナップショットは6月下旬に予定されています。

The Journey Begins: “The Road to The Order"

The Journey Begins: “The Road to The Order”

2.NEARの初期ユーザー向けの更新

NEARトレーダーもOrderlyのエアドロップの対象となります。ただし、OrderlyトークンはEVMウォレットアドレスにのみ配布されます。そのため、NEARトレーダーがトークンを受け取るには、6月13日から6月27日の間にNEARウォレットを所有するEVMウォレットに「バインド」する必要があります。

まとめると、NEARトレーダーは指定された期間内にウォレットをEVMアドレスにバインドする必要があり、「The Road to The Order」キャンペーンは12エポック/週で、主要なスナップショットはその後すぐに行われる予定です。

The Orderly Network Airdrop is Coming!

The Orderly Network Airdrop | Orderly Network

今後のロードマップと、重要なマイルストーンについて教えてください

たくさんのアップデートを控えています。最も明らかなのはTGEです。TGEはQ2を目指しています。トークンローンチに向けて、今後数週間で多くのアップデートを公開する予定ですので、ぜひ注目してください。

それ以外にも、私たちはWeb3のためのパーミッションレスの流動性レイヤーであり、取引が行われる場所ならどこにでも存在し、効率的な取引に必要な流動性を提供することを目指しています。具体的には、私たちはオムニチェーンをさらに多くのチェーンに拡大していきます。

現在、Orderlyを利用するブローカーは約14ありますが、まだ多くのプロジェクトや統合、議論が裏で進行中です。私たちがチェーン間で展開を続ける中で、さらに多くのブローカーがOrderlyに参加することを期待しています。
また、大きなパートナーシップや業界大手との協力が予定されています。これについてもご期待ください。

その他のマイルストーンには以下が含まれます

・現在、6つの主要なブロックチェーンネットワークに展開しており、さらに増える予定
・総預かり資産(TVL)は5600万ドル以上
・40万人以上のオンチェーンユーザーを達成
・初のユーザー向けプロダクト「Quantum Pools」をローンチ

Orderlyがこれらを年の中盤までに達成したことを考えると、これからが非常に楽しみです。もうすぐみなさんがOrderlyに参加するでしょう!

Roadmap.jpg

Order at Orderly: Our 2024 Roadmap | Orderly Network

Quantum Poolsのローンチについてもう少し詳細を教えてください

Orderly Quantum Poolsは、私たちの初のユーザー向け製品であり、ユーザーがOrderly Networkのオーダーブックに流動性を供給し、Orderlyがサポートする取引ペア全体でオーダーブックの流動性を提供することで収益を得ることができるものです。 これにより、資産運用したいユーザーにとってマーケットメイキングが選択肢となります。

マーケットメイキングは従来、経験豊富な知識と人材を持つ大規模な金融機関によって行われてきました。私たちのパートナーシップの強さを示すものとして、この製品の開発においてElixirと協力し、マーケットメイキングに関連する複雑さを抽象化し、分散化を損なうことなく実現しました。

要するに、任意のユーザーが単純に自分のUSDCを預け入れることでOrderlyのオーダーブックに流動性を提供し、Orderlyから収益を得ることができ、すべての人にとってWin-Winの状況です。

今後のPerp DEX業界はどうなっていくと考えますか?

これまではCEX安全神話がありましたが、ハッキングなど不祥事があり、安全性が問われるようになりました。また、CEXと比較して開発スピードもかなり早くできるのが特徴的です。そのため、セルフカストディができるDeFiプラットフォームを利用する人が増えていくのではないかと思っています。

Elixirとのポジショニングの違いを教えてください

Orderlyはオーダーブックであり、Elixirは流動性を提供するものです。オーダーブックであれば市場の動向に沿った取引及びヘッジ等幅広い用途で利用できます。

Orderlyのトークンユーティリティは何ですか?

これから随時公表します。トークンホルダーにはなにかしらの形で還元できる仕組みにしようとしています。ビルダーにとっても、同じ流動性を使う事で、開発スピード向上や深い流動性を獲得できるのでOrderlyを使うメリットがあると思います。

取引はガスレスになりますか?

現状取引自体はすでにガスレスで今後、詳細を公開していきます。ユーザーフレンドリーなツールになるようチームで話をしています。

まとめ

今回のAMAでは、Orderly NetworkのBiz Dev担当者であるヘンリー氏が登場し、プロジェクトの概要や強み、今後のロードマップについて詳しく話しました。

Orderly Networkはユーザーがよりスムーズで迅速な取引ができるようになる工夫が多く取り入れられていました。さらに、使いやすいオーダーブックインターフェースを提供することで、新規ユーザーの参入障壁を低くし、既存のユーザーにもより良い取引体験を提供しています。DeFiの利用者が増えるきっかけとなるプロジェクトになりそうです。

パートナー提携しているプロジェクトの数も非常に多いOrderly Network。多くの期待を背負ったOrderly Networkが今後どのようにDeFiを変えていくのか一緒に見守っていきましょう。

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