TVL2億ドル突破!最長稼働のBitcoinレイヤー2「Rootstock」AMAレポート
boarding bridge

執筆:summerchon
TVL約2億ドルを誇り、2018年から稼働を続けるBitcoinレイヤー2「Rootstock」のAMAを、CryptoTimes公式コミュニティboarding bridge(bb)にて開催しました。
今回のAMAでは、Rootstockが実現するEVM互換によるdApps展開や、トークン「rBTC」「RIF」のユーティリティ、Bitcoinセキュリティ上でのDeFi活用、今後の日本市場での展望について伺いました。
以下はAMAの内容を要約したものです。
目次
- 1 AMA概要
- 2 質問トピック
- 2.1 自己紹介
- 2.2 Rootstockとはどのようなプロジェクトなのかを教えてください。
- 2.3 「rBTC」と「RIF」の特徴と用途について教えてください。
- 2.4 最も大きなメリットやインセンティブ、 Rootstockならではの強みはなんですか?
- 2.5 Rootstockチェーン上で稼働しているdAppsについて教えてください。
- 2.6 今後のアップデートや開催中のイベントについて教えてください。
- 2.7 EVMのdAppsでRootstockに移植されたらうれしいものは何ですか?
- 2.8 関西でも何かしらのイベントが開かれる予定はありませんか?
- 2.9 AI BUIDL Labの反響はいかがでしたか。どのようなプロジェクトに期待していますか?
- 2.10 より多くのプロジェクトとユーザーを引き付けるためにどのような戦略を実施していますか?
- 2.11 日本のWeb3エコシステムに参加した後の次の計画は何ですか?
- 3 まとめ
- 4 関連リンク
AMA概要
日時:2025年5月8日(木)21:00 JST
場所:bb Discord AMA-Voice X(twitter)
Giveaway:100 USDT × 2名
TVL約2億ドルを誇り2018年から稼働するBitcoinレイヤー2「Rootstock」のAMAを開催✈️
⏰ 5月8日(木)21:00
🎁 Giveaway : 100USDT × 2名✅ Like, RT & Follow ↓@RootstockJapan & @bb_jpdao
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メイン会場 ▶️ https://t.co/bEK7ely4lb
同時配信 ▶️https://t.co/z40VvCMBbE💁♂️… pic.twitter.com/3sNt4fPFTF
— boarding bridge (@bb_jpdao) April 30, 2025
スピーカー
・Moriki | Rootstock Japan
・OSA | Guest Speaker
・AKI | boarding bridge
(敬称略)
質問トピック
自己紹介
Morikiと申します。2020年に暗号資産業界に入り、NFTマーケットプレイス「TofuNFT」にてBusiness Developerを務めた後、「Myosin DAO」ではJapan Leadとして活動してまいりました。現在は「Rootstock」の日本市場展開を担当しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
OSAと申します。主にYouTubeおよびX(旧Twitter)にて、エアドロップに関する情報を中心に発信しております。暗号資産に初めて触れたのは2021年2月であり、2023年4月より専業として本格的に活動を開始いたしました。本日はよろしくお願いいたします。
Rootstockとはどのようなプロジェクトなのかを教えてください。
「Rootstock」は、Bitcoin(※1)のセキュリティを活かしつつ、Ethereum(※2)互換のスマートコントラクトを実行可能にしたLayer2(※3)ブロックチェーンネットワークです。Proof of Work(※4)という高い安全性を誇る合意アルゴリズムに基づいており、分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)、独自トークンの発行など、多彩な用途に対応しています。
プロジェクトとしては、Bitcoinの経済圏に実用的なアプリケーションの柔軟性を持たせることを目的としており、すなわち“スマートなBitcoin経済圏の実現”をビジョンに掲げています。
- Bitcoin
- 最初に誕生した暗号資産であり、最も広く利用されている分散型デジタル通貨
- Ethereum
- スマートコントラクト機能を持つ代表的なブロックチェーンネットワーク
- Layer2
- ブロックチェーンの処理速度やスケーラビリティを改善するための第2層技術
- Proof of Work(PoW)
- 計算作業を通じてブロックの正当性を証明する合意形成アルゴリズム
「rBTC」と「RIF」の特徴と用途について教えてください。
「Rootstock」エコシステムには、「rBTC」と「RIF」という2種類のトークンが存在します。
「rBTC」は、Bitcoinと1:1で裏付けられたトークンであり、Rootstock上におけるガス代の支払いやネットワーク内での価値移動に使用されます。
一方、「RIF」は、Rootstockのインフラレイヤーにおいて利用されるユーティリティトークン(※1)です。分散型ドメイン、ストレージ、ピアツーピア通信(※2)などのサービス利用に加え、ステーキングや報酬の受け取りといった用途にも活用されています。
要約すると、「rBTC」は取引と手数料支払いに用いられる基盤的なトークン、「RIF」はRootstockにおけるサービス利用とインセンティブ循環の中核を担うトークンです。
- ユーティリティトークン
- 特定のプラットフォーム内でのサービス利用や機能解放を目的とするトークン
- ピアツーピア通信
- 中央サーバーを介さず端末間で直接通信を行う方式
最も大きなメリットやインセンティブ、 Rootstockならではの強みはなんですか?
近年、Bitcoinを基盤とするLayer2プロジェクトが多数登場する中で、「Rootstock」には他にはない強みが存在します。
主な特徴は3点に集約されます。まずは、2018年にローンチされた「Rootstock」は、現在も稼働を続けているBitcoin Layer2として最も長い運用実績を誇っており、その信頼性と安定性は他のプロジェクトと一線を画しています。
次に、Ethereum Virtual Machine(EVM)互換性(※1)を完全に備えており、Ethereum上で構築されたアプリケーションを大きな改修なくRootstockに移植することが可能です。
最後に、Bitcoinと1:1で裏付けられたネイティブトークン「rBTC」の存在があります。rBTCは、Bitcoin保有者がRootstockのエコシステムにシンプルかつ直感的に参加するための入り口として機能します。
これらの特徴により、「Rootstock」は「Bitcoinをそのまま分散型金融(DeFi)で活用したい」というニーズに対する、現実的かつ実用的な選択肢として評価されています。
- EVM互換性
- Ethereum Virtual Machineと同様の仮想環境で動作する互換仕様。Ethereum向けのコードやツールをそのまま利用可能
Rootstockチェーン上で稼働しているdAppsについて教えてください。
「Rootstock」チェーン上では、複数の実用的な分散型アプリケーション(dApps※1)が稼働しています。代表的なプロジェクトとしては、以下のものが挙げられます。
- 「Sovryn」:レバレッジ取引やレンディングが可能な分散型金融(DeFi)プロトコル
- 「Money on Chain」:rBTCを担保とするステーブルコイン「DoC(Dollar on Chain)」を発行するプロトコル
- 「Tropykus」:ラテンアメリカ市場に特化したマイクロレンディングに対応した金融dApp
これらに加え、NFT、ゲーム、ミームコイン、ローンチパッド(※2)といった分野にも展開が進んでおり、Ethereum Virtual Machine(EVM)上に存在する主要ジャンルの多くが、Rootstock上にも実装されている状況です。
- dApp(Decentralized Application)
- 中央管理者を持たず、ブロックチェーン上で動作する分散型アプリケーション
- ローンチパッド
- 新規プロジェクトのトークン販売や立ち上げ支援を行うプラットフォーム
今後のアップデートや開催中のイベントについて教えてください。
「Rootstock」では、今後のアップデートおよび現在進行中のキャンペーンとして、以下の取り組みが予定されています。
まず、スケーリング技術として「BitVMX」や「Rollup」技術の研究・導入が進められており、ネットワークの安全性と効率性の向上が図られています。
また、コミュニティ活性化施策として、「Zealy」や「Galxe」といったキャンペーンプラットフォーム上でのイベントが展開されています。現在、「Zealy」上ではRootstock Japanのキャンペーンが開催中です(※1)。
◾️Zealyキャンペーン
さらに、「Rootstock Japan」公式X(旧Twitter)およびTelegramが開設されており、各種Giveawayに参加するためには、これらのフォローとグループ参加が条件となっています(※2)。
加えて、2025年5月22日には東京にて、「Rootstock」初のMeetupイベントとなる「Pizza day BCTfi summit by RootStock」が開催予定です(※3)。
◾️Rootstockの初のMeetupイベント「Pizza day BCTfi summit by RootStock」
このほか、開発者向けには資金提供プログラムやハッカソンの企画も進行しており、今後半年間で日本国内においても複数のプロジェクトが立ち上がる見込みです。
- Zealy、Galxe
- Web3プロジェクト向けのクエスト形式キャンペーンを提供するコミュニティプラットフォーム
- Telegram
- 暗号資産・Web3分野で広く使用されている分散型メッセージングアプリ
- Meetup
- 特定のテーマに関心を持つ人々が対面またはオンラインで交流するイベント形式
EVMのdAppsでRootstockに移植されたらうれしいものは何ですか?
本質問については個人の見解となりますが、普段利用している「Euler」や「Morpho」のようなプロトコル(※1)がRootstock上に展開されることで、より安心して利用できる環境が整うと考えています。
また、最近では「Arbitrum(※2)」上で展開されている「Ostium(※3)」のように、金やS&P500といったリアルアセットと連動する仕組みを持つプロジェクトにも強い関心を抱いています。
さらに、Bitcoinのルーティング機能に関連し、APIの提供を通じて資金の流動性を高める「Sommelier Finance(※4)」などのようなプロジェクトにも注目しています。
このようなプロトコルがRootstockに移植されることで、機能面・利便性の両面からエコシステムのさらなる発展が期待されます。
- Euler、Morpho
- Ethereum上で展開されている分散型レンディング・金利最適化プロトコル
- Arbitrum
- EthereumのLayer2ソリューションの一つで、高速かつ低コストな取引を実現
- Ostium
- 実在資産との連動を目指す金融プロトコル。例:金(Gold)、S&P500連動トークンなど
- Sommelier Finance
- 自動化された戦略によってDeFi資産のルーティングと最適化を提供するプラットフォーム
関西でも何かしらのイベントが開かれる予定はありませんか?
関西地域でもイベントの開催が予定されています。現時点では2025年8月頃の実施を想定しており、詳細が決まり次第、各種コミュニティや連携先を通じて案内が行われる予定です。
AI BUIDL Labの反響はいかがでしたか。どのようなプロジェクトに期待していますか?
今回の「AI BUIDL Lab」にはグローバルから多くの反響が寄せられました。特に韓国からの関心が高く、参加したビルダーの多くが注目度の高いプロジェクトを提案していました。
中でも、韓国発のプロジェクトには「AI×Bitcoin」や「AI×分散型金融(DeFi)(※1)」といった領域に積極的に取り組むものが見受けられ、Rootstockとしてもそのような分野に注目しています。
また、直近ではCoinbaseが「X402」というAIエージェント(※2)とトークンを組み合わせた新しいプロトコルを発表しており、AIとWeb3を融合させた同様の動きがいくつかの参加チームにも見られました。
チーム内では注目するテーマに一定の幅があるものの、個人的には「Bitcoinの運用×AIエージェント」といった構成のプロジェクトに特に期待を寄せています。
- DeFi(Decentralized Finance)
- 中央管理者を介さずに金融サービスを提供する仕組み
- AIエージェント
- 人工知能を活用し、ユーザーに代わってタスクを自律的に実行するプログラム
より多くのプロジェクトとユーザーを引き付けるためにどのような戦略を実施していますか?
「Rootstock」では、より多くのプロジェクトおよびユーザーを引き付けるための戦略として、Bitcoinの実用的なユースケースを増やすことを中心に取り組んでいます。
たとえば、Bitcoinを担保とする米ドル建てのポジションを構築し、そのUSDをもとにパーペチュアル(※1)取引を行うといった仕組みは、これまで機能してきた代表的なモデルです。このような構造により、Bitcoin保有者がリスクを調整しながら積極的にDeFiに関与することが可能となります。
ただし、これらの仕組みは主にトレーダー向けであるため、より幅広いユーザー層に訴求するには、シンプルで直感的なプロダクトの展開が必要です。具体的には、「Morpho」や「Aave(旧AURA)」のように、Bitcoinをステーキングするだけで利回り(API)が得られるプロトコルの導入に注目しています。
現在もこうしたプロジェクトの誘致を進めており、「Arbitrum」由来のプロダクトの導入も近い将来実現する見込みです。
Rootstockとしては、「わかりやすく使えて、わかりやすく価値が返ってくる」Bitcoinの利用環境を着実に拡充していく方針です。
- パーペチュアル(Perpetual)
- 満期のない暗号資産デリバティブ取引の一種で、一定の担保をもとに継続的にポジションを保持可能
日本のWeb3エコシステムに参加した後の次の計画は何ですか?
まずは、日本市場において多くのユーザーに実際に使ってもらえるようなプロダクトの提供を目指しています。日本のユーザーが日常的に活用できる仕組みを構築することが最優先の目標です。
加えて、日本のWeb3エコシステムには、大手金融機関が積極的にBitcoinを購入・運用しようとする動きが見られます。そのような企業と連携し、大量のBitcoin保有を前提とした仕組みを構築することで、自然に利回り(イールド)が生まれるサービス設計が可能になると考えています。
最終的には、こうしたインフラを通じて、100万人単位のユーザーに対してBitcoin関連の金融サービスを提供し、300万人以上に利用されるソリューションへと発展させることを視野に入れています。
まとめ
今回のAMAでは、TVL約2億ドル、2018年から稼働を続けるBitcoinレイヤー2「Rootstock」の技術的特徴とエコシステムの概要、さらには今後の日本展開について詳しく語られました。
「Rootstock」は、Bitcoinの高いセキュリティを活かしつつ、EVM互換性を備えたスマートコントラクトの実行を可能にするLayer2ネットワークです。rBTCとRIFという2つの主要トークンを中心に、DeFiやNFT、ストレージやP2P通信など多様なユースケースに対応しており、すでに「Sovryn」「Money on Chain」などの有力dAppが稼働しています。
中でも特筆すべきは、EVM互換性によりEthereum上の既存プロトコルを大きな修正なく導入できる柔軟性、そしてBitcoinとの1:1で裏付けられた「rBTC」によって、BTCホルダーが直感的にエコシステムに参加できる点です。
今後は「BitVMX」やRollup技術によるスケーラビリティ向上を目指すとともに、「Zealy」や「Galxe」などを通じたコミュニティ活性化施策、さらには日本各地でのリアルイベントの開催など、より一層の市場浸透が計画されています。
Rootstockは、「BitcoinをそのままDeFiで活用したい」というニーズに応える現実的なソリューションとして、今後の日本およびグローバル市場での存在感をますます強めていくことでしょう。
関連リンク
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