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2022/06/17Three Arrows Capitalの清算が実行 | 数千億規模のファンドで一体何が?
レンディング企業BlockFiが暗号通貨ヘッジファンドThree Arrows Capital (3AC)のポジションの一部を清算したことが分かりました。 (FT) - Three Arrows Capital failed to meet demands from lenders to stump up extra funds after its digital currency bets turned sour, tipping the prominent #crypto hedge fund into a crisis that comes as a credit crunch grips the industry. @FT https://t.co/GHj1NQ6Khi — Carl Quintanilla (@carlquintanilla) June 16, 2022 資産総額100億ドル以上とされていたThree Arrows Capitalは、過去にSolana、Avalancheなどへの投資実績もある業界大手のヘッジファンド。 今回の清算を発端として、Three Arrows Capitalの動向が今後の暗号通貨市場に大きな影響を与える可能性があります。 本記事では、注目ヘッジファンドThree Arrows Capitalについて解説していきます。 1 BTC = 20,000 USD を目前とし、激しい値動きが今後も予想される今こそ、話題のトピックはしっかりと抑えておきましょう。 是非最後まで読んでみてください。 Three Arrows Capital (3AC)とは一体どんなファンドなのか Three Arrows Capitalとはそもそもどんなファンドなのでしょうか。 3ACは、2012年にSu Zhu氏と Kyle Davies氏によって設立されたヘッジファンドで、今年4月にはシンガポールからドバイへの本社移転を実施しました。*現在サイト上ではBVI(イギリス領バージン諸島)の法律に準拠する旨が記されているため、移動した可能性有 創設者のZhu氏はETP(上場取引型金融商品)を扱うFlow Tradersやドイツ銀行に勤務。Davies氏は総資産が7558億スイス・フラン(約103兆円)とされる世界最大手の金融企業Credit Suisseのトレーダーとして働いていた経歴があります。 Bankless:SotN #46 - The ETH Trade with Su Zhu & Kyle Davies of Three Arrows Capital 3ACの主な投資実績としてSolanaやAvalanche、Axieといったプロジェクトが挙げられます。 上記以外にも、AAVEやStarkWare、DROPPといった多分野に対して3ACは投資を行っており、資産は一時100億ドル以上とされていました。 [caption id="attachment_75994" align="aligncenter" width="800"] 3ACの投資実績:画像引用元:Three Arrows Capital[/caption] Messariのデータによると、3ACは今年2月時点までに27のプロジェクトへ投資を実施。(未公開分を除外) 現在上記通貨は、平均して直近90日間で7割以上の価格下落を見せています。 これまでの市場の流れ これまでの市場の流れを時系列順にかんたんに解説します。 現在、暗号通貨市場は全体として価格下落が続いており、stETHの価格乖離やCelsiusの出金停止騒動など、ネガティブな話題が各メディアやSNSで頻繁に取り上げられています。 関連:【約3兆円規模】なぜ今「Celsius」が話題なのか?時系列で解説 上記の流れの中、一部ユーザーが3ACの財務状況について指摘を始めました。 #PeckShieldAlert $stETH down to 0.934 $ETH. Three Arrows Capital transferred ~22,830 $stETH to $ETH Here is an example tx: https://t.co/Y0HDukgy9F pic.twitter.com/ijqDISPZeA — PeckShieldAlert (@PeckShieldAlert) June 14, 2022 上記ツイートはその一例で、3ACのウォレットとされるアドレスがstETHをETHに変換していると報告。 stETHは本来、1stETH = 1ETHでペッグされるべき通貨ですが、現在は1stETH = 0.934ETHの状態です。このことから、"3ACは財務状況の悪化によりstETHを割安でETHに変換しているではないか"という推測が広がりました。 We are in the process of communicating with relevant parties and fully committed to working this out — Zhu Su 🔺 (@zhusu) June 15, 2022 上記のような状況を受けてか、3AC創業者のZhu Su氏が突如「現在、関係各所と連絡を取り合い、解決に向けて全力を尽くしているところです。」とTwitterに投稿。このツイートがきっかけとなり、SNSや海外メディア上で様々な推察や憶測が3ACに対して行なわれました。 1) there's only 1 wallet which has ever had the 3 Nansen labels in the screenshot you shared - but it's not the wallet you shared! 2) 3AC would have been the header of the wallet (not "Private Sale Investor") - we know how our own algos order labels — Alex Svanevik🐧 (@ASvanevik) June 15, 2022 一例として、ブロックチェーン分析プラットフォーム「Nansen」上で、1 ETH = 1042 USDとなると大規模な清算が発生するポジションを保有しているウォレットに"3AC"のタグが付けられているという情報が流布。その後、Nansen CEOが上記情報は誤りであり、対象ウォレットは3ACのものではないと訂正しました。 .@Nexo has $0 exposure to Three Arrows Capital. Nexo has always differentiated itself from others as being a very conservative lender with stringent risk management and strict over-collateralization requirements, regardless of borrowers' reputation. https://t.co/VP37WdEn7j — Nexo (@Nexo) June 15, 2022 また、レンディング企業のNexoは、3ACに対するエクスポージャーは0であるとツイート。 さらに、海外メディアが"3ACは先日大きな価格下落を起こしたLUNAへの投資を行っており、これまでに清算された額は4億ドル(約530億円)以上にのぼる"と報じるなど3ACに対する注目が各方面から集まりました。 ここまでがこれまでの流れとなります。 一部清算が正式に発表 上記の流れの中、レンディング企業BlockFiが3ACのポジションの(少なくとも)一部を清算したことが海外メディアFinancial Timesによって報じられました。 さらに、事前にNansenによって推察されていた3ACの資産額100億ドルは誤りで、実際は40億ドルほどであった可能性が高いと指摘。 上記記事公開後、BlockFi CEOは、"大口顧客に対して最善の経営判断行い、関連するすべての担保を完全に清算またはヘッジした(一部要約)"と、大口顧客 = 3ACとも取れる内容のツイートを投稿しました。 BlockFi can confirm that we exercised our best business judgment recently with a large client that failed to meet its obligations on an overcollateralized margin loan. We fully accelerated the loan and fully liquidated or hedged all the associated collateral. — Zac Prince (@BlockFiZac) June 16, 2022 同じレンディングサービスを提供するFinbloxや、オプション取引所のDeribitは、直接3ACの名前を出し、対応の実施や事業への支障がないことをそれぞれアピール。 IMPORTANT UPDATE FROM FINBLOX! pic.twitter.com/VjclRMMiSe — Finblox (@finblox) June 16, 2022 Due to market developments, Deribit has a small number of accounts that have a net debt to us that we consider as potentially distressed. — Deribit (@DeribitExchange) June 16, 2022 3ACが暗号通貨で保有している資産の規模は大きいため、今後経営難を逃れるために保有分の通貨を売った場合の影響について一部ユーザーの間で様々な憶測が飛び交い、不安が高まっているというのが今の現状となります。 現在、BTCは24時間で約6%下落しており、直近の市場の動きと比較すると3ACの清算による直接的な影響は現時点では少ないと考えられます。 考察:今後の動向について 現在、市場に出回っている3ACに関する情報は「一部情報筋によると」「匿名からの垂れ込みによると」といった表現で記されているものがほとんどです。 これから記すことは、上記のような情報を元にしての考察も含まれていますのでご留意ください。 A verified source has confirmed that 3AC borrowed money from multiple funds and counterparties and put it into Anchor to generate yield without telling them. Their UST position was confirmed to be at least nine figures before the Terra depegging event. — FatMan (@FatManTerra) June 16, 2022 上記ツイートによると3ACは借り入れた資金を、貸し手に報告せずにTerra上のレンディングプロトコルAnchorに入れて運用を実施。 [caption id="attachment_76006" align="aligncenter" width="611"] Anchor Protocol | 画像引用元:https://app.anchorprotocol.com/[/caption] 先日のLUNAの暴落により3ACは大きな損失を被ったと報告されており、借り入れた資金にも影響が及んでいることが推察できます。 ステーブルコインのAPRを8%で補償していた3ACですが、上記の運用方法が事実である場合、表向きの宣伝文句とは異なる方法で借り入れた資産を運用した可能性が考えられます。 先日のCelciusの件なども含め、今後、ファンドやレンディングサービスの透明性に関するユーザーのニーズは二極化していくでしょう。 ブロックチェーン/暗号通貨領域で透明性が高いか否かは、データがどれだけオンチェーン上で可視化されているかで基本的に判断されます。つまり、自分達が預けた資産がどういう場所でどのように運用されているかをデータでいつでも確認できる状態であれば"透明性が高い運用"と表現できます。 しかし、上記の内容を確認するためには、一定以上の知識やスキル、時間が必須です。 クリプトユーザーの中には「大手だから安心」といった感情で、細かい精査をせずに資金を預ける人がいるのは周知の事実。 こういったユーザーにとって、オンチェーン上のデータを自分達で分析できる状態は「自分が運用に関与できるパーセンテージが高い = 面倒な作業が増える」であることを意味し、デメリットに感じる可能性が高いでしょう。 そのため、今回のCelsiusや3ACの件をきっかけに、一定以上のスキルや時間を持ったユーザーと他者に丸投げしたいユーザーの間の溝がさらに深まることが予想されます。 今後、暗号通貨市場をより低リスクで乗り切っていくためには「オンチェーン情報を自分で分析できるスキル」が必須になると考えています。 まとめ 今回は話題のThree Arroes Capitalや、今後必要なスキルに対する考察などについて紹介してきました。 私たちが普段当たり前のように接している"情報"は、ほんの少し伝え方や状況を変えれば人を誘導して不幸にすることも出来てしまう強力なものです。 CRYPTO TIMESでは、可能なかぎり既存メディアにありがちな事実と主張を混同する伝え方をせずに最先端の情報をお届けしていきます。 今後も是非クリプト情報のキャッチアップにご利用ください。 最後までありがとうございました。 記事ソース:The Block、Financial Times、
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2022/05/12【ステーブルコイン崩壊】今回のUST暴落は一体何だったのか?今後を考察
ここ数日の間、Terraのステーブルコイン$USTのペッグが大きく外れる事態が発生し、これに伴い暗号通貨市場全体が大きく落ち込んでいます。 アルゴリズム型のステーブルコインとして注目を集め、一時180億USD相当まで時価総額を伸ばした$USTですが、現在では、循環サプライは60億枚近く減少、数日で時価総額が1兆円以上減少しています。 [caption id="attachment_74879" align="aligncenter" width="591"] CoinGeckoより価格チャート引用[/caption] この記事では、$USTとその発行プロトコルであるTerraの概要、今回のクラッシュの原因、また筆者のアルゴリズム型ステーブルコインに関する見解を紹介していきます。 考察に関しては、ネガティブ・ポジティブ様々な考えがあると思いますが、あくまで一個人の見解として紹介しますのでご留意ください。 Terra、LUNA、USTとはそもそも何なのか Terraは、Cosmosエコシステムの一部であり、ブロックチェーン作成のツールであるTendermintを利用して実装されたPoS(Proof of Stake)のブロックチェーンです。 ネイティブの通貨単位として$LUNAを持ち、$LUNAはTerraブロックチェーンの検証作業および$USTの価格維持に利用されます。こちらは後ほど詳しく解説します。 Terraの主要な目的は、分散的にアルゴリズム型のステーブルコインであるUSTを発行することです。 USTは、USDCやBUSDなどのいわゆる法定通貨担保型、DAIなどの暗号通貨担保型のステーブルコインと異なり、担保資産を必要とせずに、1:1のUSDに対するペッグを維持できるという特徴を持ちます。 [caption id="attachment_74922" align="aligncenter" width="682"] CT Analysis第20回レポート『ステーブルコインの概要と現状 動向調査レポート』 より[/caption] USTに対応するTerraブロックチェーン上のレンディングプロトコルであるAnchorでは、利回り付きの資産(流動ステーキング資産)の利回りをベースとして、USTを預け入れることで20%近い利回りを維持できており、冷え込んだ市場でのステーブルコイン利回りが非常に高く安定していたため、世界的に大きな注目を集めていました。 4月にCTAnalysis DeFiで紹介したタイミングでは、USTはBinance USD(BUSD)の時価総額を抜き、ステーブルコインで3番目の規模となっていました。 TerraがUSTを1ドルにペッグする仕組み TerraにおけるUSTを1ドルにペッグする仕組みは、基本的にシステムが監視するUSTの市場価格に基づきます。 USTの市場価格が仮に1.2ドルである場合を想定してみましょう。 この場合、1ドル相当のLUNAをシステムでBurnすることで1USTを獲得でき、獲得したUSTを市場価格である1.2ドルで売却することが可能です。 システムでUSTの価格を監視し、裁定機会を生み出すことで、理論上市場メカニズムにより1ドルのペッグが実現できます。 [caption id="attachment_74881" align="aligncenter" width="1026"] UST-LUNAの仕組みのイメージ[/caption] 続いて、USTの価格が0.8ドルの場合を想定してみましょう。 この場合、1USTをTerraのシステムでBurnすることで、1ドル相当のLUNAを獲得することができ、0.8ドルのコストに対して1ドル相当のLUNAを獲得することができます。 これにより、0.8ドルでUSTを調達する動機が生まれ、UST価格は理論上1ドルに近づいていきます。 この仕組みはUSTを1ドルに保つ一方で、USTの価格が1ドルに戻るまで、LUNAが売却され続ける状況を生み出します。 今回のクラッシュの一連の流れと原因 前提が分かったところで、今回のLUNA、USTの件について解説していきます。 まず、状況を整理すると、今月9日の日本時間22時ごろより、市場全体の環境の悪化を受けて、USTのペッグが1ドルを下回る状況が始まりました。 [caption id="attachment_74887" align="aligncenter" width="800"] 引用:Trading View[/caption] ここから、$UST価格の下方乖離が止まらず、$UST価格が1ドルを大幅に下回る状況が始まります。 $UST価格が1ドルを下回るケースでは、$USTを1ドル相当の$LUNAへと償還する動きが加速するため、180億ドル相当のUSTが潜在的なLUNAの売り圧力となり、歴史的な下落を引き起こす結果となりました。 [caption id="attachment_74889" align="aligncenter" width="800"] 引用:Messari[/caption] MessariでLUNAの総供給枚数のチャートを確認すると、12.5億枚ほどのLUNAがこのクラッシュにより新規発行されているものの、USTの下方乖離は収まらず、LUNAの新規発行による非常に強力な売り圧を生み出していることがわかります。 今回の一連の騒動が、一部の筋による攻撃であると説明する見解も広がっていますが、真偽が不明であるため、ソース元の紹介のみとさせていただきます。 興味がある方は以下のリンクよりこちらもご覧ください。 参考:Terra LUNA UST: Attack explained? アルゴリズム型ステーブルコインの危険性 アルゴリズム型のステーブルコインでは、十分な担保資産を持たないため、ステーブルコインへの価値が毀損された場合、今回のケースのように十分な出口の流動性が確保できず、裏付けを持たない不良債権が残ります。 過剰担保を前提とする場合、資本効率は落ちるものの、原資産への裏付けが何らかの形で損なわれない限り、乖離は一時的なものとなります。 [caption id="" align="aligncenter" width="2040"] 引用:Token Terminal[/caption] ステーブルコインのサプライに対して、強力な担保資産の価値を裏付けとしたDAIに対して、エクイティに近い価値がペッグ維持の防衛ラインとなっている点で、システムのレジリエンシーも同様に低くなります。 今回のTerraのケースでは、下落相場が引き金となり、USTを支えていたLUNAの価格が大幅に下落しエクイティ価値が大きく毀損されたことで、売りが売りを呼ぶ結果となったと言えるでしょう。 筆者考察と見解 十分な裏付け資産を持たないアルゴリズム型のステーブルコインは、担保資産を必要としない一方で高い資本効率を実現できることから、パーミッションレスなブロックチェーン上には、今後もTerraのようなプロジェクトが登場する可能性は十分にあると考えます。 一方で、筆者個人としては、アルゴリズム型のステーブルコインが持つ先行者優位,ポンジライクな設計は、マスアダプションを迎えるフェーズにおいても払拭できない不安が残り、開発者は安易に高い利回りを訴求するアルゴステーブルコインを公開すべきでないと考えています。 これまでも何度かアルゴリズム型のステーブルコインが公開されてきましたが、仕組みを理解できないエンドユーザーが結果的に莫大な損害を被り、一部の初期ユーザーが利益を持ち帰るといった構図に変化はありません。 今後、日常の決済などにステーブルコインが普及していく中で、1兆円を超える規模でトークンの信用が損なわれる結果はエコシステム、経済にとって深刻な影響を及ぼす可能性があります。 以上のような理由から、ステーブルコインがマスアダプションを迎えるためには、暗号通貨(法定通貨)を担保とし、裏付けがはっきりとしたサステナブルにスケールできるステーブルコインが必要となるのではないでしょうか。 筆者Twitter:@me_champ_ty_all
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2022/02/08「ゼロ知識証明とzk-SNARKs」を初心者にもわかりやすく解説!
ビットコインなどの一般的なパブリックチェーンは、ブロックエクスプローラを利用することで、他人のものも含め全てのトランザクションの内容を自由に閲覧することができます。 トランザクションの内容には送金者と受取人のパブリックキー(ウォレットアドレス)や送金額なども載っているため、特定のウォレットの資産の行き先などを追跡することができてしまいます。 こういった特徴は分散型台帳の大事な要素である一方、「誰がどこにいくら送ったか」がわかってしまうことに不便さを感じることも確かです。 そこで昨年から注目されているのが、「ゼロ知識証明」というコンセプトを基にしたzk-SNARKsというテクノロジーです。 同テクノロジーを利用したブロックチェーンでは、「トランザクションが正当に行われた」という情報を一般に開示する代わりに、上記のような取引内容を完璧に隠すことができます。 こちらのページでは、そのゼロ知識証明とzk-SNARKsとはいったいどのような仕組みなのかを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきたいと思います。 ゼロ知識証明とは ゼロ知識証明とは1985年に初めて定式化されたコンセプトで、証明者(prover)と検証者(verifier)の二者間で行われるある「対話」を意味します。 この対話では、証明者がある秘密を知っていることをその秘密の内容を明かさずに検証者に証明します。 数学的には「命題が真であることを、それ以外の情報を与えずに証明する」といいます。 このコンセプトは、分散型ネットワークのプライバシーを保つ上でとても役立つもので、zk-SNARKsと呼ばれる応用型がZCashやQuorumなどのブロックチェーンで利用されています。 ジャン=ジャックの洞窟 ゼロ知識証明を簡潔に説明できる例として、ベルギーの暗号学者・ジャン=ジャック・キスケタが提案した「洞窟の問題」があります。 [caption id="" align="aligncenter" width="274"] ウィキペディアより[/caption] この例では、ピンク色の服を着た証明者Pさんが、緑色の服を着た検証者Qさんに、 上図のような洞窟の最奥部にある扉を開けるパスワードを知っていることを証明します。 Pさんは洞窟の入り口で、最奥部に到達するルートAまたはBをランダムに選んで進んでいきます。ここでは、PさんはルートAを選んだものと仮定します。 Pさんが最奥部に到達するまで充分な時間が経過した時点で、洞窟の外で待機していたQさんがルートAまたはBをランダムに選び(中へは進まない)、Pさんに選ばれたルートから戻ってくるように叫びます。 ルートAとBを仕切る扉のパスワードを知っているPさんは、ルートAから戻るように言われれば来た道を戻ることができ、ルートBが選ばれたケースでは扉を解錠してBから戻ることができます。 この作業を何度か繰り返して、Pさんが毎回正しいルートから帰ってくれば、QさんはPさんが本当にパスワードを知っているということを、パスワード自体を知ることなく確認できます。 ノンインタラクティブ型 ゼロ知識証明の例をもう一つ挙げます。こちらは、「ノンインタラクティブ型」と言われるタイプの証明になります。 証明者Xさんは、5点満点のテストで「Yさんと同点ではないこと」を検証者Yさんに証明します。ここでは、Xさんは5点、Yさんは3点を取ったと仮定します。 まずXさんは、5つの施錠された箱を用意します。それぞれの箱には1点、2点、3点、4点、5点と点数がふられています。 Xさんはそれぞれの箱の鍵をYさんに渡し、部屋を退出します。退出を確認したYさん(検証者)は、自分の点数(3点)以外の箱の鍵(1, 2, 4, 5点)をその場で捨てます。作業が終わると、Yさんは退出します。 今度はXさんが、自分の点数が書かれた箱(5点)の蓋の隙間から丸印のついた紙切れを入れ、それ以外の箱(1, 2, 3, 4点)にバツ印のついた紙切れ滑り込ませます。 再度XさんとYさんが部屋を入れ替わり、Yさんは鍵を使って3点の箱を開けます。中に入っている紙切れは必然的にバツ印であることから、YさんはXさんと同点ではないことがわかります。 しかし、Yさんは、Xさんの点数が自分より良かったのか、悪かったのかはわかりません。 この例は、洞窟の問題と違い、XさんとYさんの直接のやり取りを必要としません。このようなゼロ知識証明を「ノンインタラクティブ型」と呼びます。 ゼロ知識証明のルール ゼロ知識証明には、証明者による不正を最小限に抑えるために守るべきルールが定義されています。 ひとつめは、完全性(completeness)と呼ばれるものです。これは「証明者が秘密を持っていることが本当ならば、検証者はそれが本当であることが必ずわかること」を意味します。 例えば、洞窟の問題では、証明者Pさんがパスワードを知っているなら、検証者QさんはルートA、Bをランダムに選ぶ作業を繰り返すことででPさんが本当にパスワードを知っていることを確認できます。 ふたつめは、健全性(soundness)と呼ばれ、「証明者が秘密を持っているという嘘をついている場合、検証者は高確率でその嘘を見抜ける」というものです。 洞窟の問題で証明者Pさんが嘘をついていた場合、Pさんは最奥部の扉を解錠できないため、来た道(上記の例ではルートA)から戻るほかに選択肢がありません。 検証者Qさんがランダムに選ぶルートがAである確率は50%であることから、この作業を繰り返していけば、Qさんが毎回Pさんによって選ばれたルートから戻ってくる確率は極端に低くなります。 証明の回数を重ねるごとに証明者Pさんが不正を働ける確率が低くなるため、QさんはPさんが嘘をついていることを高確率で見抜ける、ということになります。 最後に、ゼロ知識証明はゼロ知識性(zero-knowledge)というものを満たさなければなりません。これは、検証者が証明の結果得られる知識は、証明者の命題が真であることのみであるという意味です。 洞窟の例では、検証者は証明者がパスワードを知っていること(命題)が本当であることは確認できますが、そのパスワード自体を知ることはできません。 zk-SNARKsとは? 匿名性の高いことで有名な暗号通貨・ZCashなどは、zk-SNARKs(ゼットケー・スナーク)と呼ばれるゼロ知識証明の応用型をトランザクションの記録に利用しています。 ZCashでは、第三者が得られる情報は「トランザクションが正当に行われた」という命題が真であることのみで、送金者や受取人、送金額などといった情報は確認できません。 zk-SNARKsのzkはZero-Knowledge(ゼロ知識)を意味し、SNARKはそれぞれ以下の略称となっています。 Succinct (簡潔) - 証明結果は証明のプロセス(計算)に比べサイズが軽い。証明プロセスをノンインタラクティブ型にすることで、証明結果の容量を節約できる。 Non-interactive (ノンインタラクティブ) - トランザクションの正当性を確認したい検証者が、証明者と直接やり取りせずに証明を確認できる。 ARgument - 証明者の計算能力には限りがある。並外れた計算能力を持つ証明者は、力づくで暗号を解き、虚偽の証明を提出できてしまう。 of Knowledge - 証明者は、取引に関与するウォレットのアドレスなどといった知識を前もって知っていない限り、証明を作成することはできない。 証明が簡潔かつノンインタラクティブ(証明者から検証者へメッセージを送るだけ)であることで、ブロックチェーン上に記録する内容を少なく抑えることができる、ということになります。 Argument of Knowledgeは、zk-SNARKsが満たすべき仮定、と考えることができます。 zk-SNARKsはZCash以外にも、米JPモーガンのQuorumでも実装されているほか、イーサリアムでも実装を検討していることがわかっています。 【ゼロ知識証明】プライバシー銘柄「zCloak Network」とは?テストネットのやり方も解説 まとめ ゼロ知識証明とzk-SNARKsについて、大事な点をもう一度確認しておきましょう。 おさらい ゼロ知識証明とは「命題が真であることを、それ以外の情報を与えずに証明する」ということ。 ブロックチェーンに応用すると、「トランザクションが正当であること」を証明することで、送金者や受取人、送金額などといった他の情報を一切提供しなくて済む→プライバシーの保護 zk-SNARKsは、ブロックチェーン技術と組み合わせて利用できるタイプのゼロ知識証明。証明結果の容量の小ささや、計算における仮定が特徴。 ZCashによるzk-SNARKsの解説はコチラからアクセスできます。また、ゼロ知識証明のより数学的な解説はコチラに載っています。
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2022/02/02仮想通貨の大事件5選!【あなたはいくつ知ってますか?】
「仮想通貨に関する事件ってどんなのがあったの?」という疑問を持っている方は多いと思います。 仮想通貨はあたらしい最先端のお金ですが、ハッキング事件が頻繁に起こるなど、まだまだ不安定であると言えます。 本記事では、そんな最先端の仮想通貨をより理解するために「仮想通貨の事件にはどんなものがあったか」について解説していきます。 具体的には、 ・仮想通貨の事件まとめ5選! ・あなたがすべき3つの対策 という順で説明していきます。 2、3分ほどで読める内容となっているので是非最後まで読んでみてください! 仮想通貨の事件まとめ5選! ①Mt.GOX事件 ②The DAO事件 ③Coincheck事件 ④プラストークン事件 ⑤Bitclub事件 上記の5つの事件を紹介していきます。 Mt.Gox(マウントゴックス)事件 ・2014年3月に仮想通貨取引所「Mt.Gox」がハッキングを受ける ・被害額は85万BTC(当時約480億円相当) ・Mt.Goxの社長カルロス氏が犯人として逮捕されるがその後事実上の無罪に ・盗まれた仮想通貨が「BTC-e」という取引所に送られていたため、取引所運営者が逮捕される ・真犯人は未だ見つからず 上記が事件の主な内容です。 ハッキング発覚直後は「返済不可能」とされていたのですが、ビットコインの価格が急騰したこともありにより現在返金に関して調整中となっています。 当時、この事件をきっかけに仮想通貨やビットコインの名前が世間に広まったんですよね。 ただ当時の世間の印象は、 「ビットコインっていうなんか怪しいものがあるらしい」 といった感じで、悪いイメージの方で仮想通貨の知名度があがってしまいました。 The Dao事件 ・2016年6月にThe DAOというプラットフォームがハッキングを受ける ・被害額は約360万ETH(当時52億円相当) ・ハッキングへの対処としてイーサリアムがハードフォークする。 ・犯人の詳細は不明 上記の事件の内容となります。 当時、ブロックチェーンを使うことでトップがいなくても機能するDAO(自律分散型組織)が注目を集めていました。 そんな中誕生した「The DAO」は、DAOシステムを元にした分散型投資プラットフォームです。 The DAOでは、イーサリアムでの出資が可能で、出資した人達は自分たちで投資先を決めることができます。 トップがいない投資プラットフォームはまさに未来の組織だ 上記のように、The DAOには大きな期待が寄せられていましたが、その矢先にハッキング事件が起きてしまいました。 ハッキング直後にイーサリアムの価格が3分の1まで下落したこともあり、The DAO事件はイーサリアム最大の事件と言われています。 Coincheck事件 ・2017年1月に仮想通貨取引所「Coincheck(コインチェック)」がハッキングされる ・被害額は5億2600万NEM(当時580億円相当) ・原因は社員が外部から送られたメール内リンクを開いたことによるマルウェア感染 ・Coincheckはすべての被害額を自社負担し被害者へ返金 ・盗まれたNEMはすでに換金されており、犯人は未だ不明 上記が事件の主な内容です。 ハッキング直後、NEM財団と呼ばれる団体によって盗まれたNEMの追跡が行われました。 しかし、コストがかかりすぎることなどが原因で追跡は打ち切りとなってしまったんですよね。 ・あれは北朝鮮の仕業だった ・ロシアのハッカー集団の仕業だった などと言われていますが、詳細は判明していません。 日本の取引所で、被害額も大きかったため当時は日本のメディアでも大きく取り上げられていましたよね。 プラストークン事件 ・2018年中頃に登場したポンジスキーム(詐欺) ・ウォレットに仮想通貨を預けるだけで月利10%と謳われていた ・被害額は30億ドル(約3290億円) ・被害者は1000万人以上 ・運営者6人(全員ではない)は2019年に逮捕されている 上記が事件の内容です。 仮想通貨を預けてくれれば、AIでのアービトラージ取引で月利10%の利益が出せるよ? といった謳い文句で、プラストークン運営者達はビットコインやイーサリアムを集めました。 運営者のうち6人は逮捕されていますが、盗まれた仮想通貨はあらゆる場所へ送金されてしまっています。 中国人や韓国人の他にも、多くの日本人が被害にあっていたこともあり日本でも大きな話題となりました。 ポンジスキームとは?3つの事例を紹介【甘い言葉には要注意】 BitClub Network ・2014年4月から運営されていた詐欺マイニングプール ・ビットコインマイニングするためにBitClubへ出資すると、配当がもらえると謳われていた ・被害額は約7億2200万ドル(約800億円) ・2019年12月に運営者3人が逮捕 ・現在調査進行中 上記が事件の内容です。 マイニングプールとは、マイニングをしたい個人が集まるグループなようなものです。 ビットコインのマイニングを行うには企業レベルの設備を投入しなければいけないため、マイニングに参加したい個人はマイニングプールに参加します。 Bitclub Networkでは、人を紹介することで紹介料がもらえる仕組みだったため、ネットワークビジネス関係者によって広められました。 「おいしい話はわざわざ他人にしない」ということは、常に意識していないといけませんね。 あなたがすべき3つの対策 ①大手の取引所を使う ②コールドウォレットを使う ③おいしい投資の話は存在しないことを自覚する 上記の3つがあなたがすべき対策です。 個人ができる仮想通貨のセキュリティ対策とは?BTCなどの資産を安全に管理【2020年最新版】 大手の取引所を使う 取引所のセキュリティレベルを私たちが外から判断するのは難しいです。 なので、ハッキングされても補償される可能性が高い大手の取引所を利用することをオススメします。 Coincheck事件以来、金融庁が国内取引所をかなり厳しく監査し業務改善命令も出しています。 ・bitFlyer ・Coincheck ・bitbank 上記のような取引所は、業務改善命令もクリアしているため利用しても問題ないかと思われます。(ただし、ハッキングリスクが全くないわけではありません) コールドウォレットを使う コールドウォレットとは、インターネットから切り離された仮想通貨ウォレットのことです。 コールドウォレットはインターネットから切り離されているため、ハッキング被害を受けることはありません。 ・Ledger Nano S ・CoolWallet S あたりのコールドウォレットが、知名度やデザイン性などの観点からオススメですね。 コールドウォレットは、インターネットに繋がっておらずハッキングのリスクがありませんが、出し入れは面倒であるというのは注意しておきましょう。 おいしい話はないと自覚する 精神論のような話ですが、これも重要ですよね。 「おいしい話」というのは、基本的に向こうからはやって来ません。 仮想通貨は技術的な部分が多いこともあり、分からないことが多くなりがちな分野です。 なので、仮想通貨に関する投資をするか迷った時は 1.技術的なことなどをしっかり勉強してから投資する 2.そもそも投資しない のどちらかにはっきりと絞ることをオススメします。 「おいしい話はほぼ無い」ということを、日頃から意識しておきましょう。 まとめ 仮想通貨の事件〜5選〜 ・Mt.Gox事件 ・The DAO事件 ・Coincheck事件 ・プラストークン事件 ・BitClub事件 あなたがすべき3つの対策 ①大手の取引所を使う ②コールドウォレットを使う ③おいしい話はないと自覚する 仮想通貨やブロックチェーン技術は「人工知能、VR・ARなどと並ぶ偉大な発明」と言われています。 今回は仮想通貨の事件に注目しましたが、仮想通貨にも当然、凄いところはあります。 以下の記事では「仮想通貨の凄さ」について解説しているので「なぜ仮想通貨が注目されているのか知りたい」という方はしっかりと目を通しておきましょう。 詳しくはこちら! >仮想通貨の5つのメリットとは|決済だけじゃないって知ってた?< 以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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2022/01/23ポンジスキームとは?3つの事例を紹介【甘い言葉には要注意】
「"知らない"は最大のリスク」 これは仮想通貨に関わらずどんな場面にも当てはまる言葉です。 シンプルかつ強力な詐欺手法である「ポンジスキーム」は仮想通貨詐欺でも多く利用されています。 本記事では、そんなポンジスキームについての正しい知識をお伝えします。 具体的には下記です。 ・ポンジスキームとは? ・ポンジスキームの3つの実例 ・あなたが気をつけるべき4つのこと 「ポンジスキームってそもそも何?」 「実際にどんな事件があったの?」 といった方は是非最後まで読んでみてください! ポンジスキームとは? ポンジスキームとは「高配当」を謳い文句としてお金を集める詐欺の手法です。 この方法では新規客が預けたはずのお金が「配当」と偽られ横流しされることで、顧客はあたかも本当に資産運用されているかのように思ってしまいます。 具体的にポンジスキームは下記の流れで行われます。 ①「預けるだけで月利20%」などと謳いお金を集める ↓ ②運営者は集まったお金を運用しているようで実際は何もしていない ↓ ③新規顧客から集めたお金を「配当」として横流しする ↓ ④実際に配当が配られるので初めは多くの人が信じる ↓ ⑤顧客が増えるにつれ、新規顧客が預けたお金の横流しではシステムが回らず破綻 ↓ ⑥運営雲隠れ ここで一番注意すべきポイントが「初めは実際に配当が配られる」ということ。 ポンジスキームでは新規顧客が途切れてシステムが破綻するまでは、実際に配当が配られます。 ただし、顧客が増えていけばいくほど新規顧客を集める必要が出てくるため、いつか必ずシステムが破綻します。 そんなポンジスキームには実際にどのような事件があったのでしょうか。 豆知識 ポンジスキームはねずみ講とよく混同されますが、ポンジスキームでは詐欺集団と既存顧客だけが得する仕組みなのに対して、ねずみ講は上の階級だけが得をする"ピラミッド構造"なので両者は異なります。 ポンジスキームの実例 ・ナスダック事件 ・Bitclub事件 ・プラストークン事件 ナスダック事件 ・ナスダック元会長のマドフ氏が行ったポンジスキーム ・富裕層が主なターゲット ・被害額は650億ドル(約6兆円) ・スティーブン・スピルバーグなどの著名人や、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、野村証券などの企業も被害にあった ・犯行は約25年間続き、マドフ氏は2008年に逮捕(懲役150年) 上記が事件の概要です。 ナスダックの会長といえば”超”がつくほどのエリートなわけですが、そんな人が25年間も詐欺行為をしていたのだから驚きですよね。 マドフ氏は自身が設立した「マドフ投資会」という投資グループの中で不正にお金を集めていたのですが、 「全員受け入れず、たまに断る」 といった細かなテクニックが使っていました。 ナスダック事件では野村證券などのいわゆる"金融のプロ"も引っかかってしまったこともあり、この事件は史上最大のポンジスキームと言われています。 Bitclub事件 ・2014年4月から運営されていた詐欺マイニングプール ・ビットコインマイニングするためにBitClubへ出資すると、配当がもらえると謳われていた ・被害額は約7億2200万ドル(約800億円) ・2019年12月に運営者3人が逮捕 ・現在調査進行中 上記が事件の内容です。 マイニングプールとは、マイニングをしたい個人が集まるグループなようなものです。 ビットコインのマイニングを行うには企業レベルの設備を投入しなければいけないため、マイニングに参加したい個人はマイニングプールに参加します。 Bitclub Networkではポンジスキームでは定番の"紹介制"が採用されており、その存在はネットワークビジネス関係者によって広められました。 こちらの事件は、日本であまり話題になりませんでしたが被害額は約800億円とこちらもなかなかの事件です。 CHECK700億以上を集めたポンジスキーム『BitClub Network』の運営者3人が逮捕 プラストークン事件 ・2018年中頃に登場した仮想通貨ポンジスキーム ・ウォレットに仮想通貨を預けるだけで月利10%と謳われていた ・被害額は30億ドル(約3290億円) ・被害者は1000万人以上 ・運営者6人(全員ではない)は2019年に逮捕されている 上記が事件の内容です。 「仮想通貨を預けてくれれば、AIを使った取引で月利10%の利益を出します」 といった謳い文句で、プラストークン運営者達はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を集めました。 運営者のうち6人は逮捕されていますが、盗まれた仮想通貨は世界各国あらゆる場所へと送金されてしまっています。(←仮想通貨の性質上取り戻すのはほぼ不可能) 世間を騒がせた「コインチェック事件」の被害額は約560億円、対してプラストークン事件は約3290億円です。 この数字だけ見ても、プラストークン事件がどれほどの規模だったかがわかります。 プラストークン事件はテレビでの報道はほとんどされませんでしたが、日本人も被害にあっていたことからインターネット界では大きな話題となりました。 CRYPTO TIMESではプラストークンおよび高配当型ウォレットの闇に関して、突っ込んだ記事を過去に書いていますのでコチラも参考にしてください。 CHECK推定1000万人が騙された「プラストークン」儲かるが謳い文句の高配当型ウォレットの闇 今ご紹介した3つの事件の他にも仮想通貨による事件が多発しています。仮想通貨をより理解するためにもこちらの記事をご覧ください。 仮想通貨の大事件5選!【あなたはいくつ知ってますか?】 あなたが気をつけるべき4つのこと 最後にポンジ・スキームに被害に遭わないための気をつけるべきポイントをお伝えします。 ポンジスキームだけでなく、投資全般に使えるのでもう少しだけお付き合いください。 下記が具体的に気をつけるべきポイントです。 ①利回りが異常に高い ②元本保証と謳っている ③人を紹介すると報酬が出る仕組み ④勧誘者の経歴が不明 ①利回りが異常に高い 投資の世界には「相場」というものがあります。 相場を知るには数字を実際に自分の目で見るしかありません。 下記は日本株式の配当(年間)ランキングです。(1月23日時点|「みんなの株式」より引用) 銘柄名 利回り(年間) 1位:松井 9.5% 2位:日産自 9.09% 3位:ベリテ 8.96% 4位:KG情報 8.74% 5位:スズテン 8.25% 6位:工藤建設 7.5% 7位:池田泉州HD 7.38% 8位:アールビバン 7.34% 9位:青山商 7.18% 10位:ウェルネット 7.09% 他の事例も見てみましょう。 下記は取引所の仮想通貨レンディング(貸し出し)の比較です。 取引所名 利回り(年間) Coincheck 5% GMO 5% bitbank 1~3% Binance 0.6~2.39% Poloniex 約1.3% このような数字を実際に見ていくと「年利10%もあればかなり良い方なんだな」という大体の相場の感覚が掴めてきますよね。 そして相場が分かってくると、先ほど紹介したプラストークンの「月利10%」という数字を見て、 「それはちょっと高すぎでしょ。怪しくない?」 というように、自分の"危険察知センサー"を働かせることができます。 「高配当」という言葉だけに惑わされないためにも、相場は必ず知っておきましょう。 ②「元本保証」と謳っている 資産運用では「元本保証」というのは本来ありえません。 元本保証とは「投資した額以上に損失が出た場合は、会社や国が補償します」という意味で、例えばあなたが投資をして20万円分の損失が出ても、それをサービス提供社や国が補償してくれるわけです。 しかし、ここには「会社が倒産したり国が破綻する可能性もある」という大前提が抜けています。 この事実を隠した上で「元本保証します」と宣伝している投資案件があったら、よく注意しましょう。 ③人を紹介すると報酬が貰えるシステムが採用されている 紹介制を採用するということは「紹介制が無ければ普及しない投資案件」ということですよね。 本当に良い投資案件であれば、遅かれ早かれ自然と広がっていくものです。 「この投資案件はどうなんだろう...?」 と思ったら、まずはその投資案件が紹介制を採用しているかどうか確認しましょう。 ④勧誘してる人がいないor怪しい 具体的にこれを調べる方法は下記です。 ・Googleで投資案件の名前を検索する ・Twitterで投資案件の名前を検索する 実際にGoogleやTwitterで調べてみて、 ・その投資案件を紹介しているサイトが全く無い ・普段は活用されていないTwitterアカウントばかりが宣伝している といった場合は要注意な投資案件なので気をつけましょう。 まとめ ・ポンジスキームとは、集めたお金を循環させているだけの詐欺 -ポンジスキームの事件3選- ・ナスダック事件 ・Bitclub事件 ・プラストークン事件 -気をつけるべき4つのポイント- ①利回りが異常に高い ②「元本保証」と謳っている ③人を紹介すると報酬が貰えるシステム ④勧誘している人がいないor怪しい 今回は仮想通貨の負の側面を中心にお話してきました。 しかし、仮想通貨は世界が注目するほどの可能性を秘めています。 「仮想通貨って何がすごいの?」 と思った方は、以下の記事を読んでみてください。 詳しくはこちら! >仮想通貨の5つのメリットとは|決済だけじゃないって知ってた?< 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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2021/11/23YGGの成功とその次の動き – Provide by MelT & Ming (Meteorite Labs.)
Axie Inifinityの成長を押し上げたのはScholorship制度とYeild Guid Games(以下YGG)が大きく起因しているとも言えます。 本記事は、CRYPTO TIMESのPartnerであるMeteorite Labs.のMelodyとMingによって書かれたAxie Infinity、YGG、そして次の動きとは?という観点の記事を和訳したものになります。 CRYPTO TIMESが提供するリサーチレポートCT Analysisでも、Axie Infinityに関してのレポートは過去に公開済みですので、こちらも合わせてお読みください。 7月に行われた最初のIDO以来、YGGトークンは約1.5ドルから最高10ドル(6.7倍)にまで達し、現在(10月)は約6ドルから6.5ドル(4倍)で安定しています。AXSは約5ドルあたりにあった今年の7月初めから急進し、それからわずか5カ月経った今では140ドル(28倍)にまで急騰しています。 それに比べて従来のゲーム業界では、EA、Blizzard、Tencent、Neteaseなどの大手企業でも半年の最高利回りはすべて1.6倍未満となっています。 今日(10月31日)の時点でAxieのユニークアドレス数から算出されたデイリーアクティブユーザー (DAU)数は約92000人。8月には200万人近くにまで達しました。YGGのDiscordサーバーでは、毎日300人以上が奨学金プログラムに積極的に応募しています。ブロックチェーンゲームのDAUは人気なものでも数千から数百にまで急減しうることを考えると、この数字は素晴らしいといえます。 こういった素晴らしいパフォーマンスを確立し、AxieとYGGはブロックチェーンゲーム業界の頂点にまで登りつめました。なぜこの2つプロジェクトはここまで成功できたのでしょうか?この記事では、YGGの経歴をたどり、彼らの「ゲーム・ゲームギルドモデル」の中からその答えを見つけ出します。 YGGとは・Axie Infinityとのアーリーエンゲージメント Yield Guild GamesはAxie Infinityの奨学金プログラムが注目を集めた2020年末に設立されました。YGGの共同設立者でありフィリピン出身のGabby Dizonは、すでに2020年の8月あたりからアクティブプレイヤーとしてAxieのMediumで取り上げられていました。その後、2021年5月にYGGが融資を行った#playtoearnドキュメンタリーが人気を集め、Play-to-Earn (P2E)の概念を世に広めました。このドキュメンタリーがリリースされた当時のAXSトークンは約5ドルでした。 今日では、YGGは、The Sandbox, F1 Delta Time, Embersword, Splinterlands, Guild of Guardiansなどのゲーム(表2、表3、および図3を参照)とプレイヤーの間のパイプ役と位置づけられています。ゲーム運営側がゲーマーを集めやすいようにしたり、ゲーム資産への投資や奨学金プログラムを通して、ゲームをより身近なものにしています。 奨学金プログラムは特に初期費用を払えないような人々のことを念頭に置いて計画しました。ゲーム資産を奨学金受給者に貸し付けることで、受給者は貸し手との合意のもと決められた割合のSLPを獲得できるようになりました。 YGGのパフォーマンスデータとゲームギルドモデル YGGは現状、クリプト界隈で最も成功したゲームギルドとなっています。ここで、このゲームとゲームギルドのモデルがどういう仕組みなのかを理解するために、コミュニティの大きさや収入、投資などといった統計を見てみましょう。 [caption id="" align="aligncenter" width="574"] 表1: コミュニティの大きさと全体の収入。このデータはYGGがMedium上で公開したデータに基づいています。[/caption] [caption id="" align="aligncenter" width="765"] 図1: YGGのDiscordメンバー数(青)とAxie Inifinity向けのYGG奨学金受給者数(オレンジ)。YGGのDiscordには少なくとも5つのゲームチャンネルが存在するが、その中でもAxie Infinityのボリュームが一番大きい。[/caption] [caption id="" align="aligncenter" width="769"] 図2: YGGの累計収入(単位: SLP-青、USD-緑)。SLPは7月下旬からほぼ線形に伸びているが、USDでの収入がボトルネックとなっている。[/caption] Axie奨学金の応募と合格のメカニズム 9月のレポートによれば、YGGは26438体ものAxieを保有しており、その数は7月から46.2%増となっています。Axieの総数を考慮すると、奨学金受給者の上限は8812人となります。 現状では、毎日250~300人がYGGのDiscordを通してこの奨学金プログラムに応募しています。10月には合計15人、9月は合計8人、8月は合計42人、7月は一日あたり6~10人が受給者となりました。プレイヤーは各々のスキル、Axieチーム、プレイ時間に応じて一日100~200SLPを稼ぐことができます。だいたいの応募者は一日6~10時間を費やしてもよいとしています。 AxieのプレイヤーはAxie NFT自体を保有しているRoninウォレットにログインする必要はなく、大元の保有者が受給者にアカウントとパスワード、あるいはQRコード(最も一般的)を渡すだけでプレイが可能となっています。ゲームプレイを通して獲得したSLPはウォレットに着金し、そこからプレイヤーのアカウントへと送金されます。 資産状況 YGGの資産とトレジャリーのレポートによると、YGGは9月時点で814,812,378ドルをトークン(YGG, USDC, ETH, AXS, SLPを含む)として、17,616,712ドルをNFTとして保有しています。これは7月と比べてERC20トークンのポジション(393,983,391ドル)が206.8%、NFTのポジション(10,073,557ドル)が174.9%伸びたことを意味します。 特にNFTアセットの分野では、YGGは様々なゲームに分散投資を行っています。 [caption id="" align="aligncenter" width="800"] 表2: YGG設立時からのNFTアセットへの投資歴[/caption] [caption id="" align="aligncenter" width="800"] 表3: YGGのNFTアセット保有額とその内訳(USD; 7月と9月)。ソース: Asset & Treasury Report — July 2021 および Asset & Treasury Report — September 2021[/caption] [caption id="" align="aligncenter" width="800"] 図3: YGGのNFT保有額の内訳 (7月と9月)。YGGは徐々に投資資産および保有資産を分散している。[/caption] マイルストーン 2021年4月: Delphi Digital主導のラウンドで132万5千ドルを調達 2021年5月: 諮問委員会ラウンド1 2021年6月: BITKRAFT Ventures主導のラウンドで400万ドルを調達 2021年7月: a16z主導のラウンドで460万ドルを調達 2021年8月: 諮問委員会ラウンド2 [caption id="" align="aligncenter" width="800"] 図4: 資金調達状況[/caption] YGGの次の動き Axie Infinityに依存するだけでは、収益性に関して不確実性の問題が生じます (図1と図2を参照) 。これに対応して、YGGはポストAxie時代でこれまでの成長を維持するために、さまざまなゲームでクロスプラットフォームとクロスチェーンのプレゼンスを拡大しようと取り組んでいる。 9月のレポートからは、YGGがGuild of GuardiansとSplinterlandsへの投資を拡大し、Star Atlas, Influence, Thetan Arena (図3参照)といった新たなゲームも加えていることが読み取れます。さらに10月には、Cyball, RFOX VALT, MOBOXもポートフォリオに加えられています。 こうした直近の投資のうちCyballは、YGGの共同創設者であるGabby Dizon自身がアドバイザーとしてオンボードしている点から特に注目されました。 Cyballはサッカーをテーマにしたplay-to-earnゲームで、ユーザーはCyBlocs NFTを集めたり、取引したり、メンターや対戦に利用したりすることができます。YGGはCyBlockのGenesis NFTパックの一部を保有しており、これで少なくとも1000人分の受給者を賄うことができます。 CyballのCyBlocsには5つのクラスがあり、上のクラスにいくほど総合的な能力やレア度が高くなります。サッカーのスキルはタックル、パス、ドリブル、クロス、シュートとフィジカルの6種類あり、それぞれのCyBlocsはクラスに応じたランダムな値を持ち合わせています。プレイヤーはCyBlocsを鍛え、それぞれリワードの大きさのことなる様々なゲームモードで戦わせます。既存のCyBlocは最大3体のCyBlocのメンターになることができ、そのクラスや能力値を引き継がせることができます(これによりゲーム内のインフレーションも避けている)。 CyBallマッチエンジンは、試合中に発生する一連の重要なイベントに基づいて勝者を決定します。各キーイベントでは、CyBlocが1つまたは2つのスキルを競い合い、ゴールか引き分け (ゴールなし) のどちらかにつながります。 CyBallはCYB (CyBall Token)とCBT (CyBloc Battery Token)の2トークンシステムを実装しています。CYBはリーグやPVPトーナメント、ステーキングを通して得られるガバナンストークンです。CBTはエキシビション、リーグ、トーナメントといったPVPモードを通して得られるplay-to-earnのリワードとなるトークンです。これらのトークンはゲーム内やエコシステムの機能、新たなCyBlocのメンターなどに使うことができます。 YGGはポートフォリオを分散化し、完全な分散性確立に向けて前進する仕組みを開発しようとしているため、このパートナーシップは特に重要であるようです。さらにCyBallとYGGは、CyLoansと呼ばれる「自動化された奨学金型ローン(YGGの投資部長Jeff Holmbergの言葉を引用)」などの独自の奨学金制度も用意しています。 このメカニズムは、ゲーム内NFTレンタルおよび利益分配モデルに革命をもたらす可能性があります。CyBallとYGGのコラボレーションは、Axie-YGGタイプの古いゲーム・ゲームギルドのモデルを揺るがし、この業界で新しい動きを導くポテンシャルを持っています。 この記事を完成させているまさにその最中に、CyBallはBinance NFTとGuildFiとコラボし、11月4日午後1時(UTC)に世界初のトリプルIGO (Initial Game Offering)イベントを開催することを発表しました。 この記事を公開した約11時間後、このトリプルIGOは1分以内にすべてが売り切れるという驚異的な成功を収めました。 私たちはこのゲームのローンチに期待を寄せています。 記事引用 : MeteoLite Labs. Medium
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2021/10/19GoodFiパネルディスカッション「DeFiは2025年までにユーザー1億人を達成できるか?」【後編】
GoodFiは、「2025年までにユーザー1億人」を目指してDeFiに関する様々な教育情報やイベントを提供している非営利団体です。 こちらの記事では、GoodFiが主催で業界の第一線で活躍する海外ゲスト5名を招き、DeFi普及への最初の一歩について議論してもらうパネルディスカッションイベントの内容を紹介します。 司会はMaker DAOのJocelyn Chang氏、パネルはRadixのCEO Piers Ridyard氏、Sushiのマーケティング担当Amanda氏、Terraform LabsのSJ Park氏、そしてBancorのMark Richardson氏の計5名となっています。 「DeFiは2025年までにユーザー1億人を達成できるか?」ディスカッション後編 DeFi規制の盲点 ―世界中の当局は本当にDeFiを規制することができると思いますか?そもそも規制するべきなのでしょうか?イノベーションが阻害されるという意見もありますが... Richardson: 規制当局が「何十億ドルもの投資を集めるようなものは投資家保護のため最低限度の審査を行うべきだ」というのは非常にまともな意見だと思います。 それを理不尽だとか、政府が自分のコントロール外にあるシステムを引き込もうとしているなどとするのはナイーブな反論だと思います。 もしDeFiが何兆ドルものお金を動かすようになったら、それが悪用されると全世界が破綻する可能性だって現実味を帯びてきます。 また、同じプロトコルで取引をする相手が誤ってテロ組織であったりしないよう確認する必要もあります。 そういった点から、私は規制自体はよいものだと思っています。 しかし、DeFiを効率的に規制するにあたって、政府はそもそもDeFiの誕生自体が政府の能力欠如によるものだと認めるべきだと思います。 古い規制方法の失敗を徹底的に見直さなければ、DeFiを採択したところで新たな害になるほかありません。 Ridyard: また、規制をかけるにあたって警戒すべきは、乳母国家(Nanny state)的なシナリオです。 例えば、アメリカでは投資家に対する規制があります。一定額以上の資金を持っている人のみ購入できる商品が存在します。 非常にわかりやすい基準ですが、お金を持っているかどうかは相応する高度な知識を持っているかどうかとは全く関係ないのです。 持っているお金の額で「あなたは賢くないからこの商品を購入できません」と子供のように扱われることになるのです。 今は「自由度を探る時期」 ―Amandaさんに質問です。Sushiには規制当局に対するコンプライアンス部門や法務部門はありますか? Amanda: Sushiにはそのような部門はありません。DAOの持つ「止められない力」に対して規制当局がどのようなルールを作るのかには興味があります。 Richardson: Bancorのバージョン1は100%KYCのみ、資金洗浄対策にも完全準拠の形で運営していました。 これは、私たちは取引所で、よってほかの取引所と同じく法律に拘束されるという法的なアドバイスをもらったからです。 そのためもし当初流動性プールをやろうとしていたら、都度書類を作成してサインする必要があったことでしょう。 UniswapやSuhiSwapが大成功している今の時期は、規制当局がどれくらいまで自由にさせてくれるかを探っている時期なのではないかと思います。 「2025年までにユーザー1億人」に向けて ―私たちはDeFiの利用者を増やすために何ができるでしょうか?2025年までに1億人のユーザーを獲得するためには何が必要だと思いますか? Ridyard: インターネットの黎明期には、まずインターネットを利用してもらうためにコンピューターを買うよう説得しなければなりませんでした。 次に必要なのはインターネットに接続するよう説得すること。これは場合によっては電話回線が使えなくなることを意味しました。 そして、Webブラウザというソフトウェアを使うよう説得すること。どれも全く当時の人々にとって直感的なものではありませんでした。 GoodFiがやろうとしていることは、人々がこのDeFiという新しい分野で最初の一歩を踏み出せるようサポートすることです。 いきなり1万ドル投入する必要はありません。TerraやRadixに数ドル入れて、ツールを学びましょう、というのです。 これは私が自分のチームでもいつもやっていることです。新人が来たら、500ドルを渡して「DeFiで遊んで来い」と言うんです。 こういった人たちが試行錯誤しているうちに「あっ」と気付く瞬間があり、それがムーブメントを生み出すのです。 DeFiに1億人を呼び込むにはただ「DeFiは素晴らしい」で終わる人ではなく、DeFiが楽しすぎてほかの人まで連れて来るような人を10000人集めるべきだと思います。 大切なのは「金融リテラシー」 Richardson: コンピューターを当初人々に使ってもらえなかったのは、コンピューターが高かったからではありません。80年代後半から90年代前半にかけて技術的なリテラシーが非常に低かったからです。 このタイムラグを埋めるには、そのテクノロジーが登場した世代に生まれた人々が必要になってきます。彼らが10代のときに普及させるわけです。デジタルネイティブと呼ばれる人たちですね。 このように私たちも、DeFiが登場した今生まれてきた子どもたちが今後いかに使いこなせるようになるかを求めるべきだと思います。 また、DeFiは技術リテラシーだけの問題ではなく、金融リテラシーの問題でもあります。 DeFiは、金融業界のプロに判断をお願いするような場所ではありません。個人が適切な金融的判断を行う場所です。これは教育上の大きな負担です。 インターネットが普及したころ「子供たちに学校でコンピューターの使い方を教えなければ」という話になったように、これからはスマートコントラクトを監査し、トークンエコノミーが正常なものかといった議論をするクラスが必要になってくるわけです。 実際、世界はこの方向に向かっていると思われます。そしてこれが、DeFiが地球上すべての人が利用するにまで至る過程のボトルネックだと思います。 DeFi 活躍の未来 ―みなさんはDeFiとの融合という観点で、どの産業分野に注目していますか? Richardson: 私は世界中でDeFiにGOサインが出た時、金融機関がどのようなことを始めるだろうか、という点に興味があります。 AaveでETHを貸し出したり、WBTCをChainlinkで取引したいとは思っていないはずです。 きっと、リスク移転、保険リンク証券(ILS)、銀行間のオーバーナイトレンディングなどの膨大なキャピタルを誇るものは、もっとDeFiがこれから目を付けていくべきものだと思います。 まだまだ現状とはかけ離れているように思えますが、こういった大口機関のマネーが入ってきてからではすでに遅いのです。 彼らが「カリフォルニア州で地震保険をかけたい」と言い出したときにすぐ使える商品がなければいけないわけです。 こういったプロダクトには膨大な作業が必要になりますし、プロトコルのTVLには政府の補助が必要になります。 私たちはこういったことにもっと注目すべきなのではないでしょうか。 Ridyard: DeFiはいまビットコインやイーサリアムをはじめとする内在的な資産を作ること、そして、ステーブルコインなどの貨幣を作るところまで来ました。 資産、そして決済の手段までできた次の層は無期限、合成資産、スワップなどのデリバティブです。これは決済手段とデータフィードがあればほかに何も必要ありません。 そしてその上には、現実世界の資産を決済する手段、これが必要になってくるでしょう。 そして、DeFiを従来の金融に統合したネオバンクやフィンテック企業が、インフレに負けない、またはそれ以上の成果を出すソリューションを提供できるようになれば、大口の金融機関が入る余裕を生み出すことにつながります。 そしてそれが何億人ものユーザーを呼び込むことになるのではないかと思います。 まとめ 以上が「DeFiは2025年までにユーザー1億人を達成できるか?」ディスカッション後編のダイジェストになります。 DeFiプロジェクトが激しい競争で切磋琢磨する中、各国政府は正しい投資家保護策を実施することが求められていることがよくわかりました。 また、DeFiが「2025年までにユーザー1億人」を達成するためには、コミュニティがユーザーの金融リテラシーの重要性を積極的に広め、さらに大型金融機関の参入に対してじゅうぶんに準備を整えておくことが大事とのことでした。
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2020/08/06兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【8月6日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 ようやくBTCが10500ドルを突破し、久しぶりに大きな上昇が見られましたが、皆さんはこの上昇に乗れましたでしょうか? かくいう私は、兼業になって初めてのお盆休み前納期RUSHにより、全然手を付けれておらず、ノーマネーでフィニッシュでした() さて、それでは今回もBTCの分析から進めていきましょう! BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。 分厚い抵抗帯である10500ドルを大きく上抜け、逆三尊の成立させたのち、現在は11000~12000ドルの間にて乱高下しながら推移していますね。 これまでは中期上目線、長期はヨコヨコといった状況が続いていましたが、今回の抵抗帯上抜けにより、恐らく長期も上目線に転換したと判断してもよいでしょう。 そして、次の目安となるのは、すでに一度上昇を阻まれている12000ドルの抵抗帯ですね。ここを抜けるとなると、最高値までの上昇も視野に入ってきそうですが、個人的にはこういった「12000ドルの上抜け」などの過熱感が急上昇するようなタイミングで、一度大きな急落が入るのでは?と見ています。 例えば、12000ドルの水平線上抜け後、抵抗帯の上抜けとして、再度買いが急加速することが想定されますが、その頭上には、黄色チャネルの上限が控えています。 ビットコインなどのダマシが多い通貨では、水平線ブレイクなどが「エントリーポイント」の目安になるのを利用して、ブレイクして安心しきった所、他のラインを参照して反転し、大幅下落…、といった推移が非常に多く見られます。 そのため、万が一12000ドルを上抜けた場合には、少し慎重に黄色チャネルでの反転下げをあらかじめ頭の片隅に入れておくとよいと思います。 それでは次に、少し拡大して中期チャートの分析に移りましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 10500ドル上抜けによる逆三尊成立により、今後は支持帯へと転換した10500ドルと先にお話しした12000ドルの抵抗帯間によるレンジ相場が展開されるものだと思われます。 また個人的には、この際に「どのようなレンジを形成するのか?」が非常に重要だと考えています。 例えば、10500ドルを上抜けるきっかけとなった直近のレンジ推移ですが、こちらは高値圏にもかかわらず、しっかりとした保ち合いを形成したため、買い方にとっても「どのタイミングで買うべきか?」が非常にわかりやすかったですよね。 このように、レンジが次の上昇へとつながりそうな形で展開された場合には、下からのロングが利食いされずらくなるため、その分下値が堅くなり、その次の上昇へとつながりやすくなりやすくなる…といった傾向があります。 そのため、今後は「黄色ゾーン内でどのようなレンジ推移を見せるのか?」に注目し、保ち合いなど、さらなる買いにつながり得る形となった場合のみ、追撃ロングを打ちこむといった立ち回り方が良いと思われます。 では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回想定されるシナリオは3通りです。 【青】14000ドル周辺まで上昇 ⇒チャネル接触後、一時反転下落 【白】黄色ゾーン内にてレンジ ⇒ブレイクで再度推進波へ 【赤】チャネル下限接触 ⇒チャネル接触後、再度上昇 現状から考えられる展開としては、上記の3パターンですが、10500ドル上抜けにより、勢いづいている状況を踏まえると、【青シナリオ】もしくは【白シナリオ】のような形で展開されていく可能性が高いのでは?と見ています。 また、赤シナリオのような、チャネル下限に接触後、再度高値更新を目指すような形となった場合、無理な上げ方となるため、以降買いが付きづらく、ダブルトップのような展開になる可能性が高いと思われます。 では、次にアルト市場を分析していきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) BTC価格は上昇傾向にありますが、ドミナンスは依然下落傾向にあり、資金がアルト市場へとしっかり流れている様子が伺えますね。 しかし、にもかかわらずBTC価格が下がっていないということは、市場に流入してきている資金も増加傾向にあるということですから、仮想通貨市場全体でみると、非常に良い状態になりつつあるといえるでしょう。 それでは少し拡大して、アルト市場のドミナンスを見てみましょう。 やはり、ETH(イーサリアム)が群を抜いて上昇していますね。また、その陰に隠れて、XRP(リップル)もしっかりとした上昇を見せています。 今回の要注目ポイントとしては、この2通貨の上昇の裏でリスク回避ムード時に上昇する傾向があるUSDT(紫)、ならびにマイナーコインらを表すOthers(緑)のドミナンスが、先述した2通貨の上昇に伴い、下落に転じている点でしょうか。 これらのドミナンス下落を踏まえると、BTCからOthersに資金が流出したものの、BTCに対する疑心暗鬼により、並行してリスク回避通貨であるUSDTが上昇、その後、Othersの急上昇により、ETH、XRPへの資金移動が発生。 さらに、このマイナー通貨からメジャー通貨への資金移動により、それまでアルトの上昇に対し、疑念を抱いていたトレーダーらが、USDTから資金を引き揚げ、上昇傾向にあったETH・XRPへと資金を移動させたといった流れだと思われます。 それらを踏まえると、資金の流出元となったと思われるUSDT・Othersのドミナンスは、依然高値圏にて推移しているため、引き続き、この2通貨からメジャー通貨への資金流出も十分に考えられるでしょう。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 【BTC】10500~12000ドルのレンジ ⇒一時様子見が無難 【アルト】ETH・XRPを要注視 ⇒上記2通貨からの資金循環も視野に 仮想通貨市場としては、先日のBTC10500ドル上抜けを機に、全体的にかなりいい方向へと進んでいますが、崩れる時はいつも一瞬です。 そのトリガーが何になるかは定かではありませんが、こういった状況だからこそ、うまく上昇に乗れている方は、出口を探しながら立ち回っていかれることをおすすめします。 ということで、今回は以上とさせていただきます。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2020/07/15兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【7月15日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 かなりお久しぶりの更新となってしまいましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? お休みしている間、アルト市場では大きな動きがあったものの、BTCは微動だにせず依然9200ドル周辺で停滞していますね。5月から続く、非常に長い停滞ですが、停滞の先には必ず大きな動きがあります。 ということで、今回もBTCならびにアルト市場について、しっかり分析していこうと思いますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします! それでは早速、BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。 長期間のトレンドを示す指標、移動平均線200期間(赤)が依然水平推移を見せており、ざっくり見た感じ、日足では「停滞相場」という印象ですね。 恐らく、上には分厚い抵抗帯、下にも実績十分な支持帯と挟み撃ちになってしまっているため、出来高減少に伴い、様子見しているトレーダーが多いのだと思われます。 とはいえ、高値圏でこれだけ停滞を続けているのは過去の推移を見ても非常に珍しいですね。中でも前回、前々回の10500ドル到達時の推移と比較すると、これまでとは明らかに異なる辛抱強さを感じます。 この点を踏まえると、個人的には今後上方向に展開される見込みの方が高いのでは?と見ています。 それでは次に、少し拡大して中期チャートの分析に移りましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 現状、4時間足では白ラインにて綺麗な保ちあいを形成していますね。恐らく、この上抜けor下抜けから大きな変動に繋がってくると思われます。 個人的には、先に述べた、高値圏での停滞(=比較的強い上目線)を踏まえると、ブレイク後の急激な変動により脳送れる可能性もありますし、保ちあいのサポートライン周辺にて買いを入れておきたいと考えています。 では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回想定されるシナリオは2通りです。 【4時間足】保ちあいの上抜け ⇒10500ドルまで上昇 【4時間足】保ちあいの下抜け ⇒7500ドルまで下落 このように、どちらに振れたとしても、かなり大きな値幅が期待できるため、リスクリワードとしても非常に優秀なポイントだと思います。 そのため個人的には、ブレイクに乗り遅れないためにも、長期目線を重視してなるはやで仕込んでいきたいなと考えております。 では、次にアルト市場を分析していきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) さて、長らく停滞を続けていたBTCですが、ドミナンス上は下落推移を見せており、資金がアルト市場に流れつつある様子が伺えます。 それでは少し拡大して見てみましょう。 中には、引き続き停滞を見せているアルトも存在しますが、全体的に上昇傾向になることが伺えますね。BTCのドミナンス下落を踏まえると、やはりBTC⇒アルトへと資金が流入してきたのでしょう。 そしてその中でも、一際目立つ推移を見せているのが「Others(緑)」です。(Othersとは、アルトコインの中でもBTC建てでしか取引ができないようなマイナー通貨らを指します) 恐らく、このOthers急上昇の背景には、BTCの価格停滞により、このようなマイナーアルトにも手が出しやすくなったことに起因しているのだと思われます。 さて、ここからの展開についてですが、先にもお話ししたように、現状資金はBTC⇒マイナーアルトへと流れつつあります。そのため、以降は「マイナーアルトの利食い」がネックとなります。 具体的に言うと、「Othersのドミナンスが利食い下げした時に、どの通貨に流れるのか?」ですね。 例えば、Othersから再度BTCに流れ、そこからUSDTやfiatに流れるような展開となれば、せっかく入ってきた資金が市場から流出するわけですから、再度BTCをはじめ、市場全体が下落傾向となる可能性が高いと思われます。 しかし逆に、OthersからBTCやメジャーアルトなどに流れた場合には、資金が市場内に留まるわけですから、その分参入資金が多ければ多いほど、仮想通貨市場としての今後の伸びしろも大きくなります。 そのため、ここからは「Othersの利食い資金がどこに流れるのか?」に要注目です。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 【BTC】長期は上目線 ⇒保ちあいブレイクまでは様子見 【アルト】BTC⇒Othersへ ⇒Othesからどこに流れるか?に注目 ざっくりまとめますと、こんな感じでしょうか。 先にもお話ししたように、BTCが長らく停滞を続けている状況ですが、高値圏での停滞、さらには俗に言うシンプソンズチャートを形成せず、次につながる保ちあいを形成しているという点からも決して悲観すべき状態ではないと思われます。 もちろん、アルト市場の動向にもよりますが、個人的にはこのようなBTCの底硬さを見込んで徐々に買い集めながら、アルトの資金循環を監視していくような形で立ち回っていこうと思います。 今回は以上とさせていただきます。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ)
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2020/06/16兼業トレーダーえむけんの仮想通貨市場分析!【6月16日】
みなさん、こんにちは!えむけん(@BinaryMkent)です。 梅雨と35度を超える猛暑日のダブルパンチで絶賛夏バテ中ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? さて、私と同じくヨロヨロと夏バテ気味な推移を見せているBTCですが、さすがにそろそろ決着がつきそうな様子ですね。ということで、今回も気合いを入れて分析していこうと思います! それでは早速、BTCの分析から進めていきましょう。 BTCチャートの分析 BTCチャート(長期) こちらが、現在のBTC(日足)になります。まずは、一度ここまでの流れを振り返ってみましょう。 昨年の夏から、黄色チャネルを形成しながら下落を続けていましたが、2020年に入ってから上抜け、一時大きくリバウンド。一時安定的な上昇を見せるも、直近に大きな上ひげを付けた10500ドルを境に再度大きく下落してしまいました。 その後、一時5000ドルを割り込む急落を見せるも、黄色チャネルの下限接触を機に再度急上昇を見せ、現在は10500ドル周辺にて推移しています。 現在、10500ドル直前の為、上抜けへの期待が高まりつつありますが、日足で見てみると直近高値にて、ダイバージェンス(上昇の転換示唆)が発生しているため、時期に大きく下落しそうな雰囲気ですね。 では次に、少し拡大して中期チャートを見てみましょう。 BTCチャート(中期) こちらが中期チャート(4時間足)になります。 中期チャートを見てみると、黄色チャネル下限への接触以降、少し不格好ですが、白チャネルを形成して推移しています。 上限上抜け以降の推移を見る限り、チャネル上限の信頼度は高そうですが、すでにチャネル上限を下抜けているため、以降は直近の推移にて固まった青サポートラインを元にした判断がよさそうですね。 また、この青サポートを下抜けた場合には、再度チャネル下限に向けて下落すると思われます。このチャネルはこれまで長く機能してきましたが、下限にはチャネル形成以降、長らく接触していないため、青サポートを下抜ける展開となった場合には、大きく下落する展開も想定されます。 では、これらを元に現状から考えられる今後のシナリオ、その考察に移りましょう。 BTCチャートの総評 さて、それではBTCチャートについてまとめていきましょう。今回想定されるシナリオはざっくり2通りです。 青サポート下抜け(緑) ⇒チャネル下限へ 青サポートで反発(橙) ⇒チャネル上限へ 取り急ぎ、「現状の青サポート周辺にてどういった推移を見せるのか?」がカギとなりそうですね。 どちらかといえば、直近で上昇終了示唆のダイバージェンスが発生しているため、下抜けの見込みの方が高いですが、これを維持したまま再度チャネル上限に向かうようでしたら、10500ドル突破も徐々に現実味を帯びてくるでしょう。 それでは、次にアルト市場を分析していきましょう。 ドミナンス分析 ドミナンスチャートに関しては、「Trading View」を参考することにしております。(外部リンク:https://jp.tradingview.com/markets/cryptocurrencies/global-charts/) ドミナンスからは、市場に大きな変化はないように見えますが、ビットコインのドミナンスが上昇に転じつつある点が少し気になりますね。 またそれと並行して、その他のアルトコインもわずかながらドミナンス上昇を見せており、徐々に市場が温まりつつある様子が伺えます。 それでは、少し拡大して見てみましょう。 やはりETH(橙)やOthersなど、アルトドミナンスは上昇傾向にありますね。しかしそんな中、Tether(紫)のドミナンスが下落していない点が気になります。 こういったBTC・アルトのドミナンスがともに上昇傾向にある際には、多くの場合リスクオンとして、Tether(紫)からBTC・アルトへと資金が流出し、それにより、BTC・アルトのドミナンスがともに上昇に転じます。 しかし、Tether(紫)を見てみると、そんな様子一切なく、依然ドミナンスは高値圏を維持しています。では、BTC・主要アルトに流れてきた資金はどこから来たのでしょうか? 恐らくこの資金源は、その他の長期間下落傾向にあるアルトコインだと思われます。 アルトコインは非常に数が豊富なため、資金が分散してしまいがちです。特に、長期間ホールドされ続けている通貨については、仮想通貨市場内の資金がそこに停滞してしまうため、市場の流動性も低くなり、悪影響となりかねません。 そのため、このように長期間ホールドされている通貨から資金が取引が豊富な通貨へと移動してくる兆候は、仮想通貨市場にとっては大きなプラスになると思われます。 総評(まとめ) さて、それでは最後にまとめに入りましょう。 【BTC】青ラインに注目 ⇒抜けたら急落の可能性 【アルト】長期下落アルトからETH・Othersへ ⇒市場にとってよい兆候 依然高値圏で推移しているとはいえ、依然方向性に欠ける展開ではありますが、一時下を向きかけているからこそ、それを否定してしまえば、大きな壁である10500ドルの突破も見えてきます。 そのため、まずは「BTCが一つ一つのラインに対してどう動いていくのか?」を見届けつつ、今後どのようにして長期ポジションを作っていくか?について判断を怠らないようにしましょう。 ということで、今回は以上とさせていただきます。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 現在、私えむけんが制作した動画教材『7日間でマスター!テクニカル分析とそれを元にしたトレード戦略』、好評販売中です! 今回のような、BTC分析やアルトコイン投資などの立ち回り方についても解説しておりますので、是非ご覧ください!(詳しくはコチラ) CRYPTO TIMESオススメの取引所 国内取引所 TAOTAO(タオタオ)-Yahoo!子会社と提携!注目の国内取引所 Yahoo!子会社と業務提携する今期注目の取引所 TAOTAO(タオタオ)はもともとビットアルゴ取引所東京という名前で運営されていた取引所です。2019年2月に会社名の変更に伴い、TAOTAOという名前になっています。Yahoo!子会社業務提携している、今期注目したい取引所の1つです。TAOTAOでは現物取引(販売所形式取引)のほか、レバレッジ取引にも対応しています。 人気・知名度 [star rating="4"] 取引の種類 現物取引(販売所) レバレッジ取引 取引手数料 BTC現物:無料 BTCFX…無料 【運営のコメント】 TAOTAOはPCでの使いやすさはもちろん、スマホアプリもリリースされており、初心者の方でも使いやすい取引所になっています。また。手数料無料キャンペーンや友達紹介キャンペーンなど、独自のお得なキャンペーンが多いのも特徴です。キャンペーン開催時にはとくに盛り上がる取引所なので、早めに登録しておいて損はありません。 登録方法を確認する 公式HPを見る bitFlyer(ビットフライヤー) 人気・知名度No.1の仮想通貨取引所 bitFlyerは日本の国内仮想通貨取引所の中でも人気・知名度ともにトップクラスの取引所です。 ====================== ※調査委託先マクロミル インターネット調査「仮想通貨・暗号通貨取引サービスに関するアンケート」/調査実施:2019 年 8 月 15 - 16 日 対象:仮想通貨ユーザー 20 - 59 歳の男女 1,033 人 ====================== SMBCベンチャーキャピタルやみずほキャピタル、三菱UFJキャピタルなどの多くの大企業のVCが株主として投資しており、セキュリティ対策などもバッチリです。初心者向けの販売所はもちろん、取引所やビットコインFX、決済サービスまで用意されています。 人気・知名度 [star rating="5"] 取引の種類 仮想通貨の現物取引 レバレッジ取引 仮想通貨の先物取引 取引手数料 BTC現物…0.01 ~ 0.15% BTCFX…無料 販売所…無料(スプレッドの負担あり) 【運営のコメント】 bitFlyerではビットコイン・アルトコイン販売所、取引所、レバレッジ取引などを利用することができます。1つの取引所で一通りのことができるので、国内の仮想通貨取引所でどこに登録しようか迷った場合は、とりあえずbitFlyerに登録しておくと良いですよ! 登録方法を確認する 公式HPを見る 分かりやすさ重視なら「Coincheck(コインチェック)」 人気・知名度 [star rating="4"] 取引手数料 無料 ※建玉管理料やスワップは別 XRPの取扱い 現物取引 販売所方式 XRPの取引量 普通 アプリの使いやすさ・見やすさは業界No.1「Coincheck(コインチェック)」 Coincheck(コインチェック)は国内知名度No.1仮想通貨取引所です。「販売所方式」で初心者でも簡単にXRPを購入できます。 昨年の流出事件で一時はサービスを中止していましたが、金融庁の厳しい業務改善命令を受けてセキュリティ面を改善し、現在は通常どおり運営しています。 取引所(板取引)方式でXRPを購入するよりも多少値段が高くなりますが、スマホアプリなども使いやすいため初心者におすすめの取引所です。 登録方法を確認する 公式HPを見る 海外取引所 Binance Futures 海外取引所において、Binanceの知名度は業界No.1です。 様々なアルトコインの取引は勿論のこと、先物取引やレバレッジ取引、オプション取引などまで対応しています。 人気・知名度 [star rating="5"] 取引の種類 現物取引 レバレッジ取引 先物取引 取引手数料 BTC Futures…0.02-0.04% 【運営のコメント】 Binanceでは新しい商品をすごいスピード感で出してきます。Binance Futuresはアプリからの使い勝手も非常によく、出来高も多いため、取引をこれからという方は是非空けておいたほうが良い取り引き所の1つです。既に口座を開設済みだけど、Binance Futuresを利用していないユーザーは "cryptotimes" のコードを入れたら手数料の10%が戻ってきます。 登録方法を確認する 公式HPを見る