1.25兆円分のビットコイン売却の真実?知られざるピザデーの裏側
Crypto Times 編集部

毎年5月22日になると仮想通貨界隈では「ビットコイン・ピザデー」として知られる記念日が話題になり今年も各地でイベントが行われました。
この日は一般的にラズロ・ハニエッツ (Laszlo Hanyecz) という人物が2010年に10,000ビットコインでピザ2枚を購入した日として語り継がれています。現在の価格で換算するとその価値は約11億ドル(約1,600億円)にも上ります。
しかし、実はこの物語には隠された真実があるとポッドキャスト番組『The Mining Pod | Bitcoin Mining News』に登場したCharlie氏とColin氏は話します。
ハニエッツ氏が実際に使ったビットコインは10,000枚どころではなかったというのです。
80,000 BTC(ビットコイン)がピザに消えた
番組によるとハニエッツ氏は2010年の1年間で80,000BTCをピザ代として使用していたといいます。これは現在の価格で換算すると約1.25兆円に相当する金額です。
ハニエッツ氏のウォレットアドレスを追跡した結果、以下のような内容が判明したとしています。
- ウォレット残高のピークは43,854 BTC
- 総流出入額は81,432 BTC
- 2010年中に80,000 BTCを支出
- 2011年6月までにウォレットは完全に空になった
ハニエッツ氏自身も後に「すべてピザに使った」と語っており、これは決して誇張ではないことが指摘されています。なぜハニエッツ氏はそれほど多くのビットコインを持っていたのでしょうか。
この疑問の答えはハニエッツ氏のもう一つの重要な側面である「GPU マイニング」の発見にあるといいます。
GPU マイニングの革命
2010年5月10日、ハニエッツ氏はビットコイン史上極めて重要な発見をしたといいます。それまでビットコインのマイニングはCPUで行われていましたが、ハニエッツ氏はGPUを使用することでマイニング効率を約10倍向上させることに成功したのです。
この発見により、ハニエッツ氏は1日1〜2ブロックから1時間に1〜2ブロックの生成が可能になり、ビットコイン全体の供給量の1〜1.5%を保有、当時のビットコインネットワークの約6分の1を占める計算力を獲得したといいます。