分散型金融「DeFi」を利用する上でのリスクを徹底解説
   公開日 : 2022/01/01

分散型金融「DeFi」を利用する上でのリスクを徹底解説

airutosena

中学生の頃から仮想通貨に触れていて、今でも仮想通貨が大好きなライターです。

ct analysis

「APY100%」といった高利回りの案件が散見されるDeFi。

高い利回りに注目が集まることが多い一方で、インパーマネントロス・税金・詐欺トークンなど、さまざまな「リスク」が存在しています。

しっかりと注意点を押さえておかないと、最悪の場合、大事な仮想通貨を失う可能性も否定できません。

この記事では「DeFiを利用するなら知りたい」DeFi関連のリスク・注意点について解説しています。

*下記動画でも同様のトピックを紹介しているので是非参考にしてください

利用者増の一方でDeFiはリスクだらけ?!

日々、さまざまなサービスが登場しており、進化が著しいDeFi。

場合によっては、年間数百%〜数千%といったリターンが狙える運用方法もあり、魅力的な面がクローズアップされがちです。

しかし、DeFiには無視できないリスクが多数存在しています。

成長を続けるDeFiの現状とリスクの概要を押さえていきましょう。

成長を続けるDeFi

DeFiは年々、順調に利用者を伸ばしており、タイミングによって細かな増減はあるものの、基本的にロック額も上昇傾向です。

CT Analysisによると、2021年2月から2021年8月の約半年間において、イーサリアムにおけるDeFiユーザーは倍増しています。

ロック額も数ヶ月単位で増減しているものの、半年〜年単位で見ると増加しており、成長が続いていることが分かるでしょう。

このようなデータから、現状DeFiは成長を続いているといえ、今後もこの傾向が続く可能性はあるでしょう。

CT Analysisでは、上記のような仮想通貨に関する詳細なデータ・情報をまとめたレポートを無料で公開しています。

もっと詳細・高度な仮想通貨に関する情報を知りたい!」「クリプトオタクとして進化したい!」といった方は、ぜひCT Analysisを御覧ください。

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リスク・課題は多い

DeFi全体の成長が著しい一方で、DeFiには多数のリスクが存在しています。

身近なもので言えば、流動性プールに資金を預ける際のインパーマネントロスや、レンディングサービスを利用した際の担保の清算リスクなどが挙げられます。

この他にも、RugPull・税金の問題など、DeFiに関する注意点・リスクは軽視できるものではありません

利用者が増加し、どんな人にも身近になり得るDeFiですが、その一方で注意点・リスクは利用前に押さえておきたいと言えます。

DeFiにおける代表的な5つのリスク

これから、DeFiにおける代表的なリスクを、5つの観点からご紹介していきます。

あくまで一例であって、以下の項目を確認すれば、リスクを全て押さえたとは言えません。

各サービスによって独自のリスクを持っていることも多いので、サービスを利用する前に予めリスクについてリサーチしておくことを推奨します。

【持ち逃げ】RugPull

DeFiにおける代表的なリスクの1つが「RugPull」と呼ばれるものです。

DeFiにおけるRugPullとは、プロジェクトの運営・開発サイドの人間が、DEXの流動性プールなどから、流動性(プール内の資金)を奪うことを指しています。

つまり、運営・開発サイドによってプールを持ち逃げされるといったもので、DeFiの特性上、最も想像しやすいリスクの1つではないでしょうか。

実際に、過去RugPullが発生した事例はいくつもあり、DeFiを利用する際に注意したいリスクの1つです。

【預けるだけで損失】インパーマネントロス

DEXなどで、リターンを目的として流動性の提供などを行う際に注意したいのがインパーマネントロスです。

多くのサービスに共通しているリスクなので、DeFiを利用する際は必ず押さえておいた方が良いでしょう。

インパーマネントロスの概要

インパーマネントロスとは、日本語で変動損失のことです。

通常、DEXなどに流動性を提供する際は、仮想通貨を2つのセットで提供します。

この際に、流動性プールに提供される仮想通貨のペアの価値は1:1である必要があります。

例えば「ETH = 10ドル」「BTC = 50ドル」というレートであった場合は「ETH 5枚・BTC 1枚」という枚数で、流動性を提供する必要があるということです。

しかし、仮想通貨は日々価格変動が発生しています。

殆どのケースで流動性の提供後に、通貨ペア間において価格が変動し、通貨ペア間の価値のバランスが変わります。

そのような価格変動が発生した際に発生する損失が、インパーマネントロスです。

基本的に流動性の提供を行う際には、損失の大小はあるものの、インパーマネントロスは発生します。

以下の動画では、インパーマネントロスが発生する原理について、簡単に解説しています。

インパーマネントロスによる損失の例

気になるのは、どの程度インパーマネントロスが発生するのか?という点でしょう。

DeFiは利回りが高いことが少なくないため、ある程度のインパーマネントロスは許容できるケースが多いです。

BINANCE ACADEMYのデータを参考にすると、一般的なインパーマネントロスの損失の%は、以下の通りです。

価格変動の%によって、損失の%も相関して増えていることが分かります。(価格の上下を問いません)

また、押さえておきたい点があり、インパーマネントロスというのは「通貨ペア間における価格変動」が問題であるという点です。

そのため、もしも5倍の価格変動が発生したとしても、流動性を提供した通貨ペアのどちらも同じように5倍の価格変動が起こっているなら、インパーマネントロスは発生しません

片方の通貨だけに価格変動が発生した場合」にのみ、インパーマネントロスは発生します。

【多額の納税】税金関連のツールが整ってない

仮想通貨関連の税は複雑になりがちですが、DeFiを利用した運用となると、殆どのケースでより複雑なものになります。

また、DeFiが流行して間もないため、税金を計算するツールなども充実しておらず、非常に不便な状況が続いています。

現時点では、DeFiの利用に伴う以下のようなアクション・手順において納税の対象となる可能性があるでしょう。

  • スワップ(換金)
    (取得価格とスワップ時の差額によって損益が発生)
  • ステーキングやレンディングによる利益
  • 流動性提供における解除時の損益など

DeFiを利用する際は、上記のようなアクション・手順を何度も踏むことが少なくないため、法整備・ツールが揃っていない現状では、かなり複雑です。

中には、税に対する認識が足らず、脱税のような形になってしまうリスクというのも否定できません。

【価値が無くなる】トークンの価格が下落する

SUSHIトークン、CAKEトークンなど、DeFiのエコシステムへの貢献に対するインセンティブとして、独自のトークンが利用されることは少なくありません。

このようなトークンに共通しているのは「価格が下落するリスクがある」という点です。

例えば、著名なDEXであるSushiswapのSUSHIトークンは、創設者のSUSHIトークン売却によって、価格が10分の1程度に下落したことがありました。

Sushiswapの騒動に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

DeFi市場におけるAMM DEX「Sushiswap」の基本的な使い方・リスクを徹底解説! – CRYPTO TIMES

Sushiswapの一件とは異なり、はっきりとした理由が分からない場合であっても、DeFiが発行しているトークンが下落するリスクというのは十分にあります。

それに加えて、仮想通貨全体のボラティリティが非常に大きいことも考慮しなくてはいけません。

インパーマネントロスなどの損失を被った上で、独自トークンの価格も下落するといった事態になると、かなりの損失が出ることも予測されます。

【元々価値が無い】詐欺的なトークンを購入してしまう

海外仮想通貨取引所の取扱通貨と比較すると、国内仮想通貨取引所の取扱通貨のバリエーションが著しく乏しいことが分かります。

国内仮想通貨取引所が、新しく仮想通貨を上場させる際には厳しい手続きを踏む必要があり、不自由な反面、利用者にとっては安全が担保された仮想通貨を購入できるという側面があります。

国内仮想通貨取引所から見ると、取扱数の多いBinanceなどの海外仮想通貨取引所であっても、中央集権的な取引所であれば、上場には一定のハードルが存在していることが多いです。

しかし、UniswapといったDEXに関しては取扱・上場に際しての審査などを設けていないケースが多いです。

このことから、詐欺的なプロジェクトのトークンから、明らかに既存の通貨を真似たトークン(勘違いを狙っている)が取引可能なケースもあります。

DEXは自由度が高く取扱通貨も多い反面、玉石混交な点が否めません。

DeFiにおけるリスクの対処法

「DeFiを利用するのが怖くなってきた・・・」といった方も居るかも知れません。

しかし、代表的なリスクに関しては、工夫・コツによってある程度軽減可能なものが多いです。

1つ1つチェックしていきましょう。

RugPullはリサーチを徹底的に行う

RugPullを防ぐには、リサーチを予め徹底的に行なっておくのがおすすめです。

利用したいサービスの基本的な情報をチェックするのはもちろん、ネット上に公開されているさまざまな情報にアクセスしておくのがおすすめです。

リサーチを行う際は、基本的に日本語ベースではなく、英語ベースでのリサーチがおすすめです。(日本語ベースでの情報が少ないケースが多い)

また、テレグラム・Discordなど、コミュニティの盛り上がり具合や、各SNSのフォロワーなどをチェックしておきましょう。

さまざまな情報から総合的にチェックするという姿勢が必要です。(詐欺的なプロジェクトの場合は中身が伴っていないことも少なくないため)

参考情報の1つとして、コードのスクリーニングを行うことで、さまざまなDeFiを評価しているRugDocなどをチェックしてみても良いかもしれません。

ただし、各種情報を精査出来る自信がないといった方は、まずは既に知名度・実績を持っている代表的なサービスを利用することを推奨します。

インパーマネントロスは工夫次第でリスクを軽減

インパーマネントロスは構造上、避けにくい損失ですが、工夫次第ではかなりリスクを押さえた運用を行うことが可能です。

インパーマネントロスは、通貨ペア間における価格変動によって発生するため「通貨ペア間において価格変動が起こりにくい通貨」を利用することで、損失を押さえられます。

代表的なものでは「米ドルと価格が連動しているステーブルコインの流動性プールを利用する(USDT・USDCなど)」といったものが挙げられます。

また、ビットコインの価格は仮想通貨市場全体に影響を与えることが多いです。

このことから、ビットコインのステーブルコインを組み込みんだ通貨ペアなども、インパーマネントロスが発生しにくいでしょう。

「インパーマネントロス = 通貨ペア間の価格変動による損失」という点を意識して軸にすると、リスクの低い運用方法が見つけやすいはずです。

ただし「ステーブルコイン・ステーブルコイン」といった流動性プールは、他のリスクが高い通貨ペアに比べると、APYがあまり高くないことが多いです。

このことから、大きなリターンを狙っている方の場合は、物足りない運用となってしまう可能性があるでしょう。

税金の知見を持っておく

税に関するトピックについては、常に最新情報をキャッチして、知見を持っておくというのが最大の対策となるでしょう。

いくつか、DeFiに対応しているという点をアピールしている確定申告関連のサービスも登場しています。(Gtaxなど)

ただし、大きな規模(数千万円~数億円)の運用を行っている方は、既にトップレベルの知見を持っている税理士などに、相談するのがおすすめです。

費用は掛かってしまいますが、税関連の事故を出来る限り防げるメリットを考慮すると、安いものです。

独自のトークンは一定の頻度で換金しておく

トークンの価格下落に伴うリスクに対応するには「トークンの換金を行っておく」のがおすすめです。

「独自トークンの価格変動によるリスクを負いたくない」といった方は、できるだけ早く独自トークンを換金するのが一番でしょう。

高利回りを実現しやすい独自トークンのステーキングなども存在しており、一概に「換金を行う正しいタイミング」は存在していません。

ただし、少なくとも「独自トークンを保有すればするほど、そのプロジェクトに関連するリスクを取っている」という認識は持っておいた方が良いです。

また、あまりにも高頻度でインセンティブを獲得・換金していると、多額のガス代が掛かるケースもあるため、さまざまなリスク・コストを考慮した上で、利確タイミングを設定しておきましょう。

詐欺を避けるにはコントラクトアドレスなどを用いる

DEXにおいて詐欺的なトークンを掴まされないために、おすすめの方法が「コントラクトアドレス」を用いることです。

コントラクトアドレスを予めチェックしてから、取引を行うことで詐欺的なトークンを掴まされる可能性は、ぐんと下がります。

コントラクトアドレスを用いた取引方法については、Uniswapを例に、以下の動画で解説しています。

DeFiでの運用は余剰資金で

この記事では、DeFiのリスク・注意点という点にフォーカスして、さまざまな観点から解説しました。

進化が著しく、どんどん利便性が高まるDeFi界隈ですが、リスクについては忘れがちです。

DeFiにおいてはどんなことが起こるか分からないという点を押さえた上で、運用を行っていきましょう。

「DeFiを利用するのが怖くなった・・・」「もっと簡単に・できるだけ安全に仮想通貨を運用したい!」という方には、Coincheckの貸仮想通貨がおすすめです。

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