DEX(分散型取引所)とは?メリットやデメリット、代表プロジェクトを紹介
airutosena
この記事では、DEX (分散型取引所) について解説しています。
DEXはブロックチェーンをベースにスマートコントラクトを活用した仮想通貨の取引所です。
通常の取引所と比較してさまざまなメリットがあり、主要DEXのひとつであるUniswapでは1日あたり3.8億ドルを超える取引が行われています。
この記事では、そんなDEXの特徴や種類、メリットやデメリットなどについて解説しています。
この記事のまとめ
・DEXはスマートコントラクトを活用した取引所
・いくつかの種類ある
・CEXにはない仮想通貨が取引可能
・リスクがある面も否めない
・ウォレットと仮想通貨さえあればスタート可能
目次
DEX (分散型取引所) とは?CEXとの違いも解説
DEXの概要や種類について以下の順で解説していきます。
・DEXの概要
・DEXの種類
・CEXとの違い
DEXの大まかなポイントについてチェックしていきましょう。
DEXの概要
DEX (分散型取引所) は、ブロックチェーンを基盤とし、スマートコントラクトを使用してユーザー間の仮想通貨取引を可能にする取引所です。
取引に関するプロセスがブロックチェーンに記録され、スマートコントラクトを通して取引が実行されます。
多くのDEXにおいてKYC (本人確認) が不要で、ユーザーは個人のウォレットを通じて資産を直接管理します。
これにより、従来の中央集権型の取引所において懸念されてきたリスクが軽減され、匿名性の維持やプライバシーの保護が可能になりました。
DEXの種類
DEXにはいくつかの主要な種類が存在します。
注文の処理方法という点で分類すると、AMMとオーダーブックに分けられます。
AMM (Automated Market Maker:自動マーケットメーカー) のDEXは、スマートコントラクトで制御される流動性プールを通して仮想通貨取引を行うものです。流動性はユーザーから提供され、流動性を提供したユーザーには報酬が与えられます。
流動性プールには、2つのペアとなる通貨、もしくはそれ以上の通貨が存在しており、各通貨の枚数の変化や需要と供給に応じ自動的にレートが変化する仕組みです。
オーダーブックのDEXは、一般的な取引所と同様に売買注文をマッチングさせます。オーダーブックについては、取引の一部のプロセスがブロックチェーンの外で行われているケースもあります。
また、DEXの中にはデリバティブを扱っておりショートやレバレッジ取引が可能なものも見られ、各DEXによって仕組みや機能が異なることもあります。
CEXとの違い
CEX (中央集権型取引所) とDEXの最大の違いは、資産の管理方法にあります。
CEXには、取引や資産を管理する主体が存在し、ユーザーの資産をシステム内で管理し、取引を行います。
一方で、DEXではユーザーが自分のウォレットで資産を保管し、スマートコントラクトを通じてユーザー間で直接取引を行います。
自身が秘密鍵を管理しているウォレットに資産があるのがDEXと捉える一方、CEXを利用する場合は一度仮想通貨をCEXに送付する必要があり、送付してからウォレットに引き出すまでの管理の主体はCEXにある状態です。
特に海外の仮想通貨取引所には各国の規制や監視が行き届いていないものも見られます。そういった主体に資金を預けるのは、一定のリスクがあると言えるでしょう。
DEXのメリット
DEXのメリットについて以下の順で解説していきます。
・中央集権に関連するリスクやデメリットが無い
・上場の自由度が高い
・構成可能性の高さ
DEXが持つ強みをチェックしていきましょう。
中央集権に関連するリスクやデメリットが無い
繰り返しの内容にはなりますが、DEXには中央集権的な管理者が存在せず、スマートコントラクトを通してユーザー間で直接取引が行われるため中央集権に関連するリスクやデメリットがありません。
これにより、前述したカストディアルリスク (資産管理のリスク) や、管理者による不正操作の懸念が軽減されます。
また、取引データの透明性が保たれるため、不正取引や価格操作のリスクが低減されます。
さらに、多くのCEXで要求されるKYCも不要なので、匿名性が確保されることも特徴です。
ウォレットと仮想通貨さえあれば簡単に利用できるといったメリットも挙げられるでしょう。
上場の自由度が高い
この特徴は特にAMMに顕著にみられますが、DEXでは新しいトークンやプロジェクトが簡単に上場できます。
そのため、トークンの種類や選択肢が豊富なことに加え、新興の仮想通貨や革新的なプロジェクトに早期からアクセスできる利点があります。
CEXに上場する前の段階ですでにUniswapなどで取引できるケースは非常に多いです。積極的に新興銘柄を取引したい人は是非覚えておきましょう。
構成可能性の高さ
DEXは他のDeFiと同様に構成可能性が高いです。DEXではスマートコントラクトやトークンを活用しているため、異なるプロトコル間で様々な要素を組み合わせて利用可能です。
シンプルな例としてLPトークンの活用が挙げられます。UniswapなどのAMMのDEXでは、流動性プールに対して資金を提供するとそれを証明するトークン (LPトークン) が発行されます。
このトークンを他のDeFiプロトコルで使用・運用するといったことも可能です。
DEXのデメリット
DEXのデメリットについて以下の順で解説していきます。
・利便性が低い
・トラブルが多く一定のリテラシーを求める
・ウォレットの管理が難しい
DEXの弱いポイント、注意したい点をチェックしていきましょう。
利便性が低い
DEXはCEXと比較して利用者にとって利便性が低いことがあります。例えば、ユーザーサポートはCEXほど手厚くはない点が挙げられます。
また、UIの問題として、CEXで提供されることが多い高度なトレーディングツールや分析機能がDEXでは限られてしまいます。
さらに、日本語でのサポートがないことも多く、翻訳が必要なケースがあります。
トラブルが多く一定のリテラシーが求められる
DEXを利用するにはブロックチェーンやDeFiの運用における基本的な知識が必要です。
シンプルにスワップ (通貨の交換) をするだけであれば、ウォレットの使い方とUIの使い方が分かれば利用自体は可能です。
しかし、ガス代が予想以上にかかったり、トランザクションが通らないといった現象に遭遇することが考えられます。
また、前述の通りトークンの上場が容易であるため、悪意を持っているトークンやプロジェクトが含まれている危険性もあります。例えば、既存のトークンやプロジェクトを模倣した偽物が上場しているケースなどがあります。
流動性の提供が行えるのもDEXの特徴のひとつですが、大抵の流動性プールやプロトコルごとに独自のリスクや損失の可能性が存在しています。
さらに、スマートコントラクトでバグが見つかった場合、預けている (ロックしている) 資金が失われる可能性もあり、評判の良い大手のDEXであっても欠陥が見つかることが多いものです。
DEXに限らずどのようなDeFiでも、事前のリサーチを十分にした上でリスクをしっかりと認識して利用しましょう。
ウォレットの管理が難しい
DEXでは各ユーザーが自身のウォレットを管理する必要があります。
これには、秘密鍵の安全な保管、トランザクションの正確な実行、アドレスの正しい使用、承認したコントラクトやトークンの管理などのアクションが含まれます。
ウォレットの管理を誤ると、資産の損失や盗難のリスクが高まります。そのため、ウォレットのセキュリティと秘密鍵の管理には特に注意が必要です。
DEXの特性上、ウォレットは必ず利用しなければいけないため、上記のようなアクションは避けられません。
代表的なDEX 5選
代表的なDEXとして、以下の5つを解説していきます。
・Uniswap
・Curve
・PancakeSwap
・Balancer
・GMX
主要なDEXの概要についておさえていきましょう。
Uniswap
Uniswapは世界最大規模のDEXのひとつとして代表的な存在です。AMMの取引所としてはトップの取引量を持ち、TVLについてもDEX内でトップに位置しています。
イーサリアムやL2 (レイヤー2) 、BNBチェーン、Avalancheなど複数のチェーンに展開されており、様々な通貨がUniswapを通して取引されています。
2022年1月にはNFTアグリゲーターをローンチし、今後もUniswap V4のリリースに向け開発が進められることが示されており、さらに利便性が向上されることが期待されます。
AMMのDEXの利用を考えている方がまずはじめに触れることになるDEXと言えるでしょう。
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Curve
Curveは特定の資産と価格が連動しているステーブルコインの取引に特化したDEXです。UniswapのようなAMM系のDEXと同じように、Curveでは流動性プールを使用して取引を行います。
価格が安定しているステーブルコインを扱っているため、さまざまな通貨を扱っているAMM系DEXと比べてインパーマネントロスや手数料を軽減できることが期待されます。一方、AMM系DEXほど自由にプールを作成することはできないため注意が必要です。
他の主要なDEXと比較すると知名度では劣るかもしれませんが、ステーブルコイン取引においては利便性が高く、大きなシェアを持っています。
PancakeSwap
PancakeSwapはBNBチェーンからスタートしたAMMのDEXです。当初はBNBチェーンに展開するDEXでしたが、現在は主要なDEXと同じくイーサリアムやL2、その他多数のチェーンに展開されています。
BNBチェーンは他のイーサリアム系チェーンと比較してガス代が安く、手数料を抑えることができます。
スワップやパーペチュアル (無期限先物取引) といった売買機能に加え、ファーミング、ステーキング、ロッタリー (宝くじ) 、さらにはNFTマーケットプレイスなど、多様なサービスが利用できる点も特徴です。
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Balancer
Balancerは流動性に焦点を当てたプロトコルです。前述したDEXと同様に流動性プールを活用した取引を可能にしていますが、違いも見られます。
Balancerではプールの作成における自由度や柔軟性が高く、独自の仕組みや資産を持つ豊富なプールがあります。プールが持つ特性によって損失を抑えたり、効率性や利便性を向上させた取引が可能です。
スワップといったDEXとしての用途のみならず、Balancerの流動性を活用したさまざまなプロトコルに応用されています。
GMX
GMXは、GLPというトークンとそれに付随する流動性を活用して取引を行う分散型デリバティブDEXです。
GMXには様々な特徴がありますが、利用者目線から見たときの主なポイントとして、レバレッジ取引が可能であることや、狭いスプレッド、ゼロスリッページ、手数料の低さなどが挙げられます。
提供している機能やUIが従来のCEXと近いため、CEXの代替として使いやすさに優れる選択肢のひとつと言えるでしょう。
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DEXの始め方
DEXを始めるにあたって、最低限必要なものは仮想通貨とウォレットです。
仮想通貨の購入には国内仮想通貨取引所への登録が必要なので、まだの方はまずそこからはじめましょう。
はじめての国内仮想通貨取引所にオススメなのは「OKCoin japan (オーケーコインジャパン)」です。以下の記事でくわしい登録方法を解説しています。
OKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン)の登録方法から使い方まで解説!
次にウォレットの作成が必要です。ウォレットは使用するDEXのブロックチェーンに合わせて作成する必要がありますが、主要なDEXに幅広く対応するメタマスク (MetaMask) がオススメです。こちらも以下の記事で始め方を解説しています。
MetaMask(メタマスク)の使い方まとめ!入出金・トークン追加も超簡単
取引所への登録とウォレットの準備が完了したら、取引所で購入した仮想通貨をウォレットへ送金しましょう。
各DEXの使い方は異なっていますが、概ねウォレットとDEXを接続するだけで使用可能です。
まとめ
本記事では、DEXの特徴や種類、始め方について解説してきました。
DEXは仮想通貨の可能性や利便性を向上させ、主要なDEXでは日々アクティブに多額の取引が行われています。
今後も様々なDEXで積極的な開発やアップデートが行われる予定なので、是非DEX分野の動向を追っていきましょう。