分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説
   公開日 : 2022/12/31

分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」とは?始め方や使い方を解説

Daichi

仮想通貨やブロックチェーンを盛り上げるべく、幅広いテーマで初心者の方にもわかりやすく発信しています!

中央集権型取引所(CEX)への懸念が一部で高まりつつある中、従来以上に注目を集めているのが分散型取引所(DEX)です。

本記事では、近年特に需要が増加しているDEXの中の代表的なプロジェクト「Uniswap (ユニスワップ) 」について解説します。

この記事のポイント
  • Uniswap (ユニスワップ) ってなに?
  • どんな特徴があるの?
  • どうやって使うの?
  • 利用するうえでの注意点することは?

最近Uniswapに実装されたNFTの取引機能についても、実際の画像と共に使い方等を解説しているので、是非最後までご覧ください。

CRYPTO TIMES公式YoutubeチャンネルでもUniswapについて解説しています。こちらも併せてご覧ください。

Uniswap (ユニスワップ) とは?= 複数チェーンを基盤とするDEX

出典:Uniswap

Uniswapの概要
名称Uniswap (ユニスワップ)
公式リンクHP uniswap.org
Twitter @Uniswap
ティッカーUNI (UNI)
対応チェーンイーサリアム
Polygon
Optisimism
Arbitrum
Celo
対応ウォレットMetaMask
Coinbase Wallet
WalletConnect

Uniswap (ユニスワップ) とは、イーサリアムなどの複数のチェーンを基盤とするDEX (分散型取引所) であり、その自動取引を可能にする分散型プロトコルです。

2022年5月には累計出来高が1兆ドル (約127兆円) を突破し、同年12月にはNFT取引も可能になるなど話題を集めています。

Uniswapは年々注目が増しているDEXのなかでも代表的なプロジェクトのひとつで、最も出来高の高いDEXとしても知られます。

Uniswapの3つの特徴

Uniswap (ユニスワップ) の押さえておきたい主な特徴を3つに分けて解説します。

① スマートコントラクトによるAMM型DEX

Uniswap (ユニスワップ) はDEXのなかでも「AMM (自動マーケットメーカー) 型」に分類されます。

中央集権型取引所 (CEX) での取引は中央管理者を介してトレーダー同士で行われることが一般的ですが、AMM (自動マーケットメーカー) では中央管理者を必要とせず、スマートコントラクトとやり取りを行うことで取引が成立します。

AMM型DEXでは、流動性提供者 (LP: Liquidity Provider) が提供する流動性プールの通貨量に応じて、スマートコントラクトが該当の通貨ペアの交換レートを迅速に計算・決定します。

こうすることで、中央管理者を必要とせず、迅速・円滑な取引が実現します。

② 独自のガバナンストークン「UNI」

Uniswap (ユニスワップ) ではガバナンストークンとして「UNI」を発行しています。

UNIトークンは取引所で購入する以外に、Uniswap内で通貨をプールする方法でも獲得できます。

AMM型DEXでの取引は流動性プールに依存する仕組みであるため、通貨をプールする流動性提供者 (LP) はその対価としてUNIを受け取ることが可能です。

また、上記の手段で得られたUNIはガバナンストークンとしても機能するため、組織の意思決定に際して投票を行うことができます。

③ 仮想通貨の上場審査がない

分散型取引所 (DEX) であるUniswap (ユニスワップ) は、中央集権型取引所 (CEX) とは違い、仮想通貨の上場審査がありません。

イーサリアム規格「ERC-20」にて発行されたものであればどのような通貨でも上場が可能です。

そのため、主要なCEXには上場していないようなマイナー通貨でも取引できるというメリットがありますが、一方で詐欺コインなどのリスクも潜んでいます。

UniswapをはじめとするDEXは金融庁認可の取引所ではないため、その利用については細心の注意が必要です(利用に際して注意すべき点については記事の後半で解説しています)。

Uniswapの使い方

ここからはUniswap (ユニスワップ) の使い方を解説します。

まず、Uniswapの利用に必要なものが揃っているか確認しておきましょう。

用意するもの
  • イーサリアム(ETH)
  • ウォレット(MetaMaskなど)

まだウォレットを持っていないという方はこちらの記事を参考にしながら、まずはメタマスクウォレットを作成してみてください。

必要なものが揃っている場合はさっそく使い方の解説に進みます。

ウォレットに接続する

まずはウォレットをUniswapに接続しましょう。

まずはuniswap.orgにアクセスし、右上の「Launch App」を選択しUniswapのインターフェースを起動します。

次に画面右上の「接続」をクリックします。

接続するウォレットの選択になるので、任意のウォレットを選択肢、認証を進めます(ここでは例としてメタマスクで進めます)。

ウォレットが接続されたら、右上にウォレットのアドレスが表示されているはずです。

これでウォレットの接続は完了です。

トークンを交換 (スワップ) する

次はさっそくトークンの交換 (スワップ) をしてみます。

左上のタブから「スワップ」を選択し、スワップに必要な情報を入力していきます。

上が交換元の通貨、下が交換先の通貨となっているので、それぞれの通貨と金額を選択/入力します(ここでは例としてETHをUSDCにスワップしてみます)。

また、このとき交換先の通貨の表示の下に、ガス代 (手数料) も同時に確認することができます。

必要な情報を入力し終えたら、「スワップ」を選択します。

スワップの内容の確認が表示されます。

交換する通貨と金額、手数料、最小購入額 (変動する手数料を差し引いた後も保証される最少額) などが表示されます 。

確認して問題がなければ「スワップの確認」を選択します。

ウォレット側の承認を求められますので、指示通りに進めます。

スワップが完了すると以下のような画面になります。

これでスワップが完了しました。

NFTを取引する

次にNFT取引の方法を見てみましょう。Uniswapは最近の仕様変更でNFT取引も可能となりました。

まず、左上のタブから「NFT」を選択し、NFTのマーケットプレイスを表示します。

画面上部の検索窓で気になるNFTコレクションを検索してみましょう(ここでは例としてBAYCを検索してみます)。

UniswapのNFTマーケットプレイスでは、OpenSeaやX2Y2、LooksRareなどに出品されているコレクションをまとめてリスティングしてくれます。

気になるNFTが見つかったら、クリックして選択することで「バッグ」(≒通販サイトのカート) に追加が可能。同時に複数のNFTを選択しバッグに追加することもできます。

バッグに追加したコレクションを購入したい場合は、バッグに追加されているコレクション一覧の下部から「支払い」を選択し、決済を進めます。

プールへ預ける (流動性を提供する)

Uniswapでは通貨をプールに預け、流動性を提供することで、報酬 (利息とUNIトークン) を得ることができます。

まずは左上のタブから「プール」を選択し、表示されるメニューから「新しいポジション」をクリックします。

するとプールに必要な設定項目が表示されますので、以下の4項目を入力/選択します。

  1. 通貨ペア — 預け入れる通貨ペアを選択する。
  2. 手数料 — 0.01%, 0.05%, 0.1%, 1%から手数料を選択する。(わからない場合はデフォルトのままでもOK)
  3. 価格範囲 — 流動性を提供する価格範囲を絞ることができる。全範囲選択を可能だが、広く設定しすぎると利回りが低下する可能性もある。(わからない場合はデフォルトのままでもOK)
  4. 預け入れる通貨の数量 — 片方を入力すると、通貨ペアの数量が1:1になるよう自動で反映されます。

入力/選択を終えたら、「プレビュー」を選択します。

プレビューをクリックすると、 預け入れの内容の確認画面になります。

通貨ペア、数量、価格範囲、現在価格などの情報を確認し、問題なければ「追加」を選択します。

これでプールへの預け入れが完了しました。

預け入れ中のポジションは、同じく左上の「プール」タブから確認することができます。

各ポジションの詳細を確認するには、該当のポジションをクリックします。

ポジションの詳細が表示されました。

ここでは流動性の確認や、報酬の獲得、価格範囲や現在価格などが確認できるほか、プールの解除も可能です。

プールを解除する場合は「流動性を解除」を選択します。

解除する預け入れの数量の選択を求められます。このとき、獲得した報酬額についても同時に確認できます。

数量を設定した後「解除」を選択すると、再び解除内容の確認が表示されます。問題なければ「解除」を選択します。

これでプールの解除も完了となります。

Uniswapを利用するうえでの4つ注意点

Uniswap (ユニスワップ) をはじめとするDEXは金融庁認可の取引所ではないため、利用に際しては細心の注意が必要です。

ここでは特に気をつけるべき4つの注意点を解説します。

① ガス代が高い場合がある

イーサリアム系チェーンを使用するUniswap (ユニスワップ) では、他の非イーサリアム系チェーンを使用するDEXと比較してガス代 (手数料) が高くなる傾向があります。*相場によって変化します

そのため、利用に際してはまずウォレットに十分なETHを用意しておく必要があります。

さっそく取引しようと思ったのに高いガス代のために残高不足…なんてことになってしまう可能性があります。

また、こまめに取引するよりも一度にまとめて取引したほうがガス代の節約にもなるので、ガス代については常に意識しておきましょう。

② 詐欺コインが存在する

Uniswap (ユニスワップ) には上場審査がなく、ERC-20規格であればどのような通貨でも上場可能です。

そのため、主要な中央集権型取引所には上場しないマイナー通貨を取引できる一方、詐欺コインのリスクについては常に念頭においておくべきでしょう。

取引したい通貨が信頼できるものであるかや、選択しようとしている通貨が名前や見た目が酷似している異なる通貨でないかをしっかりと確認することが大切です。

また、対処法としてUniswapで通貨を選択する際には通貨名で検索せず、通貨の「コントラクトアドレス」をコピー&ペーストする方法があります。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. CoinGeckoCoinMarketCapの任意の通貨のページを開き、コントラクトアドレスをコピーする(どこに記載されているかわからない場合はCtrl+Fで「コントラクト」と検索する)
  2. Uniswapの検索窓にペーストし、通貨を選ぶ

流れ作業のなかで油断して詐欺コインにひっかからないよう注意しましょう。

③ インパーマネントロスが存在する

通貨をプールし流動性を提供することでその対価として報酬を受け取る、いわゆるイールドファーミングを行う場合、「インパーマネントロス」について理解しておく必要があります。

インパーマネントロスとは変動損失のことで、流動性プールに提供される通貨ペア間での価格変動によって発生する損失のことを指します。

プールに資産を預けた後はほぼ確実に通貨の価格変動は起きますので、損失額の大小に差はあれどインパーマネントロスはほぼ発生すると言ってよいでしょう。

より詳しい内容については下記の記事で解説しているのでチェックしましょう。

④ トークンの下落リスクがある

Uniswap (ユニスワップ) におけるUNIのように、インセンティブとしての独自トークンは価格が下落するリスクがあります。

過去には同じくDEXとして知られる「Sushiswap」のSUSHIトークンが、創設者自身の売却によって10分の1程度まで大きく下落するという騒動がありました。

また、上記のような明確な背景はなくても、仮想通貨はそもそもボラティリティが非常に高いため、下落するリスクは十分にあるということも理解しておく必要があります。

まとめ

代表的なDEXとして広く利用されているUniswap (ユニスワップ) の概要や使い方、利用の注意点などについて解説しました。

DEXは操作が複雑で難しい側面もありますが、うまく活用できればその大きなメリットを享受できることでしょう。

是非本記事を参考に、Uniswapを使いこなしてみましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Daichi
まずは簡単な通貨の交換からはじめてみるのもいいかもしれませんね!

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