ブロックチェーン開発の良さはシンプルなところ。BlockBase 真木大樹がブロックチェーンを通じて目指す未来とは
2019/02/23

ブロックチェーン開発の良さはシンプルなところ。BlockBase 真木大樹がブロックチェーンを通じて目指す未来とは

Rabbit【CRYPTO TIMES 公式ライター】

RabbitCRYPTO TIMES 公式ライター

仮想通貨について詳しく書いていきたいと思います。

2018年9月に設立し、主にブロックチェーンの導入コンサルを請け負いながら、自身たちでプロダクト開発も行なっている株式会社BlockBase。

BlockBaseは家入一真氏率いるNOWからの資金調達や、海外企業ORIGINとの提携、NFTマーケットプレイスである『bazaaar』のリリース発表などと非常に多くの話題が上がりました。今回は、CEOである真木大樹(さなぎたいじゅ)さんにお話を伺いました。

仮説検証を繰り返し、アウトプットを多く行うことでブロックチェーン業界でも一躍有名である真木さんのエンジニアとしてのリアルな話に迫っています。

今回のインタビューは2019年3月21日から23日にかけて開催される金沢工業大学主催・NEO Global Development協賛のブロックチェーンハッカソンの企画のもと実施しています。ハッカソンに参加する学生やエンジニアの皆さんに、先輩ブロックチェーンエンジニアの体験談などのリアルな話を届けていきます。

BlockBase社について

英首相、作家のウィンストン・チャーチルの言葉「Now this is not the end. It is not even the beginning of the end. But it is, perhaps, the end of the beginning.」をビジョンに掲げ、ブロックチェーン関連技術のコンサルティング業務、同関連技術を活用したプロダクトの企画・開発を事業ドメインとして、2018年9月に設立。

日本初のNFTマッチングプラットフォームであるbazaaarを2019年1月に公開、注目を集めている。また、ERC-725 ALLIANCE の加盟メンバー。

BlockBase CEOの真木さんはTwitterでオオキマキ名義でも活動中。

BlockBase 公式HP
CEO 真木大樹 Twitter – ookimaki | Virtual Developer

ブロックチェーンエンジニアとしてのキャリア

— 今回はよろしくお願いいたします。最初に真木さんの簡単な自己紹介とブロックチェーン業界に携わることになったきっかけを教えて下さい。

真木:こんにちは。こちらこそ、よろしくお願いいたします。BlockBaseのCEOの真木です。ブロックチェーンに携わるまでは、外資系のSIerでパッケージの導入コンサルを行っていて、当時からお堅めなクライアントと要件整理や設計開発など幅広くやっていました。もともとブロックチェーンに携わっていたわけではないのですが、副業として2018年2月ごろから仮想通貨に投資したのがブロックチェーンとの出会いです。

— ちょうど取引所がハッキングされたという事件の直後なんですね。もう少し早くからブロックチェーンに携わっていたものだと思っていました。

そうですね。本当にタイミングとしては、すごい時期に参入しました(笑) 当時は市場そのものが、全体的にダウントレンドでした。そのとき思ったのは、コミュニティを盛り上げることが価値にもつながるのでは?と考えて、ブロックチェーン開発をはじめるようになりました。なので、ブロックチェーンの開発を本格的に始めたのが2018年4月になります。そこからCrypto ZombieなどのサービスでSolidityの学習に取り掛かりました。その後に何個か自作のdAppsをリリースしたりする中で楽しさを感じたことがきっかけで、本格的にブロックチェーン開発を始めました。

— Solidityの学習にすぐ入れたということは、元々コードを書いていたりなど、エンジニアの経験があったんでしょうか?

真木:前職ではエンジニア職ではなく、会社の新人研修でJavaScriptを学んだことがあるくらいでした。業務もマネージャーという立場だったので、自分で開発をするということはありませんでした。

— そこから、数々のプロダクトやDAppsを複数作ってきて、ブロックチェーンに触れて見た経験の中で何か気付きみたいなこととかはありましたか?

真木:よく色んな人が誤解していると思うんですが、ブロックチェーンは複雑だというイメージがありますよね。私は、ブロックチェーンは実際にはシンプルだと思っていて、それがブロックチェーンの良さだと思います。P2Pで取引が行われスマートコントラクトもデプロイさえすれば動くブロックチェーンはシンプルだと思っています。

— ブロックチェーンはシンプルであるとこれは実装してみないと分かりづらいことですね。因みに真木さんはブロックチェーン開発の学習はどのように行っていたのでしょうか?

真木:私はEthereumのSolidityから学習をはじめましたが、Ethereumは学習コストが低くとても助かりました。というのも、Ethereumのコミュニティは国内外問わず盛んですし、Solidity関連のドキュメントやリファレンスも豊富でした。躓いても、すでにStackOverFlowなどでも同じ内容がありました。ほとんどの躓きは先人たちが記録に残していたので、開発の学習は非常にしやすかったです。

BlockBase株式会社の設立とその舞台裏

— ブロックチェーンエンジニアというと現在だと、個人で受託をやっているようなフリーランスの人も多いですが、会社としてBlockBaseを設立したきっかけは何だったのでしょうか?

真木:会社を設立するまではフリーランスとしてブロックチェーンの受託開発をしていました。しかし、その中で言われたものをただ作るだけでなく、自分の思想を持った上でそれを実現できるエンジニアになりたい思い始めました。そのためにはフリーランスでは限界があり、クライアントと話しながら様々なものを実装していく「箱」として会社を設立しました。ですので、BlockBaseの事業としてブロックチェーン導入のコンサルティングを行っています。

— 確かにフリーランスと会社ではできることの範囲は変わってきますよね。コンサルティング事業でのクライアントはどういった企業が多いのでしょうか?

真木:実は、クライアントの業界はあまり絞っていません。最近だとHR系や医療系が多いですが、これから業界の幅をより広げていこうと思っています。特に、変わりつつあるブロックチェーン・仮想通貨まわりの法整備の流れも見つつ、技術とビジネスの両軸でコンサルを行うことも心がけています。

— クライアントがブロックチェーンを導入したいという要望は様々だと思うのですが、例えば、業界やクライアントによって導入するチェーンの選定はどうしているのでしょうか

真木:クライアントによってチェーン選択をすることももちろんあります。ただ、導入においてはEthereumでの開発が、ドキュメントやツールがそろっているということで一番やりやすいと感じています。EOSは確かに送金が速いですがガスやリソースに気を配らなくてはいけません。NEOはスマートコントラクトのデプロイに数十万円要する一方で、送金手数料は無料であるというメリットがあります。また、例えばNEOだとゲームのようにチェーンごとに得意・不得意な分野があるので、それに合わせる必要があると思って選定をしています。

自社プロダクト開発の方向性

— BlockBaseはコンサルティング事業はもちろん、最近発表されたbazaaarなど自社プロダクトのイメージも強いと思います。自社でのプロダクト開発に関してはどのような考えで作っているのでしょうか

真木:私たちは「仮説があればそれを検証する」というのが行動の基本になります。その検証を自分たちでやるかクライアントのところでやるか、という違いになります。今回のbazaaarですと、仮想通貨まわりのフワッとしている法律解釈を実際に開発することで整理してみることが動機でした。bazaaarにはゲームユーザーの方々から良いコメントをもらっていて、ユーザーのみなさんには大変感謝しています。

— 確かにプロダクトを開発することで見えてくるものは多そうですね。bazaaarがマッチングを可能にしているNFTは現在だと、ゲームでの活用が多い印象ですが、ゲーム以外のジャンルでの展開はあるのでしょうか?

真木:これからコンテンツ全体へNFTが使用されていき、法的な整備が整っていけばそこに入っていくプレーヤーが増えていくと思っています。少しずつデジタルコンテンツがNFTに移っていき、その交換ができるプラットフォームも増えていくと思っています。その中でbazaaarを使って業界全体を盛り上げていければと感じていますね。

— 業界を盛り上げるというと、話題が変わりますが、ORIGINのような海外企業との提携を昨年発表したと思いますが、どういう流れで提携にいたり、どういうことを一緒にやっていくのでしょうか?

真木:ORIGINとの話を先にさせていただきますね。HR系のクライアントとのお仕事をさせていただいた際に、パブリックなネットワークを作って個人評価システムを作りたいという声がありました。個人評価システムにはERC725トークンの相性がいいと思い、実際にいくつかプロダクトを出していたORIGINに注目しました。そのなかでORIGINのチームメンバーにアドバイスをいただき、そこから協力をしています。ERC725に興味を持っている人は多く、その中でブロックチェーン×アイデンティティという分野で様々な機関と協力していきたいと思っています。

海外企業ORIGINとの提携を2018年11月に発表済み

— 海外の事例を日本に展開しているということは、ERC-725の事例を日本から海外に向けて発信していったりもしていくのでしょうか?

真木:海外の企業やコミュニティから学ばせてもらっているという意識が強く、その中で私たちからも技術面でこれから貢献できればと思っています。コンサルティングをやりつつも、目に見えづらい技術的な部分も地道に行っています。

ブロックチェーンへの思い

— ここまで会社としての取り組みについて聞かせていただきましたが、個人としてブロックチェーン業界に携わってきて、良かったところ、苦労したなと思ったことに関して教えていただけますか?

真木:実際、ブロックチェーンのプロダクトは動かすまでのハードルは高いと思います。ハッカソンなどにも参加すると、「これ本当に動くのかな」とか心配することもあるとは思います。しかし、最初の一歩だけ踏み出せれば一気に勢いづくとも感じています。また、ブロックチェーン業界は変化が激しいため、キャッチアップが大変かつ軌道修正を必要とすることもありますが、その分長く続けれることが大事な分野とも思います。

— 確かに変化が激しい業界に間違いないですね。そんなブロックチェーン業界で、BlockBaseや業界全体について今後の展望を教えてください。

真木:会社としては仮説をたくさん立ててそれを検証していきたいです。その中で多くの業界のクライアントと様々な価値が作れればと思います。その中で開発力もビジネス力も上げていきたいと思っています。会社の収益を考えつつも、いい意味で遊べる余力を付けていきたいと思っています。

業界全体としては、やはりブロックチェーンを金融的な側面から切り離すことが大事です。また、Web3.0的な考えをエンジニア以外の人たちにも広げることが重要だと思います。その中で同じ思想を持った人たちが多く参加していくかとは感じてますが、実際これに関しては私もはっきりとはわからないので、これから模索していきたいです。

KITハッカソンに関して

–これからのBlockBaseさんの活躍も同じ業界の人間として楽しみにしております。ところで、今回の記事はKITハッカソンに向けてですが、協賛であるNEOの開発や検証もしたことがあるのでしょうか?

真木:当初は「中国版イーサリアム」と言われていたNEOがどういった共通点を持っているのかが気になり調べてみました。結果としては、スマートコントラクトをどちらも搭載しているだけでNEOは「中国版イーサリアム」とは呼べないと思います。適用が向いている分野も違いますし、ガバナンスの方法なども異なります。

— 確かに色々な記事でも「中国版イーサリアム」と言われていたものを見かけることは多かったですが、実際はそれぞれ異なるものですよね。NEOに関してエンジニアとしてはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

真木:私がNEOについて学習し始めた当時はまだNEOの情報も少なく、日本語文献の作成に協力するなかで自分で情報を集めていく楽しさもありました。先程も軽く話したように、NEOはチェーンの特性上ゲームに向いており、運営もその方向性を向いているので非常に良いと思います。

— NEOの日本語文献作成にも関わるなど積極的に情報発信にも参加されているのですね。最後に、これからハッカソンに参加する学生やブロックチェーン業界に入る人たちに向けたメッセージをお願いします。

真木:これからはブロックチェーンのそれっぽさを求めていくフェーズは終わり、ブロックチェーンの本質について考えていく必要があると思います。どのような価値があるかをしっかり考えるようにして、分かったフリはしないほうがいいかと思います。現状の技術力に満足しないで、その中で時には自分を否定して改善案を考えていくようなことも必要かと思っています。

終わりに

最初は仮想通貨投資からブロックチェーンに触れたという真木さん。自身で色々と学習していくうちにその魅力に取り憑かれていく様子が、今回のインタビューでも感じ取れたと思います。そんな、真木さんのエンジニアとしての体験談やブロックチェーンに関しての意見などを聞くことができた非常に良い機会となったのではないでしょうか。

今回、インタビュー中でも触れたKITハッカソンは、3月21〜23日にKIT(金沢工業大学)が主催しNEO Global Development協賛するブロックチェーンハッカソンです。

「目に見えない資産をデジタルにどう伝えるか」をテーマとして開催され、事前学習としてNEOやIOST、Uniqys Kitのハンズオンも実施されます。興味のある方は是非とも下記ページをご参照ください。

ハッカソンの詳細はこちら

インタビュー : アラタ , 文字書き起こし : フジオカ

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