近畿大学ACT x IOST財団 共催、2日間の教育 x ブロックチェーンハッカソン
アラタ | Shingo Arai
IOST財団日本担当(太田真)が進めてきた「ブロックチェーン無償教育プログラム」の一環として、近畿大学電子商取引研究室の森山先生と計画をしてきました。
ハッカソンの2日目には、参加した学生が自分たちの二日間の成長の個人発表があります。そして一番頑張った(成長した)と思う学生に”投票アプリ”で投票します。この投票アプリは研究室の院生がブロックチェーン技術を取り入れてつくりました。
このブロックチェーン教育ハッカソンの目的は2つとなっています。
- ・プログミング未経験学生にプログラミングをしてもらう
- ・スマートコントラクト(*)を使ったプロトタイプをつくる
*ブロックチェーン上で動くプログラム
ハッカソン一日目
1日目の企業登壇では、hachidori 株式会社の四方田雅人 (*) / デザイナーに着想・発想からプロダクト開発の工程について話していただきました。
*17歳でファッションブランドを立ち上げ、ブランディングのために自らWEB制作を始める。その後も、ITとファッションの間で様々な事業を経験。hachidoriに入社し、デザイナー・エンジニア・顧客対応・マーケティング・戦略立案を担当中。
四方田デザイナーは、プロダクト開発 は ”まだ見ぬものを作ること” 、そして ”良いコードを時間をかけて書くよりも動くコードを早く書いた方が良い場合もある” と学生にアドバイスしました。
ブロックチェーン技術の基礎とIOSTプラットフォームのスマートコントラクト・ハンズオンはエバーシステムの和田代表と宮崎エンジニアが担当しました。
4つのチームが4つのプロダクト開発に挑む
今回は下記4つのチームが4つのプロダクト開発に着手しました。
- IOSTicket — クーポン発行アプリ
- TASM — 入退室管理システム
- Good Job! — プライバシーポリシーの可視化
- 健康志向 — 健康データ
途中経過の発表を挟んで作業を続けました。
ハッカソン二日目(最終日)
二日目の企業登壇はプロダクトを製品化するために必要な法的知識、スタートアップとして起業することを専門家がアドバイスをしました。
Jim Maricondo — WAVE Financial
スタンフォード大 コンピュターサイエンス修士課程終了。元ConsenSysの日本GMとして企業とブロックチェーン技術の実証実験を実施。シリコンバレーでのテックスタートアップの事例を紹介。
高井雄紀 弁護士 — 法律事務所ZeLo・外国法共同事業
ZeLoはブロックチェーン技術を活用したプロダクト開発、ビジネス・暗号資産に関するサポートを提供。ブロックチェーン技術を活用したプロダクトのプライバシーポリシーについて説明。
個人の成果発表 〜この2日間で自分がどう成長したか
ハッカソンに参加した学生はこの2日間で成長したことをひとりずつ発表しました。
11歳からプログラミングを独学で学んできた学生から、プログラミング経験のない農学部、経営学部の学生も参加しました。
個人発表の項目
- プログラミング歴
- ハッカソン中の作業内容
- 成長したところ
発表の後に、森山研究室の院生がつくったブロックチェーン技術を使った投票システムで、一番頑張ったと思う学生に、参加者みんなが投票しました。
学生の名前をドラック&ドロップするだけで簡単に投票ができました。
一番投票を得たのは、今回初めてブロックチェーン技術の理解とプログラミングに挑戦した近畿大学農学部の学生でした。おめでとう!
投票一位を獲得した学生の個人発表
プログラミング歴
Node-Red(2日間)、C言語(2時間)
成長したところ
この二日間で起こったすべての出来事が成長につながりました。
プロダクトの発表へ
すべてのチームがスマートコントラクト(ブロックチェーン上で動くプログラム)をつかったプロトタイプのプロダクトをつくりました。
TASM
入退室管理システム。MACアドレス(個人デバイス)をハッシュ化して、アクセスポイントとの接続と切断を入室/退室として記録する。
近畿大学電子商取引研究室で実装する予定です。
IOSTicket
クーポン発行アプリケーション(スマホ対応)。名前を入力するだけでブロックチェーンのメインネットアカウントを作成する。
発行者(企業・イベント主催者など)や利用者が履歴を確認できる。コミュニティの自然発生を促す。
Good Job!
企業ウェブサイト(URL)のプライバシーポリシーの履歴を記録します。アプリケーションをブックマークとして追加できます。
ITの巨人たちがわたしたちの情報を扱うことを可視化する。
健康志向
心拍数などの健康データを記録します。疾患をもったひとたちがオープンに交流できるコミュニティ形成を促す。
このチームには近畿大学OBで遺伝医療情報プラットフォームのスタートアップを起業したひとが参加しました。
多くのハッカソンでは、動く成果物(プロダクト開発)までつくることは稀です。今回IOST財団と森山先生と決めたハッカソンの2つの目標を達成することができました。
・未経験の学生にプロダクト開発でプログラミングをさせる
・プロトタイプ(スマートコントラクトで動くもの)をつくる
達成したの言うまでもなく”参加”した優秀な学生たちです。