VR・ARを用いた仮想世界の創造とは?Mark.Space(マークスペース)へのインタビュー!

2019/02/27・

Yuya

VR・ARを用いた仮想世界の創造とは?Mark.Space(マークスペース)へのインタビュー!

Mark.Space(マークスペース)は、VRやARを用いた仮想世界の開発に取り組んでいるプロジェクトです。

マークスペースが提供する仮想世界の中では、居住区に自分のアパートを設けたり、暗号通貨MRKを用いてデジタル空間内でのオンラインショッピングなどをすることができます。

今回クリプトタイムズは、そんなマークスペースの東京オフィスを訪問し、プロジェクトの詳しい内容や開発状況について詳しく聞いてきました。

Mark.Spaceってどんなプロジェクト?

ユニットには仮想住宅や店舗などが設置でき、将来的にユーザーは現実世界にいる感覚でデザインやショッピングを楽しむことができるようになる見込みとなっています。

今回は、そんなマークスペースの近未来的なプロジェクトの進捗状況や計画について詳しく取材してきました。

Mark.Space東京オフィスに訪問!事業内容を取材

今回は、マークスペースジャパン代表取締役のシャモフ・ドミトリーさんと、取締役の原田 健太郎さんがインタビューに応じてくださいました。

シャモフ・ドミトリー氏 マークスペースジャパン取締役: モスクワ出身・日本在住のドミトリー氏は、マークスペース以前は日露間のライセンシングビジネスに携わっていた。

原田 健太郎氏 マークスペースジャパン取締役: マークスペース以前は暗号通貨関連のLINE@やブログ、セミナー等の運営に携わったほか、ロシアのプロジェクトに日本のマーケティングや資金調達等の援助を行ってきた。

–本日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まずは、マークスペースが行っている事業について詳しく教えてください。

原田さん: マークスペースは、本拠地をロシアに置くプロジェクトで、VRやARといった技術を用いて「バーチャル世界にもう一つの地球を作ろう」というものです。

マークスペースのバーチャル世界には、街や店舗、家はもちろん、逆に現実世界には存在しないような世界も存在します。

マークスペースでは、このようなファンタジー・ゲーム風の空間も作り上げることができる。

仮想世界の建物やオブジェクトは現実世界のもののように利用することができます。例えば、マークスペースは現在、自動車メーカーのランドローバーと提携して、当社の自動車ショールームを仮想世界内でデモ制作しています。

将来的には、こういった仮想世界内の店舗区域でユーザーが実際にオンラインショッピングをすることができるようにしていきます。

私たちマークスペースは、VRのプラットフォームビジネスの先駆けになりたいと考えています。ユーチューバーがコンテンツを展開する場所がユーチューブであるように、マークスペースもVRを利用した「コンテンツクリエイター向けの箱」になろうとしています。

マークスペースの仮想空間は「ユニット」と呼ばれるもので区切られています。このユニットは上限30万ユニットとなっています。ユニットの数に上限を設けることで土地価格の差が発生し、現実世界同様「あの区域は土地が高い/安い」といった現象が起こることを見込んでいます。

ユニットはマークスペースの暗号通貨「MRKトークン」で取引でき、Unitex(ユニテックス)という自社取引所ですでに取引可能となっています。また、MRKトークンを法定通貨に換金するスキームもすでに整っています。

マークスペースでは現在、居住区ユニットと呼ばれる仮想住宅だけが利用可能となっていますが、将来的にはショッピングや教育、娯楽などといったことも仮想空間内でできるようにすることで「現実世界でやっていることをどこでもできるように」していきたいと考えています。

仮想世界でのショッピングでは、自身のアバターを通して商品を試着したりできるようにし、通販と連携することで商品が実際に届くシステムを構築しています。また、学校やライブなど、本来であれば外出しなければいけない行事をVRを通して行えるようにもしていきたいと考えています。

マークスペースのプロジェクトチームは約70名ほどで構成されており、日本では私たちを含めて4名が活動しています。また、マークスペースはすでにファッション・アパレル業を主とする150社ほどと提携を結んでいます。

ドミトリーさん: また、私たちのプロジェクトは、ショッピングによる手数料や仮想世界内での広告掲載料、ユニットの改築などにおける手数料を主とした収益モデルを計画しています。

ブロックチェーン技術の導入について

–マークスペースはブロックチェーン技術を取り入れているとのことですが、これを使う理由はなんなのでしょうか?一般的な中央集権型のデータベースで良いのではないでしょうか?

ドミトリーさん: マークスペースでは、トランザクションやユニットの所有権の記録などに分散型台帳を用いています。ユニットを誰が所有しているのかブロックチェーン上で確認できるほか、モノの売買や手数料のやり取りなどを全てスマートコントラクトを通してブロックチェーン上に記録していきます。

また、将来的には仮想世界のグラフィック処理を「分散型レンダリング」でまかなっていくことも計画しています。マークスペースの膨大な仮想空間を一度に数千人のコンピューターを使ってレンダリングしていく、というものです。もちろん、このレンダリングに対する報酬はMRKトークンで配布していく見込みです。

–MRKは現在、イーサリアム上のトークンという形ですが、今後独自のチェーンを構築していく予定などはありますか?

ドミトリーさん: もともと作る予定はありましたが、今は模索中という形ですね。チーム内では、ステラーに移行するという話も検討されています。

–住居やショッピングの場となる「ユニット」の売買はMRKトークンで行えるとのことですが、法定通貨での支払い等を導入していく予定はありますか?

原田さん: 一応、マークスペース内のサービスは全てMRKトークンで決済されることになっていますが、ブロックチェーン技術や暗号通貨にあまり詳しくない方にもわかりやすいように、表記的には「該当円分のMRK」を支払うという形になります。

また、ショッピングにおいては、外部サイトに誘導してモノを購入させることも可能な上、2020年に向けて、クレジットカードを登録して購入時に法定通貨をMRKに自動換金するシステムなども考えています。

もちろん、流通量を上げるために、MRK購入による商品割引なども考えています。

VR・AR技術はどう普及していくか?

–マークスペースを利用するには、やはりVRゴーグルがないとダメですか?

ドミトリーさん: そんなことはありません。ウェブブラウザ上からアクセスすることももちろん可能です。その場合はマウスやキーボードを使って画面上に表示される空間を移動する、という感じですね。

–VRやARってまだまだ広まっていないイメージですが、今後こういった技術は日本でどのように普及していくと考えていますか?

原田さん: VR技術はまだ大きく普及してはいませんが、着実に広まりつつあります。例えば新宿や渋谷にはVRパークやVRゲームセンター、VRジムなどがありますし、マンションの「VRモデルルーム」なんてものも少しずつ発展してきています。

自社が行なっていく展開としては、まずは洋服屋さんや自動車メーカーなど仮想空間と親和性の高い小売業から積極的に取り入れていこうと考えています。

企業だけに限らず、来年のグランドオープン後からは、個人の方でもハンドメイド商品を売り出すことなどが可能になります。ですから、仮想空間上でVRショップをオープンすることに興味があれば、価格の安い今のうちにユニットを購入しておくのも手だと思います。

ドミトリーさん: アップルやフェイスブックなどのテック大手が独自のVRゴーグルを出すという噂もありますね。これが本当にリリースされたら爆発的に普及も進むのではないかと考えています。

このように大手企業でもVR部門が増えており、仮想空間上の物体の質感や温度、重量がわかる技術を開発しようとしている企業なども出てきています。

–数々の企業がVR関連のプロダクトやサービスを提供し始めているんですね。グーグルなどの大企業が入ってきた場合、どのように差別化を行なっていきますか?

原田さん: マークスペースはこの事業に関する特許なども取得しているので、先行者利益的な面でとても強いと考えています。また、必ずしも競争していくというわけではなく、一緒に協力して成長していけるパートナーも積極的に探しています。

–最後に、投資家のみなさんに向けて一言お願いします。

原田さん: MRKトークンの価格はすぐに上がるようなものではないと思います。「0か100か」みたいな感じで、VR技術が普及すると同時に価格も動き出すのではないかと考えています。マークスペースは技術と実需の整ったプロジェクトなので、気長に楽しみにして待っていて欲しいです。

ドミトリーさん: また、マークスペースのトークンは現在4つの取引所に上場していて、今後有名な取引所にも上場する予定です。トークン価格は確かに大事ではありますが、MRKトークンはエコシステム内でのユーティリティがとても高いものであることも覚えておいて欲しいです。

まとめ

VRを利用した仮想世界で「もう一つの地球を作る」マークスペースは、とても近未来的なプロジェクトを実現しようとしていることがわかりました。

現実世界でいう土地にあたる「ユニット」を軸に、住居やVRショッピング、将来的には教育や娯楽など幅広いジャンルを仮想世界でカバーしていきたいとのことでした。

また、ブロックチェーン技術を導入することで透明性の高いユニット管理と、トークンをベースにした経済モデルを実装している点も興味深く感じました。

プレスリリースに基づいた情報によれば、オンラインショッピング機能もじきに正式リリースされ、以降アップデートを通してAIスタッフやアバターなどの機能がより充実していくようです。

Mark.Space公式ウェブサイトはこちら

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