見せかけの活況？ビットコインETFの取引高の裏に潜む真実

米中間の貿易戦争への懸念が高まったことを受け先週末にビットコイン（BTC）現物ETFの取引高が記録的な水準に急増しました。しかし、これは市場への新たな資金流入ではなく価格の急変動を利用した短期的な売買が活発化した結果と見られています。

10月10日、米国が中国製品に60%の追加関税を課す可能性が報じられると世界のリスク資産市場は大きく動揺。この影響でビットコイン価格は1日で約18%急落し投資家の間で売りと買いが交錯しました。

この結果、ビットコイン現物ETFの取引高は10日に97億ドル、週明けの13日には67億ドルに達しました。これは通常の1日平均である20億〜30億ドルを大幅に上回る水準です。

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しかし、この取引高の急増とは対照的にETFへの資金の純粋な流出入額は限定的でした。データによると取引高が97億ドルに達した10日の純資金フローはわずか570万ドルの純流出でした。これは多くの投資家が利益確定のために売却する一方で下落を好機と見た短期トレーダーが購入するというように、売りと買いが激しく交錯したことを示しています。

市場の混乱がやや収まった13日には、警戒感から資金を引き揚げる動きが強まり、3億2640万ドルの純流出となりました。

今回の出来事はマクロ経済の不確実性が高まる中でビットコインETFが価格変動を利用するための主要な金融商品として利用されていることを浮き彫りにしました。今後も貿易摩擦に関する緊張が続けば、ETFの取引高は高い水準で推移する可能性があります。しかし、持続的な価格上昇には、短期的な売買だけでなく、市場への安定した資金流入が必要となります。