BTC空売りで2億ドル利益。完璧すぎるトレーダーの正体に迫る

トランプ米大統領による対中関税の発表直前、あるトレーダーがビットコイン（BTC）の大規模な空売りで約2億ドルもの利益を上げたことが大きな話題となっています。

この完璧なタイミングは政策に関する未公開情報を利用したインサイダー取引ではないかとの疑惑を生み、暗号資産コミュニティで議論を呼んでいます。

この取引はGarret Jin氏と特定されたトレーダーが分散型取引所ハイパーリキッドで行ったものです。同氏はトランプ氏が11月1日から全ての中国製品に100%の関税を課すと発表する数分前にビットコインとイーサリアム（ETH）に対して想定元本7億ドルを超える空売りポジションを建てました。

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発表後、ビットコイン価格は約12万4000ドルから10万5000ドルまで急落し同氏は数時間で最大2億ドルの利益を確定させたとみられています。

この取引の背景からSNS上ではトランプ家関係者の関与を疑う声も上がりましたが、これを裏付ける公的な証拠はありません。Jin氏を名乗る人物はXで疑惑を否定。「インサイダー取引ではない」と主張しトランプ家との関連もないと述べました。

Hi @cz_binance, thanks for sharing my personal and private information. To clarify, I have no connection with the Trump family or @DonaldJTrumpJr — this isn’t insider trading.

— Garrett (@GarrettBullish) October 13, 2025

暗号資産におけるインサイダー取引の法的な扱いは複雑です。米国ではインサイダー取引の成立には、守秘義務に違反して得た重要な未公開情報に基づく取引であったことを証明する必要があります。

ビットコインは商品として扱われるためデリバティブ取引は主に商品先物取引委員会（CFTC）の管轄となりますが、立件には未公開情報へのアクセスやそれに基づく取引であったという具体的な証拠が不可欠です。

市場専門家の一部はこの価格急落が必ずしも単一の空売りだけが原因ではないと指摘しています。関税発表後には市場全体で約190億ドルという記録的な強制清算が発生しておりこれが価格下落を加速させたとみられています。インサイダー取引の真偽は不明ですが今後の市場は引き続き関税政策の動向やマクロ経済の状況に大きく左右される見込みです。