米FDIC、銀行のパブリックチェーン利用に関する従来方針を再検討

米連邦預金保険公社（FDIC）は、銀行によるパブリックブロックチェーンの活用を事実上規制してきた従来の方針を再検討する意向を明らかにしました。

これは、2023年1月に打ち出された暗号資産に対する厳格な指針が「過度に制限的であった」と認め、見直しに着手するという大きな転換を示しています。

FDICは今回、パブリック（パーミッションレス）チェーンそのものを全面的に禁止するのではなく、流動性や不正資金対策、サイバーセキュリティなどのリスク管理を徹底する「ガードレール」を整備しつつ利用を認める方向へ舵を切る方針です。

具体的には、従来の2022〜2023年の暗号資産指針を再評価し、銀行がパブリックブロックチェーンを決済や送金といった実務で適切に活用できるようにするための基準を検討するとしています。海外では既に複数の国が公共のブロックチェーン利用を許容していることから、金融業界では米国内でも技術革新を取り込む動きが進むのではないかと期待されています。

さらに、議会が推し進めるステーブルコイン法案と連動して、銀行に預けられたステーブルコイン準備金に対してパススルー型の預金保険を適用する可能性も検討される見込みです。

FDICは、フィンテック企業や暗号資産関連事業者を「銀行規制の枠内」に取り込むことでリスクを低減できるとし、かつての強硬な姿勢を緩和することが金融システム全体の安定性向上につながると判断したものと見られています。