イーサリアム(ETH)は生き残れるか？市場シェア最低水準からの復活なるか

時価総額で暗号資産（仮想通貨）第2位の地位を占めるイーサリアムですが、近年、競争の激化や内部的な課題により、その進路に大きな転換が求められています。Bankless共同創設者David Hoffman氏らはイーサリアムの課題と戦略的な転換について語りました。

イーサリアムが直面する課題は多岐にわたります。市場においてはビットコインの支配率が60%を超える一方で、イーサリアム（ETH）価格は3年前の史上最高値から大きく下落し、市場シェアも過去5年で最低水準まで落ち込んでいます。

これは、より低い手数料と高速な取引を提供する代替ブロックチェーンにユーザーが流れている現状を反映しています。技術・戦略面では、レイヤー2（L2）エコシステムの断片化が挙げられます。スケーリングの議論がL2ソリューションに偏りすぎた結果、ベースレイヤー自体の改善が遅れ多数のL2が互換性の問題を抱えたまま孤立して発展し、エコシステム全体の分断を招いています。

これら課題に対し、イーサリアムコミュニティは危機感を共有しネットワークを再活性化するための「戦略的転換」を進めています。その柱として、まずレイヤー1の再強化が挙げられます。遅れが指摘されたベースレイヤーのスケーリングに再び注力し、ガスリミット（ブロックあたりの計算量上限）を大幅に引き上げる計画が進行中です。将来的にはゼロ知識証明技術の導入により、分散性を維持しつつ処理能力を飛躍的に向上させることも目指しています。

イーサリアムは自らが抱える課題を認識し、技術、組織、文化、戦略の各方面で大規模な方向転換を図ろうとしています。これらの多岐にわたる取り組みが実を結び成功を収めるか、今後の具体的な進捗とその成果が注目されます。