パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの違いは?違いを徹底解説!
Crypto Times 編集部
こんにちは、まだまだ仮想通貨勉強中の家猫( @ieneko62 )です。
ブロックチェーンの仕組みとか技術的なことって難しいですよね。
しかも、ブロックチェーンには大きく分類して「パブリックブロックチェーン」と「プライベートブロックチェーン」の2種類あるんです(@_@)
今回は、両者の違いとそれぞれのメリット・デメリットについて、どこよりもわかりやすく徹底的に解説していきます!
目次
パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いを比較
比較表
パブリックチェーン | プライベートチェーン | |
---|---|---|
管理者 | 不在 | 単独の組織 |
透明度 | 高い | 低い |
ネットワークへの参加 | 誰でも参加可能 | 管理者による許可制 |
合意形成 | 厳格 (PoW・PoS・PoI等) | 厳格ではない |
取引速度 | 遅い | 速い |
仕様の変更 | 変更しにくい | 変更しやすい |
利用代表例 | Bitcoin Ethereum | mijin Hyperledger Fabric |
違いを分析する前に、前提知識としてブロックチェーンの取引承認(トランザクションの処理)のプロセスをおさらいしましょう。
ブロックチェーンの取引承認プロセス
- 記録 – PoW等の合意形成で選ばれたマイナーにより「ブロック(=複数の取引記録の塊)」が生成
- 承認 – ブロックはいくつかのマイナーやノードによる検証作業を経て、徐々に「承認」される
- マイナーやノード数が多いほど、検証作業が綿密なためトランザクションの正当性が高い
承認者はパブリックチェーンでは不特定多数の参加者・プライベートチェーンでは限定的
両者の最大の違いは、取引の検証作業を行う「承認者」の違いにあります。
パブリックチェーンは中央管理者が存在せず、取引データを分散・共有して不特定多数のノードやマイナーにより取引の検証作業が行われ、取引の承認がなされます。
パブリックチェーンの場合、誰でも自由にネットワークに参加することができます。
一方、プライベートチェーンでは中央に単独の組織が存在し、ネットワークに参加するには管理者に許可をもらわなければならず、限定的な一部のノードが取引の検証と承認を行います。
つまり、承認する人数の数は パブリックチェーン>プライベートチェーンという構図になります。
合意形成はパブリックチェーンでは厳格、プライベートチェーンでは厳格ではない
- 合意形成とは
- 取引の正当性を判断する人を決める方法。コンセンサスアルゴリズムともいう。
主にPoW(プルーフオブワーク)やPoS(プルーフオブステーク)PoI(プルーフオブインポータンス)などがある。
パブリックチェーンではPoWやPoS、PoIなどで厳格に選出されたマイナーがブロック生成を行います。
一方、プライベートチェーンでは、あらかじめ決められている特定のノードによりブロックを生成するため、厳格ではないといえます。
より厳格であるほど、取引の正当性は増します。
プライベートチェーンは金融業界での活用が期待されている
中央管理者が存在するプライベートチェーンでは、銀行や証券会社などの金融機関による活用が期待されています。
各顧客の取引情報(=プライバシー情報)の保護の観点と、取引処理の速さから金融機関とプライベートチェーンは相性がいいからです。
実際、既存の中央集権型を損ねずにブロックチェーンの仕組みを取り入れられるため、現在金融業界がプライベートチェーンの実証実験を行なっています。
パブリックチェーンの特徴・メリット・デメリットまとめ
【メリット①】分散化されていて透明性が高い
パブリックチェーンには中央管理者が存在せず、取引データを不特定多数の・ノードに分散・共有するP2Pネットワークの仕組みで成り立っています。
- P2Pネットワークとは
- サーバーを介さずノードを接続し、データを複数のノードに分散・共有する仕組み。これにより、一つのノードが故障やハッキングにあってもシステムは動き続けるゼロダウンシステムが実現した。
P2Pネットワークによりお互いが監視しあうことで信頼を分散化し、管理者がいない非中央集権が実現しました。
つまり、信頼関係のない間柄でも自由に個人間で価値のやりとりが可能となったのです。
なおかつ、ブロックチェーンは世界中に公開されており、非常に透明性が高く不正や改ざんが不可能といわれています。
【メリット②】正当性のある取引が可能
プライベートチェーンでは単独の組織が合意形成・承認等一連の役割を担います。
それに対し、パブリックチェーンでは、PoW・PoSなどの合意形成を経る、さらには不特定多数のノードによって取引が承認されるため、取引は綿密に精査されます。
不正や改ざんが不可能であり、正当性のある取引を行うことが可能となりました。
また、民主制のパブリックブロックチェーンでは、悪意のある仕様の変更が簡単にできない仕組みになっています。
【デメリット①】合意形成により処理速度が遅く、仕様の変更が難しい
パブリックブロックチェーンにおけるデメリットは、合意形成にPoW・PoS・PoIなどの厳密なプロセスを行うため、処理に時間がかかってしまうこと・コストが高くなってしまうことが挙げられます。
例えば、ビットコインであれば取引の処理に10分の時間を要します。そのため、金融機関などでの実用化が厳しいといわれています。
また、PoWであれば膨大な計算量をこなさなければならないので、消費電力がかかり環境に悪いことが問題視されています。
複数のノードで合意を必要とするので、仕様の変更が難しい点もデメリットの一つです。
これはがスケーラビリティの問題の解決が遅れている要因でもあります。
【デメリット②】プライバシー侵害のリスクがある
パブリックチェーンでは、参加者全員がデータベースを閲覧できるという透明性が高いシステムが故に、プライバシー保護の観点で問題視されています。
秘密鍵・公開鍵・ハッシュ関数によりIDが誰のものかわからないようになっていますが、もし所有者がわかってしまえば、取引履歴が完全に追跡され、残高等の情報が漏れてしまいます。
プライベートチェーンの特徴・メリット・デメリットまとめ
【メリット①】処理速度が速く、仕様変更が容易
プライベートチェーンでは、選ばれた信頼されているノードが承認を行うことが大前提となります。
限られた少数の信頼性の高いノードが合意形成から承認までの一連の作業を行います。
PoWなどの合意形成を行わないため、取引処理は素早く行われ、コストも安く済みます。
また、PoWnなどの合意形成を行わないということは、マイナー成功者に対してのインセンティブも不要です。
さらに、仕様変更には少数のノードの合意を得るだけなので、比較的容易に仕様変更することができます。
そのため、企業での実用化に向いているといえます。
【メリット②】プライバシー保護に優れている
プライベートチェーンでは管理人が許可した限られた参加者で運用しており、なおかつ管理人がブロックチェーンの情報の公開を自由に制限できるのでプライバシー保護の観点で非常に優れているといえます。
この点も、個人情報の漏洩を防ぎたい企業の思惑と合致しているといえます。
【メリット③】51%攻撃が起こらない
- 51%攻撃とは
- 悪意のあるマイナーが全体の過半数以上つまり51%以上を占めてしまうこと。悪意あるマイナーによってトランザクションはある程度操作されてしまい、正しい取引ができなくなってしまう。
プライベートチェーンでは検証者同士信頼関係が成り立っているので、同盟を組むことによる51%攻撃がおこることはありません。
【デメリット①】改ざんや不正が行われるリスクがある
プライベートチェーンでは、管理者による不正や改ざんが行われてしまうというリスクがあります。
メリットで挙げた仕様の変更が容易というのは悪意のある管理者に容易に仕様が変更されてしまうというデメリットでもあります。
単独の組織のみで情報を開示しているので、透明性が低いというのが問題点です。
【デメリット②】ノードの故障やウイルス感染に耐性がない
限られた少数のノードで運用しているため、パブリックチェーンほどノードの故障やウィルス感染に耐性がありません。
そのため、システムが停止してしまうという危険性が生じます。
コンソーシアムブロックチェーンとは
パブリックブロックチェーンとプライベートチェーンの中間の機能を持つコンソーシアムブロックチェーンチェーンというのもあります。
コンソーシアムチェーンはあらかじめ選出されている不特定多数ではない複数の組織や企業などが運用しているブロックチェーンです。
管理者が複数いるためパブリックチェーンより取引処理速度が速く、プライベートチェーンより改ざんや不正がしにくくなっています。
コンソーシアムチェーンは中央集権型のプライベートチェーンよりのシステムですが、参加人数を調節することで、パブリックチェーンとプライベートチェーン双方のメリットを持たせることができ、デメリットを解消することができます。
コンソーシアムチェーンを運用している代表的な通貨はRippleのXRPです。
企業の実用化には、中央集権型のプライベートチェーンとコンソーシアムチェーンが向いていると考えられます。
まとめ
パブリックチェーンとプライベートチェーン、そしてコンソーシアムチェーンについて解説してきました。
パブリックチェーンは誰もがネットワークに参加でき、非常に透明性の高いシステムなので主に仮想通貨プロジェクトの運用に向いているといえます。
プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンは、中央集権型でありプライバシー保護の要点も満たしている点で企業向けに実用化が検討されています。
どちらも一長一短ありますが、用途に合わせて利用すれば大きな効果が期待できるでしょう。
ブロックチェーンの可能性の広さに期待を抱かざるを得ません。