『Saito Network』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!

2021/04/22・

ユッシ

『Saito Network』の概要や特徴、AMAの内容をQ&A形式で解説!

電気やガス、道路などのインフラがなければ現在の我々の便利な生活が成り立たないように、ブロックチェーン業界がさらに発展するにはインフラが必要不可欠です。

本記事では、分散型インフラストラクチャーを提供するプロジェクト「Saito Network」について、先日CRYPTO TIMESホストで開催されたAMAの内容を元にQ&A形式で解説していきます。

・「分散型インフラストラクチャーについて知りたい」
・「Saito Networkについて知りたい」

といった方は是非最後まで読んでみてください。

目次

Saito Networkの概要

Saito Networkの概要

ティッカー/通貨名$SAITO/Saito
創設者David Lancashire、Richard Parris
主な提携先
時価総額
特徴マイナー以外にもユーザーにデータサービスを提供するノードにも支払いがされるブロックチェーンネットワーク
公式リンクWebサイト
Twitter
Telegram
Medium
Discord
Blog
Github

Saito Networkは、Web3.0のためのレイヤー1のオープンなブロックチェーンネットワークです。

ユーザーはプラグインやプライベートAPI、非オープンなインフラなしにブラウザ上でブロックチェーンアプリケーションの実行が行えます。

ビットコインのネットワークよりも安全性が高いとされるSaito Networkでは、マイナーやステーカーだけでなく、ネットワーク内でユーザーにデータサービスを提供するノードにも支払いが行われる点で注目されています。

Saito NetworkのAMA

今回のAMAにはSaito Networkの共同創設者のDavid Lancashire氏が参加してくれました。

自己紹介

私の名前はDavid Lancashireです。カナダで生まれ、アメリカ(バークレー校)の学校に通いました。その後、長い間中国で暮らし、働いていました。

中国ではビットコインを始め、Richard Parris(共同設立者)と出会いました。彼に最初のビットコインをベーコンで売ったこともあります。

1. Saito Networkとはどんなプロジェクトなのですか?

Saitoは「攻撃者に2倍のハッシュ化を強いるが、手数料は1/3しか払わない。」という新しいバージョンのビットコインネットワークのようなものです。

つまり、Saito Networkでは51%攻撃が存在しません。さらに残ったお金はP2Pネットワークのノードにいきます。つまり、P2Pネットワークにもお金を払うわけです。

2. プロジェクトの最もメジャーなポイントはなんですか?

51%アタックを無くすことはとても重要なことです。なぜかというと、多くの人が気付いていないPoWやPoSに存在している経済的攻撃を排除できるからです。

例えば、ハッシュ/ステークをレンタルして、稼いだお金でさらにレンタルするようなことが現在の仕組みでは可能ですよね。また、他のマイナーやステーカーとチームを組んで、小さなマイナーをいじめて利益を増やすことも出来てしまいます。

もっと明らかに改善すべきなのは、ユーザーに何十億ものデータ提供をしなければならないサーバーへの支払い方法が突然現れたことです。

他のネットワークでは未だサーバーにお金を払わなければなりませんし、帯域幅にもお金を払わなければなりません。

他のブロックチェーンは追加料金も請求します。あるいは、マイナーやステイカーからお金を奪います。それも、誰にお金を払うのが適切かを選んだり考えたりする機会も無くです。

これらの点においてSaitoの方がはるかに優れています。余分な料金はかからず、適切な人にお金が支払われます。

3. Saito Networkはどんな問題を解決できるのですか?

PoWやPoSの経済問題は、他の人がコストとしてお金を払うこと(損失の社会化)で、世の中の人々がお金を稼ぐこと(利益の私物化)ができてしまうために起こります。

これを表す1つの例として、ブロック生成者(コストを将来に転嫁する)が挙げられます。他の例としては、マイナーやステーカーが挙げられます。彼らは、他の人がお金を払って彼らのために集めたお金から、自分達の利益を稼いでいます。

ビットコインの初期には、ブロックチェーンが小さかったので、これらは問題になりませんでした。そして、ボランティアがP2Pネットワークを運営していました。

しかし今では、サーバーを運営するにはコストがかかります。また、誰かが損をしないと動かないネットワークは、スケールさせることができません。

Saitoはこれらの問題を解決するのです。だからこそ、うまくいきます。

4. 競合と比較した際の強みを教えて下さい

このような経済的な問題を実際に解決したプロジェクトは他にありません。

ビットコインは「この問題を解決できないから、小さくならざるを得ない。」と言っています。イーサリアムのような他のチェーンは「解決する方法はわからないが、企業は支払い方法を見つけるだろう。 」と言っています。

ビットコインが小さいままであることの問題点は誰もが知っていますよね。また、民間企業に支払いを依頼してもうまくいかないことを理解している人は少ないでしょう。なぜなら、企業は物を無料で提供したくないからです。

Saitoではこれらの問題を、人々にお金を払って、人々にお金を集めてもらうことで解決しています。これが秘訣です。難しいのは、これを非常にセキュア(安全)にすることです。

しかし、このソリューションは、私達が前述したような問題を抱えていないことを意味します。

そういう意味では、ライバルはいませんね。また、経済的にも他のアプローチよりはるかに優れています。なぜなら、2倍のセキュリティを持ち、ルーティングサーバーに支払う2倍の余分な費用も必要ないからです。

つまり、バイトあたりのコストが4倍も安くなるのです。

5. Web3がSaitoのページでは多く見られますが、Web3 Foundationとはどのような関係がありますか?

Web3 Foundationは、私達のWeb3ゲームのオープンスタンダード開発を支援してくれています。

彼らと共同で行っている具体的な取り組みとして、カードを配ったりサイコロを振ったりすることができるゲームの開発を行っています。(これらのゲームは、Saito Arcade で試すことができます。)

この助成金の他の側面として、Polkadotのような他のブロックチェーンやプロジェクトへのサポートも追加しています。これは素晴らしいことです。Saitoのゲームは、人々がPolkadotで取引するNFTを使用します。Win-Winの関係になりますね。

6. Infuraは度々サービスがダウンしますが、Saitoはこのような問題は持っていませんか?

ここで1つゴシップを話しましょう。

これは、スタンフォード・ブロックチェーン・カンファレンスで得た数字ですが、人々がイーサリアムネットワークに支払う手数料の約80%が徴収されています。これは、InfuraがMetamaskによって使われているからです。つまり、基本的に独占状態なのです。

これは悪いことで、80%の手数料を集めれば、その気になれば80%のマイナー/ステーカーを動かすことができてしまいますよね。これは80%攻撃といえます。

「ETHが分散化されている」というのは冗談です。彼らは1つの会社が運営するマシンをたくさん持っていますが、それを修正する方法を知りません。

Saitoはそれを修正します。(Saitoでは、徴収手数料が支払われることを忘れないでください)

Infuraがやっていることは、あなたが普段お金を稼ぐのと同じ方法です。だから競争が激しいのです。

7. Infuraはトークンがついていないが、Saitoはインセンティブを与えることで、Infuraからユーザーを獲得できますか?

問題は、Infuraがトークンを持っているかどうかではありません。トークンを持っていてもこの問題は解決しません。

問題は、Infuraがサーバーの運営に多くのお金を費やしていることです。そして、彼らはお金が必要です。しかし、彼らはすべてのTXSを無料で提供してお金を稼ぐことはできません。そのため、ユーザーに追加料金を請求するか、TXSの販売を開始する必要があります。

どちらもイーサリアムを殺すことになります。勝ち目のない状況です。

では、Saitoがこの問題を解決するかというと、答えはYESです。

Saitoのノードを運営している人たちは、TXSを集めることで報酬を得ています。他の人の代わりに使ってもらえるなら、無料でイーサリアムのノードを運営します。最終的には、SaitoがInfuraに取って代わる可能性もあります。

コミュニティからの質問

– なぜ”Saito”というチーム名なのですか?

インセプションを見ましたか?

渡辺謙が演じている役です。我々はこの映画を愛しています。

繋がりもあります。このことについて作ったビデオを紹介します。

そして、Saitoと日本とのつながりを忘れていました。リチャード・パリス(共同設立者)は、日本で多くの時間を過ごしました。彼がここにいないのは残念です。

彼は福岡を愛しています。

– 中期的なチームが主にフォーカスするのは何ですか?近い将来、RUSTが採用されると思いますか?

私達の開発の優先順位は下記です。

1. web3ゲーミングで、人々がDOT、BTC、ETHなどの他の暗号通貨を使って私たちのゲームをプレイできるようにする。これは他のチェーンを助け、我々を助けることになります。

2. アーケードを構築して、より多くのユーザーと取引量を獲得する。1と同じですが、Saitoに焦点を当てています

3. 非常に高速なコアRUSTクライアントを作る。私たちはすでにこれを構築しています。RUSTは共有メモリと並列処理のためです。

– Saitoトークンのユーティリティをおしえてください

私たちの長期的なビジョンを説明します。

ユーザーがSaitoが作ったアプリを使うことを想定しましょう。ユーザーは、広告を表示するSaitoアプリも実行します(Braveのようなものですが、誰でも広告モジュールをリリースできるため独占的ではありません)。

広告主は広告を見てくれたユーザーにトークンを支払い、ユーザーはそのトークンを使ってネットワークを利用します。ISPはユーザーをサポートするアクセスポイントを運営しています。

これは、インターネットのより良いバージョンです。広告主は、Facebookではなくインフラストラクチャーにお金を払っています。

広告主はユーザーのためにだけはなく、アプリケーションのためにネットワークを利用することになるでしょう。なぜならアプリケーションがネットワークを使うことで、1バイトあたりのコストを他のものの4倍程も安く抑えられるからです。

あなたが十分な数の取引をSaitoで行えば、あなたのISPは無料でオフチェーンのインターネットを提供してくれるかもしれません。あなたがネットワークを使うと、彼らはお金をもらえることも忘れないでください。

素晴らしい質問だと思いました。

– 15分間のポーカーゲームでは、どのくらいのトランザクションが発生しますか?(4人のユーザーによるポーカーゲームの場合)

それはシャッフルがオンチェーンなのかオフチェーンなのかによります。現在のシステムでは、4人、5人、6人となるにつれて、トランザクションのボリュームは大きくなっていきます。

長期的には、このようなことをすべてオンチェーンで行う必要はありません。ブロックチェーンを使ってIPアドレスや暗号化キーを交換して、ゲームデータはオフチェーンにすればいいのです。

大規模なグローバルスケールでは、多くのアプリケーションはほとんどのデータをオフチェーンにプッシュするでしょうし、ブロックチェーンは銀行とSSL接続を行うように、暗号鍵の生成と交換に使用されるでしょう。

– SaitoのサイトやLightpaperではEconomicsに関して多く触れられてますが、どのような関係があるんでしょうか?

これはとても難しい質問です。BIGな答えで回答してみましょう。

ビットコインは何が新しかったのでしょうか?すべての技術は以前から存在していましたよね。

実際に新しかったのは、ネットワークが自分自身で支払いをすることだけです。企業や政府にコストを支払ってもらう必要はなく、ネットワークは自給自足だったのです。サーバーを削除すれば、誰かがサーバーを追加してくれますよね。

自給自足だからこそトラストレスなのです。だからこそ、価値があるのです。

トラストレス(自給自足)のネットワークでなければ、その上に価値を築くことはできません。ネットワークをコントロールする人や企業が、Appleがアプリから収益を得るように、上の層から価値を搾り取ることが可能だからです。

では、ビットコインとはいったい何なのでしょうか?それは公共財です。排除されないデータネットワークですが、お金を配っています。これは経済的な問題です。

51%アタック、Discouragement アタック、スケーラビリティ・トリレンマ……これらはすべて、人々がお金をめぐって争うことで起こる問題と言えます。

経済問題を理解することは、なぜ開発者が閉鎖性を加えることで問題を解決するのかを教えてくれます。なぜなら、人々がお金を集めることができないようにしなければならないからです。

Infura?それは閉鎖です。誰がTXSを手に入れるかをコントロールしています。

ブロックサイズの上限? それは閉鎖です。将来にコストをかけすぎないようにするためのものです。

難易度の高い問題は、閉鎖を加えずに非排除型の財を支払うことです。

Saitoの解決方法は経済的です。なぜなら「方法はこの1つしかない」と言っているからです。その方法とはお金を人々に払ってお金を集めるのことで、この仕組みならば攻撃側は常に損をします。

他の企業は複雑で閉鎖的なネットワーク層を構築して、ある人には攻撃しにくく、他の人には攻撃しやすくしています。

( 本当に難しい質問でしたね 。私の答えがどのくらいわかりやすいかは正直わかりません。 )

私は大学院レベルの経済学のバックグラウンドを持っています。ほとんどの開発者は「必要なものがあれば市場が支払ってくれる」と考えており、このような問題について考えていません。

しかし、市場は公共財にお金を払うわけではありませんよね。

– 開発者のコミュニティをどのように成長させていくつもりですか?(Hackathon、ITNなど?)

ゲームはある程度のトランザクションボリュームとコミュニティを得ると思います。そして、コミュニティがデベロッパーを引き付けるでしょう。そして、トークンの価値が高まることで、その両方が助かるはずです。

私たちは、サプライチェーンや医療分野のプロジェクトに取り組んでいる企業をいくつか所有しています。どれが成功するかしないかはわかりませんが、それが成長と利用の原動力にもなります。

私たちは、効果のあるものに時間を使うようにしています。

– 最後に

エコノミクスに関しての質問がありましたが、これが最も重要だと思います。

PoWとPoSにはマーケットにおける欠点があります。だからこそ、これを補うために複雑なコードが必要なのです(そして、なぜかいつも壊れてしまうのです)。この問題を修正することこそが「解決策」といえます。

最後に私が日本にいたときは、ビットコインのカンファレンスに参加していました。2017年ですかね。

開発者たちは皆「マイナーはネットワークにお金を払わないと、お金をもらえない 」と言っていました。

しかし、それはマーケットが正常に作動するための正しい仕組みではありません。あなたが払うなら、なぜ私が払わなければならないのか?払わない方が儲かりますよね。だから誰も払わないのです。(これはあまり人気のあるトピックではありませんが笑。)

開発者は「ネットワークには価値があるんだから、お金を払うのは当然だ」と言います。病気になった後の医療についても同じように言うでしょう。彼らは問題を見ようとせず、技術的な回避策のみを構築したいのです。

– 後からパッチを当てる(問題を解決するために何重にも重ねる)よりも、病気と同じで、根本から予防した方がいいということでしょうか?

その通りです。

これは映画「インセプション」ともつながってくる話です。最も深いレベルで問題を解決する、そうすれば、他のすべてが解決します。

Saitoは「お金を集める」という行為を「マイニングする」という行為に変えました。報酬を得るための費用が非常に高くなり、誠実なノードはわずかなお金を集めるだけです。そして攻撃者の90%以上は燃やされます。

ノードは、お金を稼ぐことではなく、価値を生み出すことにフォーカスします。ほとんどの開発者は、これを馬鹿げた議論だと捉えており、マイニングに価値があると思っています。

しかし、私に言わせればマイニングに必要なお金を集めることが価値であり、マイニングは単なるセキュリティ機能なのです。

本当の価値とは、ユーザーに料金を払ってもらうことです。それがネットワークの収益となり、ネットワークを存続させます。自給自足のトラストレスです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

Saitoが取り組んでいる領域は、今後のブロックチェーン業界で注目されていく分野の1つと言えるでしょう。

仮想通貨業界の動向を知るためにも、Saitoの情報をチェックしていくのも良いかもしれません。

今後もCRYPTO TIMESでは、仮想通貨の様々な情報を発信していくので、是非積極的にチェックしてみてください。

-Saito Network 公式リンク-

Webサイト:https://saito.io/
Twitter:https://twitter.com/SaitoOfficial
Telegram:https://t.me/SaitoIO
Medium:https://saitoofficial.medium.com/
Discord:https://discord.gg/QjeXTC3
Blog:https://org.saito.tech/blog/
Github:https://github.com/saitotech/saito-lite

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