イーサリアムのSepolia/Holeskyテストネットfaucet完全ガイド|概要や請求方法を解説
さっちゃん
イーサリアムには、アップグレードやDAppsの開発用に使用するテストネットがあります。
2024年5月現在稼働しているテストネットはSepoliaとHoleskyの2種です。
それぞれのテストネットで使用するETHトークン(Sepolia ETH/Holesky ETH)が発行されており、トークンを無償で供給(faucet)するサイトから配布を受けることができます。
- イーサリアムにはどんなテストネットがあるの?
- イーサリアムのテストネット用トークンは簡単に入手できる?
- Sepolia/Holesky ETHのfaucetのやり方を知りたい
こんな疑問や要望をお持ちの人に向けて、この記事ではイーサリアムのテストネットの概要と、faucetの具体的なやり方を解説しています。
イーサリアムのテストネットに興味がある人は、早速Sepolia/Holeskyネットにアクセスして、トークンをfaucetしてみましょう。
目次
イーサリアムテストネットSepolia/Holeskyのfaucetとは?
イーサリアムにはメインネット以外に2つのテストネットが稼働しており、メインネットのアップグレードのテストやDAppsの開発に利用されています。
ここではSepolia/Holeskyの2つのテストネットと、そこで使用するトークンのfaucetについて概説します。
- イーサリアムテストネットSepolia/Holeskyのfaucetとは?
Sepolia/Holeskyはイーサリアムの2大テストネット
イーサリアムのテストネットはイーサリアム財団によって運営されています。歴史的に複数のテストネットが並列に動いており、2024年5月の時点ではSepoliaとHoleskyの2つのネットワークが稼働中です。
イーサリアムメインネットのアップグレードのテストはもちろん、イーサリアム上での展開を狙う多くのプロジェクトがSepolia/Holeskyを利用しています。
Sepoliaは2021年から運用されているテストネットで、DAppsやスマートコントラクトのテストで使用されています。バリデーターとしてSepoliaネットに参加することが難しいため、ステーキングのテストなどはできません。
Holeskyはバリデーターとしての参加ができるので、Sepoliaよりも広範な使い方が可能です。
以前はGoerliというテストネットが稼働していましたが、2024年3月のDencunアップグレードの完了とともにサポート終了になり、その後をHoleskyが引き継いでいます。
faucetでテストネット用のETHが無料で獲得できる
サイト名 | URL | faucet量 |
---|---|---|
QuickNode | https://faucet.quicknode.com/drip | Sepolia:0.05 Sepolia ETH Holesky :0.05 Holesky ETH |
Tatum | https://tatum.io/faucets | Sepolia:0.002 Sepolia ETH Holesky :0.002 Holesky ETH faucetできるのは24時間に1回 |
Beware Labs | https://bwarelabs.com/faucets | Sepolia:0.025 Sepolia ETH Holesky :0.025 Holesky ETH faucetできるのは24時間に1回 |
テストネットで使用されるトークンはETHですが、使用はテストネット内に限定されています。SepoliaネットのETHはSepolia ETH、HoleskyネットのETHはHolesky ETHと呼ばれます。
テストネットを利用してガス代を支払うためには、Sepolia/Holesky ETHトークンを入手しておくことが必須です。
Sepolia ETHやHolesky ETHは、特定のサイトから無償で受け取ることができます。これをfaucet(蛇口)と呼びます。
テスト用のトークンをfaucetしてくれるサイトは複数あり、そこにアクセスして自分のウォレットにSepolia ETHやHolesky ETHを送ってもらえば、テスト環境で使えるトークンが入手できます。
1回あたりのfaucet量は少量で、24時間に1回のみfaucet可能などの制限を設けているサイトが多いのですが、いずれのサイトでも無償でトークンが配布されます。
テストネットへの参加でエアドロップされるプロジェクトもある
Sepolia ETHやHolesky ETHはテスト環境のみで使えるものです。基本的には金銭的な価値はないので、Sepolia ETHやHolesky ETHを毎日faucetして換金する、という戦略は成り立ちません。
しかしプロジェクトによっては、テストネット上でDEXやDAppsを使用してくれたユーザーに対してエアドロップを行う場合もあります。
テストネットでの操作にはコストがかからないため、リスクゼロでエアドロップが受けられる方法として注目されています。
Sepolia ETHやHolesky ETHは、イーサリアムをターゲットにしたプロジェクトのテスト版を試してみる際に必須になるので、事前にfaucetして準備しておくことは重要です。
ただし、テストネット上での試用に対してエアドロップがあることを事前に明言するプロジェクトはほとんど無い上に、エアドロップが無いままテストが終わってしまう場合も多いので、確実性がいまひとつであることは否めません。
Sepolia/Holesky ETHトークンのfaucetの方法
ここからは、Sepolia ETH/Holesky ETHトークンのfaucetのやり方を解説します。
自己のウォレットに対してfaucetサイトからトークンを送金するだけなので、手順はシンプルですよ。
- Sepolia/Holesky ETHトークンのfaucetの方法
ウォレットをSepolia/Holeskyテストネットに接続する
最初に、faucetしたトークンを管理するウォレットを、SepoliaあるいはHoleskyのテストネットに接続します。こちらでは、最もメジャーなMetaMaskを例にしてテストネットの接続方法を解説します。
ブラウザの拡張機能からMetaMaskを起動してログインし、MetaMaskの画面の左上にある「ネットワークを選択」のメニューを開きましょう。MetaMaskと接続可能なネットワークが一覧されます。
「テストネットワークを表示」がOFFになっている場合は、ONに変えれば接続可能なテストネットが表示されます。
2024年5月の時点でSepolia ETHのテストネットはすでにリストにあるので、ここでSepoliaを選択すればSepolia ETHのネットワークへの接続は完了です。
手動でのネットワーク追加によるテストネット接続
ネットワーク名 | Ethereum Holesky |
---|---|
新しいRPC URL | https://rpc.holesky.ethpandaops.io |
チェーンID | 17000 |
通貨記号 | ETH |
ブロックエクスプローラーのURL | https://holesky.beaconcha.in |
2024年5月の時点ではHolesky ETHは接続可能なネットのリストに入っていません。その場合は、ネットワークに関する設定情報を手動でウォレットに登録します。
接続するテストネットの設定情報を登録するには、「ネットワークを選択」の画面下部にある「ネットワークを追加」のボタンをクリックしましょう。「ネットワークの追加」のページがブラウザで開くので、下部の「ネットワークを手動で追加」を選びます。
接続するネットワークの設定情報を入力する画面が表示されるので、情報を入力して保存を選択すれば、以後はネットワーク選択のリストに表示されるようになります。
Sepolia/Holesky ETHトークンのfaucet手順(QuickNodeの場合)
Sepolia ETH/Holesky ETHのトークンのfaucetの手順を、QuickNodeからのfaucetを例に説明しましょう。QuickNodeは、さまざまなネットワークのトークンをもっとも簡単にfaucetできるサイトのひとつです。
まず、QuickNodeのfaucetのページを開きます。
「Select your chain …」で「Ethereum」、「Select your network …」でSepoliaあるいはHoleskyを選び、トークンの送金先のアドレスを入力して「Continue」をクリックしましょう。
QuickNodeのアカウント作成などでより多くfaucetできる勧誘などが表示されますが、興味が無ければ「No thanks …」を選択します。
しばらく待つとfaucetが完了するので、ウォレットでトークンの増減を確認しましょう。
- faucetするにはメインネットに0.001ETH以上が必要!
- QuickNodeとTatumでは、Sepolia ETH/Holesky ETHをfaucetするためには、イーサリアムのメインネットに0.001ETH以上を保有している必要があります。利用者確認の一環で保有額のみチェックしており、faucetによりメインネットのETHが減ることはありません。
Sepolia/Holeskyテストネットとfaucetに関するよくある質問
ここまでSepolia/Holeskyテストネットの特徴と、トークンのfaucetの手順について解説しました。faucetがどんなものかしっかりイメージできましたよね。
最後に、Sepolia/Holeskyテストネットとトークンのfaucetに関してよく出る質問にまとめて答えていきましょう。
- Sepolia/Holesky ETHトークンのfaucetの方法
faucetされたSepolia/Holesky ETHはトレードできる?
faucetで得たSepolia/Holesky ETHトークンはそれぞれのテストネット内でのみ利用できます。
売買はできず、テスト環境以外で有効な他のトークンへの交換はできないため、Sepolia/Holesky ETHトークンをトレードして金銭的利益を得ることは基本的にはできません。
faucetされたSepolia/Holesky ETHはメインネットで使える?
faucetで得たSepolia/Holesky ETHトークンをメインネットにブリッジする方法はありません。
そのため、イーサリアムのメインネットでSepolia/Holesky ETHトークンは使用できません。
Sepolia/Holeskyテストネットはいつまでサポートされる?
テストネットはメインネットと異なり、永続するものではありません。使用される技術の変化やテストされる機能の変遷に伴い、スクラップ&ビルドが繰り返されるのが一般的です。
Sepolia/Holeskyの2つのテストネットも同様で、Sepoliaが2026年、Holeskyが2028年のサポート終了が想定されています。
ただし、テストネットの利用状況や後継ネットの準備の進捗などにより、サポート終了の時期が変わる可能性は十分にありますよ。
まとめ
- イーサリアムのSepolia/Holeskyテストネットfaucetのまとめ
- イーサリアムはSepolia/Holeskyの2つのテストネットが稼働中
- faucetにより無償でSepolia/Holesky ETHトークンを入手できる
- テストネット上で開発中のプロジェクトを試用することが可能
この記事では、イーサリアムの2つのテストネット(Sepolia/Holesky)の概要と、faucetの具体的なやり方を解説しました。
faucetで入手できるSepolia/Holesky ETHトークンは基本的には価値がありません。しかし、テストネット上で開発中のプロジェクトを試してみるには必須です。
成長しそうなプロジェクトを探している人、推しているプロジェクトに早期から貢献したい人は、Sepolia/Holesky ETHトークンのfaucetを利用してテストネットに参加しましょう。