モバイルウォレットアプリ Trust CEO Viktor氏へ独占インタビュー
Shota
CRYPTO TIMESでは、TrustウォレットのViktor氏にインタビューを先日、行いました。
Trustウォレットとは、EthereumやERC20上のトークンなどを一括で管理することのできるウォレットアプリです。
本記事では、今回行ったインタビューでViktor氏に語っていただいたTrustウォレットの特徴や魅力などを詳しく紹介させていただきます。
目次
今回インタビューを行ったViktor氏の紹介
Viktor Radchenko氏は、Trust Walletの創設者です。
彼は以前の会社で起業経験があったため、Trustウォレットの2人の正社員という少ない人数にも関わらず、現在彼がCEOを務めるTrustウォレット設立後、すぐに開発を進めることに成功しました。
Trust ウォレットの特徴
Trustウォレットは、ETHやETC、ERC20やERC223などのイーサリアム上の20000以上のトークンに対応するモバイルウォレットです。
このウォレットでは複数のアドレスを切り替えて使用することもできれば、一つのアドレスですべてのICO参加やエアドロップを済ませることができます。
開発は、以下の例にあるようにユーザーが直感的に使いやすいと感じるUXとシンプルなUIの提供を軸に行われています。
- 行われている/承認待ちのトランザクションが一目で確認が可能
- データベースがローカルストレージに保存されるので極めて安全
- Dappsのブラウザー搭載でMetamaskのように面倒な操作や設定なしでDappsの利用が可能
他のETHウォレットとの比較
イーサリアムのモバイルウォレットは他にもToshiやCipher、imTokenなど様々なものが存在します。
日本語対応 | TouchID | Dappブラウザ | メッセージ機能 | |
---|---|---|---|---|
Toshi | × | × | ○ | ○ |
Trust | ○ | ○ | ○ | × |
Cipher | × | ○ | ○ | × |
imToken | × | ○ | ○ | × |
上のテーブルは他のモバイルウォレットとの比較になります。
上の4つのモバイルウォレットのすべてを利用しましたが、それぞれが提供するサービス・機能に大きな差はない中でもTrustは圧倒的なユーザビリティを誇ります。
Viktor氏へのインタビュー
– – 今回はインタビューありがとうございます。まず、Trustウォレットの概要を教えてください。
Viktor : TrustウォレットはETH、ETCやCalisto、ERC20やERC223のあらゆるトークンを扱うことのできるウォレットです。またERC721もcollectable(Dappsゲームのアイテムなど)として保管することができます。ここではすべてのERC20トークンに対応しているという点が極めて重要です。
– – 他のトークンは対応させないのでしょうか?
Viktor : 現在ではその予定はありません。理由としてDappsのブラウザーが機能としてついており、0xやKyber NetowrkなどのDEXとリンクさせることでそこから他のトークンへと交換ができるからです。
– – 確かに、ユーザーとしてはERC20に全て対応していて、その他には対応していないと分かれば使いやすいですね。ToshiやCipher、imTokenなどの競合に関してはどう考えていますか?
Viktor : それらのETH系のウォレットアプリは競合であると考えていません。まず開発のベクトルが、その他のウォレットは機能の拡充であるのに対して、Trustウォレットは(ユーザーが利用する)機能の拡充は現段階では既に完了しています。Toshiが現在の機能を実装するまでに2年間を費やしたのに対して、Trustは7ヵ月でこれを終え、現在では既にUI / UXの改善に努めています。
– – 今後はユーザーが利用する機能の追加は行わないのでしょうか?
Viktor : 現段階では、それぞれが持つ長いアドレスだと個人を判別できないことが多いので、プロフィール機能のようなものの実装を考えています。アバターやプロフィール写真、ENS(Ethereum Name Service)を利用して、友人や家族などで利用するときに個人が判別できれば、皆がわかりやすく便利になると考えています。
また、EOSのメインネットのローンチ後にはEOSのウォレットへの追加も考えています。EOSのトランザクション速度や機能はユーザビリティを劇的に向上させることのできる可能性を秘めているためです。
– – 日本の市場に関してはどう考えていますか?
Viktor : アメリカでは人口の約8%が仮想通貨を保有していると言われていますが、実際に利用している層はほぼ存在せず、仮想通貨は資産としてしか扱われないことがほとんどです。日本の市場はそういう意味では多くの店が決済に対応していて、仮想通貨を利用している人が多く魅力的です。先日、日本語化に対応したのもそれが一つの要因です。Dappsゲームへのアクセスがシンプルであれば、利用者の増加も十分に見込める市場だと思います。Crypto Tittiesなどのユーモアのあるゲームの登場もまた、Dappsゲームへの入り口を広げるものとなると考えています。
– – 日本は確かに子供から大人までスマホでゲームをプレイしているイメージですね。この点でDappsゲームの普及に関して、いまどのような展望がありますか?
Viktor : Trustはユーザーが仮想通貨の使い道を見出すためのシンプルさを最も大事にした、にユーザーエクスペリエンスの向上を目指しています。POA NeworkやThunder Tokenなどを利用し、ゲーム内のトランザクションでのスケーラビリティ問題を解決しストレスを与えないことが一つ、さらにインターフェースにおいては既存のAppstoreなどで見かけるアプリと判別がつかないようなデザインを目指しています。
また、多くの機能をつけすぎてしまうとそれぞれの管理が面倒になり、それがユーザビリティの低下に繋がります。ユーザーが一目でこのウォレットで何ができるかを理解できるようなデザインに仕上げることで、それが最終的なユーザー獲得につながると考えています。
– – セキュリティに関してはどう考えていますか?
Viktor : Trustウォレットはソースコードが全て公開されている(オープンソース)ため、ウォレット自体のセキュリティは問題ありません。更に他のプロトコルやPOA Networkなどの採用で個人の評価を加えることで、匿名であると同時に評価を組み込むことに成功した、より高度なセキュリティを保つことができると考えています。
– – 今回はありがとうございました!